気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

The Housemaid by Freida McFadden

2023-03-05 12:51:14 | 読書感想

刑務所を出所した元犯罪者に対して世間はきびしい。10年の服役後、社会に復帰した私は懸命に就職活動をするが、面接後の身元調査で犯罪歴が明らかにされて不採用を告げられる日々が続いている。ここ一か月は、家賃を支払うことができず、家を追い出され、おんぼろ車が我が家になっている。
そして今、私はシャンデリアの吊り下げられた部屋で、豪勢な皮のソファーに座り、家政婦募集の広告をネットに出したこの豪邸の主婦Nina Winchesterとの面接に臨んでいる。
このような豪邸に住む主婦が、私の身元調査をしないはずがない。私は採用される可能性は殆ど無いと思いながらも、注意深く作り上げた家政婦経験が豊富である偽の経歴書を示しながら掃除も料理も得意であることや子供好きであることをアピールする。私は足を折り曲げて眠る車の座席から解放されて、ゆったりと足を伸ばして眠るベッドが欲しい。そして車にはないトイレも。もちろん、三食の食事。私のすべての欲求を満たす、この仕事を私は何としてでも欲しい。私は必死に雇ってくれるよう訴える。
面接のあと何の連絡もないまま1週間が過ぎ、私は私の身元調査が行われ、不採用になったと判断して次の就職活動を始める。そんなとき彼女から採用の知らせが来る。彼女のような大金持が私の身元調査を行わないのか不審に思いながらも、ありがたく私はその仕事を受ける。
勤め始めた私はNinaの気分の移り変わりの異様さに気づく。ある時は私を抱きしめて私の仕事ぶりを褒めてくれたかと思うと、次の瞬間、やるように言われた仕事をしていないと突然怒りだす。私が言われていないと反論すると絶対に言ったと断言して解雇すると脅す。また車で寝泊まりする生活に戻るのは嫌なので私は謝りじっと耐える。そんな中、彼女の気まぐれに翻弄される私に気遣いを見せてくれる夫のAndrewに、私は好意を感じ始める…彼女に知られたらこの仕事を失うことになるので絶対に恋してはいけないと自戒しながら。

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プロットが初めて見る構成の仕方でよくできている。思わず、えっと言ってしまうほどの予想もしなかった展開で、先が気になって一気に終わりまで読ませてしまう。

物語は、いきなり殺人の罪で刑事に逮捕されそうだというモノローグで始まる。そして3ヶ月前に物語は遡る。どこかで冒頭の事件が起きるという結果が見えているので、ヒロインの頑張りや心情に共感度が増していくにつれ、先を読むのをやめたくなる気持ちとこれだけの仕打ちを受ければ起きるべくして起こった事だと思いながら、どこでヒロインの怒りが爆発するのかドキドキしながら読んでいった。

kindle読み放題で読めるので会員の方なら絶対にお勧めします。面白いです。

Kindle版 ★★★★★ 325ページ 2022年出版