気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Hallowed Ground(Julie Collins #2)by Lori Armstrong

2018-11-24 14:22:42 | 読書感想

Julie Collinsは、数か月前のある事件をきっかけに保安官事務所の事務員を辞め、幼馴染のKevinが開いている探偵事務所のパートナーとなり私立探偵になる。テレビに出てくる探偵と違い、単調な書類の調査にうんざりしている時、Tony Martinezが探偵事務所に彼女を訪ねて来る。彼女は地元では悪名高い暴走族のリーダーであるMartinezの危険な魅力に内心惹きつけられていた。彼は、JulieにネイティブアメリカンのChloeという少女を探して欲しいと依頼する。Chloeは彼の用心棒を勤めるHarveyの妹Rondelleの娘で、彼女が行方不明になってからHarveyが仕事が手につかない状態になっていると話し、Julieとは犬猿の仲であるHarveyには内緒でやって来たとJulieに告げる。Martinezは母親のRondelleの話として、親権問題でもめているChloeの父親のDonovanが保育園からChloeを連れ去ったとJulieに告げる。

Donovanは会いに行ったJulieに娘を連れ去った理由を話す。数週間前、彼は正体不明の男たちに襲われ、彼らからカジノ建設工事に関して彼らの命令に従わないとChloeの命がないと少女の写真を見せて脅迫されたと告げ、娘の身を心配したDonovanは彼らの手が彼女に及ばない場所に娘を連れ去ったと話す。最近、ネイティブアメリカンのある部族が自らの居留地の中にカジノを作ろうとしていて、彼はその建設工事の現場監督を任されていた。その土地はJulieの殺された兄Ben達、Lakota族にとって神聖な地と崇めている土地でもあった。当然、彼等部族は建設反対の運動を起こし、さらに他の場所でカジノを経営している犯罪組織や、東海岸から進出してきたマフィアなどが客を奪われることを懸念して妨害行動を起こしていた。

彼の話には説得力があり彼女がどうすべきか悩み始めた時、何者かが彼を銃撃する。彼の主張に親近感を抱き始めた彼女は目の前で彼が撃たれたことでパニックになる。しかし、現場での警察の事情聴取の後、善良な男を銃撃した犯人に対する怒りが徐々に膨れあがり、彼女は彼を介抱している時についた血塗れの姿のまま彼女が犯人だと確信する男の元に急行する。

そして彼女はカジノをめぐる複雑に入り乱れる紛争の渦中に巻き込まれていく。

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彼女のキャラクターが面白い。娘を連れ去った父親の電話に連絡するよう伝言を残しても一切電話してこないと憤るMartinezに対して、私だってギャングのリーダーである男になんて怖くて電話などしないと内心でつぶやいたり...事件現場で呆然としている彼女に、保安官が彼女を思い遣って「水でも持ってきてやろうか」と言ったのに対し、『ついでにタバコも』と答えて保安官を呆れさせたり等々。また、銃撃された瀕死の男の傍で泣きながら介抱するひ弱な女性という一面と、犠牲となった人々への想いから沸き起こる怒りから凶悪な相手に対しても怯むことなく決然と行動する強い女性の一面。その両面性を持っているところが魅力的。

テキーラ、タバコ、そしてベッドを共にする男(今回はミュージシャン)、この3つは彼女の不可欠であるよう。そしてKevinという幼なじみの男、彼女の生活に彼は絶対不可欠であるがベッドを共にしないという関係を保ち、常に彼のバックアップを期待している。しかし、今回は彼の影は薄く、代わりにMartinezが彼女の心の支えになっているように見える。二人の関係がどうなるのか、今後が気になる展開だった。


E-book(Kindle版)★★★ 344ページ 2006年11月出版 435円(2018年11月購入)


投稿日現在、Kindle版無料! Blood Ties by Lori Armstrong

2018-11-03 11:29:33 | 読書感想

Julie Collinsは14歳の時、泥酔していた男が起こした交通事故で母親を亡くす。運転していた男がネイティブアメリカンだったことから父親は彼らネイティブアメリカンを嫌悪するようになる。しかし、父親はネイティブアメリカンの女性と浮気して、Ben Standing Elkという息子を認知していた。19歳になったBenが初めて父親の彼を訪ねて来た時、認知したことで息子との関係は終わったと思っていた父親は冷酷な態度で彼をあしらうが、JulieはBenと兄妹の絆を深く築いていく。

3年前、喉を切られたBenの死体がBear Butte峡谷で発見される。ネイティブアメリカンに対する差別意識がある地域で捜査が進まないことを懸念したJulieは、将来を約束された仕事を投げうってSouth Dakota に戻り、自ら犯人を突き止めようと保安官事務所の秘書の仕事に就く。公開されていないBenに関する捜査資料を密かに盗み見ることができると信じて…そして今、何の手がかりを得ることがなく時が過ぎて事件は迷宮入りとなる。ネイティブアメリカンが殺されたことに対する人々の無関心に彼女は苛立ち、怒り、絶望感から彼女はテキーラ、タバコ、そして男遊びを彼女の生活のサイクルとする。しかし、Benに対する想いは忘れることはなかった。

そんな時、喉を切られた16際の若い女性の死体が峡谷で発見されたという報告が保安官のもとに来る。JulieはBenと同じ手口で殺されたこの事件が彼の事件と関連しているかもしれないと思い興奮する。彼女は保安官にこの事件と併せてBenの事件も再捜査するよう要求するが、保安官はすでにBenの事件は完璧な捜査の上迷宮入りになったとして拒否する。そして彼女がこの事件について探偵まがいのことをして捜査に介入してくるなら、彼女を直ちに無給の停職処分とすると警告する。

保安官の態度に苛立ち、怒りを感じながら帰宅した彼女は、彼女を待ち受けていた、幼なじみのKevin Wells  と出会う。彼はこの小さな町で探偵事務所を開いていて、彼女は彼の要請でときどき彼の仕事を手伝っていた。保安官はそのことに不満だが、仕事を辞めるよう要求することはなかった。

Kevinは 彼が峡谷で発見された少女の行方を突き止める仕事を依頼されていたと話す。そして彼は、殺された少女は彼女とKevinの2つ年上の高校の先輩Shelleyの娘Samanthaであると話し、彼女にこの事件の調査に加わるよう要求する。少女が殺されたことで調査は終わったのではと考える彼女に、Kevinは明日、依頼人に一緒に会うよう言い、その時に理由が分かると彼女に説明する。

翌日、Kevinの事務所で彼女は依頼人と会う。依頼人はSamanthaの恋人で大学生のDavid,彼の父親は皆から嫌われている傷害事件専門の弁護士Charles LaChance。依頼人の若さに戸惑う彼女は、彼が話すSamanthaが直面していた事実にショックを受ける。2か月前、その事実を発見した彼女は衝撃を受け彼に電話し、大学から会いに戻った彼は動転した彼女を鎮めることができなかった。そして2週間前、彼女は家出して、その後、死体で発見されるまで何処にいたかわからなかった。Davidは、彼女が行方不明になる直前彼女と電話で話すが、その時、彼女は今までと違って落ち着いていたと話し、何が彼女に変化をもたらしたのか知りたいと彼らに話す。DavidからSamanthaの苦悩している問題を知らされたJulieは彼女自身が直面している問題との類似性を感じ、彼女に親近感を持つ。そして、我々の調査は犯人探しではなく、彼女がどこで何をしていたかを突き止めることだというKevinの説得を無視し、殺された彼女の無念を想い、犯人を突き止めようと事件に深入りしていく。

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満身創痍のヒロイン、手がかりを求めて容疑者と疑われる相手に心ではビビリながらも真相をつかみたいという欲求に勝てず単身乗り込んでいく。何かの場合、相棒のKevinが助けに現れることを期待して。そこで相手から無茶苦茶に殴られる、しかしめげずに捜査を続けるタフさにビックリ。

酒とタバコ、そして男と遊ぶ、弟の仇を討つという割に猥雑な生活を送っているなと思い、最初、このヒロイン好きでなかったが物語が進むにつれ彼女の芯にある信念、強さに惹かれていき、読み終わった後は次の物語を読みたくなった。とてもユニークなキャラクターで魅力的だった。

E-book(Kindle版)★★★ 373ページ 2005年出版 無料(2017年購入)