気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Stay With Me by Alison Gaylin

2015-05-10 08:46:36 | 読書感想

Missing personの調査を専門とする私立探偵Brenna Spectorの13歳の娘、Mayaは上級生のLindsay達からsleepover(お泊まり会)に誘われる。そこで彼女はブランディーを飲むように勧められる。始め拒否していたMayaだが、彼女たちから、彼女が好意を持っているMilesという上級生が、彼女のことを大人ぽいと誉めていたと聞いて、つい飲んでしまう。しかし、初めてのアルコールの強さに耐えきれず、彼女はその場で嘔吐してしまう。酒を飲むようにけしかけていたLindsay達は、その様子をWebcamを通してMilesに見せていた。Mayaは、すべてが彼女を貶めるためにLindsay達が仕組んだ罠だったことを知る。彼女は屈辱と怒りを感じながら酔いでもつれる足で彼女たちのあざけり笑いを後にしてその場を逃げ出す。Mayaは、Lindsayとの友情を信じた自分の愚かさに泣き、このビデオをLindsayたちがほかの生徒達に見せて彼女を笑い物にすることを考え、絶望に打ちひしがれる。 Mayaは、冷たい雨にうたれながら、悄然と家路へと向かう。

11歳の時に行方しれずになった姉の行方を探すために私立探偵になったBrenna。以来、どんなかすかな手がかりでも姉に関する情報を得ると、その情報をもとに姉の行方を探し続けていた。今回も、姉の持ち物が玄関先に置かれていることに興奮し、また、姉の行方探しをはじめる。

しかし、ある夜、娘のMayaが行方不明となったことで事態は一変する。MayaはBrennaと父親のJim宛に、「今の自分は幸せではない。私は新しい友達を見つけた、その人と幸せな生活を送る。どうか探さないで」というメールを送ってくる。
Brennaは、メールは、誘拐犯が無理矢理書かせたと思いながらも、メールの内容にショックを受け、一抹の不安を覚える。
目撃者の情報から、Mayaは青い車に自ら乗り込んで行方をくらましていた。ちょうど、20数年前、姉のCleaが行方をくらましたときと同じように。Brennaは姉と同じようにMayaも永遠に行方不明となるのではという不安に苛まれながらも、娘の生還に全力をあげることを決意する。

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And She Was,Into The Darkに次ぐ私立探偵Brenna Spectorの3作目。

ちょっぴり大人になった気分を味わいたい13歳という微妙な年頃の子供の心情、そして親には隠し事などしないはずと想っていた子供が自分達に秘密を持っていることにショックを受ける親の心情がよく描かれている。

さらに、自分のMayaへの想いはBrennaに負けないと想いながらも、実の母であるBrennaとJimが結束して娘を取り戻そうとしているように感じ、疎外感や嫉妬心を持ちはじめるFaithの心情。MayaがネットでBrennnaの姉への執着を話し、自分より姉の方が大事なのでは?、という思いを話していることを発見して、もしかしたらMayaは自発的に家出したのでは不安に思ったり、Mayaはすでに殺されているのでは悲観的になったり、Brennaの希望から絶望への心の揺れの描き方がうまく、ぐんぐんと物語に引き込まれていく。

手がかりを探して犯人に迫ろうとするBrenna達、手がかりを消して行方をくらまそうとする犯人、双方の駆け引きがテンポよく進み、特に、誘拐物特有の時間の経過とともに緊迫感が増していく展開に、楽しく読めた。また、終わり方は衝撃的だが、読んだ後、ほのぼのとした気持ちになった。
前作の内容がちらほらと見えてしまうので、前作を読んでみようと考えているなら前作から読んだ方がいいと思う。

 ★★★★ Kindle版  384ページ

 


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