気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Live by Night by Dennis Lehane

2013-07-06 09:58:01 | 読書感想

2013年MWA賞 受賞作

禁酒法の時代、酒の密輸、潜り酒場、カジノ経営などに暗躍するギャング、そして、それらの事業を賄賂をもらうことによって黙認する警察官がはびこる時代。

ボストンに住むJoe Coughlinと彼の友人は、13歳でストリートギャングになり、20歳になる今、キューバからのラム酒の密輸や非合法な酒場、カジノを経営するTim Hickeyの手下となっていた。ある日、彼らはTimのライバルAlbert  Whiteの経営するカジノを襲う。そこでJoeはEmma Gouldという女性に出会う。銃を突きつけられても平然と振る舞う態度と彼女の美しさに 彼は一目惚れしてしまう。一緒に襲撃した仲間から 彼女はAlbertの愛人であると言われたにも関わらず。

その後二人は 頻繁にデイトするようになっていった。
JoeはEmmaに愛していると告白するがEmmaは彼と寝ているにもかかわらず決して愛しているとは言わない。Joeは自分はまだ未熟で一人前の男と Emmaに認められていないことを知り、彼女に認められ、愛されるような男になることを決心する。

そんなある日、Albertの配下と思われる者によって、ボスのTimが暗殺される。二日後、AlbertがTimが運営していたカジノにやってきてJoeに Timの事業はすべて自分が受け継ぐから この町で今までのような仕事は一切するなと警告する。
窮地に陥ったJoeはEmmaの提案に従って二人でTimの顔見知りが多いメキシコ国境の町へ駆け落ちすることを計画する。
その資金づくりのため、彼は隣町の銀行を仲間と襲う。が、逃走中、パトカーに追跡され、追尾していたパトカーは大破し同乗していた警官二人が死亡する。かろうじて逃げ延びたJoeは、夕刊の一面トップに銀行強盗の記事が彼らの似顔絵とともに載っており、直ちに逃げなければならないことを知る。

JoeはEmmaとの駆け落ちは無理だと考えるが、一目彼女に会ってからと思い、彼女に会いに行く。
しかし、そこで待っていたのは Albertとその手下だった。Joeの命乞いと交換に、Emmaは土壇場で彼を裏切り、Albertにすべてを打ち明けていた。
Albertは二人の裏切りを許さず、とくにJoeが自分の承諾なしに勝手に銀行強盗を実行したことに怒っており 見せしめのためにも二人を殺すよう命令する。

裏切られながらもEmmaのことを心配するJoeを救出したのは 警察幹部の父親Thomasだった。
さらにThomasは、警官殺しは重罪であり12年の刑が相当と考えている検事に彼の不正を見逃す代わりにJoeの刑を軽減するよう求め,刑を5年に短縮させる。

刑務所に収監されたJoeは そこで米北部の裏社会で絶大な力を持つマフィアのボスMaso Pescatoreと出会う。
2年後、出所したJoeはMasoの指令を受け、フロリダのTampaにあるMasoの利権を維持することを委ねられる。
Tampaの中心都市Ybor cityに着いたJoeは、Ybor cityという市の名前の由来がVincente Yborという葉巻業者の名前から来ていることを知り、何時の日かこの町を、いや、この郡をCoughlin Countyと呼ばれるようにしたいという野心を抱く。
しかし、そこには賄賂を受け取らない署長、アルコールは悪だと主張し潜り酒場を襲撃する白人至上主義者、そして宿敵のWhite の配下など 彼の野心を妨げる障壁が待ちかまえていた。

***********************************************************************

自分はOutlawと主張していた男が、自分の利権を確保するためなら冷酷非常な手段をとるようなGangstarになっていく。物語は面白かったと思うけど、ミステリーというよりはGodfatherのような犯罪小説。

しかし、彼がフロリダ周辺の裏社会を牛耳るマフィアのボスになっていく過程が描かれていく背後にサブテーマが隠されていて、読み終わった後、それに気づきしばらく呆然としてしまった。・・・ちょっと深読みかもしれないけど、そうでも考えないとMWA受賞、納得できないな。

★★★☆
 


コメントを投稿