気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

the Woman in Cabin 10 by Ruth Ware

2017-08-20 15:02:29 | 読書感想

イギリスの旅行雑誌の記者Laura Blacklock(Lo)32歳、酔って家に帰って寝込んでしまった彼女は自分が戸締りをきちんとしたか覚えていない。早朝4時、飼い猫によって眠りから目覚めた彼女は家に忍び込んでいた泥棒とばったり会ってしまう。泥棒は彼女を寝室に閉じ込め家捜しを始める。彼女は泥棒が彼女に害を加えるのではないかと思い、寝室のドアを開けられないように恐怖に震えながらも、ドアの取っ手を両手で抑え、彼がそのまま立ち去ることを願って、じっと彼の行動に聞き耳をたてる。そして、翌日、錠前屋に鍵を付け替えさせるが、泥棒は同じ家に繰り返し入る可能性が高いと彼に言われ、また泥棒が侵入することを心配して、何度も何度も戸締りのチェックをするが、不安から夜寝付けなくなる。

そんな寝不足な中、彼女は、上司の女性が産休のため、初めて豪華クルーザーの処女航海のレポートを任せられる。普段は記事の編集に携わっていて、観光地などを訪ねる取材などはしたことがない彼女は、昇進のチャンスと思ってこの仕事に張り切る。乗船初日、晩餐会に参加するための身支度を整えようとした彼女はマスカラを持参してないことに気付き、隣の10号室の若い女性からマスカラを貸してもらう。

晩餐会で他の参加者との交流を心がけょうとしたがうまく立ち回ることもできずに、いたずらに深酒をしてしまった彼女は部屋に帰るとすぐに寝入ってしまう。深夜、何かの音で目覚めた彼女は、隣の10号室のベランダの戸が開き、人間が海に落ちたようなスプラッシュ音を聴く。様子を窺いにベランダに出て、隣の10号室のベランダを覗き込んだ彼女は、ベランダの手すりに血の痕のようなものがついているのを発見する。彼女は何者かが死体を海に投げ込んだと思い、自分が殺人の目撃者であることに恐怖に震えながら、直ちに船のスタッフに連絡する。しかし、やってきた警備スタッフの男に事情を説明してベランダの血痕を見せようとした時、彼女はベランダに血痕が付いていないことに唖然とする。さらに10号室に向かった彼女はその部屋が使われた痕跡がないことに呆然とする。彼女はこの部屋には若い女性がいたと主張し、彼女から借りたマスカラを証拠として見せるが、警備の男は明らかに彼女の証言に懐疑的な態度をみせ、10号室は誰にも使用されていない空き部屋だと告げる。

翌日船内のすべての乗員、スタッフに会った彼女は、彼女のあった女性が船内の何処にもいないことを知る。さらに彼女は警備担当の男から、彼女が当時相当酔っていたことや彼女が精神安定剤を常用していることなどを指摘され、彼女の目撃談は彼女の妄想であると暗に指摘される。

彼女は10号室の女性は殺されて海に投げ落とされたと確信し、この船には殺人鬼がいるという事態にうろたえる。そして、誰も10号室の女性の存在、彼女が殺されたことを信じない時、唯一の目撃者である自分が次に殺されるのではとパニックになりながら、自らの身を守るためにも殺人者がだれか突き止めようとする。

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史上最弱なヒロイン。超怖がり屋、不安神経症  閉所恐怖症、恐怖に怯えてすぐ泣く アル中気味。 酒を飲むと翌朝の目覚めが悪い、深酔いすると何があったか覚えていない。そのたびに酒はもう飲まないと決意するのだが・・・・心配事を紛らわすためについ飲んでしまう。自分に起きた出来事、たとえば泥棒に会った恐怖、恋人との喧嘩などについて何度も何度も頭の中で繰り返し思い返しては、その恐怖や後悔に頭がパニックになる。

そんな人間としても記者としてもダメ人間であるヒロインが直面する事態に怯え、泣きながらも事態を打開しようと奮闘する姿に引き付けられて最後まで面白く読めた。プロットもよくできていて、物語の最後もにやりとさせる終わり方でよかった。


E-book(Kindle版)★★★★ 345ページ 2016年6月出版 1033円(2017年8月購入)



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