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Love Me to Death (Lucy Kincaid #1) by Allison Brennan

2018-02-01 19:09:41 | 読書感想

Washington、DC。6年前にレイプ被害にあったLucy Kincaidは、自分のような犠牲者を出さないために性犯罪者を捕まえるFBI捜査官になることを決意し、FBIの採用試験を受ける。そして採用を有利にしようと考えて、上院議員の事務所、保安官事務所などを経て、現在は検死官事務所で研修を受けていた。また3年前から彼女は女性と子供を性犯罪者から守るボランティア組織WCF(Women and Children First)に属していて、保釈されたレイプ犯がネットの交流サイトなどでターゲットの女性を探し、犯行を行うことを防ぐ作業に従事していた。彼女は、偽名を使ってネットで彼らと接触し待ち合わせ場所と日時を決める。その情報をWCFと懇意にしている警官Cody Lorenzoに伝え、彼女の代わりに彼をその場所に向かわせ、レイプ目的でやってきた男を逮捕させ、刑務所に送り返す仕事を彼女は行っていた。ここ2週間、彼女はドラッグを使用して女性をレイプするBrad Prenterという男に注目していた。3か月前に保釈されたPrenterは、すぐに、ターゲットになる女性をオンラインの交流サイトで探し始めていて、Lucyは偽名を使って彼とメールのやり取りをし、今日、デートの約束をすることに成功する。すぐに彼女は待ち合わせ場所をCodyに連絡して、レイプ犯をひとり刑務所に送り返すことができると喜ぶ。

翌日、検視官事務所の研修から自宅に戻った彼女を二人のFBI捜査官が待ち構えていた。

Noah Armstrong捜査官は彼女に6年前彼女をレイプしたMortonが波止場で殺されたと話し、事情を聴きたいと話す。彼女はMortonが殺されたことより、わずか6年という短い刑期で彼が釈放されていたことに衝撃と怒りを感じる。そして、彼女以外の家族誰もがその刑期について知っていて彼女に秘密にしていたことにも。

Noah捜査官は殺されたMortonが睾丸を蹴りつぶされていたことや後頭部を銃で撃たれるという処刑スタイルで殺されたことから、殺害犯は彼にレイプされた被害者、もしくは親族と考えていて、彼にレイプされたLucyの犯行を疑っていた。しかし、彼はLucyの衝撃を受けた様子から彼女を容疑者の候補から外す。Mortonは釈放の条件としてColorado州、Denverの自宅からの移動を禁止されていた。DCに来た事実が発覚した場合、彼は刑務所に終生収監されることになる。そんな危険を冒してまでMortonがDCに来た目的は何か、Noahは彼の意図を探るべく、6年前の事件の捜査資料の検討と当時の事件関係者とMortonとの接点についての捜査に全力をあげる。

Mortonの事件に衝撃を受けているLucyは、何気なく目を通した新聞記事から、Prenterが射殺されたという記事を発見し、さらなる衝撃を受ける。Lucyは、彼が待合せ場所には現れなかったと張り込みしていたCodyから伝えられていた。だが彼は、他の酒場でLucyを待ち、その酒場の近くで殺されたことがわかる。そして、その待ち合わせ場所の変更のメールは彼女の名前で送られていたことが明らかになり、Lucyがレイプ犯を殺した過去があることを知っているCodyは彼女の犯行を疑い、彼女は窮地に陥る。彼女は兄の仕事のパートナーで彼女に一目惚れしてしまったSeanの支援を得て、窮地を脱すべき真相に迫っていく。

そんな彼女の一挙手一投足を見守る男の存在に気づかずに。

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Lucyは主役としてはあまり目立たない、捜査はFBI捜査官とSeanが主体となっているようで最近のシリーズを読んでいる者としてはちょっと期待外れ。ただSean,Noahとバラバラだった捜査の焦点が一点に集まってきた後半は緊迫感があって良かった。6年前の出来事から立ち直るかと思うと立ち直れないLucy、レイプ被害者の現状を著者は書きたかったのかもしれないが、彼女のひ弱さが目立ってしまい、Seanに寄りかかろうとする姿勢は不満だった。ただレイプ被害者の苦悩の実情、レイプ犯が軽い刑ですぐ保釈される実態、法の不備がこの本を通して伝わってくる。


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