気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

 Love Story, With Murders by Harry Bingham

2017-11-11 12:27:43 | 読書感想

2010年10月、ウェールズの首都CardiffのLlanishen地区で2か月前に亡くなった老婦人の家の巨大冷蔵庫の中から切断された若い女性の足首が発見される。

通報を受けて現場に到着した南ウェールズ警察署犯罪捜査課刑事Fiona  Griffithsは切断された足が履いていた靴に注目、ネットで調べてそれが10年前に流行っていた靴であることを発見する。彼女は、足首は数年前に切断された可能性が高いと考え、犠牲者を特定するには、失踪人届の古いデータまで遡って調べなければならないことを知る。彼女は冷蔵庫に収納されていた他の食品パッケージの日付をチェックして何時、足の部分が冷蔵庫に置かれたかを推理しようとする。

彼女は警察の失踪人届を深夜まで調査して、死体が、22歳、大学生、2005年8月に行方不明の届が出されていたMary Langton であることを見つけ出す。彼女はMaryが学費を稼ぐためにポールダンサーとして働いていたことを知って戸惑う。彼女の父親はポールダンスのクラブを経営している。Maryが父のクラブで働いていたら、父は事件になんらかの形で関与していたら 彼女は娘としての立場、刑事としての立場の間で葛藤する。

そして、世間がバラバラ死体発見に騒然とし始めた翌日、足首が発見された家から数百ヤードしか離れていない溜池の土手で、数日しか経っていないと思われる切断された男の右手が、それに続いて周辺でバラバラにされた死体の一部が次々と発見される。遺体の身元は材料工学を専門とする大学教授 Ali el-Khalifiと判明する。

南米の都市と異なりこの町ではバラバラ殺人などは起こらない。もし起こったとしたらそれは百年に一度しかありえない。それが同じ町で2件のバラバラ殺人、二つの事件に関連がないなどはありえない。Watkinsを捜査主任とする捜査本部は、2人の繋がりを突き止めることが事件の解決、犯人の逮捕に繋がると考えて全力を挙げる。

しかし捜査陣が二人の関係を突き止めることができず捜査が行き詰まる中、Fionaは捜査方針に飽き足らず、独自の視点で捜査を始める。そして先月、麻薬取引の罪で収監されていたMark Mortimerという材料工学の技術者が刑務所で自殺していることを突き止める。彼の勤める会社は Ali el-Khalifiと技術問題で提携しており彼とAliは知り合いである可能性が高い。彼女は捜査主任のWatkinsの許可を得て、彼の自殺に不審な点がないか、MarkとAliが知り合いであったか捜査していく。やがて彼女は彼らが親密な関係だったことを突き止める。そして彼らを結びつけているものが、仕事か仕事以外のことであるかどうか探し出そうとする。その一方、捜査本部には内密に父の盟友で父のクラブの支配人である男にクラブでLangtonが臨時に働いていなかったか、彼女の顧客にel-Khalifiがいなかったか、調べるよう要請する。やがて彼女は殺人の背後に巨大な陰謀が潜んでいることを気づき始める。

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終わり方は迫力不足、物足りなさが残る。巨悪に向かうには力不足?でも彼女の信念は、捜査する目的は殺人犯を逮捕することではなく、死者に平穏を与えること、と云うならこれで良いのかな。前作の事件の捜査も私的に継続しているよう・・この事件も続ける?いずれは、シリーズの中で決着をつけるのか?次作も読ませるための作戦?

今回は事件と絡ませて父親の仕事について、ダーティな過去が明らかになる。彼女はそのことを気にしていないようだが、刑事になる人間としての倫理観とどう調和させているのか、もう一つ説明が欲しい。

捜査は、相変わらずのルールを無視した捜査で手がかりを追って行く。でも犯人にたどり着こうとする論理は明快で彼女の行動に同調できる。ただ捜査する過程を述べることなしに、事件と関係ある重要な人物が存在すると、いきなり新事実を捜査主任ばかりでなく我々読者に告げる。その新事実を突き止める過程も描いてくれた方がワクワク感が増すと思うのだが。


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