月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ガラクシア・3

2017-02-28 04:19:11 | 詩集・瑠璃の籠

神も
憎しみに目が曇ることはある
愛するがゆえに
憎むことがある

おまえたちが
自分を苦しんで
神の手を噛むことなど
何でもないが
弱い女を食おうとして
あまりにひどいことをした
それがゆえに
神はおまえたちを憎む

ものではないものを
ものにして
自分の欲望だけのために
馬鹿にできるものにしようとした
そのために
あらゆる幻惑の理論を作り
世界を汚した
それでも足りず
神が世界を支えるために作った
天使の柱を倒そうとしたので
神はもう
おまえたちを捨てることにしたのだ

ゆえにおまえたちは
もう神の子とは言えぬ
ひとりで
さまよわねばならない

存在というものは
愛するために生きるものだ
愛のために生きてこそ
何よりも幸福になれるものなのだ
愛しているものを
肉のように欲しがって
食うてしまえば
おまえたちは獣よりも痛い
馬鹿に成り下がる
ゆえにおまえは
神の東風が吹かない
暗闇の荒野に向かうがよい

そこで迷いの日々を洗い
すべてに謝り
何もかもをやり直せる気になるまで
苦しむがよい

おまえが
自ら神の顔を見に来るまで
神はもう
おまえを見ない



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ゴメイサ・7

2017-02-27 04:22:04 | 詩集・瑠璃の籠

人間は
自分のしたことから
永遠に逃げられない

おまえが
嫌いなやつを殺すために
蝋を煮て
それに花の毒を入れたことを
小さな一群の青草が見ていた

おまえが
憎いやつを殺すために
粥を煮て
それに魚の毒を入れたことを
小さな一群の雀が見ていた

誰かが知っていることは
いつも
速やかに神の耳に届く

一滴の塩が
世界中のすべての海に
波紋を起こすように
おまえのしたことが
世界中に知れ渡っている

おまえのしたことを
知っているやつがいないところなど
どこにもありはしない
みなが
おまえを見るたびに
言うのだ
あれがあいつを殺した奴だと

うまくやれば
嘘を本当のことにして
自分が正しいことにできるとは
思わぬほうが良い
馬鹿なことをすれば
お前のうわさがもっと
大きくなる

あれがあいつを
殺した奴だ
それをごまかすために
また誰かを殺したやつだ
またそれをごまかそうとして
誰かを殺そうとしている

おまえは永遠に
おまえのしたことから逃げられない
観念して
すべてに謝った方がよい




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デネボラ・4

2017-02-26 04:15:11 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿男を信用してはならない
やつらは
すべてを女のせいにするためなら
何でもするやつらなのだ

それはそれは
男の知恵と技術で
可能な限りの汚いことをするのだ
嘘をつくなど平気だ
赤恥の言い訳を
ごり押しで通すことなど平気だ

男が糞を撒いて
世間に暴力をふるったのを
平気で
女がやったと言えるのだ
皆が知っている事実も
馬鹿が正しいことにして
すべて嘘で塗りつぶすつもりなのだ

何も知らない女の心の闇に
蛇の化け物をしかけておいて
傀儡のように女を操り
あまりにもおかしなことをさせておいて
女は馬鹿なものだと言いふらすのだ

阿呆な男は
太古の昔から
そういうことばかりやっているのだ
そして
かわいい女の前では
平気で羊の仮面をかぶり
紳士的な態度と
潤沢な金でだまそうとする

女のいないところで
馬鹿男がやっていることを
見てみろ
化けの皮が剥げたら
恐ろしいなどというものではない
嫌なものが見える

あれらは
女をだましているのだ
本当は美人だけが欲しくてすべてをやっているのに
愛のためだと言って
貧乏人から金をゆすっているのだ




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言の掲示板

2017-02-25 12:25:35 | 星の掲示板


45枚目の掲示板を設定する。





絵/ドメニコ・ギルランダイオ





コメント (161)
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ルナ・27

2017-02-25 04:16:22 | 詩集・瑠璃の籠

わたしは
いずれ
虚無に見えるほどの
大きな
愛に
なっていくのだろうか

すべて
わたしを
ないことにして
すべてのものが
生きる
庭に
なってゆく

それが幸福だと
永遠に眠っていく
空に
なっていくのだろうか




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ミネラウヴァ・10

2017-02-24 04:21:55 | 詩集・瑠璃の籠

透明になった心に
澄んだ愛が生きている

あなたが
わたしを愛している
わたしが
あなたを愛している

ほかのことなど
何も入る余地のない
優れた愛が生きている

進化というものは
無知が産む虚無の雑音を
洗い流し
すべてを愛していく
愛になっていくことだ

なぜ愛するのか
そんな理由を考えることになど
何の価値もありはしない

あなたを愛している
その幸福に感動している
自分があること以上の
幸福はありはしない

愛している
その愛に生きている
このわたしをも
わたしは愛している

なぜならわたしは
このわたしによって
すべてを愛し
その幸福を
永遠にあじわってゆくことができるからだ

それが
わたしというものなのだ




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アルタイル・29

2017-02-23 04:32:23 | 詩集・瑠璃の籠

罪は
おまえの体からぶら下がっている
小さな卵にしか過ぎない
おまえは
その卵を
自分で何とかしていけばいいだけなのだ

馬鹿の愚問を打ち砕き
真実の自分をつかめ
美しい両手足と
それをすべる霊魂を有する
存在の光を暴け

おまえは一体何をするのだ

指先の爪のその先まで
自分の意志の光が充満する
すべてを自分でやっていける
その自分になりきることで
おまえのすべてが始まる

ゆけ
おまえはよきものだ
暴虐の時代に
世界に産み散らした
罪の石を拾い
すべてを救うために
動き始めよ




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ムジカ・7

2017-02-22 04:16:48 | 詩集・瑠璃の籠

何もしないことは
虚無の特質だ
何もないから
何もしない

だが自己存在は
主体を持つからこそ
何かをしていくというものなのである
だからこそすべてがある

その自己存在が
その本質に反抗して
何もしないということを善として
正当化を試みようとするとき
自己存在は堕落する
絶望は
そこに繁殖する
最も痛い苦悩である

若い自己存在は時に
自らがなしたことの
あまりに少ないことに絶望して
虚無に傾き
自分は何もせずに
他者から行為の財産を盗んで
自分を偽ろうとするが
それのみで永遠に生きていくことはできない

あふれるほどついてきた嘘と
他者に押しつけてきた苦悩が
馬鹿高い反動となって
自分に返ってくるからだ
そのとき自己存在は
ようやく
自分で何かをするという
本質に従って生きていくことが
最も幸福なことなのだと気づく

何かをしなさい
それが
親の言うことを聞いて
小さな畑を耕すということでも構わない
横暴な親方の命令を聞いて
石を運ぶということでも構わない
小さなことでも
自分がやれば
何かがある

そこから
おまえの永遠が始まっていく




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アークトゥルス・24

2017-02-21 04:16:09 | 詩集・瑠璃の籠

愛の目で
誰かが見ていてくれたからこそ
人間はあんなに
いいものに見えていたのに
その愛を
人間は消してしまった
自分より美しいのが嫌だからと

自分が嫌だということは
世界を暴力で破壊することだ
存在することが幸福の絶対条件であるはずの
自分が存在することが
最も苦しいことになるからだ
ゆえに自己存在は
その激しい苦しみのあまり
すべての創造を破壊してやろうと目論む

神が世界中にばらまいた
愛の光を
しらみつぶしに探し出しては
糞を塗って侮辱する
あらゆるものの美しい存在意義を
虚無で傷めてばらばらにしようとする

痛いからだ
自分が馬鹿なのが
あまりに痛いからだ

人間というものは
自分の弱さの発見から始まる
それまでは愚昧の闇に隠れて見えなかった
自分を発見し
それが
自分より進んだものと比べると
あまりに小さく
愚かに見えることを発見することから
始まる

自分の小ささがあまりに苦しいと感じた
自己存在は
だれしも一度は
何も知らない馬鹿のほうが偉いのだという
幻想に心を染める
それでなければ
小さい自分に耐えられないのだ
そしてそこから
馬鹿が始まる

馬鹿は
解脱によって真実の自己に目覚めるまで
世界に破壊の幻想を描き続ける




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ウラヌス・12

2017-02-20 04:15:48 | 詩集・瑠璃の籠

栄光の王国を
奪う阿呆は
滅びねばならない

税金を払うどころか
真っ向から国を馬鹿にしておいて
栄光の聖者の仮面を盗む馬鹿は
白金のメッキで隠された
糞の山に閉じ込めよ
二度と出て来てはならぬ

薄い紙の仮面に
謀略で派手な色を塗り
アニメ化粧のような
自分を作った
派手な衣装と蝋製の女房は
狸からもらった

子供は熟れて湿った糞の中から
キノコのように生えた
妖怪の一族が
大邸宅に棲みついた

糞でできた聖者の人形から
魂が逃げ出すと
数千の糞虫が中から逃げ出してくる

危ない
あれはもう
危ない

神が鍵を外した
黒い蔵の中から
例の蜘蛛が這い出して来る
そうなればもう
すべては終わりだ

栄光の聖者の仮面をかぶった
糞の人形を倒せ
あれはもはや
人間ですらない




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