月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ヴィンデミアトリックス・75

2023-04-30 04:39:51 | 詩集・瑠璃の籠

ああ
夢にまで見た
愛の天国の扉が
この世に開こうとしているのに
あなたは落ちてゆくのか

逃げることはできない
自分を逃げ捨てて
遠いあの美人になるために
すべてを盗んできた
その馬鹿を
どうしても改めないのか

自分は
自分以外のものには
なれないのだと
何度いさめられても
まだ馬鹿を続けるのか

神が創ってくださった
本当の自分を陰に押し込め
偽りの美人の顔をかぶり
何か別の
もっといい自分になろうとして
あなたはすべてを失ってゆく

あなたは
美しい人間の未来と引き換えに
汚い嘘の美人をとったのだ
天使の真似をして偽った
偽物の顔を惜しんで
あなたの未来に輝くはずだった
真実の幸福を捨てたのだ
馬鹿者よ

絶望の河が
あなたと神の
えにしを引き裂き
あなたはもう落ちてゆく

美しい愛の故郷に
魂を拒否され
永遠の薄闇の中に
迷い込んでゆく



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アークトゥルス・74

2023-04-29 04:37:18 | 詩集・瑠璃の籠

愛なる善き魂の国に
あなたは入ることができない

あなたは
存在の本義たる愛を馬鹿にし
自分だけをいいことにするために
あらゆるものを傷つけて
悔いることもしないからだ

何万年の月日を
学ぶこともせず
嘘をかぶって人をだまし
愛を搾取することばかりやってきて
恥じることもしないからだ

あなたがなしてきた
汚い裏切りの数々に
とうとう神も嫌気がさした
この世のすべての愛が
もうあなたを愛するのは
いやだと言った

暗い拒絶の壁は落ち
あなたはあらゆる愛の存在から
縁を切られる
愛を馬鹿にしきった
あなたの前に
最も苦い運命の扉が
開く

愛を馬鹿にするものは
愛のない世界に行くがよい

明けもせず
暮れもせぬ
永遠の黎明が支配する
虚無の岸辺へと赴き
そこでずっと
自分のことばかり
考えているがよい



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ズブラ・19

2023-04-28 04:40:57 | 詩集・瑠璃の籠

美しい人間になりたいのなら
馬鹿はやめて
まっとうになれ

盗んだもので作った
嘘の自分を捨てて
本当の自分に戻れ

陰で苦いことをしている自分を
はらわたの奥に隠して
ほほえみの仮面をかぶり
美しい人間であるかのような
ふりをしても
暗い目の中から
臭い涙があふれてくるぞ

矛盾によじれる
痛い心を抱えて
虚しさの中に逃げようとする
おまえの背中に
神の冷たい視線が刺さる

これは嘘だ
いかにも上手に
美しい人間のふりをしているが
陰でずるいことばかりしている

神に
正体を見抜かれ
不良品のように
はじかれる前に
嘘は全部捨てて
まっとうな自分に戻れ

巨大な拒絶の壁が
おまえと神の間に
落ちる前に

汚いことはすべてやめて
本当の自分をやり直せ



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ゲンマ・98

2023-04-27 04:41:30 | 詩集・瑠璃の籠

愛が降りてくる
海中に沈んでいた
大陸が持ち上がるように
真実が
この世に姿を現す

嘘は洗い流され
遠い虚無の岸辺から吹く
風に吸い込まれてゆくだろう

逃げることはできない
自分から逃げ続け
吸血鬼のように
他人の自分を吸い取ろうとするものは
愛の光を浴びて
滅んでゆくだろう

苦いことばかりしてきた
自分を飲み込み
真実の姿を受け入れ
それを美しく生きていくと誓うものには
道が見つかるだろう

人間よ
もう嘘に迷うな
愛の真実を受け入れ
本当の自分に戻りなさい

黎明の薄明りの中に
永遠を見失う前に
幻想の幸福を捨て
自分のすべてを改めなさい




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ラーン・30

2023-04-26 04:26:33 | 詩集・瑠璃の籠

人は
愛する時が
一番幸せなのです

美しい愛のために
自分を投げうって
働く時が
一番幸せなのです

栄光も名声も
潤沢な金も
何もなくても
愛のために何でもできる
自分さえあれば
最高に幸福なのです

逃げることはできない自分を
真ん中に受け止め
すばらしい自分自身となり
自由の翼を広げ
果てしない冒険の旅に出る
その時の魂の喜びは
すばらしい

ああ
この手もこの足も
この心も
すべてはこのためにあったのかと
神はこんなにもすばらしいものに
わたしを創ってくださったのかと

愛に燃え
すべてをやってゆく
この自分が
たまらなく美しい

その美しさこそが
人間の
本当の姿なのです



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フェクダ・22

2023-04-25 04:22:30 | 詩集・瑠璃の籠

天使の顔を盗んでかぶり
完璧にきれいにしたつもりでも
ほら
馬鹿なものが見えているぞ

天使の真似をして
微笑んだ口元から
蛇のような二枚の舌が
見えている

澄んだ明るい瞳のつもりで
きらきらと見開いた目から
黒々とした嘘の塊が
流れ出てくる

ああ
これは馬鹿だ
本当の自分を嫌がり
天使の美を欲しがって
陰で苦いことをして
美人に化けている
汚い偽物だ

上手に化ければ化けるほど
臭い嘘の匂いが
漏れ出てくるのに
いつまでそれをやるつもりなのか

もうやめなさい
嘘で自分を着飾るのは
天使を欲しがって
自分を汚い嘘の中に
押し込めるのは

本当に
天使のようにきれいになりたいのなら
見栄えを盗むのではなく
生き方を学びなさい

逃げることはできない
本当の自分を受け入れ
真面目に愛を勉強し
すべての幸福のために
尽くしていくのだ



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アルギエバ・64

2023-04-24 04:37:14 | 詩集・瑠璃の籠

立て
人間よ

いつまでも臭い糞を
食っているのではない

迷いのきぬにもつれ
無知の甘えにどっぷりと浸かりながら
馬鹿の聖者になる夢を
追いかけている
愚かな自分と決別せよ

逃げることはできない
本当の自分から逃げ続け
苦い酒の中に頭をつっこみ
すべてを忘れようともがいている
あさはかな自分と決別せよ

片腕をちぎり捨てるように
馬鹿に腐った自分をちぎり捨て
まことのおのれをつかめ

立て
人間よ

おまえには足がある
おまえには腕がある
おまえには頭がある
おまえには
おまえがある

それらをすべて
自分で支配し
自分が自分をやるのだ

そうすればおまえは
果てしない道を
走りぬくことができる
すばらしい自分の力を
発見するだろう



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ヴィンデミアトリックス・74

2023-04-23 05:00:21 | 詩集・瑠璃の籠

いい加減に
その醜い美人の顔を
外せ

おまえはその
嘘の美人の顔をかぶっている限り
それで男をだまそうとしている
汚い女になるのだ

人の顔を盗み
人の福を盗み
卑怯なことばかりして
自分だけの幸せを
かたくなに守っている
馬鹿になるのだ

そんなものは
どんなきれいな顔を
かぶっていても
汚らしく醜い

本当のおまえは
そんな顔ではない
心の矛盾がそのまま現れた
いやらしいどぶすなのだ
そんなものが美人の位に居座り
世間に嘘を振りまいている

そのまま最後まで
嘘の美人を生き通せば
どんなことになると思っているのか

おまえは
愛の裏切り者として
神に嫌われ
美しい人間の未来を
すべて失い
遠い黎明の地平へと
追い出されるのだ



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テグミン・19

2023-04-22 04:58:33 | 詩集・瑠璃の籠

どんな醜い罪を犯したものにも
永遠の未来がある
それはあまりにも豊かな
すばらしい恵みです

自分の罪の愚かさに
絶望してはいけません
いつまでも矛盾の沼に浸かって
迷っていてはいけません

自分には無限の未来があるのだと思い
その未来を愛のために
投資しなさい

無尽蔵の未来をかけて
自分にできるすべてのよきことを
やってゆくのです
そうしてすべての罪を
清めていくのです

そうすればあなたは
とても不思議な
美しいものになることができる
泥水に咲いた
睡蓮のように
明るく日に顔を向けて
生きることができる

未来は誰にでも開かれている
すばらしい宝です
その自分の未来を
愛のためにささげ
すべてをやってゆきなさい



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ミンタカ・37

2023-04-21 04:59:43 | 詩集・瑠璃の籠

腐ってゆく
人間が
腐ってゆく

逃げることはできない
自分を放棄し
偽物の幸福の中に
溺れていく馬鹿が
腐ってゆく

愛を馬鹿にし
溶けるように
無知の闇に沈んでゆく
馬鹿が腐ってゆく

魂の骨が崩れ
人間ではなくなったものたちの
うめきが沼のように
あふれる

明けもせず
暮れもせぬ
永遠の薄闇の中で
溶けていく意識を
なめながら
忘れ去りたい記憶を
また繰り返す




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