銀の林檎の刺青を
目の中に彫りなさい
おまえはもう
永遠に逃げられはしない
どこにいこうとも
何を見ようとも
その林檎が見えるからだ
真っ白な雪を見れば
銀の林檎が落ちている
真っ青な海に飛び込めば
銀の林檎が泳いでいる
深更の暗闇に逃げれば
銀の林檎が星のように光る
永遠に逃げられない
おまえは二度と
それを忘れられない
見ぬようにするには
目をくりぬくしかない
だがそうなればもう
すべてを失うのだ
ぬすとの森の影を生きてきた
それはおまえのしるしだ
逃げられはしない
傲慢に染まったまなこに
どんどん深く刻み付けられる
夕焼けの空を
おまえは永遠に
しみじみと感動してみることはできない
暖かい太陽の真ん中に
銀の林檎があるからだ
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