それは
世界を描いている万色の絵具が
たった一色減った
それくらいの小さな変化なのだ
それなのに
何かがごっそりとなくなった気がする
目に見える景色が
突然薄っぺらになった気がする
まるで風景を描く画家の腕が落ちたかのように
あなたがたは
なんとなく
空気に首を絞められるような
息苦しさを感じる
空気の中に
何かが足りないのだ
だがそれが何なのかまだわからない
蝉の声も
花々の色も
木々のざわめきも
雲の高さも
すべての自然界のものが
あなたがたに言うのだ
聞こえない声で
もう二度と
あの愛のようにやさしくは
人間を愛しはすまいと
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます