ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

大野病院医療事故:産婦人科医弁護団の動き(毎日新聞)

2006年07月09日 | 報道記事

****** 毎日新聞、2006年7月8日

大野病院医療事故:起訴状の詳しい説明など求める--産婦人科医弁護団 /福島

 県立大野病院で帝王切開手術中に女性が死亡した医療事故で、起訴された産婦人科医(38)の弁護団は7日、福島地裁と福島地検に対し、検察側に起訴状についてより具体的な説明を求める求釈明や証拠開示請求など4種類の書面をファクスと郵送で送付した。第1回公判前整理手続きは、21日に同地裁で行われる。【松本惇】

(毎日新聞、2006年7月8日)

****** 河北新報、2006年6月14日

大野病院事件「命の危険回避怠る」 ~福島地検 事実記載書を提出

 福島県立大野病院(大熊町)で帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡し、産婦人科医の加藤克彦被告(38)が業務上過失致死罪などに問われた事件で、福島地検は13日までに、公判で立証する内容を記した「証明予定事実記載書」を福島地検と弁護側に提出した。同事件の公判前手続きは、記載書を基に論点整理が進められる。
 検察側は記載書で「加藤被告は大量出血を予見できたのに子宮に癒着した胎盤をはがし、子宮の摘出など女性の命の危険を回避する注意義務を怠った」との主張を展開。手術に立ち会った病院関係者らの供述を基に加藤被告の過失を立証する内容となっている。弁護側は「帝王切開手術や癒着胎盤の病理状態について理解に欠けた主張があり、釈明を求めたい」としている。弁護側は7月7日までに、記載書に対する意見書を地検と地裁に提出。三者による第1回公判前手続きは7月21日に開かれる。

河北新報、2006年6月14日

****** 福島民報、2006年6月9日

きょう証明予定事実書提出/大野病院医療過誤 公判前整理 福島地裁に地検

 大熊町の県立大野病院の産婦人科医が業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた医療過誤事件の公判前整理手続きで、福島地検は9日、立証予定の事実を示す証明予定事実記載書を福島地裁に提出する。
 弁護団は7月7日に記載書に対する意見書を出す。記載書と意見書を踏まえた福島地裁、福島地検、弁護団の3者の協議を7月21日に行う。初公判は9月ごろになる見込み。
 起訴されたのは大熊町下野上、産婦人科医被告(38)。
 起訴状によると、被告は平成16年12月17日、楢葉町の女性の帝王切開手術を執刀した際、癒着した胎盤をはがし、大量出血により死亡させた。女性が異状死だったのに、24時間以内に警察署に届け出なかった。

(福島民報、2006年6月9日)

参考:

読売新聞:大野病院の妊婦死亡 「公判前整理手続き」適用

「公判前整理手続」とは?
NHKイブニング信州、ニュースのはてな、2005年11月21日

「公判前(ぜん)整理手続」とは、刑事裁判の審理を早めようと取り入れられた手続きです。

11213 従来の刑事裁判では、検察側と弁護側のやりとりは全て公開の法廷で行われます。裁判が始まってから検察側は証拠などを示して事実を立証し、弁護側はそれを受けて被告の弁護を行います。そのため、審理の進行は月に一回程度のペースになり複雑な事件の場合は判決までに10年以上かかることも珍しくありませんでした。

11214 そこで、新たに導入されたこの「公判前整理手続」では、裁判を始める前に、非公開で検察官と弁護士が裁判官の前でそれぞれの主張を明確にし、争点を整理します。そして証拠調べの請求や開示をしたり裁判の日程などを決めます。

日程は3日から5日ぐらい連日で法廷を開き、合わせて1週間程度で判決まで言い渡すのが目標です。