年始そうそう絵馬に「病院」と書いた元住職。
見栄っ張りで我が儘で、他の利用者さんに小うるさくて自慢しいで・・・
外面はいいんだけどねえ、扱いに困る人なんだ。
その元住職の部屋が最近やけに寒い。
職員がいつも暖房をMAX入れて誤魔化していたんだけど、それでもなんかお寺の境内のような「底冷えする」的な寒さなの。
・・・と書けば、霊がいるなってピーンとくると思うけど、その通り男霊がいた。
死んだのは少し理解していたみたいだけど、なんか描いていた世界とは違うって混乱されてて、それで元住職のそばで質問攻めしていたみたい。
元住職は霊感ゼロなんで、私が男霊に速攻で死後の世界を説明した。ついでに
「こんなゴンタなヤツのことなんか信じても駄目だよ。うちらでも手を焼いているのよ。恨まずさっさと見切りつけなよ。」と言うと男霊が笑って光の中に上がっていった。
すると部屋の寒さは無くなり、仲間の職員から「住職さん良かったね」と喜ばれたけど、正直、元住職より男霊のほうが大事。
せっかく地上でさんざ苦労してやっと霊界に還れるというのに、迷ってしまうのは忍びないもの。
反対に元住職は、娑婆でもちっと人格を矯正されたらいいのよ。