司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

生前売買 その6

2013年07月05日 | いろいろ

おはようございます♪

昨日のコメントをお読みいただいた方は結論はお分かりかと思うので(名変は必要です)、ワタシが苦労して結論にたどり着いた過程をオハナシしようかな。。。と思っております。

まずは、先例を探しました
→なし(見つからず)

書籍を探しました
→例の注書ハッケン
→遺贈の質疑応答ハッケン

う~。。。良く分からんな~(-"-)

ネットを検索
→多くは遺贈のハナシでしたが、生前売買も必要というモノを発見(根拠は書いてなかった^_^;)
で、法務局によっては不要との見解もあります。。。的なコトが書いてあったりもしました。

遺贈で遺言執行者が登記申請をする場合は、登記申請書には、登記義務者として「住所 亡甲某」と記載するのですが、生前売買で法定相続人が申請する場合は、「相続人の住所 亡甲某相続人A」という風になるんです(亡甲某の住所は申請書には記載しません)。
だから、遺贈と生前売買は違うのか?とも思ったけど、遺贈だって相続人が申請することもありますんでね~。。。

う~。。。良く分からんな~(-"-)

で、翌日、東京法務局に行ったので、ついでに(スミマセン^_^;)ご意見を伺ってみました。
そしたらね。。。
やっぱし、天下の東京法務局サンでございます。
何分かチョロっと調べて、「あぁ~ズパリの質疑応答があるじゃない! 注書きとかはさぁ~。。。根拠を調べないと危ないよ。」

。。。というコトで、調べるのがヘタクソのワタシが、大汗をかきながら調べても良く分からなかったギモンは解消!
その質疑応答というのが、昨日、コメントいただいたヤツでございます。
肉球仮面さんに感謝 m(__)m

念のため、質疑応答の内容を要約しますと、「遺贈や生前売買のケースで登記名義人(=所有者)の住所が移転している場合は名変をする必要があります」というコト。

。。。で、実は、このハナシ、例のK先生にもご相談していたのですが、何か、アチラでも調べて経緯までアレコレ教えてくださいました。

この質疑応答は、元になっている先例があるのだそうです。
その先例っていうのが、S43.5.7 民甲1260号。

要約しますとね。。。「登記事務の合理化のために、権利の移転の前提として名変を省略することができませんか?→できませんっ!」というモノ。 さらに、「ホニャララ会同なるモノがあってさぁ。。。かくかく云々。。。」とか仰ってましたが、すみません。。。聞き流しちゃいました(無礼者です^_^;)。

ま、勝手にまとめますと、所有権の登記名義人が亡くなっていようが、申請書の登記義務者の表示がどうであろうが、被相続人が所有権移転登記の登記義務者であることに変わりない(申請手続きを相続人がやるだけのコト)んだから、原則通り名変をしなさいよ!ってコトだと思います。

相続登記の場合は、そもそも、被相続人は申請人じゃないんで、名変が要らない。。。というコトらしい。
(相続人からの単独申請ですからね。)

ちなみにね。。。
東京法務局の方が仰っていたコトなんですが、「権利移転の場合に名変が要るっていうのはさ。。。例えばその権利移転の登記が抹消されたら、元に戻っちゃうワケでしょ!?(=亡くなった甲某サンが登記上の所有者に戻るってコト)その時に権利移転の登記時の住所移転が省略されてたら、本人が特定しにくくなったりするじゃない。だから、抹消なんかとは違って省略しない方が良いんだよ。」。。。って。

コレ、かなり説得力のあるオハナシでして、「なぁ~るほど~。。。ウンウン。。。」と感心しちゃいました。
ワタシ達とは立場が違うんで、考えるコトが違うんでしょうね~。

でも。。。
だったら、どうして亡甲某サンの住所を申請書に書かせないんだよぉ~!紛らわし~っ!!だから迷っちゃったんだからね~っ!!!(怒)

。。。というワケで、一応、決着しましたんで、この記事を書き始めたのですが。。。新たな事実が発覚!

「登記名義人の住所氏名 変更・更正登記の手引(青山修著):新日本法規」の事例113(P261)に全ての内容が記載されていました(-"-)
ワタシの知らない本棚の隅っこに置いてあったのだそうです。
その存在を知らずに無駄な努力をしてしまった。。。が~ん。。。(;O;)

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2 コメント

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Unknown (肉球仮面)
2013-07-07 17:22:04
 『権利移転の登記が抹消されたら、元に戻る』、『その時に権利移転の登記時の住所移転が省略されてたら、本人が特定しにくくなったりする』 っちゅうのが、名変が必要な理由なんやったら、相続登記の時になんで名変が要りまへんねん? 遺産分割協議なり遺言なりに基づいて相続登記をしたけど、後日に分割協議の無効とか遺言の無効とかが主張されて相続登記が抹消されてしまうっちゅうことも十分あり得ますわなぁ。 

 東京法務局の方は 『抹消なんかとは違って省略しない方が良いんだよ』 と仰ったみたいでっけど、抹消登記かて錯誤で抹消されることがおまんがな。その場合には、元の抵当権等の登記が回復しまっせ。所有権の場合には元に戻ったときに 『本人が特定しにくくなったりする』 のは N.G. やけど、抵当権等の場合には特定出来んでも構へんのでっか?

 昔、移転登記の前に名変が必要な理由 (変更証明を添付して名変省略とすることは出来ない理由) は、税務当局の都合やっちゅう話を風の噂に聞いたことがおます。いわゆる “税通” の際に、最終の住所を通知する必要があるんやとか。真偽のほどは知りまへん。譲渡所得税課税とか何とかの関係で、当局は譲渡人の住所氏名を把握したいんでっしゃろかなぁ。これなら、相続登記や抹消登記の前に名変が不要なことも説明がつきそうですしなぁ。

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Unknown (charaneko)
2013-07-08 20:39:10
肉球仮面さん、コメントありがとうございました。
確かに、理由付としてはちょっと弱いのかも知れませんね。(実際、ワタシはそれほど深く考えずに同意しちゃったことも悪いんだろうと思います。スミマセン。)

税務の方のハナシは、「きっと本当だろう!」と思います。
(またしても、「なるほどぉ~っ!!」と思っちゃいました(~_~;))
とにかく、不動産登記の名変は、見落としが非常に怖いので、今回、改めて確認ができて良かったな♪と思っています。

もしかしたら、独立するかも知れないし。。。
そしたら、メチャメチャイッパイ不動産登記のオシゴトが来るかも知れませんしね。。。(~_~;)

熱気が伝わってくるコメントでした。
いつもありがとうございます。
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