#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Breath Mark】海へ行こう

2009-12-29 | MUSIC
【youtube】海へ行こう/Breath Mark

輝いた塗ったばかりの青い車に乗って 海へ行こう
子供の頃から夢に見ていた 青い車で 海へ急ごう

はだかになりたい 強い光に突き刺されてたい
誰にも恥じない  力づくの嘘を疑わせない

舞い散った砂に見失いそうな 初めて通る道 君を乗せて
悪魔が幻が 生み出した入道雲の真横を指差した 海が見えた

理由はいらない  気にもならない 置いて来てしまった
はだかになりたい 強い光に突き刺されたい
誰にも恥じない  力づくの嘘を見破られたい

      ●

なんで今まで触れることがなかったんだろう。
そして今、こうして接することが出来たことを感謝したい。

Breath Markを聴いていると、なんだか自信が漲ってくる。

世界と対峙する術を享受しているような
力強さを、彼の歌は与えてくれる。

たった独りでも しっかりと大地に立って
与えられた使命を全うできる…そんな勇気が漲ってくる。

アルバム「んの次」に収められている
ハワイアン「Ali'I'Aimokuoka'U」の彼の歌声は
夕方にさやぐ風のように やさしく心のさざ波を鎮める。

耳にするだけで、遠くまで開ける視界。
海を眺めて心穏やかになる状況と、きわめて近い。

      ●

東京に来て3ヶ月。
その間に触れた、志高い人たち。

雑念の多い都会の雑踏の中でも
目指すべき道をわきまえていて、
ひたすら己のペースで自己を表出している。

2009年は、自分にとっても大きな「Change」の年だったけれど、
このような出会いがある度に、自分の思いが確信に変わることを実感する。

たがわずに自分も一歩、一歩と、己の道を突き進んでいきたい。

今年はこれが最後の更新になるけれど、
2010年の自分の背中をイメージして、
気持ちよく締めくくりたいと思う。

最後に…やっぱり沖縄のVIBEは、とてつもなく大きいことを書き加えておきたい。



Breath Mark Photo

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【Breath Mark】LIVE@新高円寺STAXFRED

2009-12-28 | MUSIC
12月28日月曜日。仕事納めの日。
…と言っても、別に大掃除するわけではなく、
派遣のバイトを終了するだけの話。

本日は福山通運の配達補助。
南青山・西麻布をひたすら配達で回る。

華やかな街並み、行き交う人々。
豪奢なスタイルの欧州車を乗り回すマダム。
AMラジオからは忘年会の話題を、
面白可笑しく茶化すパーソナリティの声。

ボーナスとか忘年会とか豪奢なクルマとか、
今後一生、縁がないのだろうな…とぼんやり考える。
サラリーマンだったことが、遠い昔日に感じる。

      ●

12月23日。水曜日。
新高円寺の「STAX FRED」で行われた
Breath Markこと二羽高次氏のライヴを観る。

二つの羽で高い次元に…。そんな名前の通り、世界を違う稜線へと導いてくれた。
正直、東京に戻ってきて良かった…そう心底思えた一夜だった。

18年前、多摩美時代の音楽サークルは、わが「K-ON部」と「WESTERN」とに分かれていた。
何が違うって、WESTERNに所属していなかったので、真意は明らかじゃないが、
「K-ON」はお祭好きな快楽主義、「WESTERN」はひたすらカッコイイ芸術至上主義、
ま、なんといっても憧れのBANDは「WESTERN」に多かった。

その中でも群を抜いて色気を発していたのが、「PANTY SCANTY」なるバンドで、
チョーグルーヴィーなFUNKを、チョー粋なカッティングとチョーsexyなしゃがれ声で、
ステージ映え良くスタイリッシュに奏でるので、多くの男女が魅了されていた。

…で、そのVocalが、このBreath Markこと二羽高次さんだった。

なにしろ18年前なので音源も手元にないのだけど、
芸祭のステージに【パンスキャ】が出るとなったら、齧り付いて観てたもんだった。

      ●

18年ぶりに聴く二羽さんの歌は、まったく違っていた。

カッコイイが、スタイルだけじゃなく「生き様」にまで昇華されていた。
両手で心臓を鷲掴みにされ、ブルブル揺さぶられるような、
今までに聴いたことのない音楽として、この耳に届いた。

シャーマンに近い…語り部に近い…音楽。

たとえば「くじら」(音源はぜひともmyspaceでチェックしてほしい)

      ●

  綺麗に描いた 海の絵のように 波輝いていた
  あまりに広くて大きくて くじら 気が遠くなった
  魔法の島まで ひとっとびさ いつか見た 銀色の島へ
  輝いた砂 たどり着けるまで 本物の幸せを探す
 
  絶え間の無い子守歌のように 南風囁いた
  潮を吹いて虹を作った 水平線にもう とどきそうさ
  憧れの島 華やいでいる 綺麗な珊瑚も咲いている
  この海の深い砂に埋めた 本心をすべて さらけ出す

  She was born now as a precious of ocean floor
  She was born there deepest inside of calmness calmness

  見渡す限りの瑠璃色の海で 一人のくじらが恋をした
  ただ恋しくて 切なくて ひとりぼっちで転がった
  誰かの言葉が聞きたくなって どうにも我慢が出来ないし
  右も左もしがらみだらけ おかげで今夜も転がった
  
  魔法の島までひとっとびさ いつか見た銀色の島へ
  輝いた砂 たどり着けるまで 本物の幸せを探す

  She was born now as a precious of ocean floor
  She was born there deepest inside of calmness calmness

  足りない足りない あぁ いつも何か足りない あいにく今夜はお月様もない
  このまま今夜も くらげの群れで 漂っていても 眠れやしない

  She was born now as a precious of ocean floor
  She was born there deepest inside of calmness calmness

  見渡す限りの瑠璃色の海で 一人のくじらが恋をした

      ●

まるでくじらに跨って くじらの気持ちを代弁しているような
瑠璃色の大海原に苦悩するくじらが居て 星がまたたいている…。

これがギター1本、30名限定のステージで
かき鳴らす弦の擦れる音まで聞こえるような気密高い空間で
くじらが嘆くがごとくイタコ(ノロ)のように面前で絶叫されると…

自分たちがものすごく小さな存在で、
地球上にはまだまだ解らないコトがいっぱいあって、
人間の物差しでは測れない世界が大きく動いているってことを、思い知らされる。

      なんなんだ、この衝撃は(>_<)。








  
  
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【東京初仕事】Papyrus 2月号

2009-12-28 | works
12月27日。日曜日。
陽差し差し込む、見事な陽気。
先週と比べて5度ぐらい違うんじゃないか?
しかし東京はホント、雨が降らない。
ここまで乾燥してると、風邪も引くわ。
いまだに鼻水が止まらない。

      ●

本日発売の幻冬舎「Papyrus」2月号
記念すべき東京の初仕事が掲載されている。

撮影は11月19日金曜日。夜19時の新宿、面影屋珈琲店店内。

話題の人物を取り上げる「My Reason」のコーナーで
劇場版「東のエデン」公開に合わせて
監督の神山健治氏をインタビュー。

プレス用試写と一般試写の合間を縫っての取材…という強行スケジュールだったので、
とにかく撮影時間がない…とは、事前に知らされていたことだけど、
なにしろ初仕事。カタチにせねば…の気負いが先立ち、空回り気味。

そんな気負いが態度に出たのか、喫茶店のマネージャーから
撮影に関してクレームが入り、即刻撮影中止に追い込まれる。

20時までに次の現場である新宿ピカデリーへ移動…とのことなので、
インタビューをまずは敢行、撮影は中途半端な状態で宙ぶらりんに。

神山監督の話は聞き応えが十分で、どんどん広がりが出てくるのだが、
時間は容赦なく流れ、あと15分で切り上げなければならない状態に。

さぁどうする。…撮影だけ新たにセッティングし直せるのか…
先ほどの1カットをなんとかカタチにするのか…
こちらにしてみれば、あまりに中途半端で冷や汗が流れる。

あと5分で移動…という時に編集者が機転を効かせて
「新宿ピカデリーまでの道すがら、どこかで撮影しましょう」…と提案。
すぐさま店を飛び出し、ロケハンを行う。

 歌舞伎町を行き交う人々、ネオンサインが艶めかしい。

近未来を描く「東のエデン」に歌舞伎町の雑多な雰囲気は相通じるものがあり、
監督の撮影場所として適当ではないか…と、すぐさま蛍光灯の光源に撮影。
ほんの2,3分の出来事だったが、どうにか体裁を整うことができた。

      ●

しかし、こうやって掲載誌で自分の写真を確認してみると、
前後の写真と比べ、明らかに見劣りがする。

今をときめく笠井爾示佐内正史といった写真家が誌面に平然と並んでいるのだ。

見れば見るほど、「あちゃ~」なのである。

これから先、こういった著名な写真家と肩を並べていくのか…と
分不相応にも思考が広がっていくが、
雑誌に写真を載せるとは、つまりそういうことであって、
一写真家として、恥ずかしくないものを呈示していく責務がある…
というか、目指すべきはその領域な訳だし、

「リングに上がらなきゃ、勝ち負けもつかない」などと
一丁前な口上を述べるが、写真に勝ち負けなんかないのであって、

要は、彼らとはテイストの違う写真を今後は見せていかなければ…
仕事にもありつけないぞ…と。…ま、厳しい茨の道に入った2009年。

初頭には考えにも及ばなかった全国誌掲載が実現できて、
2010年、新たにふんどしを締める思い…なのである。



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【CINEMA dub MONKS】Live@青山Spiral

2009-12-22 | MUSIC
12月22日。火曜日。
冷え込み弛まる。
しかし前日の倉庫作業で風邪を引く。

まだまだ東京の冬には慣れない。

      ●

12月20日。日曜日。
表参道の青山Spiralにて行われた
CINAMA dub MONKSのLiveを観に行く。

クリスマスイルミネーションに彩られた表参道。
行き交うカップル、ショーウィンドウには物欲を刺激する品々。
地面から這い上がる冷気は完全に冬。

あとは舞い落ちる雪さえあれば
ロマンチックなクリスマスは完璧な演出…というわけで、
オシャレスポットSpiralで行われるCdMライヴだ。

今回は物語3部作の終章「永遠と一日」の発売記念として
物語オーケストラなる大所帯の編成で、まさに「物語」を奏でる。

メンツがものすごい。

オオヤユウスケ Polaris (voice/guitar)
ワダマコト CaSSETTE CON-LOS (guitar)
中村亮 element of the moment (drums)
生駒祐子 mama!milk (accordion)
清水恒輔 mama!milk (contrabass)
上運天淳市 KINGDOM☆AFROCKS (tenor sax)

どれだけ壮大な音楽が聴けるのだろう…と期待に胸を膨らませた
テーブル席のカップルたちも、多かったのではないだろうか?

実際、200名はいただろう。
当日券の立ち見席も今か今かと待ちかねた様子。

何しろ東京だ。
Spiralのイベントに来るような連中だ。
トレンドを身にまとい、いい香りを放っている。

…いったいどんな「物語」が聴けるのだろう。

      ●

終わってみると…私的には残念な結果だった。
やはり緻密な構成があってこそMonksではなかったか・・。

あらためて2002年の「TRES」を聴いてみる。

当時はダイホも相当ソリッドでストイックだったから、
奏でる音楽も下手をすれば怪我をしそうなほどパンキッシュだった。

ヤマグチくんの地面をたたくようなパーカッション、ガンジーの襲いかかるように刻まれるベース、
DJトミナガくんの浮遊するサンプリング、ダイホの鬼気迫るフルート、…そして影、影、影。

妖しげなスライドと、この4人の息づかいがあったから、
次なる展開が気になってハラハラドキドキさせられっぱなし。

…そして、決定的なことに気づいた。
…そうだった、CdMはダブを基本とした音楽だった。

dub…アーティスト名の真ん中に刻まれたこの音楽スタイルこそ、
CdMを魅力的にしていた要素だった。

街中のフィールド音を背景に、奏でる音をそのままサンプリングし、
アンプを通してループさせ、さらにフルートを乗せ、複層的な音の広がりを持たせる。

当時はDJトミナガくんが効果的な音源を随所に散りばめ、
右から左に風の音が抜ける…ような立体的な演出や、
爆音でbreakしてsilentから次の展開へ…といった場面転換も巧みだった。

しかし、そのような音の組み立ては、
メンバー全員の息づかいが一致していなければ成立しない。

暗闇では、音だけが頼りだ。

「このフレーズの後には、3拍のbreakがあって、ベースから入る。」
そんなキメが至る所にあったから、Live後は毎回のように反省会、ケンカも絶えなかった。

だからこそ、緊張感のあるステージに観客は魅了された。

      ●

2009年、CdMも結成10年だ。
欧州遠征の時代から数えても5年は経つ。

当然スタイルも変化する。メンバーも入れ替わった。
今回のように、奏者に委ねるカタチで物語を紡いでいくスタイルは、
最近特に顕著だけど、Jazzのインプロビゼーションに近いカタチで、
時には「神が下りた」ポリフォニックな昂揚ももたらすだろう。

しかしその域には、もう少し四つに組む必要がある。
メンバーの息づかいが合ってこそ、…である。

まずは、なによりdubだ。
複層的な音の配置は、ダイホの目指す音楽だ。
平田オリザの演劇を例に奥行き感を説いていた時代がなつかしい。

ダイホくん、
もう少しダイホイズムを主張しても、よいのではないかな?







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【黒田なつ子】Milky Way

2009-12-19 | Photo-diary
12月19日。土曜日。
冬将軍鎮座。太陽の熱気、まったく届かず。
芯から冷える陽気とはこのこと。
ヘルシンキの張りつめた空気を思い出す。

      ●

昨日、座・高円寺にて行われた
ダンスバリュー「second gate」を観に行く。

舞台芸術を育成・発表する場だという。
わが街、高円寺にも凄い劇場が出来たモンだ…とたまげていたら、
なんと区民ホールとのこと。杉並区もすばらしいことをする。
設計を伊東豊雄氏にお願いし、運営をNPOに委託するなど、
公共事業としてしっかり先を見据えたプロジェクトになってる。

2年先のことが描けない事業が多い中で、
こういう税金の使われ方は気持ちがいい。

11月27日に観たダンスイベントBigTime
独創性にあふれたコンテンポラリーを披露してくれた
黒田なつ子さんが創作・演出した「Milky Way」が今回のお目当て。

さらに、90分間ダンスパフォーマンスを堪能する楽しみもあった。

肉体の呼吸を感じようと一番前でステージに齧り付く。

のっけから演者の気迫に生唾を飲んだ。
カラダを使って表現するとは、こういうことか。

舞台に上がってから下りるまで、すべてが見せ場である。
ためらいや戸惑いは、すぐさま観客に見透かされる。
表情のひとつとっても、隙を見せるとそれが「素」となって
こちらに如実に伝わってくる。

ナマの恐ろしさである。

徹頭徹尾、100%演出を表出する心持ちで臨まないと、
甘さが露呈して、こちらの集中力も「ふっ」ととぎれてしまうのだ。

音楽のステージはそれでも「音」という主役に集中するので、
観客の意識を収斂するのは容易いが、
舞台芸術、特にむき出しの肉体を手段とするダンスは、
全身の動きがすなわち表現であるので、
おのれ自身を客体化して、冷徹に表出することが求められる。

それでもナマである。

呼吸の乱れやアクシデントは付き物だ。

着地がうまくいかなかった、絡みのタイミングがずれた、
全体を見通す余裕がなかった…など、常に反芻を強いられる。

10数分間のステージを通して、
表現として観客を魅了できるかどうか、
それがダンスの醍醐味だと、合点した。

      ●

「Milky Way」は6団体の最後に演じられた。

期待でこちらも身を乗り出して見入ってしまったが、
演者の動きは、それを上回る強靱さで観る者を圧倒した。

虫ともとれるような動き、常軌を逸した動線、
手足の流れはおよそ人間的な範疇では及ばないところに達している。
肉体を完全に客体化していた。

それでいて表現は、見事に普遍性を帯びていて
観ているこちらの感性をえぐるような感動があった。

暗転して、舞台が終止する。
ピーンと張りつめた空気。全員が息を呑むような緊張があった。

再びステージが光に満たされ、演者3人が頭を垂れた。

「Milky Way」とタイトルされる通り、
宇宙との交信を何かしら感じた一瞬があった。
「黒田なつ子」に共振した舞台だった。



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【Raymond Carver】解剖室

2009-12-18 | BOOKS&MOVIES
その頃、わたしは若かったし、人並み以上に強かった。
どんなことでも、と自分では思っていた。
夜、アルバイトで、検屍のすんだ後の解剖室を掃除していた。
解剖がすごく早く終わることもあれば、
ずいぶん遅くまでかかったりすることもあった。
そうすると、なんと、あの特別にしつらえられた台の上に
残骸が放置されていたりするのだ。
コチコチに冷たくなった赤ん坊。
ある時は、黒人の大男。白髪のやつで、胸が切り開かれていた。
内蔵がすべて頭の横の金属皿の上に並べられている。
ホースから水が流れ、頭上からはライトが照りつけていた。
またある時は、脚が置いてあった。女性の脚が台の上に。
青白い格好のいい脚。わたしは、自分の見ているものが何であるか、
ちゃんとわかっていた。前に何度も見たことがある。
それでもなお、はっと息を飲んでしまうのだ。

夜、家に帰ると妻がこう言う。
「大丈夫よ。この世が終わればあの世がある」
だが、それほど単純にわりきれない。
妻はわたしの手をとって、両手でしっかり握りしめた。
わたしはソファーにもたれて目をとじた。
何かを…考えながら。
何を考えていたのかわからない。
妻がわたしの手を自分の胸に持っていく。
その時、わたしは目をあけて、天井を見る。
あるいは床をじっと見つめる。
それからわたしの指は彼女の脚へ。
温かく、格好のよい、
かすかに触れただけで震えだし、びくっとする脚。
だが、わたしの心は晴れず、落ち着かない。
何も起こってないのに、
いろんなことが起こっていた。
研ぎすまされ、どんどん尖っていく石……生命とはそんなものか。

      ●

トムウェイツを聴いて、カヴァーが読みたくなった。

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【Tom Waits】Christmas Card を巡る話

2009-12-17 | MUSIC
ねぇ チャーリー 私ね 妊娠してるんだ
今は9番街に住んでる
ユークリッド通りの外れの、
エロ本屋のすぐ上よ
ドラッグはやめたし
ウィスキーもやめたんだ
旦那はトロンボーンを吹いてるの
出世コースに乗ってうまくいやってるのよ

彼は私を愛しているって言ってくれる
お腹の子供は彼の子じゃないけど、
自分の息子のように育てるよって言ってくれる
彼のお母さんの形見の指輪をくれたし、
毎週土曜の夜にはダンスに連れて行ってくれるんだ

ねぇ チャーリー 私、あなたのことを考えるの
フィリン駅を通り過ぎる度にね
あなたはいつも髪にグリースをいっぱいつけてたよね
リトルアンソニー&ザ・インペリアルズのレコード、まだ持ってるよ
でもレコードプレーヤーは誰かに盗まれちゃった
あなたは今もあのレコード好き?

ねぇ チャーリー 私、おかしくなりそうになった
マリオが警察に捕まったとき
だから両親がいるオマハに帰ったんだ
でも、私が知っていた人たちはみんな、
死んでしまったか刑務所に入ってしまっていた
だからミネアポリスに戻ってきたの
これからはここで暮らすつもり

ねぇ チャーリー 私、幸せだと思う
あの事故が起きてから初めてそう思う
ドラッグに注ぎ込み続けたお金を、
全部ちゃんと持っておけば良かったよ
そしたら、中古車売り場を買ってただろうね
それで、車は一台も売らない
毎日、その日の気分にあわせていろんな車で出かけるんだ

ねぇ チャーリー ところで
本当のことを知りたい?
私には旦那なんていない
彼はトロンボーンなんて吹いてない
本当はお金を借りる必要があるの
弁護士に払うお金を
チャーリー、ねぇ
仮出所が認められるはずなの、
バレンタインデーの頃には

【youtube】Christmas Card From a Hooker in Minneapolis

      ●

トムウェイツ29歳の時の作品。
別れた女から近況を告げるクリスマスカードが届く。

旦那は出世コースでとても出来た男で、
毎週ダンスにも連れてってくれる。
愛に満ちた暮らしをしてるんだ…と。

時々私、あなたのことを思い出すの。
ドラッグに溺れた凄惨な日々とともに。
だから今、とっても幸せよ…と女。

カードの締めくくりに、女は告白する…
「チャーリー、ホントのこと知りたい?」

幸せな日々は真っ赤な嘘。
まだドラッグからも抜け切れてないわ。
弁護士へ払うお金が必要なの。
次のバレンタインデーまでには
仮出所が認められそうなの。

      ●

クリスマスは、なんでこうも胸締め付けられる季節なんだろう。
愛にあふれた昔日の記憶が、クリスマスソングと共に思い起こされるからか。

この歳になると、高校時に訳もなく浸ったトムウェイツが
また違った感慨で、骨身に沁みる。

自分の弱みをさらけ出したくなってきたからだろうか。

背伸びをして、必死で理想を追いかけて
前ばかりをひたすら見つめていた30代。

毎日、日雇いの派遣バイトでライン作業に明け暮れる40代。

くたびれた中年が集ってピッキング・検品・梱包の作業をしている様は、
歳と共にくすんで張りを失った肌のように、切ない。

1坪ほどの喫煙室で10人ほどの男女が
紫煙を吐いてる10分間の休憩タイムは、
やり切れない思いの淀み場のようだ。

      ●

クリスマスカードとは程遠い現実に
ただひたすら埋没している中年たちにも
クリスマスの浮ついた空気は届く。

どんなに縁遠い存在だと思っていても、
容赦なくイルミネーションは目に飛び込んでくるのだ。

品川埠頭の帰りのバスで
疲労を背中に滲ませた男たちは、
暗闇に明滅するそれらの灯りをどう捉えるのか。

くすんでしまった視界の翳りを、自覚することすらないのだろうか。

あのころのトキメキは、
星空を眺めた無垢な心と共に封印してしまったのだろうか?

そんな幾層もの堆積した心の記憶があるからか、
トムウェイツは、歳と共に骨身に沁みてくるのだ。




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【bozzo】BOZZO.JP立ち上げ!

2009-12-15 | Photo-diary
12月15日。火曜日深夜。
明日は最高気温が9度。
最低気温が7度。この冬一番の冷え込み。
今週はこんな調子で気温が上がらない毎日…との予報。

手袋をしていても冷気がぞくぞくする。
12年、沖縄にいて完全に感覚が麻痺していた。
そうだった。
東京の冬って、こんなに寒いんだった。

      ●

先週から今週にかけて
めまぐるしいイベント目白押し。

「吉増剛造×港千尋トークセッション」
日経本社で開かれている展覧会「タイポロジック」のトークイベント。
写真と文字のプリミティブな源泉をめぐる思考の往来はすばらしいものがあった。

旧暦フォトカレンダー2010「なつかしきヤポネシア」
わがNPO、ちゅらしまフォトミュージアムから今年も販売するカレンダーの広報で
代表の垂見健吾さんと写真家島尾伸三さんと「SWITCH」「朝日新聞社」へ。
琉球弧のひとつである奄美大島の凄惨な歴史を伸三さんの口から聴くと、
ホントに説得力がある。沖縄以上に蹂躙された島の歴史は、未だに尾を引いている。

UNDERDOG/Andres de Santiago
スペインの作家アンドレス・デ・サンティアゴさんの個展オープニング。
「UNDERDOG」日本語の「負け犬」とはかなり意味合いが異なり、
ラッキーな勝者、革命的なポジションの人…というニュアンスがある。
米国のオバマ大統領は「Underdog」と言われている。
映画サルバドールの朝の鉄環絞首刑(ガローテ)の執行が1975年。
そんな背景もあるのか?と聞いたところ、本人はその後の生まれ。
スペインのフランコ政権については、あまり感慨がないらしい。

「風の旅人」公開トーク
細江英公さん、森永純さん、田口ランディさん、中藤毅彦さん、有元伸也さん、編集長の佐伯剛さん、
どなたにもお目に係りたかったので、永田町砂防会館まで出向く。
細江英公さんがあんなに大きな方だとは…。ランディさんがあんなにマシンガントークだとは…。
イメージと現実とのギャップ。それでもみなさんの語り口には、ただただ頷くばかり。
森永さんが、写真もトークも一番強烈で、最高の収穫だった。

「BOZZO.JP」ポートフォリオサイト立ち上げ
仕事でお世話になってる和宇慶さんに無理言って
立ち上げてもらった自前サイト、いよいよ完成へ。
まだトップページは出来上がってないが、過去の写真がビューワー仕立てで見られるカタチ。
今後はWorkの項目が増えていくことに自ら期待。

…とまあ、ひとつひとつが大きなトピックとして
今後書き込める内容だが、まずは保留ということで。

iida/PRISMOID
あ、それから。
一目惚れした深澤直人デザイン。
角錐体という意味のPRISMOIDは、シンプルで小さく手に馴染む。
名刺カラーがキミドリということもあり、すぐさま鞍替えした。
なんと2年半ぶり。

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【Jimi Hendrix】Little Wing

2009-12-12 | MUSIC
【youtube】Little Wing/Jimi Hendrix

Well, she's walkin' through the clouds
With a circus mind, that's running wild.
Butterflies and zebras and moonbeams, and uh fairy tales.
That's all she ever thinks about.
Riding with the wind.
When I'm said, she comes to me
With a thousand smiles, she gives to me free
It's alright she says. It's alright
Take anything you want from me, anything. Anything

Fly on, Little Wing
Yeah yeah yeah


彼女は雲の中を歩いている。
夢見る様な気持で。
蝶やシマウマ、月光やおとぎ話、そんな事ばかりを彼女は考えていたんだ。
風に跨り、泣きたい時は僕の所に飛んで来てくれる。幾千の微笑みを連れて。
彼女は惜し気も無く与えてくれる。
『気にしないで大丈夫。』と彼女が言う。
『欲しいものは何でも私から持って行きなさい。何でも。』と。

【youtube】Little Wing / Stevie Ray Vaughan

       ●

「Little Wing」は「Wild Horses」のアンサーソングだと思っていたら、
Stonesのほうが後に録音されているようだ。

曲の雰囲気といい、
女を歌った内容といい、
男の切なさが、たまらない。

やはり、創造の神ミューズは女だと、確信する。

12月の今頃にキューキュー鳴る切ない胸を
この曲に手向けている輩も多いことだろう。

女を手懐けられる…なんて発想がもう、
馬鹿な男の妄想なんだから。

      ●

Little Wingはなぜか
ボクの中でクリスマスと直結する。

1997年の冬、仙台のデザイン事務所で
寒い寒い徹夜を余儀なくされた時、
Stevie Ray VaughanのこのLittle Wingに初めて触れて
なんて恍惚なギターだ…と、鼻血を出した。

そのぐらい衝撃的だった。

初めて聴くRayのギター。
1990年にヘリ墜落で命を落としたことを後から知って、
その恍惚に磨きがかかったことを覚えている。

クリスマスとLittle Wing。
万年ナルシストでオナニー野郎な自分には
その「恍惚」だけが、救いだった。

「昇天」=「神」につながったから…かもしれない。





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【The Rolling Stones】Wild Horses

2009-12-12 | MUSIC
Childhood living is easy to do
The things you wanted I bought them for you
Graceless lady, you know who I am,
You know I can't let you slide through my hands

Wild Horses, Couldn't drag me away,
Wild, wild horses, Couldn't drag me away...

I watched you suffer a dull, aching pain
Now you decided to show me the same
No sweeping exits or offstage lines,
Can make me feel bitter or treat you unkind

Wild Horses, Couldn't drag me away,
Wild, wild horses, Couldn't drag me away...

I know I dreamed you a sin and a lie,
I have my freedom but I don't have much time
Faith has been broken tears must be cried,
Let's do some living after we die

Wild Horses, Couldn't drag me away,
Wild, wild horses, We'll ride them someday

Wild Horses, Couldn't drag me away,
Wild, wild horses, We'll ride them someday

幼い頃 生きて行くのは容易かった
おまえが欲しがるものは何でも買ってやった
無作法な女よ 俺のことは分かっているだろう
この手からおまえを失いたくないのだよ

野生の馬は俺を引きずれなかった
野生の馬は俺を引きずることが出来なかった

お前が鈍い苦悩に苛まれるのを見てきた
今度は同じ苦悩を俺にも味わわせようというのか
見渡せる出口もなく 舞台裏の行列もない
俺に苦々しい思いをさせるのか
おまえを不親切に扱うのかのどちらかだった

俺はお前に罪と嘘を夢見ていた
俺には自由はあるがもう時間がない
信頼は裏切られ、涙が溢れ出す
命が尽きた後に、あの世で一緒に暮らそう

野生の馬も俺を引きずって行くことは出来なかった
野生の馬に、いつの日か俺たちも乗ろう

【youtube】Wild Horses/The Rolling Stones
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【works】年末は短期決戦!

2009-12-08 | works
12月8日。火曜日。
今日も朝から清々しい天気。
澄み渡って、恨めしいくらい。

朝陽が鋭角に東から注ぎ込み、
すべての事象が縁取られて、
誠にもって美しい。

このような陽差しの中で、
思う存分撮影出来たら…などと思う。

…のだが、

ま、やはり、撮影の仕事で喰っていける訳もなく、
年末なので、何かと入り用な時期でもあり、
まずは短期のバイトを…と始めたのが、
「お歳暮の仕分け」。

ヤマトは駄目でもペリカンがあるよって
朝から晩までひたすら同じコトをやらされる。

振り分けられたのが流通のコーナーだったから、
映画「Rookie」のDVD発売に合わせての初回限定フィギュア付きだったり、
ポスター付きだったり…を100単位で梱包する作業だったのだけど、

まああ、見事に終日同じコトを永遠と。

これがなるほど、機械のように作業する
…あのライン作業ってやつっすね。

決められた分量をこなすまで
ひたすら100単位で詰める、詰める。
紺の制服を着て、紺の帽子をかぶって、
ひたすら100単位で詰める、詰める。

まるで囚われの身のようでした。

日給9,000円。

      ●

今日はまた違った派遣先で、
行ってみると○○薬品のピッキング。

「ピッキング」って検品かなにか?

…と思って作業に入ってみたら、
なるほど、全国の薬局から入ってきたオーダー票に合わせて
その品番のブツをそのオーダー通り揃えて、詰める人に渡すこと
…だったようで。

「DVD」の詰めものは、オプションの種類が限られてたから
ライン作業で出来たけれど、
薬品のオーダーは千差万別だから、(およそ200!!)
ま、トランプの神経衰弱のようにひたすら品番とにらめっこで、
この品番はどのエリアにあったか…ということを思い出すのが、一苦労。

昔の活版印刷で活字を拾うような感じ…といえば、
少しは文学的に聞こえるだろうか。
(そう、銀河鉄道のジョバンニのように)

これもまた8時間、
ひたすらオーダー票と品番とのにらめっこで、
重たい荷物があるわけではないから、
このミニマリズムに浸ってしまえば、快楽にもつながるのだろうけど、
決して生産性のあるお仕事では、ない。

動き回れる分、囚人のような錯覚は起きなかったけど。
日給8,000円。

       ●

明日も朝から、○○薬品へ。
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【病】突発性難聴

2009-12-08 | Photo-diary
実は沖縄から東京へ引っ越すあいだの
およそ前後2ヶ月あまり、
左の耳の聴覚が
突然おかしくなる病気に罹っていた。

原因不明な症状なので、医者は都合よく
「はい、突発性難聴だね」
…と一言で片付け、処方箋を出した。

耳慣れない病名にこちらは蒼白となって
すぐさまインターネットで現状把握してみると、
あの「浜崎あゆみ」が聞こえなくなった病気ではないか。

突発性難聴

しばらく耳鼻科通いと
末端神経を活性化させる薬を
飲み続ける日々。

どんな症状かって?

左耳だけ、水が抜けてない感じ…と言ったらわかりやすいか。

うわん…うわん…と
波紋が広がるように
残響のディレイ効果が左耳だけに宿る。

人混みのところ…たとえば
中華料理のお店や居酒屋などに行くと
廻りの会話が八方から巡るめく感じに
かぶさってくるので…音の洪水となり、
結果、まったく聞こえない。

トンネルの中で道路工事しているような、そんな状況。

2ヶ月ものあいだ、意味もわからず、
その音の波紋を抱きかかえていた。

一抹の不安…恒常的になるのではないか…を残して。

      ●

ま、ここでこうやって
カミングアウト出来てるのだから、
もうすっかり良くなったのだけれど、

それでも時々、過度の緊張を強いられると、
左耳に高音の耳鳴りが起きたり、
脈拍の音が鼓膜の奥から聞こえたりする。

過度な意識を向けないようにはしているが。

この「突発性難聴」、
ストレスに因るところが大きいらしい。

沖縄から東京への移動が
知らないあいだにプレッシャーを与えていたのか、
甘えの構造から脱しきれなかったのか…
ま、本人も知るよしもない。

とにかく早期発見、早期治療しか
救いようがない…らしい。

「あゆ」は放っておいたから、聞こえなくなった…と。
耳鳴りが始まったら、まずは耳鼻科へ。


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【bozzo】こぢんまりした同窓会

2009-12-07 | memories
12月7日。月曜日。
師走の一週目終了。
すでにカウントダウンモード。

しかも絶好の行楽日和。
晴れ渡る空。張りつめた空気。

6日の日曜日はNAHAマラソン
去年の今頃は、58号線を行ったり来たりしていた。
あれから1年。今年はどんな大会だったのだろう。
もう、遠くを見つめる目になってる。

しかし、なぜか昨日は発熱。
一日寝込んでしまった。飲み過ぎたせいだろうか。

     ●

12月5日。土曜日。
飲み過ぎた原因は、
大学時代の友人が4人遊びに来たからだ。

こんなことでもないと集まらないだろうって、
沖縄から東京へ帰還した祝いと忘年兼ねて集った。
当初は7人参加の予定だったけど、
やはり年の瀬、仕事がうまく回らなかったり、
体調を悪くしたり…と、結局4人となった。

ま、それでも4人集まれば、昔話に花が咲く。

「何年ぶりに会ったんだ?」から始まって、
「最近、どうなの?」「子供いくつ?」と
生活主体の話題に終始。

個々の仕事がどう…とか、あいつはどうした…とか、
そういった込み入った話はまったくせず、
現実生活に追われている自分たちの話で盛り上がる。

…とは言いつつ、学生時代に連んでいた連中だから、
話はとりとめなく進行し、いつのまにか話題は大学のことに。

学生が減って、入試の倍率が低くなった…から始まって、
科目が細分化された…とか、施設が充実した…とか、
学生がやる気ない…とか、覇気がない…とか、
ま、実際に大学に出入りしているから出来る話。

その友人が最近バイクにはまっちゃって…と語った話が、なんとも目からウロコ。

反射神経など身の衰えを体感すべく中型免許を取得して、
サーキットでバイクを走らせるらしいのだが、

革のつなぎを着てフルフェイスで、レースでもやるのか?…と聞くと、
「いやいや、危ないから」やらない…という。

じゃ、サーキット限定でなぜ走るのか?…と聞くと、
「公道じゃ危ないから」いやだ…と。

ではサーキットでひたすら走るだけ?…と聞くと、
「そう、スキーみたいにひたすら走る」のが気持ちいいのだ…と。

ゲレンデに集うスキーヤーが滑降をただ繰り返すように、
その友人はサーキットに出かけ、ひたすらバイクを周回させるのだ…という。

スピードと一体化することで、
日頃の鬱憤を吹き飛ばす。

目的がはっきりしていて、理にかなっていて、見事な話だった。

ただ、あまりにも自分の思考から文脈がずれていて驚いた。
なるほど。そういった快楽の得方もあるんだな。

20年来の友人と集う。
そこにはやはり、言葉だけじゃない、
空気全体から和むものがある。

面白いもんだ。



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【Theatre Brook】心臓の目覚める時

2009-12-02 | MUSIC
悲しみは 人見知りしない
放たれた矢は 突き刺さるまで
飛び続けようと 祈るように
風を切ってまっすぐに 光る跡を残す

傷付けることに慣れる日と
傷付けられることに慣れる日と
戦う前に戦おうぜ
そこにいる君の上で 星も月も太陽も

見つめてるぜ 動かないで
君のことを 守るように 時には連れさらうようにして

悲しみは 人見知りしない
放たれた矢は 突き刺さるまで
飛び続けようと 祈るように
風を切ってまっすぐに 光る跡を残す

ずっと待ってた 終わることのない夜明けと
君のキスを ずっと待ってた 心臓の目覚める時

許せないならポケットの手を出して
思い切り抱きしめてやれ そこで

ずっと待ってた 終わることのない夜明けと
君のキスを ずっと待ってた 心臓の目覚める時

             詞・曲/佐藤タイジ

【YouTube】Theatre Brook/心臓の目覚める時

     ●

沖縄移住と同時期に夢中になったバンド、Theatre Brook。
1995年の「ありったけの愛」でデビュー以来、
バンドリーダー佐藤タイジの動向は気にかけていたし、
新譜は必ず初回版を手に入れ、
掛けもしないのに…アナログ版は鴨居に飾って、
さらにはファンクラブまで入る熱の入り様だった。

1996年6月24日、1stAlbum「TALISMAN」発売。
1997年10月22日、2ndAlbum「TROPOPAUSE」発売。
1999年2月20日、3rdAlbum「VIRACOCHA」発売。

それらのデザインディレクションが平野文子ということは
当時からチェック済みではあったし、
厚めのブックレットの写真で埋め尽くされた世界観には
当時から「カッケエ~」と小四のガキのように見とれていたものだった。

しかしもって、その和室の鴨居に飾るほどの熱の入れようだった
Theatre Brookのジャケット写真のクレジットが「大森克己」と知ったのは、
2005年のworkshopに参加してからのこと。

そして、今知った……3rdAlbumは「藤代冥砂」だ。。。
あの牛の写真は「冥砂」だったのね。

      ●

年末は何かとカネが入り用だってことで
短期のアルバイトもしなきゃな…なんて

けっこう真剣にそんな「思い」も熱く、
月曜配布のバイト情報誌のフリーペーパーかっさらって
いの一番に「お歳暮仕分け」の日払い仕事へ電話。

有明埠頭のドデカい倉庫へ、面接用の送迎バスまで利用して
「履歴書」と「筆記具」持参で乗り込んでみたはいいけど、
事務用テーブルが整然と並んだ、大学の講義室みたいな空間には、
グレイッシュの空と似たようなどんよりした表情の無彩色な男たちが、
テーブルにあごが付かん…とも思しき重たい姿勢で「仕事の説明」を待ちわびている。

「おいおい、こっちまで配給に行列している気分だぜ」

って口に出しては言わないけれど、
明らかにそのまま「年越し派遣村」へ移動しそうな雰囲気。

「派遣切り」じゃあるまいし、この覇気のなさはなんなんだ!?…と
少しうわずった気分が下手な刺激を与えたのか、
ただたんに戦力外と見なされたのか、その真意は知らないけれど…

「お歳暮仕分け」のバイトは見事不採用。

その覇気のなさが気に入られたんだな…と
悪態ついたりして、どこまでいってもクサクサした気分は抜けず、
…かといって「背に腹は代えられぬ」状況だから、
懲りずに明日も「履歴書」持って埠頭の面接会場へ。

世はクリスマスだろうが、なんだろうが、
「悲しみは人見知りしない」わけで。

明日も空っ風はすね毛を顫わせて、フトコロを悲しませて、
街中は反比例するかのように、ネオンも華やかに、逆撫でを繰り返す始末。

あああああ、年末。あああああ、年末。
一年の「何を」忘れようとするのやら。

「心臓を目覚めさせて」やれよ。



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【内藤未映】BIGTIME@六本木EDGE

2009-12-01 | Photo-diary
12月1日。火曜日。
晴天。映画の日。

東京に来てから銀幕の世界に浸ってない。
ものすごく渇望しているのだが、沖縄のように気楽に行けなくなった。

金額もそうだが、アクセスも非常に面倒。

そこに行けば、とりあえず見たい映画に出会える。
TSUTAYAへ行くのと同レベルに映画館があった。

      ●

11月27日金曜日。
六本木EDGEで行われたパフォーマンスイベント
BIG TIMEに赴く。

パフォーマーに発表の機会を!…と今回から始まった
ダンサーやボーカリストたちのイベント。

実に様々な若手表現者が、自分の世界を構築し
10分枠の中で最大限のアピールを展開する。

17組もの演者それぞれが、とても興味深かった。

バスケットボールを使った男性のショウや、
タップダンス、お笑いマジック、ポールダンス…。

はたまた舞踏のような奇態な虫の動きを見せる裸体の男、
コンテンポラリーダンスの素早い動きで魅了した女性、
ブラジルのサンバの出で立ちで全く新しいショウを展開したグループ。

ミュージカルを思わせるキレの良い展開で歌ありダンスありの女性4人組、
見事な肢体で、丸みのある柔らかい動きをみせた女性ソロダンサーには、ドラマがあった。

そして、ラストを飾った内藤未映のベリーダンス。

オリエンタルな魅力とは、一種不可解な妖しさだと思うが、
その憂いを帯びた表情と動き、10分間の中で魅せた高揚感。
シャッターを押しながらも、その高みに陶酔してしまった。

表現することのすばらしさを味わった3時間だった。


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