その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、映画、本などなどについての個人的覚書。SINCE 2008

東京マラソン2024 完走記(1/2)

2024-03-05 07:25:31 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)

9年ぶりの東京マラソン当選。あの絶えることない声援の中を走れる喜びを再び味わえる嬉しさとともに、あの中でベストなパフォーマンスが出せるよう、それなりに準備を重ねてきた。前回出走の時からコースが一部変更になったこともあり、コース試走も行い、距離感、高低差(ほとんどないけど)も頭に入っている。数日前からアルコール断ち、カフェイン断ち、カーボローディングも行い、とりあえずやるべきことはやったつもりで、いよいよ当日。

【スタートまで】

5時30分起床。朝食は味噌汁に切り餅を3つ入れて腹ごしらえ。7時20分には新宿駅到着。スタートエリアまで意外と距離があったが、ボランティアさんの案内が明確だったので、迷うことなく7時40分にゲートイン。もうずいぶんとランナーが集まっていた。高層ビルの谷間から見える空は雲一つない青空である。トイレを済ませ、駅で購入した赤飯おにぎり1個とエネルギーゼリーで最後の腹ごしらえ。軽くストレッチをして、8時20分ごろにはスタートエリアに並んだ。


<最高の青空 午前7時40分>

スタートは9時10分なので、時間はある。日陰に入ると冷え冷えするが、風がないので良い方だろう。周囲を見渡すと、外国人ランナーの多さが目立つ。プログラムによると1万人近くの外国人ランナーがエントリーしているようなので、4人に一人は外国人ランナーだ。世界6大大会制覇のゼッケンを背中に着けているツワモノもちらほらいる。


<スタートまでの待機が結構寒い>

私の集合エリアはDブロック。前方に位置しているためか、ぱっと見、鍛えてる感満載なランナーが多く、名物の仮装ランナーは殆どいない。だが、偶然、目の前に(顔被りしていて)年齢不詳の男性がピンクの忍者衣装で固めていたので、話しかけてみた。「この衣装、自前作成ですよね?本格的ですね。東京以外もこの衣装で走るんですか?」「自前って言ったって、かあちゃんが作るんだけどね。今年はピンクだけど、去年は赤の忍者衣装。ほら(と言って昨年の写真をスマフォで見せてくれた)。これで、台湾やアメリカでも走ったよ。カルフォルニアのレースの時には、頭巾は(顔分からないから)取れって言われちゃったよ。頭巾取ったら、忍者じゃないよね。しょうがないからキャップ被ったけどさ〜」。レース前のちょっとした会話を楽しんだ。


<忍者おじさん>

【スタート~10k地点】

いよいよ9時10分スタート。名物の桜吹雪は私がスタートラインに着く頃は終わっていたが、4分弱でスタートラインに到着し、マットを力強く踏み込んだ。昨年の大阪マラソンでは、ビル間を走るせいかスマートウオッチGarminの正確性がボロボロだったので、この日はGarminに加えて、ベルトがちょ切れたストップウオッチも懐中時計として持参。2つの時計のスタートボタンを押して、推定4時間の旅に出発。

 


<スタートの号砲なる!>


<さあ、いよいよ始まり、始まり・・・>

都庁を周回して、青梅街道から靖国通りに出る。左右の沿道から凄い声援を突き破るようにランナー集団が進んでいく。おー、これだ、東京マラソンって。と、9年ぶりの再体験に心身ともに舞い上がる。


<JRをくぐって新宿東口へ>

前半は水道橋まで緩やかなくだりが続く。ここで調子に乗ってはいけない。Garminが2k経過のアラームを教えてくれた。1kラップは5分5秒。「そんな早いわけないだろ」と時計相手に罵る。レースに設置された距離ボードを探すと、2km地点ははるか100mぐらい先。「やっぱり、都市型マラソンにGarminはポンコツだ。」と想定範囲内の事象を再確認し、Garminのモードを心拍数に切り替え、心拍計としてだけ使うことにした。

5キロ経過が懐中ストップウオッチで27分弱。キロ5分30秒ペース維持が目標なので、ちょうどいい感じ。ただ、スタート直後の興奮がまだ収まらない。心拍数が130を超えることもあり、何とか120台に落ちるよう深呼吸を重ねた。

靖国通り→市ヶ谷で外堀通り→水道橋で白山通りを走り、神保町に出て再び靖国通りに。須田町交差点を左折して、秋葉原を経由して上野に向かう。この辺りは馴染みの場所なので、安心感ある。10キロ地点は懐中時計で53分ちょっと。5キロラップも26分台で思惑通り。Garminと距離ボードの差はどんどん拡大し、200m以上開いている。


<靖国通り、神保町>


<中央通り 秋葉原>

 

【10k~ハーフ地点】

それにしてもこの途切れない応援は凄い。これも想定どおりだが、そのおかげでハイな精神状態が続いて、走っているのが自分であって自分で無いよう。これは吉と出るのか、凶と出るのか、この時点では分からない。

上野の鈴本演芸場あたりで折り返し、中央通りを戻る。昔の私のホームグランド神田を通って、日本橋へ。更に、水天宮を通って、浅草に向かう。15キロ地点で5キロラップ26分台。まだまだ上出来である。16キロ地点前後で、対向車線に29キロ地点の先頭グループとすれ違う。黒人選手団の桁違いのスピードと前傾姿勢の格好良さに面食らう。同じコースを走る同じ人間にはとても見えん・・・


<走りが違う対向車線のエリートランナー この方達でも第3か第4集団>

18キロ地点で浅草寺の雷門。ここはやっぱり絵になる。雷門を曲がると正面にスカイツリー。思わずカメラを向ける。

 

次は、折り返し地点の門前仲町を目指す。蔵前橋で隅田川を渡り、清澄通りを南下する。ここでハーフ地点。ポケットに入れたベルトの切れたストップウオッチは1時間52分前半。3分弱の貯金ができて、ちょっと安心。ここまでは順調。あとはカウントダウンだ。

(つづく)


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