その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、映画、本などなどについての個人的覚書。SINCE 2008

本当だった「一生に一度だ!」:ラグビー・ワールド・カップ ウェールズvsオーストラリア @東京スタジアム

2019-09-30 07:30:00 | 日記 (2012.8~)

 前日の日本vsアイルランド戦の余韻が残る中、念願のライブ観戦にでかけた。チケット争奪戦で日本戦は連敗を続けたが、日本戦以外で当選した2枚のうちの1試合である。ウェールズvsオーストラリアという強豪国同志の好カード。

 京王線の飛田給駅で降りると、試合開始の2時間以上も前だというのにもう赤と黄色の人で一杯で、否が応でも気分は盛り上がる。

  スタジアムまでの10分弱の道のりは道端でビールを立ち飲みする外国人ばかりで、一体ここはどこなのかと思ってしまうほど。ロンドン駐在中にラグビーの試合は行く機会が無かったが、そういえばプレミアリーグの試合前はこんな感じだったなあと、懐かしかった。

 

今回、何度か出かけたこともあり、以前の同僚にも出身者が居た、ウエールズの応援。自分もレッド・ドラゴンにちなんで真っ赤のTシャツを着ていった。スタジアムに入ると、ウエールズ・サポーターと一緒にゲーム前のお祭りの雰囲気をともにした。


<この後、一緒に記念撮影。ウエールズの人は僕が知る限り、素朴でいい人が多い。> 


<試合までまだ1時間以上あるのに、この方たち、完全にもう出来上がってましたね。>


<このご夫婦、ウエールズのカナ-ヴォンから来られたとのこと。カナ-ヴォン城に行ったことがあると話すと、とっても喜んでくれた>

東京スタジアムは久しぶりだが、以前はFC東京の応援でほぼ毎月、足を運んでいた。試合前の浮かれた雰囲気は似ているが、とにかくその多様性、浮かれ度合い、ごひいきチームへの期待感の高まりは経験がないほど高揚感溢れるものだ。まあ、お祭りなんですね。


<もうすぐ試合開始>


〈国歌斉唱〉

 ウエールズのキックオフで試合が始まる。テレビで観るような細かいプレーは分からないが、全体の陣形や選手の動きやスピード感などテレビでは分からないところが良く分かる。そして、なによりも観衆のどよめき、ため息、叫びなど、ライブ・スポーツ観戦の醍醐味を味わえる。前半はウエールズが押し、開始間もない時間帯でのドロップゴールや、キックパスによるトライなど華麗なプレイが相次ぎ、スタ-ト直後の前半で終えたところで23‐8と想像以上に差がついた。


<キックオフ>

が、後半は一転してオーストラリアの反撃につぐ反撃で、一時は1点差まで追い込んだ。しかも、残りまだ12分を残していて、一瞬ウエールズの大逆転負けを予感させたが、ペナルティゴールによる追加点もあり、ウエールズが何とか逃げ切った。


<近くのウエールズ・サポーター> 


<ノー・サイド>

試合も緊迫感溢れる素晴らしいものだったが、世界の最高レベルのラグビーを、まさに祭典というに相応しい興奮の雰囲気の中で楽しめた経験は何事にも替えがたい。まさに、今大会のコピーにある「4年に1度ではない。一生に一度だ」は本当だと思った。

2019年9月29日


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大沼保昭 (著), 江川紹子 (著) 「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて (中公新書,2015)

2019-09-28 08:13:37 | 

新聞の書評欄で取り上げられていたのが気になって、手に取った。とっても良書である。

現在の泥沼化している韓国との歴史認識のギャップがどこから生じるのか、克服する術はあるのか、個人的に日々メディアのニュースを見聞きするたびに感じる「?」である。一部「歴史修正論者」の極論がだんだん当たり前になってきている空気も気になる。そんな私の問題意識を綺麗に整理し、かつバラバラ散在している戦後史の知識を系統立ててくれる貴重な一冊だった。

語り手の大沼氏は、「東京裁判」、「サンフランシスコ講和条約」、「戦争責任」、「慰安婦問題」等の具体的事例を取り上げ、立場の異なる論者の議論をバランスよく紹介し、歴史的背景、法的な位置づけ、国際関係や国と個人の関係等を視野に入れて、論点を整理する。対立する双方の議論に気持ちを寄せ共感しつつ、現実的な解決策は何かを考える。

聞き手であるジャーナリストの江川紹子さんは、普段我々が感じる素朴な質問を直球ど真ん中に的確に投げこむ。例えば、「法的には日韓両政府が解決済みとしていた慰安婦問題を韓国の裁判所が「憲法違反」としたのは何故か?」とか「イギリスの植民地支配に批判の声が上がっていないように見えるのは何故か?」といった具合である。

私自身、昨今の韓国との慰安婦や徴用工の問題には「法的には日韓基本条約で解決しているのに、いつまで謝り、保障しなくてはいけないのか?」という思いで記事の見出しのみを追いかけてきているが、そこには21世紀以降の「人権の主流化」と言われる世界的な流れや過去には植民地であった非欧米諸国の経済的発展に伴う発言力増大などが背景にあるという解説は腑に落ちるものであった。

また、本書を読むと、歴史的事実、法律的・道義的それぞれの責任の整理、そして政治的な解釈・解決は、必ずしも論理的整理と一致しないという、至極当たり前の人間社会の複雑さ・難しさが良く分かる。それだけに、正論を振りかざすだけでは無力だし、かと言って政治的妥協だけでも進歩はない。学者として、また活動家として長年、慰安婦問題に取り組んできた筆者ならではの、「俗人」の立場での冷静で、現実的な議論をしっかり受け止めたい。

筆者も、韓国語訳、中国語訳、英訳を考えているようだが、日本だけでなく世界中の多くの人に薦めたくなる一冊だ。


【目次】

第1章 東京裁判―国際社会の「裁き」と日本の受け止め方(ニュルンベルク裁判と東京裁判
「勝者の裁き」と「アジアの不在」 ほか)
第2章 サンフランシスコ平和条約と日韓・日中の「正常化」―戦争と植民地支配の「後始末」(サンフランシスコ平和条約とは何か
寛大だった連合国との講和 ほか)
第3章 戦争責任と戦後責任(「敗戦責任」から「戦争責任」へ
被害者意識と加害者認識 ほか)
第4章 慰安婦問題と新たな状況―一九九〇年代から二十一世紀(なぜ慰安婦問だけが注目されるのか
慰安婦問題は日韓問題? ほか)
第5章 二十一世紀世界と「歴史認識」(十九世紀までの戦争観と植民地観
第一次世界大戦と戦争の違法化 ほか)


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電動付自転車ぐるりん号で塩山エリア(甲州市)を廻ろう!(恵林寺、放光寺、はやぶさ温泉)

2019-09-26 07:30:00 | 旅行 日本

甲府に行く機会があったので、15年ほど前に一度訪れた〈はやぶさ温泉〉を再訪したく、塩山駅で途中下車し温泉+見仏の4時間ほどの小旅行を楽しんだ。

塩山駅からはやぶさ温泉には4キロ余りなのだが、路線バスは一日に4・5本しか走っておらず時間が合わない。タクシーだと1600円ぐらいで行けるようだが、復路もタクシーを呼ばないといけない(本当に来るのか分からない)という不安もあり、どうしたものかと調べたらドコモがスポンサーとなっているレンタサイクルがあると知った。


<塩山駅前に待機中のぐるりん号たち>

 事前登録をスマフォでし、(前日にやったのだがHPがとっても重くてどうしようもなかったのだが、後からプラットフォームとして使っているアマゾン・クラウドの大規模故障が原因と知った。登録は現地でも専用端末がありできる。)、時間利用なら30分100円、1日なら1000円で借りられる。塩山は甲府盆地の縁にあるので、平地なところは殆どないぐらいなのだが、電動付自転車なので坂道もすいすい行ける。残暑の厳しい夏日だったが、自由で気持ちの良い小サイクリングとなった。

 はやぶさ温泉の手前に、織田信長の焼き討ちにあった際に残した「心頭滅却すれば自ずから火もまた涼し」の名言で知られる快川和尚が居た恵林寺が在ったので立ち寄った。


恵林寺三門 附棟札一枚

敷地内には、武田信玄公の墓や元禄時代に甲府藩主となった柳沢吉保の墓もある。寺は信長の焼き討ちで安土桃山時代に一度全焼したものの、その後江戸時代に再建。入り口の門は国の重要文化財となっている。境内を入ると右手に寺の宝物館があり(入場料500円。寺とセットで100円引き)、武田家縁の風林火山の旗とか、刀、甲冑とかが展示されている。私がひきつけられたものはあまりなかったが、戦国ものが好きな人には良いかも。

圧巻は入館料300円で入る本堂らである。想定外の立派な本堂や庭でびっくり仰天した。庭はあの尊氏が帰依した夢窓国師によるものだと言う。京都にありそうな庭が、(失礼ながら)山梨の片田舎にあるのに心底驚いた。他にも、京都の知恩院や二条城にある、歩くときゅっきゅ音がする「うぐいすの廊下」や、重文の不動妙像、原本かどうかは不明だったが涅槃図もある。そうした歴史物もさることながら、残暑の日が照り付ける外から天然風が通る廊下や書院に佇むのは静かで心落ち着く時間だった。


<うぐいすの廊下>


恵林寺庭園 国指定名勝です>

結局1時間以上滞在し、次は数百メートルほど奥にある放光寺なる寺へ。こちらは、清和源氏の流れを引く、安田義貞が興した寺である。バスで温泉に行く方法を調べていたら、「放光寺前」なるバス停で降りるとあったので、引っ掛かったのだが、実はこの寺も予想外の優れものだった。

入り口には阿・云の像。粗削りな木造彫刻だが、こちら室町時代に作られたもので、国の重要文化財指定を受けている。さらに寺の中に入ると、和尚さんがお寺のつくりを簡単に解説してくれた。寺の訪問客はまったく私一人。本堂の廊下を渡ると、奥に仏様が置いてある棟があり、そこには本尊の大日如来像、不動明王(いずれも重要文化財)が安置してある。庭はやや手入れが追い付いてない感があったが、最後には、お茶とお菓子も頂き、一人でまったりした。


<方広寺入口>

〈阿吽の像 足元で邪鬼を踏んでるのだがカメラに収まらず〉


〈仏様は撮影禁止〉

というわけで、本来の目的地のはやぶさ温泉には、予定より1時間以上遅れて到着。3時間くらいゆっくりするつもりが、寺で時間を取ったので1時間半ばかりの駆け足の滞在になった。

この近辺はいたるところで水が溢れている。その土地柄のせいか、内風呂はもったいないぐらいに鯉を形どった湯口からゴーゴーとお湯が湯船に流れ込む。完全かけ流しの温泉は「お好きにお飲みください」という紙も貼ってある。アルカリ性のお湯で肌がすべすべになるし、ほんのり硫黄の匂いも立ち込める。館内設備は何の飾り気もないが、清潔な湯殿はいつまでも入っていられる。田舎の民宿のような佇まいで、家族経営的な落ち着きは15年前と変わらず嬉しかった。

塩山から甲府への列車に合わせて、ふらふらと周辺の土地をゆっくり自転車を走らせながら駅に戻る。周囲はウオーキングコースにもなっているようで、もう少し時間があったら周囲をもっと自転車でぶらぶらしたかった。丁度、ブドウの収穫期を迎えているようで、ところどころに大切に育てられれているのが分かるブドウが実を実らせていた。



4時間余りの小旅行だが、とっても充実した時間に大満足。このレンタサイクルでの散策、とってもいい。これからの秋の季節にも楽しめると思う。

2019年8月24日

(おわり)


〈桔梗屋の信玄餅アイス>


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マーラー交響曲第5番の2連戦は・・・:ヴァイグレ/読響 @東京芸術劇場

2019-09-24 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

全くもって自分が不真面目なだけだが、N響の定演の演目はいつも1週間前になってやっと確認する。(天つばだが、この受け身な定期会員がクラシック音楽の演奏会をエキサイティングでないものとする一つの大きな原因だと思ってる)それで先週末に初めて気が付いた。ヴァイグレ、読響のマーラー5番を聴いてみたいと思って買った演奏会は、何とパーヴォ、N響のマーラー5番の翌日だった。演奏会の連戦は苦手なうえに、同じ曲目を聴くのは最初に聴いたものが上書きされるので、分かっていれば絶対に避けたんだけど・・・

ただこの日は、前半にベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番があるので、そちらも楽しみだった。私だって名前ぐらいは知っているブッフビンダーさんはもう72歳という。確かに舞台に登場したブッフビンダーさんは、2歳年上のピアニストのマリア・ジョアン・ピレシュと比べると、猫背でゆっくりと下した歩き方が、こちらのほうがお年を召している感じがする。大丈夫かなとちょっと心配になるぐらい。しかし一旦演奏が始まると、それは全くの余計な心配だった。ピアノの音は実に滑らかで優しい。あまりにも心地よいので、落ちそうになること数回、やばいやばいと姿勢を取り直すと、右隣のおじさん、左隣のご婦人は完全に落ちていた。オケとも一体となって紡がれる音は至福の時間であった。

後半はマーラー交響曲第5番。前々日の同じプログラムでの演奏が、ツイッター上で滅多に見ない程、酷評が多数アップされていたので、怖いもの見たさ的な興味も曲が始まる前はあったのだが、終わってみれば逆に「う〜ん2日前はどんな演奏だったのか」と思わせるほどの力演だった。

加えて前日に、パーヴォ、N響の演奏を聞いたばかりだがら、違いも分かって面白い。パーヴォがかなり「パーヴォ流に」音楽を消化し、エレガントとでも言えるようなマーラーだったのに対し、ヴァイグレはど真ん中のストレートを思いっきり投げ込んだかのような、飾り気少ない真っ直ぐな印象。音質は読響はN響より重厚感ある骨太で、オケの音の大きさも印象的だった(もっともこれはホールの違いが大きいかも)。ソロパーツが目立つトランペット、ホルンの鳴り方は当然ながら違う。第4楽章の美しさは双璧をなすもので、双方の弦楽器のアンサンブルはお見事でこの日も涙ものだった。前々日のこのプログラムでは終演後の拍手も「冷淡」だったとの何方かのブログで読んだのだが、この日は割れんばかりの大拍手だった。私的には個人的にはN響の演奏の方が好みだったが、力の籠った熱演に力いっぱい拍手を寄せた。

帰りの列車でラグビーワールドカップの吊広告を見て、日本で最高レベルの選手集団であるラグビー日本代表でもロシア戦の前半は考えられないようなミスを連発したけど、後半しっかり修正してきたことが頭に浮かんだ。今日の演奏もきっと「修正」のたまものなのだろう。やっぱり、スポーツもオケも生身の人間が織りなすドラマなのだ。だから面白い。

 

220回日曜マチネーシリーズ
2019 9.22〈日〉 14:00  東京芸術劇場
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
ピアノ=ルドルフ・ブッフビンダー 

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4 ト長調 作品58
マーラー:交響曲第5 嬰ハ短調 

Sunday Matinée Series No. 220
Sunday, 22 September 2019, 14:00 Tokyo Metropolitan Theatre

Conductor = SEBASTIAN WEIGLE
Piano = RUDOLF BUCHBINDER 

BEETHOVEN: Piano Concerto No. 4 in G major, op.58
MAHLER: Symphony No. 5 in C sharp minor


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パーヴォ、N響の名演リストに追加! 9月C定期/マーラー交響曲第5番 他

2019-09-22 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


<木々の葉の色が少しづつ変わって来てます>

前週に続いてパーヴォ、N響へ。この日はメインにマーラーがあるためか、完売までは行かないまでも客席は9割以上は埋まっており、普段以上の熱気がむんむん詰まってました。

前半のシュトラウス 歌劇「カプリッチョ」から「最後の場」は全く初めて聴く曲でしたが、「ばらの騎士」風の非常に美しい旋律の音楽。ソプラノのヴァレンティーナ・ファルカシュさんも初めての方ですが、ブルーと紺の地に花柄をあしらった綺麗なドレスを身にまとった姿はとっても華があり、チャーミングな方です。歌声は繊細で優しい。二人の男性から一人を選ばなくてはいけない迷う女心を清らかに歌ってくれました。ちょっとホールが今日の歌には大きすぎる感はありましたが、N響の演奏も素晴らしく、これ是非一度オペラで観てみたいものです。

後半のマーラー交響曲第5番は圧巻でした。冒頭の菊本さんのトランペットソロがびしっと決まり、その後はパーヴォの変幻自在の指揮の元、熱量高く、管と弦のバランスも良い超ハイレベルの演奏。とりわけ、第3楽章のホルン福川さんのソロは秀逸で、ホール一杯に濁りのない音色が広がりました。第4楽章のアダージェットも美しく、お涙もの。パーヴォとN響のマーラー交響曲は1,2,3,4,7,8と聴いて来て、都度都度胸を一杯にしてきましたが、今回、胸いっぱいリストにさらに5番が追加。会場からのすさまじいブラボーと拍手が聴衆からの明確なフィードバックでした。

蛇足ですが、第1楽章途中で前列の方のチェロの弦が切れて、後列のチェロの方と楽器交換するアクシデントがありました。曲が進む中、後列の方は弦切れチェロを一生懸命新しい弦を張り直し。そして、前列と再度交換。ああいうことも演奏中に何気なくスパッとやってしまう楽員さんって、なんか職人ぽくって凄かった。(それに比べて、修理が気になって第一楽章の途中はあまり集中できなかった私は何と未熟な聴衆・・・)

1919 NHKホール 9/21(土)3:00pm 

指揮│パーヴォ・ヤルヴィ
ソプラノ│ヴァレンティーナ・ファルカシュ
コンサートマスター(客演)│アンドレアス・ヤンケ 

R. シュトラウス 歌劇「カプリッチョ」から 「最後の場」
マーラー 交響曲 5 嬰ハ短調  

C Program

conductorPaavo Järvi
sopranoValentina Farcas
concertmaster (guest)Andreas Janke 

Richard Strauss “Capriccio,” opera Op. 85–Last Scene
Gustav Mahler Symphony No. 5 C-sharp Minor


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あひるなんちゃら 〈シュカシュカ〉 @下北沢 駅前劇場

2019-09-19 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

 連休最終日、家人にひっついて下北沢へ「あひるなんちゃら」という劇団の<シュカシュカ>という芝居を見に行く。
 この劇団の芝居は3月以来。前回の<ハルサメ>もタイトルでは何の芝居か見当つかなかったが、今回も同様、タイトルでは何だか分からないし、HP見ても筋らしきものは紹介されてない。収容人数100名弱ほどの小劇場は満員で熱気むんむんだったが、この人たち、どういうきっかけでここに居るのか不思議なぐらい。まあ、私もその一人なのだが・・・。
 前回同様、ありそうでなさそうとも言えるし、無さそうでありそうもいえるが、夏の終わりの日常の一コマをコメディタッチに描いた80分の劇だった。コアな出演者は前回も出ていた人たちで、見たことある役者さんたちが中心だ。何となく始まって、何となく終わる。プロットに特段大きな山場があるという感じでもないし、強いメッセージ性もない。なので、捉えどころがなくて、感想を書くのも難しいのだが、肩ひじ張らずに80分リラックスして楽しめると言うのは本当だ。もう公演期間終了したのでネタバレも許されると思うが、シュカシュカは「朱夏」で最後にきちっと落ちもある。
 前回も感じたが、見た目、表情などの豊かさ、演技のインパクトは、石澤美和さんが最強だ。この人が居るといないとでは、舞台の印象が大きく違ってくるに違いない。
 
連休の最終日をリラックスして楽しませてもらった。

2019年9月16日(月)15:00 下北沢 駅前劇場

脚本・演出

関村 俊介

出演

根津茂尚
篠本美帆
田代尚子
野村梨々子

石澤美和
市川賢太郎(肉汁サイドストーリー)
上松コナン(暮らし)
おがわじゅんや(MCR)
川久保晴
辰木さえ
田村かなみ
ヒガシナオキ(gekidanU)
松木美路子
ワタナベミノリ(ECHOES)


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パーヴォ、N響:ポーランドプログラムでシーズンスタート 9月A定期

2019-09-16 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

 9月N響定期は、私にとって秋のスタートの号砲。定演が始まると、やっと夏の余韻を脱し、日常のサイクルが廻り始める。

 今シーズンも、N響シーズン初めの9月はA,B,C定期全てのパーヴォのコンサート。私はこれは常任指揮者として、とっても素晴らしいことだと思っている。今日のAプロはポーランド所縁の音楽で固めたとっても凝ったプログラム。(きっと)どれも私にとってはお初だが、意図を持ったプログラミングもパーヴォらしい。

 どの曲も初めて聴くとは思えない程、楽しめたのだが、中でもジョシュア・ベルの独奏によるヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲 第2番は圧巻だった。ベルのヴァイオリンの音色は、自然体で伸び伸びとしており、体の中にすーっと浸み込んでくる。N響の個々のプレイヤーの音色も冴えていて、オケとのやりとりも刺激的だった。第3楽章の舞曲的な音楽も活気があって引き込まれた。当然のことながら、会場からは大きな拍手が寄せられたが、残念ながらアンコールは無し。もう少し聴きたかったな~。

 最後のルトスワフスキ<管弦楽のための協奏曲>では、ステージいっぱいに広がる大編成のオケが有機的に一体となって、素晴らしい音楽を聴かせてくれた。所々にポーランド民謡っぽい旋律を含んだフレーズがあって、ポーランドとは何の縁のない私でも何となく懐かしような気になるところがある音楽だった。パーヴォはこういう複雑そうな音楽を束ねるのが本当に上手だと思う。バシッと最後〆て、ここでも大きな拍手が飛び交い、終演。

 パーヴォとN響は今シーズンでもう5シーズン目となるとのこと。月日の経つのはなんと早いことか。今日の演奏会を聴く限り、このコンビで今シーズンも更なる飛躍が期待できそうだ。来週はマーラー5番。こちらも楽しみである。

2019年9月15日15時

NHKホール

出演:
パーヴォ・ヤルヴィ
ジョシュア・ベル
 

ポーランドプログラム
バツェヴッチ/弦楽オーケストラのための協奏曲
ヴィエニャフスキ/ヴァイオリン協奏曲 第2番
ルトスワフスキ/《小組曲》
ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲


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恩田陸 『蜜蜂と遠雷(上)・(下)』 (幻冬舎文庫、 2019)

2019-09-14 07:30:00 | 

 
 久しぶりの小説。恩田陸さんの小説は家族が読んだものが何冊か家にあるのだが、私は初体験。

 世界的ピアニストへの登竜門となる国際ピアノコンクールを舞台に、コンテスタント、審査員、関係者らの音楽への関わり方や人生が描かれる。読む人によって違った角度で面白さが味わえそうな、読み応えのある物語だ(単行本発刊は2016年)。

 まずは、登場人物のキャラが際立っていて、誰もが魅力的。斜に構えると「小説だからねえ〜」とも言いたくなるところもあるが、才能に恵まれた個性的なコンテスタント達が、音楽を通じて真摯に自分に向き合い、コンテストを通じて成長していく。ストーリーの展開も気になるが、それよりも純粋に読んでいて、個の成長が気持ちが良く、爽やかだ。
 音楽の聴き方の勉強にもなる。普段の私の聴き方に「ぼーっと、聴いてんじゃないよ〜」と怒られそうな気になるぐらい、登場人物の音楽の聴き方は多様で深い。知っている曲も知らない音楽もあったが、知っている音楽はこんな風に聴くのか〜と感心し、知らない音楽は脳内で演奏される。同じ音楽を聴いていても、自分にはとても感じられなかったところを、本書を通じて新しく聴くことができたのは新鮮な経験だった。
 そして、聴いた音楽をこう表現するのかと、書き方にも脱帽だ。音楽をどう書き下すのか、いつもいろんな方の演奏会の感想・批評ブログを読んだりし、自分自身も感想書いたりするが、本書で描かれる音楽の世界は多元的で、物語があって、色彩豊かだ。仮に同じように聴いて感じても、絶対こうは表現できない(まあ当たり前だが)。周波数で構成された物理的音楽を鑑賞するのとは異なった、文字を通じた想像の音楽にも入り込む、そんな4次元的な音楽鑑賞の感覚を味わえた。

 近々、本作を原作とする映画が公開される。原作のイメージが壊れるか、それとも、さらに別の世界を見せてくれるのか、原作を読んだ後の映画は常に自分の読書の世界が上書きされる怖さが伴う。さあ、どうしたものか。


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マラソン大会口実のプチ茅野・蓼科旅行

2019-09-12 07:30:00 | 旅行 日本


<こんな気持ちよいドライブは久しぶり>

縄文の里マラソン大会出走にあたって、今回は前泊してプチ信州観光を楽しみました。東京から中央高速を下って諏訪南インターで降り、まずは、マラソン大会の会場エリアにある尖石縄文考古館(とがりいしじょうもんぶんかかん)へ。

今回のマラソン大会申し込みで知ったのですが、この茅野・諏訪のエリアは縄文・弥生の時代には数多くの集落が存在し、今では古代遺跡の宝庫なのですね。この考古館では、この近辺で発掘された2つの国宝の土偶を初め、土器や石器類などが数多く展示されています。


<赤が縄文遺跡、青が弥生遺跡。中央の水色は諏訪湖>

やはり2つの国宝の土偶には驚きを禁じ得ません。紀元前3000年頃、すなわち今から5000年も前の土偶がほぼ完全な形で現代においてその姿を現すなんて、それだけで感嘆します。ガラスケースに収まった2体からはオーラが漂っているようにみえます。古代文化に興味のある人も無い人も一度是非足を運ぶ価値はあると思います。(ちなみに、マラソン大会当日は入場料無料で開放していました)


<国宝「土偶」(縄文のビーナス)棚畑遺跡出土 縄文時代中期>


<国宝「土偶」(仮面の女神)中ッ原遺跡出土 縄文時代後期>


<与助大根遺跡の復元住宅>

考古館のあとは、通称ビーナスラインと呼ばれる国道を上り、宿を取った蓼科湖へ。蓼科湖自体は小さな人工湖なのですが、ここでのお勧めは蓼科湖近くにある共同温泉浴場。いわゆる公営の共同浴場で、昔ながらのタイル張りの大きめの内風呂が一つあるだけです。が、源泉かけ流しそのもので、熱いお湯が滾々と風呂桶の中に流れ込んできます。こういった素朴な、いかにもの共同温泉は雰囲気が良いですね。旅行客と地元の人がちょうど半分ぐらい。風呂に浸かりながら、お爺さんから「どこから来た?いい湯だろ、ここは」なんて話しかけられる、そんなところです。


<温泉入り口>


<温泉前に咲いたコスモス>


<夕暮れ時の女の神展望台>

最後に蓼科湖も、夜と朝を過ごすと、その静かな環境はとても魅力的です。いつも行く山中湖のような観光地でありながら半ば産業道路的な国道が湖畔を走る湖でないので、夕方過ぎると本当に人気がなくなり、静寂な世界になります。美しい半月が輝いていましたが、それでも東京の空には観られない星々が目に入ります。また、朝方は湖畔を散歩して、これから訪れる秋の予感を感じたりしました。


<朝の蓼科湖>

 マラソン大会を口実にしたプチ観光はお勧めです。

2019年9月7日-8日


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秋ランニングシーズンのスタートはこのレースに決まり!@八ヶ岳縄文の里マラソン

2019-09-10 07:30:00 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)

 もうロードレースに出るようになって20年近くになりますが、こんな素晴らしい景色と天候のレースはなかなかないと言って良い大会でした。

 車で日帰りも十分可能ですが、今回は前泊してプチ観光付きのプランに。朝は宿をゆっくり8時30分過ぎに出て、10分ほどで野原の駐車場入り。駐車場が草原の中なんてまるでアメリカのよう。真っ青の空を徐々に上っていく太陽が、芝生の緑に反射して眩しく目を開けられないぐらい。


〈長閑な開会式会場〉

この大会、定員1000名ということでとってもこじんまりしてます。2kとか3kの地元小学生が走るレースも併設されているので、とってもアットホームで家族的な雰囲気が漂っていて、いい感じ。


〈スタート10分前。ランナーもさほど多くないのでリラックスムード> 

 スタートするや大自然の中に身を委ね、自然の中の一部になったような感覚で走れる環境に驚くと同時、嬉しくなってきます。肌を焼くのが分かるほどの強い日差しが首、腕、足に降り注ぎますが、爽やかな風が時折頬にかかり暑さを和らげてくれます。やっぱり標高1000m~1150mを走っているのですが、それだけ普段より太陽に近いということで、強い日差しにも納得。

黄金色に変わりつつある稲穂、白の蕎麦の花、深い青空、真っ白い雲、空を反射してるかのような青い山々、まるで絵葉書のような信州の初秋でした。走りながら、そうかやっぱり日本は稲作の国なんだなあと改めて実感。


<山に上って延びる棚田>

〈山に向かって走れ!〉


〈ソバの花〉

<八ヶ岳の向かいにあるこの山々は何という山だろう?>

コースは八ヶ岳の山麓ですから、緩急双方のアップダウンが続き、かなりタフです。10kも走ると暑さもあって、体温が上がり、発汗量も増えてきます。8か所ある給水所では必ずスポーツドリンクと水を頂き、水は頭や腕にかけて体温落としました。頭に掛けた水が濃い塩水になって口に零れ落ちてくるのを感じ、こりゃあ、相当汗かいていること実感。

 前半は上り坂が続きこりゃあ21キロも走れるかなとちょっと不安になったのですが、折り返して後半は下り坂基調で多少持ち直しました。場所柄、応援で沿道が埋まるというようなことにはなりませんが、給水場のボランティアの方々やプチトマトを配って頂いた地元の方など暖かい応援を一杯に受け、こりゃあ走り切らなきゃと気合も都度都度入れ直し、意識も段々朦朧としてくる中、足は前に出し続けました。最後の1キロは結構な上り坂で、歩きそうになって頭あげたら、丁度ゲストランナーの赤羽由紀子さんから「頑張って!」と声を掛けられ、ハイタッチ。最後の300メートル何とか走り切ってゴール!

 普通ハーフマラソンの大会では、ゴールしても「まだまだ走れるなあ」と余力を残す場合が多いのですが、今回は力を振り絞ってのゴール。タイムは2時間2分と我ながら超平凡なタイムでしたが、ハーフとは思えない疲労感と充足感に浸ることのできたレースでした。秋のマラソンシーズン初めの練習レースとしてどの大会に出ようか、この時期のレース選びでいつも迷っていたのですが、今後はこの大会にお世話になることに決定!また来年も走りたいと思います。

2019年9月8日

 


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深田萌絵『日本のIT産業が中国に盗まれている』(WAC、2019)

2019-09-08 07:30:00 | 

米国のファーウェイ取引禁止措置が騒がれた中、非常に機を得た書籍ではある。筆者はWikiによると、「日本のビジネスアナリスト、実業家、投資家、元株アイドル」とのこと。5年前からファーウェイ社の危険性を訴え、筆者自身同社から度重なる嫌がらせに遭ったと言う(これは本当っぽい)。

ファーウェイ問題は、仕事的に私自身他人事ではないので、何か新たな知見が得られることを期待したが、正直、内容の真偽はともかくロジックや編集が貧弱でトンデモ本に近かった。提示される仮説(事実っぽく書いていあるがほとんどすべてが仮説・噂
である)は、筆者なりの論理構成や論拠が殆ど提示されることなく、想像・思いこみ・決めつけとしか思えない部分が多く、普通の論理思考を持った人なら読み進めるのがとっても苦痛である。また、話がポンポン飛ぶので、ついていけない(特に第1章)。口だけの評論家や政治家の著作ではこうしたスタイルの本は珍しくないが、アナリスト(自称?)でもあり、経営者でもある人が書く内容にはとても見えない。

そのスタイルに我慢できれば、自分の知覚のスコープの中に入れておいて損はないネタや視点はなくはない。私にとって新しい視点としては、台湾と北朝鮮の関係だ。これも根拠はテレビに映った北朝鮮のハイテク機器が台湾製のものばかりだったと言った程度なのだが、あまり両国の関係性は気に留めたことが無かったので、私には新鮮だった。

買って読む程ではないが、話のタネに地元図書館に蔵書があれば手にって最初の20ページを読んで、合うか合わないかを見定めて頂ければ。


≪目次≫
プロローグ——日本人にとって本当の戦いが始まった

ファーウェイを告発して六年
激震が走る半導体業界
アメリカの「中国製造2025」潰し
ついに中国製品排除がわが国でも始まった
第一章 ITへの無知が国を亡ぼす
私たちはすでに戦場にいる
ファーウェイのスマホを使ってはいけない
インターネットは軍事的必要性から生まれた
スパイ企業を礼賛する日本の政治家
サーバーに中国スパイチップが
中国に支配されたシリコンバレー
フェイスブックは中国の手先か
米国の反中派実業家が次々に消されている
「AI」に固執する人間不信の習近平
シリコンバレー従業員にも中国の影
プラットフォーム企業にのしかかる膨大なコスト
上場企業の外国人支配
ネット空間の言論統制
中国型インターネットと米国型インターネット
移民受け入れより日本の低消費電力型スパコン技術の開発を急げ
ペジー・バッシング——朝日による偏向報道は日本の技術潰し
ノーモア技術泥棒
読者を馬鹿にした経済誌
シャープ、東芝、タカタに関する大噓報道
狙われるリニアモーター技術
公取委は半分、赤い。
〝経済犯〟の神格化
日本の家電を斜陽化させた鄧小平
第二章 半導体業界を支配する闇社会
台湾半導体シンジケート「青幇」
米国が指摘する偽チップ、リユース部品問題
日本の最先端技術をめぐる中・台・北の暗躍
テリー・ゴウが東芝メモリ買収を焦った理由
盗っ人企業・韓国SKの目論見
産業革新投資機構による東芝再建を
日本政府の怠慢
北朝鮮サイバー軍の攻撃はもう始まっている
中・台・北の通信インフラ工作
リアルとバーチャルの連携
〝成りすまし日本人〟に気をつけて
サイバー攻撃の脅威は仮想空間に留まらない
人工知能で自動化するサイバー戦争
「中国人留学生のほとんどはスパイ」
耳を疑う野田聖子前総務大臣の発言
自動運転のクルマがテロの標的になる
日本にも専門機関の設置が必要だ
第三章 スパイ合法国家の末路
心理戦でスパイ化される日本人
セキュリティ・クリアランス制度とIoT
美女からLGBTハニトラまで
裁判所にまで工作員が⁉
ドローンはオモチャではない
蓮舫氏が国会議員であってはならない理由
蓮舫氏への公開書簡
●台湾バナナ事件と消された資料/●「二位じゃダメなんですか?」/●シャープ買収の真の理由/●「台湾は国家ではない」/●「父のいた大陸を見たい」
「蓮舫法案」の成立を
第四章 日本を脅かす悪のトライアングル——中国・北朝鮮・台湾
中国が支配する仮想通貨
ビットコインは北朝鮮の資金源
北ミサイル製造機械は台湾製
すべては台湾から!
ドゥテルテもキレた! 北朝鮮製ドラッグ
国際条約で規制できない台湾
経産省と警察の連携を
金正恩よ、ミサイルを撃て!
「親日・反日」では見誤る

おわりに——人権のパラドックス

コメント (2)
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最後は定番で締め サッポロビール園(2019年夏・北海道旅行(7))

2019-09-06 07:30:00 | 旅行 日本

 だらだらと夏の北海道旅行を綴ってきましたが、やっと今回が最後。北海道最後の〆イベントは札幌定番のサッポロビール園です。実は私は初訪問。
 3日前に予約しようと思って電話したら、全然つながらないし、やっとつながったと思ったら歴史あるケッセルホールの夜はいずれも満員とのことで何とか昼間の時間を確保。札幌訪問の予定が決ったら、Webで早めに予約(4日後以降の予約が取れる)した方が良さそうです。
 ジンギスカンの煙がもうもうと立ち込めるホールは、それだけで雰囲気がありますね。ビールとジンギスカンが旨い!昼間から真っ赤になるまで飲みました。

 


<ジンギスカン>

 食事後、ふらふらしながら、サッポロビール博物館も見学。工場見学ではないのでビールの製造と言うよりも、サッポロビールの歴史という色あいですが、歴代のポスターのヒロインなど、なかなか興味深かったです。


<とってもいろっぽい>


〈黒木瞳さん〉

 これで全日程を終了。前半天候こそ恵まれませんでしたが、4泊5日、北海道を満喫した旅行となりました。最後、新千歳空港のお土産物屋さんが数年前から想像つかないぐらいパワーアップしていたというサプライズもありました。羽田に着いた瞬間に、ネちっとまとわりつく夜の東京の空気に触れ、1時間半までいた北海道が懐かしくなります。


 今回、旅プランナーとしての反省は、ちょっといろいろ盛り込みすぎでしたね。東京に戻ってから、どっと疲れが噴出しました。今後も北海道は2,3年に一度は訪れたいです。

【付録 その他の北海道の食】


<札幌場外市場 めしやの四色海鮮丼(朝限定)>


<ホタテとコーンの釜めし>


<美瑛の新ご当地名物 美瑛カレーうどん>


<どうして北海道のもろこしはこんなに甘いのか?>


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まさかの作品8点未到着!〈カラヴァッジョ展〉(2019年夏・北海道旅行(6))

2019-09-02 07:30:00 | 旅行 日本

 さて、最終日、いよいよ今回の北海道旅行3つ目のお目当て「カラヴァッジョ展」に出かけました。カラヴァッジョは3年前に国立西洋美術館以来です。今回のカラヴァッジョ展は不思議なことに東京をスルーして日本ロードショー。札幌→名古屋→大阪の開催ということで、今回の北海道旅行は、「夏休みは、札幌行ってカラヴァッジョを観よう!」がきっかけだったわけです。

 開館15分前に到着した北海道近代美術館は、札幌の街中にありながらも緑豊かな落ち着いたいい感じでした。が、入口のガラスドアに張り紙が。「「カラヴァッジョ展」作品作品到着遅延のお知らせ」とあり、なんとカラヴァッジョ作品2点を含む8点がイタリアから未着という記載。今まで数多くの展覧会を訪れてきましたが、こんな事態は初めてです。開館時間になって中に入ると未着の8点の掲載がありました。<女占い師>は楽しみにしていたので、かなり残念。

まあ、未着作品についてだらだら引きずっていても事態は変わるわけではないので、気分を切り替え、間に合った作品を楽しもうとしましたが、作品リストによると展示は全45点を予定していたようで、そのうちの2割弱が欠けていたのは寂しさはぬぐい切れません。

ですが、展示されていた37点は見どころたっぷりな作品が並んでいました。個人的には、カラヴァッジョの〈悩めるバッカス〉、〈リュート弾き〉、〈聖セバスティアヌス〉、〈歯を抜く人〉、ジョバンニ・パリオーネ〈聖ペテロの悔悛〉、ルイ・フィンソン〈聖セバスティアヌス〉、ジュセペ・デ・リベーラ〈聖ピエロニムス〉、ジョバンニ・フランチェスコ・グエリエーリ〈ロトと娘たち〉(子孫を残すために父親を誘惑する二人の娘が何とも艶めかしい)らが印象的でした。

開幕4日目というのに会場はかなり余裕がある入りでした。札幌では既に作品未着が知れ渡っていて、到着してから行こうと思っている人が多かったのでしょうか(9月1日現在でもまだ到着していない模様)。ただ、1点1点十分時間を取ってじっくり鑑賞できるのはうれしかったです。

カラヴァッジョ作品も6点は鑑賞できますし、きっとイタリアのことなので、後から到着することは無いでしょうから、諦めてさっさと行きましょう。


〈ボツになったポスター〉

2019年8月12日


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