その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、映画、本などなどについての個人的覚書。SINCE 2008

100歳までは頼みますよ、マエストロ!: ブロムシュテット、N響、べートーヴェン交響曲第5番ほか @サントリーホール

2021-10-29 07:00:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


10月のブロムシュテット祭り(以下、敬意をこめてブロム翁)も(私は)いよいよ最後。トリがベートーヴェンの「運命」というなんか出来過ぎたお膳立てである。

前半はスウェーデンの作曲家ステンハンマルから「セレナーデ」。初めて聴く曲だ。北欧っぽい香りがするのかと思いきや、想定外に、明るく、闊達な序曲が、オペラの序曲のように、気持ちや耳をぐっとステージに引きつけてくれた。その後も、様々な変化を見せながら音楽は進むが、どの楽章も耳になじみやすく、追いかけるのが楽しい作品である。シベリウスやニルセンに比べると、演奏機会が少ない作曲家なのが不思議なぐらいだ。

そして、後半のベートーヴェンの「運命」は、将来、伝説の演奏と言われるであろうこと間違いないと思わせる圧巻の演奏だった。きわめて「標準的な」運命だったと思うのだが、その音楽の瑞々しさ、純度の高さ、エネルギー量の大きさが群を抜いている。楽聖ベートーヴェンの音楽がそのまま聴衆一人一人の胸にダイレクトに飛び込んでいっているのではと思わせる演奏。個人技の旨さとかアンサンブルの良さとか、そういう話ではない、聴衆に音楽そのものとの対決が迫られている。聴きながら、そんな思いが去来した。

ステージ後ろのP席でブロム翁の指揮ぶりをガン見しながら、あの動作(指揮棒なし)の何を読み取って、N響のメンバーはこの音楽を奏でているのか?不思議でならなかった。音楽実演経験0の私には全くわからない世界なのだが、間違いなく今ここで生まれている音楽は翁のリードの元に創造されている。そして、楽器が発する音だけでなく、ステージの空間には翁と楽員の「気」が漂い、それがホール全体に伝播していっている。P席からはそれが見える。

第1楽章からボルテージは高いが、それが第2,第3と進むにつれて更に高くなっていく。前のめりで両手を組んで聴く私は、胸が高まり、組んだ手には汗が滲み出る。そして、第4楽章の咆哮には、自分の中にある様々な思いが音楽と一緒になって溢れ出て、涙に変わった。

終演後は、聴衆一人一人が夫々の思いをもって、大きな拍手を寄せた。楽員をステージ後方に向けさせP席の聴衆にも挨拶を促してくれたことも嬉しかった。何度も呼び戻される94歳の翁を気遣うマロさん。2回目のソロコールにはマロさんが翁をエスコートするように登場。老父を支える孝行息子のようである。

「来年も是非振ってくださいね」というのが今日の聴衆みんなの思いだったはずだ。私は、「100歳までは頼みますよ、マエストロ!」と言っておいた。


〈マロさんに導かれて2回目のソロコールから退出するブロム翁〉

第1941回 定期公演 Bプログラム
2021年10月28日(木)開場 6:20pm 開演 7:00pm
サントリーホール

ステンハンマル/セレナード ヘ長調 作品31
ベートーヴェン/交響曲 第5番 ハ短調 作品67

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

No. 1941 Subscription (Program B)
Thursday, October 28, 2021 7:00p.m. (Doors open at 6:20p.m.)
Suntory Hall

Stenhammar / Serenade F Major Op. 31
Beethoven / Symphony No. 5 C Minor Op. 67

Herbert Blomstedt, conductor

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等身大のイギリス社会:ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』(新潮社、2021)

2021-10-27 07:30:32 | 


大ヒットとなった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の続編。文芸誌「波」の2019年5月号から2020年3月号に連載されていた文章の書籍化。

前作と同様、イギリスの公立中学校に通う一人息子の学校生活を介して、等身大のイギリスイギリス社会のリアルを伝える。今回のテーマは、貧困移民家族との交流、LGBTQ教育、労働者階級向け住宅の変遷、イギリス・ティーンやその親たちのインターネット・ミーム(ネットを通じて人から人へと伝わっていく概念や行動、スタイル、習慣)などが取り上げられる。

格好の現代イギリス社会ケーススタディだし、どのエピソードもイギリスを鏡に日本を考えるのに絶好の材料になっている。前作程の強い印象は残らなかったが、違った世界の実像を知るという意味で、とっても勉強になる読み物である。しかも読み易いし、作者一流のユーモアも楽しい。

相変わらず、作者の長男君のしっかりした考え方や行動に脱帽だ。感受性豊かで、12,3歳の少年とは思えないほど人や物事への洞察が深い。日本が台風の歳に、避難所にホームレスを入れることを拒絶した事件も踏まえて、「社会を信じる」なんてテーマでスピーチしようなんて、私よりもずっと大人だ。イギリス社会の今も興味深いが、この少年がこれからどういう人生を送っていくのかにも、大いに興味が湧く。

長男君の成長と共に、本作が、継続していくことを願ってやまない。

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ノット版、モーツァルト「レクイエム」 by 東響:心洗われる歌唱と演奏

2021-10-25 07:30:09 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


個人的な話で恐縮だが、この1週間は仕事上のトラブルで息つく暇もない忙しさだった。忙しいだけならまだ良いのだが、精神的にも堪える案件で参った。この金曜夜のノット・東響と土曜日のブロム翁の演奏会をとにかく楽しみに凌いだ1週間だった。なので金曜日の夕刻、週末に廻して良い仕事は放って定時退社し、へろへろ状態で初台へ。

凌いだ甲斐あり、ノット・東響の演奏会はいやな疲れを綺麗に洗い流してくれた。とりわけ、モーツァルトのレクイエムは(実演に接したのは2回目に過ぎないのだが)、合唱、独唱陣、オケが絶妙に組み合わさった至高の美しさだった。

中でも、新国立劇場合唱団の合唱の美しさは格別で、透明感あふれ、清明の極みだった。独唱陣のうち3名の日本人はコロナで来日不可となった外国人歌手の代役であったが、全く代役を感じない。特に、今年の新国オペラの「夜泣きうぐいす」で題名役を演じた三宅理恵さんの透き通るように響くソプラノに心洗われた。オケも美しいアンサンブルで、独唱・合唱を引きたてるだけでなく、しっかり存在感を示していた。レベルの高いコラボに、背筋を伸ばして、聴き入った。

コロナ禍でなかなか合唱曲のプログラムが無かったせいか、ひさしぶりに聴く合唱曲で、楽器演奏にない人の生の声を存分に味わった。オペラシティのコンサートホールはBCJがメインで使っていることもあってか、この規模の演奏や宗教曲の演奏にとってもマッチしていると思った。教会にいるかのような雰囲気が漂っていた。

いくつかのレクイエムの版を組み合わせ、終曲の前にリゲティの曲を挿むなど、ノット監督の独特の嗜好が取り入れられていた。ど素人の私には音楽的な意味合いやノット監督の意図は全くわからないが、リゲティの曲は緊張感を孕む合唱のみの音楽。レクイエム全体にどんな影響を与えたかも、私ごときでは論評できないが、全体として違和感なく、名演に大拍手。

7割(?)程度の入りながらも、聴衆からは割れんばかりの大きな拍手で、ソローカーテンコール付き。いつも熱く、いろんな音楽を新しいスタイルで聞かせてくれるノット監督の演奏会は実に楽しい。

(前半のデュティユー交響曲第1番は、私自身のヘロヘロの一週間を反映して、集中力無く、ところどころ沈没したり、漫然と聞き流してしまったので、感想を述べる資格無し。)



2021年10月22日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:ジョナサン・ノット

ソプラノ:三宅理恵
メゾソプラノ:小泉詠子
テノール:櫻田亮
バスバリトン:ニール・デイヴィス

合唱:新国立劇場合唱団

デュティユー:交響曲第1番
モーツァルト:レクイエム K.626

本公演は音楽監督ジョナサン・ノットの希望により、モーツァルト作曲のレクイエム「コンムニオ:ルクス・エテルナ」の前に、コーラスがリゲティ作曲「ルクス・エテルナ」を演奏いたします。

Date:Fri 22th Oct 2021, 2:00 p.m.

Artist
Conductor : Jonathan Nott
Soprano : Rie Miyake
Mezzo Soprano : Eiko Koizumi
Tenor : Makoto Sakurada
Bariton : Nail Davis
Chorus : New National Theatre Chorus

Program
Dutilleux : Symphony No.1
Mozart : Requiem


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どこから来るのか、この若き音楽:ブロムシュテット、N響、ドヴォルザーク交響曲第8番ほか @東京芸術劇場

2021-10-23 21:49:46 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)

(N響ホームページから拝借)

先週に続き、ブロムシュテット(以下、敬意をこめてブロム翁)、N響の第2弾。今回は「民族主義の音楽が台頭した19世紀後半の作曲家」(プログラムノートより)であるグリーグとドヴォルザークのプログラム。ブロム翁の演奏会としてはちょっと珍しい感じがする取り揃えでしたが、今日も若さと清々しさが満ち溢れた素晴らしい演奏でした。

ペール・ギュント組曲は、靄が立ちこもる中、一条の朝日が指す風景がそこにあるような「朝」に始まって、その後のドラマティックな各曲を、内容・密度濃く演奏されました。BGMチックに聴く機会が多い曲ですが、この音楽の美しさがひと際、滲み出ていて、こんな曲だったんだと新たな発見もある演奏でした。木管陣の優しい音色が特に嬉しかった。

続いてのドヴォルザークの交響曲第8番。N響では2014年のネヴィル・マリナーさんとの名演が今でも印象深いですが、今日のブロム翁のドヴォ8も、それと双璧をなす記憶に残る演奏となること間違いなしです。スラブ色を前面に出すというよりは、脚色なく音楽として味わい尽くすべしと言われているような演奏でした。本当に不思議なのは、ブロム翁の指揮から生まれてくる音楽には、どうしてこんなに若さ、溌溂さを感じるのか。とかく翁の94歳という年齢が強調されがちですが、年齢関係なしに、音に若さを感じ、そこから元気がもらえるという意味でピカイチ。この点において、私が聴いた範囲でブロム翁に並び立つ指揮者はいません。本当に、この場に居合わせている自分の幸運に感謝です。

先週も感じたことですが、今回のブロムシュテット・シリーズ、奏者はもちろんのこと、お客さんの集中度も並み半端ではない気がします。NHKホールでの定演では雑音だらけと言っても良いほどの客席だったのですが、先週・今週は人が総入れ替えになったかのごとく、単に静かというだけでなく、集中している感じが伝わってきます。そして、それが緊張感と温かみが両立した今までに無いような雰囲気をホール全体に醸し出している気がします。そんな空気の中、今日はブロム翁のソロカーテンコールも2回ありました。

さあ、残るは来週のサントリー。トリはベートーヴェンの運命です。どんな演奏になるのでしょうか?今から緊張してしまいます。


第1940回 定期公演 池袋Cプログラム
2021年10月23日(土)開場 1:00pm 開演 2:00pm(休憩なし)

東京芸術劇場 コンサートホール

グリーグ/「ペール・ギュント」組曲 第1番 作品46
ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

No. 1940 Subscription (Ikebukuro Program C)
Saturday, October 23, 2021 2:00p.m. (Doors open at 1:00p.m.)

Tokyo Metropolitan Theatre 

Grieg / "Peer Gynt," suite No. 1 Op. 46
Dvořák / Symphony No. 8 G Major Op. 88

Herbert Blomstedt, conductor

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ブロムシュテッドの奇跡: N響A定期、指揮 ヘルベルト・ブロムシュテッド、ヴァイオリン レオニダス・カヴァコス

2021-10-18 07:30:05 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


いつも安定してハイレベルな演奏を聴かせてくれるN響なのだが、数年に一度、胸が締め付けられるように痺れる演奏会がある。今日のブロムシュテッド(以下、敬意を込めてブロム翁)とのN響A定期はまさしくそうした演奏会だった。

今シーズンのAプロ、私は芸劇のRB席を確保したのだが、楽屋の入口から奥まで見える席である。そんな席から、今日、ブロム翁がカヴァコスと並んでステージに出てきた光景を見たとき、それだけで胸が一杯で涙が出そうになった。コロナ禍を経て、満員の会場に94歳のブロム翁が帰って来てくれた。その姿やシチュエーションそのものが、一ファンとしてはそれほど感動的であったのである。

そして、演奏は今度こそ涙がこぼれるものだった。ブラームス ヴァイオリン協奏曲はカヴァコスの安定して理知的かつ情熱的な骨太のヴァイオリンソロが圧巻だった。カヴァコスは過去のN響との共演も聴いているし、ロンドンでLSOとの共演も2回聴いているが、そのオーラが数段パワーアップしているように感じられた。
オケも決して負けてなかった。木管陣の美しい音色が出色だったが、それ以上に印象的だったのは、オケの皆さんの前のめり度、集中度だ。ステージ横のRB席であるが故に、楽員の緊迫さ、真剣度が手に取るように分かる。カヴァコスと楽員の間にポジティブな「気」の火花が散っているのが見えるかのようであった。こんなブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴いた記憶、視た記憶は過去にない。

休憩後のニルセンの交響曲第5番も超絶演奏だった。馴染みがある音楽では無いのだが、北欧を感じさせる美しさと荒涼さが併存した出だしから戦いを経ての平安の世界。そして、クライマックスは人間讃歌、地球讃歌に聞こえる一連の音楽が、前半と同様にブロム翁とオケの緊張感一杯のやり取りの中で紡がれる。側で聴いているだけで、その空気の張りがピリピリと感じられるものだから、こちらも前のめりで聴く。ライブならではの相互作用だ。

満員のホールからは、ブラボーこそ叫べないものの、万雷の拍手とはこのことだと言わんばかりの賞賛が寄せられた。コロナ対策のためか、楽員が先に引き上げ、最後に翁がコンマス白井さんと退場する形だが、スタンディングオベーションの拍手は止むことを知らず、呼び戻されること2回。この場に居合わせていること自体が、奇跡のような気がした。



第1939回 定期公演 池袋Aプログラム
2021年10月17日(日)開場 1:00pm 開演 2:00pm

東京芸術劇場 コンサートホール 

ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ニルセン/交響曲 第5番 作品50

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス

No. 1939 Subscription (Ikebukuro Program A)
Sunday, October 17, 2021 2:00p.m. (Doors open at 1:00p.m.)

Tokyo Metropolitan Theatre 

Brahms / Violin Concerto D Major Op. 77
Nielsen / Symphony No. 5 Op. 50

Herbert Blomstedt, conductor
Leonidas Kavakos, violin

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オペラの楽しさ全開!: 新国オペラ〈チャネレントラ〉指揮 城谷正博

2021-10-12 07:00:16 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


初日に続いて2回目のチェネレントラ。普段、同じ公演を2回観ることは殆どないのだが、大好きな作品であることと堂園さん聞きたさに2枚を購入。実際に経験してみると、理解が深まるし違いも分かって、更に楽しめることが良く分かった。

初日も素晴らしかったが、相変わらず題名役を務める脇園彩さん、素晴らしすぎ。チャーミングな演技と美しい歌唱が完璧。欧州で活躍されているのが納得なのだが、日本人歌手として群を抜いて舞台を支配するオーラを持ち合わせていると思う。

脇園チェネレントラの対となる王子役のバルベラのテノールも聞き惚れる。更に、脇役陣のダンディーニの上江、アリドーロのサゴーナ、ドン・マニフィコのコルベッリ、2人の義理の姉、高橋と斎藤らがしっかりしているのが、本公演のレベルを高いものにしている。(コペッリはどっかで観たことあるなと思って過去のブログ拾ったらロイヤルオペラで4本も聴いていた)

前回はソロ、重唱に心奪われ聞き流してしまっていたのか、2回目にして合唱の素晴らしさにも気が向けた。現代の映画製作に読み替えた演出も、その効果と意図には疑問は拭えなかったが、仕掛けは理解できた。

初日の印象から変わったのは、ピットに入った東フィルの演奏。初日は、もっと愉しく軽快にお願いしたいものだと感じたのだが、この日は第1幕からウキウキ、ワクワク全開で、「これ、これ」って体が動きださんばかりの躍動感ある演奏だった。

指揮の城谷さん、この公演が全く初めて接する方だったが、歌手、オケ、合唱団をまとめて、これだけの集中度高いパフォーマンスを創造するのだから、相当の実力者と思われる。

それにしても、まだあと2回の公演を残すものの、今回のチェネレントラ公演、素晴らしい成功ではないか。初日は私の座った4階席は、後ろの方はそこそこ空席があったが、今日は4階席も満員。終演後の拍手も、聴衆の感動と出演者への賛美が混じった素晴らしく大きなものだった。私自身、遠ざかっていた満員席での、拍手を通じた感動の共有を味わうことできたことも嬉しいことの一つだった。あとは、ブラボーコールの解禁を待つだけだ。

オペラを観る楽しみを心底味わえた、記憶に残る公演であった。

2021年10月9日(土)


チェネレントラ<新制作>
La Cenerentola/Gioachino Rossini
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

公演期間:
2021年10月1日[金]~10月13日[水]
予定上演時間:
約3時間15分(第Ⅰ幕105分 休憩25分 第Ⅱ幕65分)

スタッフ
【指 揮】城谷正博
【演 出】粟國 淳
【美術・衣裳】アレッサンドロ・チャンマルーギ
【照 明】大島祐夫
【振 付】上田 遙
【舞台監督】髙橋尚史

キャスト
【ドン・ラミーロ】ルネ・バルベラ
【ダンディーニ】上江隼人
【ドン・マニフィコ】アレッサンドロ・コルベッリ
【アンジェリーナ】脇園 彩
【アリドーロ】ガブリエーレ・サゴーナ
【クロリンダ】高橋薫子
【ティーズベ】齊藤純子
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

Opera
La Cenerentola
New Production

Music by Gioachino ROSSINI
Opera in 2 Acts
Sung in Italian with English and Japanese surtitles
OPERA PALACE
1 Oct - 13 Oct, 2021 ( 6 Performances )

CREATIVE TEAM
Conductor: JOYA Masahiro
Production: AGUNI Jun
Set and Costume Design: Alessandro CIAMMARUGHI
Lighting Design: OSHIMA Masao
Choreographer: UEDA Haruka

CAST
Don Ramiro: René BARBERA
Dandini: KAMIE Hayato
Don Magnifico: Alessandro CORBELLI
Angelina: WAKIZONO Aya
Alidoro: Gabriele SAGONA
Clorinda: TAKAHASHI Nobuko
Tisbe: SAITO Junko

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra


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1年10月ぶりのレース 多摩川マラソングランプリ2021 Autumn

2021-10-07 07:30:01 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)

〈集合は京王多摩川駅近くの鉄橋下〉

最後に走った大会は昨年1月の勝田マラソン。今月開催予定でエントリー済みだった水戸黄門マラソンも中止。もう今年はレースを走ることは無いのかと諦めていたところ、小規模ではあるものの、近場で多摩川沿いを走るレースがあることを知り、ハーフマラソンの部に申し込んだ。

150名程度のエントリーだが、やっぱりゼッケンつけて、他のランナーと一緒に走る大会は、練習とは違う緊張感がある。そして、10月の雲一つない秋晴れの中、開放感ある多摩川のサイクリングロードを走る気持ちよさは格別だ。


〈スタート直前。朝日が眩しい〉

久しぶりのレース、絶好の天候ということもあり、ペースがつかめず、スタート直後から行き過ぎのハイペースで足が動いてしまう。1キロ5分30秒の一定ペースで走ろうというプランは早々に崩れ、1キロ5分~5分10秒ペースという自分としては破格のハイペースで前半は飛ばしてしまった。


〈関戸橋を通過し、国立方面へ〉

府中の四谷橋の先で折り返し。復路は陽を正面から受け、眩しいし、気温もどんどん上がってきた。16キロ過ぎたぐらいから、案の定、ペースががくっと落ちた。ラスト2キロは5分30~40秒/キロペースである。



フルマラソンならこのまま撃沈だが、幸いハーフなのでペースが落ちながらも、何とか1時間50分台でゴール。最近、16キロ以上の練習も久しくしてないのに、ハーフだから楽勝だろうと舐めていた。予想以上に体へのダメージがあって、その日は1日使い物にならなかった。長距離練習の大切さが身に染みた。

新規感染者はかなり減ったが、千人を超える規模の大会は当分開かれないだろう。大会出場はやっぱり大きなモチベーションの源泉だ。こういう小規模大会でしっかりつないでいこう。

2021年10月3日

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見逃すなかれ! 新国立オペラ〈チェネレントラ〉(ロッシーニ)

2021-10-03 07:30:19 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


チェネレントラの初日を観に行きました。
このオペラ大好きなのですが、あまり日本で上演される機会が少ない上に、今回は題名役を脇園彩さんということで、私としては異例の2公演のチケットを購入しています。

初日の公演は、作品の面白さ・楽しさ、音楽の軽快さ・美しさなど、ロッシーニの傑作のひとつであるこのオペラの良さがしっかり表現されていました。モノ申したいところも無いわけではなかったのですが、そんな小さなことはどうでも良いという気分になる大満足の公演です。

群を抜いて素晴らしかったのは、ヒロインの脇園彩さん。この方、昨年「セビリアの理髪師」で初めて聴き、その溌溂とした演技と美しい歌唱に驚かされたのですが、今回はそれ以上。独り舞台と言っても良いほど、舞台の軸として光輝いていました。その美しく、正確
で、声量もたっぷりの歌声には、胸を貫かれるようです。演技や表情もまさに自己主張するヒロインそのもので、ステージに活力が与えられます。欧州でもこれだけのアンジェリーナの歌い手はいないのではないかと思わせるほどでした。カーテンコールで「ブラボー!」叫べないのが何とももどかしい。

アンジェリーナを囲む歌手陣が男性陣を中心に充実していたのも、舞台が締まった一因でしょう。王子役のバルベラのテノールは伸びやかで柔らかく聴かせてくれましたし、義父役のコルベッリ、従者ダンディーニの上江、哲学者のアリドーロのサゴーナ、派手さはないですが、安定した歌唱、堅実な演技で、舞台がとっても落ち着いていました。義理の姉たちの高橋、斎藤もコミカルで意地悪な俗物ぶりを十二分に発揮し、盛り上げてくれました。

指揮の城谷正博さんは全く初めて接する方だったのですが、歌手、オケをしっかり束ね、集中度の高い公演に仕立てていて好印象です。

映画の撮影所に読み替えた演出は、正直ついて行けず。何を狙っているのかは分からないままでしたので、2回目の観劇の際にしっかり注目したいと思います。

いずれにせよ、これは見逃すことなかれと自信をもって言える舞台です。脇園さんを聴くだけもお値打ち十分です。私も今から2回目がとっても楽しみ。

2021年10月1日(金)

2021/2022シーズン
ジョアキーノ・ロッシーニ
チェネレントラ<新制作>
La Cenerentola/Gioachino Rossini
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

公演期間:
2021年10月1日[金]~10月13日[水]
予定上演時間:
約3時間15分(第Ⅰ幕105分 休憩25分 第Ⅱ幕65分)

スタッフ
【指 揮】城谷正博
【演 出】粟國 淳
【美術・衣裳】アレッサンドロ・チャンマルーギ
【照 明】大島祐夫
【振 付】上田 遙
【舞台監督】髙橋尚史

キャスト
【ドン・ラミーロ】ルネ・バルベラ
【ダンディーニ】上江隼人
【ドン・マニフィコ】アレッサンドロ・コルベッリ
【アンジェリーナ】脇園 彩
【アリドーロ】ガブリエーレ・サゴーナ
【クロリンダ】高橋薫子
【ティーズベ】齊藤純子
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

Opera
La Cenerentola
New Production

Music by Gioachino ROSSINI
Opera in 2 Acts
Sung in Italian with English and Japanese surtitles
OPERA PALACE
1 Oct - 13 Oct, 2021 ( 6 Performances )

CREATIVE TEAM
Conductor: JOYA Masahiro
Production: AGUNI Jun
Set and Costume Design: Alessandro CIAMMARUGHI
Lighting Design: OSHIMA Masao
Choreographer: UEDA Haruka

CAST
Don Ramiro: René BARBERA
Dandini: KAMIE Hayato
Don Magnifico: Alessandro CORBELLI
Angelina: WAKIZONO Aya
Alidoro: Gabriele SAGONA
Clorinda: TAKAHASHI Nobuko
Tisbe: SAITO Junko

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra



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