教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

合体ロボはなぜ合体する必要があるか

2009-04-23 00:03:46 | オタネタ全般
世間のSFロボットアニメや特撮戦隊モノでは、さいごのほうになって正義の味方が合体して巨大ロボになり、巨大ロボによって巨悪を倒すという設定が多い。

なにとは言わんが、自称とある荒唐無稽なSF設定を「科学的」に検証したとする本によると、たしか以下のようなことが書かれていた。(手持ちがないので不確か)

最後の最後になって主人公たちが合体して敵を倒すというのは荒唐無稽だ。
戦闘のはじめは合体した状態で行い燃料の消費を最小限に抑えるべきで、戦闘が激化する時点で別個に解体し、最大の機動力と最大の攻撃力をもって敵を一気に殲滅すべきである。

と。
まあ確かにこれはあながち間違いではない。

しかし!

この本は揚げ足とりに終始していてイマイチ良いものではない。
だからこのさい、合体ロボはなぜ合体する必要があるかをわれわれのほうで検証してみようではないかと思った。

まず、合体ロボの合体したその雄姿はとにかく巨大である。
敵が現れたら、とにかく敵のいるところまでロボを輸送しなければ話にならない。

どうやって輸送するか?

空を飛ぶか?
敵の攻撃に耐えるほどの被弾性能を備えた重さがあり、なおかつ空気抵抗を抑えようという設計概念のかけらもないような躯体である。
そんなものの長距離移動で空を飛ばさせるのはエンジンや燃料タンクの設計バランスからいって適切ではない。
これならまだ爆撃機に巨大ロボをつんで持っていったほうがましだ。

道路を使うか?
基本的に日本の道路は自動車を想定している。
したがって巨大ロボの輸送は不可能に近い。
輸送可能なサイズのものでは巨大ロボとはいえない。

船を使うか?
船で輸送可能であれば恐らくベストな解だ。
巨大なものを地球の裏側まで運ぶことができる。
しかし船は機動力がない。
それに敵が沿岸に現れたときにしか活用できない。
運用が大変難しいのだ。

ではどうするか?
簡単だ。
パーツごとにバラして運べば良いのだ。
戦闘が展開される地域で組み立てれば良いのだ。
たとえば1000kWクラスの巨大風車などでは、本体やブレードはバラして船積みし、船で現地に運んで組み立てる。これがいいではないか。

実はこの方法を大変忠実に再現している合体ロボもある。
勇者特急マイトガインである。

マイトガインの世界は鉄道網が劇的に発達しているという設定になっている。
マイトガインでは各々のパーツはたとえば列車などとして自走できるようになっている。
そして鉄道網を駆使して敵の現れた地点に機動的に集合し、場合によっては巨大ロボに合体して戦うのだ。
分解もできない重量級の巨大ロボが空を飛んで現地に向かうという設定より、このマイトガインのほうがはるかに現実味があると思うのはわたしだけではないだろう。

第1次世界大戦のころ、ヨーロッパでは鉄道網の整備こそ有事の雌雄を決定する最重要項目と言われていた。
鉄道網の整備されていれば兵士も武器弾薬も瞬時に最前線へ輸送できるからだ。
新幹線だってそうだ。弾丸列車計画という兵站用の整備計画があったからこそ実現できたものだ。

鉄道網を整備するのにはカネと時間がかかる。
しかし、トラックや飛行機とは比べ物にならないほど低コストかつ低燃費で重量物でも大量輸送でき、なおかつ船より速く船で輸送できない陸地を使え、ダイヤを組みかえることで機動的に優先順位を変更でき、なにより安全性が群を抜いて高い。

鉄道は斜陽といわれて久しい。
だが、マイトガインの鉄道網が劇的に発達しているという設定は、今の低エネルギー消費を志向した世界の行き先としてあながち間違ってはいない。
マイトガインは意外とリアルで先見性の明があるともいえるのだ。