次郎丸かなみの有味湿潤な日常生活

医療系オタク大人女子の日常生活やエッセイ。創作垢「きつねの戯言」にて小説、楽描きイラストなども描いています。

昭和レトロ

2023-12-26 17:04:45 | 日記


友人から
「行ってみたい店があるから一緒に行こう」
と誘われて行ってみた洋食屋さん。

昔ながらの商店街の一角の、路地の入口に目当ての店名のアーチがかかっていた。アーチをくぐって路地に入ると前方の店の前の、内側に蛍光灯の入った白いプラスチック板の看板の文字は経年劣化で少し掠れていたが、硝子のショーケースの中には看板メニューの食品サンプルが並んでいる。

硝子を挟んで細い木が縦に並んだ引戸に手をかけてガラガラと引いて店内に入ると、4人がけのテーブル3つとカウンターだけのこじんまりとした店内に、壁一面にずらりと並んだ俳優や芸人のサイン色紙に混じって、グルメ番組のタイトルやMCのアナウンサーの名前が書かれた色紙も複数確認できた。

平日だからか店内の他の客は奥のテーブルに男女一組だけ。
板前のような白衣の年配の店主は職人の雰囲気漂う料理人で、市場の魚屋さんみたいな黒っぽい服装の少し若い店員は居るが、店主自らが『お冷や(水)』を運んで来て注文を取る。

とんかつが美味しいと友人に誘われたので、当然ながらとんかつ定食を頼もうとしたら、『とんかつ定食』(ヒレカツ定食とかとは別)には2種類あったので友人が店主に違いを訊ねると、
「大きさが違うだけで同じ肉だ」
と言うので、大きい方を頼むことにした。

昭和の時代を思わせる楕円形で銀色の洋食皿に盛り付けられたとんかつは大きくて、デミグラス風のソースがかかっている。
皿の端に塗りつけた辛子も、ちょこんと添えられたパセリも、櫛形に薄くスライスされたトマトも、古き良き昭和の洋食そのもの。さくさくの衣と、ものすごく柔らかい肉は、絶対に家では再現出来ないプロの技である。
子供の頃に祖母に連れられて百貨店の食堂街の洋食屋さんで食べさせてもらったとんかつを思いだしたが、それよりも美味かったかもしれない。

大阪ではライスは皿に平たく盛り付けて塩を振って食べる習慣があるのだが、この店では普通に家でお父さんが使ってそうな茶碗に盛られていて、カツはカットされているので、ナイフとフォークではなく、わりばしで食べる。
私は胡瓜の漬物は苦手なのだが、甘い沢庵と一緒に出てきた胡瓜の浅漬はほのかな酸味で生より美味しかった。

カツにかかっているのと同じソースで和えた太めのスパゲティが下に敷かれていて、細いふわふわキャベツはやや少なめ。キャベツはあくまで添えるだけで嵩増しはしていないということだろうか。
メインの料理の味が濃いから、敢えて味噌汁はすまし汁にほんのちょっぴり味噌を溶いたような薄味だが、出汁がきいているのでちゃんと旨味はあるし、具材のネギと豆腐とわかめは主張せず控えめながら存在感がちゃんとある。

大満足でパセリを含めて何一つ残すことなく完食した。
店の佇まいも雰囲気も、料理そのものも、完全に古き良き昭和レトロ。
料理を提供してくれた店主と、その店に誘ってくれた友人に感謝である。

さて、1週間後は既に新年であるが、本業の方は世間一般仕事納めの28日で通常営業は終了し、翌29日は雑用を兼ねての時短営業で、スタッフは私一人だけ。
新年早々、元日から7日までの1週間に2回休日診療の当番が当たっている。
創作垢の方で下書き中の前作の外伝小説は年内には完成しそうもないが、次回作のヒントはちらほら降臨して来ている。
もしそのヒントがうまく形になって作品に繋がれば、原点回帰風の物語になるのでは、と内心ワクワクしている。
とはいえ、現在進行中の外伝を放置してそちらに取り掛かるのも違うと思うので、現実世界はともかく、創作活動では滅多にやらないマルチタスク・並行処理をやってみようかと思っている。
本業も慢性的な薬不足やインフルエンザの大流行、年末での退職者も出たりして、なかなかに大変ではあるが、創作活動による現実逃避だけが癒やしなので、細々とでも続けて行こうと思う。

こんな私のどうでも良いような日常垢ブログではありますが、創作垢共々、来年も宜しくお願いします。
皆様良いお年をお迎えください。
          次郎丸かなみ
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