一度見てムカムカが止まらなくなり、見るのを止めようと思いましたが後半それほどでもなくなって見終えました。
一体どこが原因だったのか確かめようと再度見てみました。
一話は大体登場人物の紹介なのですが、このドラマではもう短絡的と言うか、そのものズバリでした。
不倫や意識の高さをどんどんつなぎ合わせていきます。
普通の暮らしをしていた杏はある日突然夫が失踪してしまいます。
しかも女性と一緒に。駆け落ちです。杏は相手の夫と会い、モヤモヤをぶつけるのですが、その後自分からホテルに相手を誘って不倫します。
始まってから14分です。
かなり大胆です。
もう一人の女性、まりは高層階に住む主婦です。三人の子育てを頑張っています。夫は弁護士事務所を経営するやり手です。
林優子は大手会社に勤める宣伝部の課長。企画を次々ヒットさせ、社長のお気に入りで、女性一号の役員候補でもあります。
私が嫌なのは、どいつもこいつも夫がロクでもないことです。血も涙もないような奴ばかり。
杏の夫は会社のお金を騙し取って駆け落ちしました。女と歯の浮くような会話をメールでしている。
まりの夫は高層階に住む自分を勝ち組と思っていて「これ以下の階に住む人を見下ろすような地位にお前も就けよ」と息子に語っている。
しかも部下と浮気しています。
優子の夫は優しい銀行員だけど、小説を書くのに没頭している。
ある時彼女たちは息子のことで教師に呼び出されます。
「このままの成績が続くようなら自主退学をお奨めします」と言うのです。上から目線の管理者タイプです。
杏が「自主退学を進める権利が学校側にあるのですか?」と問うと教師の言い草がこうです。
「人間には能力というものがあります」「過度な劣等感を持つとその後の人生に影響します」「親としてどう向かい合うか考えて欲しい」
ですって!
こんな教師いるもんですか。私立の名門なのに。
作者の「男」の既成観念がこうなんでしょうね。権力のある男は中身がない。名誉欲や性欲に操られている。
人を見下すことで満足している、それが男だと。
でも落語家の今昔亭丸太郎はちょっと違います。彼は変わってはいるけど人間味があります。
丸太郎は何故か猛烈にまりにアプローチしてきます。独演会のチャリテイーの権利を自分で買ってそれをまりにプレゼントします。
まりは乗り気のしないまま独演会に行き、彼の素晴らしさを知ります。そして二人はドライブをしたりして徐々に距離が近づいていきます。
ちょっと引いたり冷たくなったりするのは丸太郎の計算なのか?そこが、まりは謎です。
全体のテンポはいいし、分かりやすいです。が、人物像が酷すぎて腹立ちが収まらないと言った所でしょうか。
夫が失踪して、その後いきなり14年飛ぶのですが、その間法的な夫婦関係と生活をどうしていたんだろうと疑問でなりません。
警察には相談したの?生活費は?夫の友人や親戚に尋ねて歩かないの?
そして、シングルマザーなのに息子を名門の私立高に入れている。
不思議なことだらけです。
しかし、まりがいい感じです。元々美人じゃないし、ふて腐れたダルい感じが独特です。
優子の家庭は息子が引きこもりの開き直りです。大体こういう息子って親に反発してるんですよね。
一人こういう子供がいると、親は仕事どころじゃなくなります。
優子は「女性第一号の役員候補」だそうですが…。いまさら?
どこの会社にも何割かは女性役員がいるご時世です。
20年くらい前の世の中の感覚かもしれません。
でも脚本家も原作者も還暦過ぎのベテランだから仕方ないのかな~
テーマソングのユーミンもそうだからトリプル還暦ってことです。あまり苛々せずに続きを見る事にしましょう。