先週のぴったんこカンカンのスペシャルの後半部を見ていてとても面白かったもんですから、こっちのその路線かと思いきや
全然違った中身でした。
全然違った中身でした。
そもそもこのドキュメンタリーを企画したのはNHKの木寺というプロデューサーで、3年前に地方のロケで樹木さんに会うチャンスがあり、その人柄に惹かれていたそうです。
東京に転勤になった際に樹木さんのドキュメンタリーを撮りたいと企画を出し、本人に承諾されたそう。
東京に転勤になった際に樹木さんのドキュメンタリーを撮りたいと企画を出し、本人に承諾されたそう。
で一年前から密着取材が始まりました。
「1年間の間に4本の映画を撮るからそれを材料にしてね」と本人が言ったそうです。
樹木さんと山崎努との共演「モリのいる場所」、
樹木さんと山崎努との共演「モリのいる場所」、
「万引き家族」「日々是好日」「ドイツの映画(題が分からない)」、忙しいスケジュールです。
単独でカメラを回すプロデューサーにいつものちょっと変わった問答で返す樹木さん。
撮影は順調に進みます。が半年を過ぎた頃、樹木さんが苛立ちを見せてきました。
ただありのままの自分を映すのにどんな意味があるのか、自分は達成感がないし、あなたの返しが律儀なので、話が弾まない
と言うのです。(安住さんとは弾んでましたね)
この言葉にプロデューサーは泣き出す始末。自分の家庭が上手く行かないのを気に病んでいて、樹木さんにどうしたらいいのかみたいな問いを投げかけています。
撮影は順調に進みます。が半年を過ぎた頃、樹木さんが苛立ちを見せてきました。
ただありのままの自分を映すのにどんな意味があるのか、自分は達成感がないし、あなたの返しが律儀なので、話が弾まない
と言うのです。(安住さんとは弾んでましたね)
この言葉にプロデューサーは泣き出す始末。自分の家庭が上手く行かないのを気に病んでいて、樹木さんにどうしたらいいのかみたいな問いを投げかけています。
その後暫く樹木さんから連絡はありませんでした。
そして突然樹木さんら呼ばれたのは、新聞社のインタビューの仕事場でした。
そして突然樹木さんら呼ばれたのは、新聞社のインタビューの仕事場でした。
そこで樹木さんは木寺さんに爆弾宣言をするのです。
自分が今年の3月に病院に行って検査をしたら、なんと全身にガンが転移していました。
5年前に樹木さんは世間に「全身ガン宣言」をしていて、その時にもガンが体に広がっていたのですが、その後ピンポイント放射線治療をして、ほぼ治っていたのです。
ですが、それがまた再発したのでした。
自分が今年の3月に病院に行って検査をしたら、なんと全身にガンが転移していました。
5年前に樹木さんは世間に「全身ガン宣言」をしていて、その時にもガンが体に広がっていたのですが、その後ピンポイント放射線治療をして、ほぼ治っていたのです。
ですが、それがまた再発したのでした。
医者に言われた余命は「今年いっぱい」あるいは「そこまでもたないかも」というものでした。
全身に黒い点が広がった画像を樹木さんは見せます。見ていて凍り付くような画像でした。
そして樹木さんは「これをドキュメンタリーの一つの肝として見せれば、ドキュメンタリーが面白くなるのではないか」というのです。
全身に黒い点が広がった画像を樹木さんは見せます。見ていて凍り付くような画像でした。
そして樹木さんは「これをドキュメンタリーの一つの肝として見せれば、ドキュメンタリーが面白くなるのではないか」というのです。
呆気にとられました。そこまで作品のことを考えていたのです。
とにもかくにもそれからの樹木さんは作品に全力投入です。が、坂を転がるように体力が衰えていきます。
また一方、樹木さんは友人の浅田美代子さんの映画を企画制作していて、撮影を見守っていました。
また一方、樹木さんは友人の浅田美代子さんの映画を企画制作していて、撮影を見守っていました。
最後の撮影は7月下旬のドイツの映画でした。
見る影もなく痩せて衰えた樹木さん、歩くのももやっと、全身に痛みがある中での壮絶な演技でした。
スノードームを眺めながら縁側で「ゴンドラの歌」を歌う姿は胸に迫ります。
スノードームを眺めながら縁側で「ゴンドラの歌」を歌う姿は胸に迫ります。
全てが淡々と、でもその中にもはっきりと一筋縄ではいかない樹木さんの偏屈さと個性が表れていました。
よく見ていると、言いたいことを言った後には必ず相手をフォローしています。本来、優しいのです。
よく見ていると、言いたいことを言った後には必ず相手をフォローしています。本来、優しいのです。
映画の設定にも「理解出来ない」とはっきり監督に言う芯の強い所が見られました。
万引き家族のおばあさんの過去が付け足されたのがその結果のようです。
一人の女優の最後の仕事、人生の仕上げを追った迫力あるものでした。(プロデューサーの駄目っぷりも良かった)
にしても‥
グチを一切言わず、マネージャーもいなく一人で全部のことをし、娘もその家族もいるのに海外に送り出して、夫は何もしていなかったわけでしょ?
なんか淋しい‥
人は自立しないといけない、家族の迷惑になりたくないというのは立派ですが、つらい時こそもっと人に頼っていいのでは?
もし自分が家族だったらどうだろう、と色んな事を考えました。
グチを一切言わず、マネージャーもいなく一人で全部のことをし、娘もその家族もいるのに海外に送り出して、夫は何もしていなかったわけでしょ?
なんか淋しい‥
人は自立しないといけない、家族の迷惑になりたくないというのは立派ですが、つらい時こそもっと人に頼っていいのでは?
もし自分が家族だったらどうだろう、と色んな事を考えました。
でも、本当にカッコイイ、あっぱれな人生でした。「あん」「モリのいる場所」をDVDで見てみようと思います。