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映画『KCIA 南山の部長たち』(The Man Standing Next)2020年の韓国

2024年05月02日 | 映画

『KCIA 南山の部長たち』(The Man Standing Next)2020年の韓国

KCIA 南山(なむさん)の部長たち

Wikipediaで1979年10月26日に実際に起きた「朴正煕暗殺事件(パク・チョンヒあんさつじけん、ぼく・せいきあんさつじけん)を改めて調べてみたが、現実の事件現場のディテールも偶然や予想外の出来事で衝撃的。ドラマはフィクションとして描かれる。

大韓民国中央情報部部長(KCIA)部長の金載圭は朴大統領の古い友人であったという
こと知っているとすこし楽に映画とたのしめると思う。英題のThe Man Standing Nextはナンバー2とか、最側近、右腕、あるいは懐刀とかいったところか。権力者のまわりの人間関係の複雑で微妙な心理の変化をを主眼においたドラマの展開だったとおもう。

ドラマの展開は、韓国現代史に照らしても興味深い展開をみせる。事件の経緯やその背景も非常に複雑で、昨今の韓国の政治状況を観る上でも参考になる事件だ。

 

子供のころはテレビ、ラジオの”李承晩ライン”でおなじみだった韓国。
その後はあいまいな知識。

大韓民国建国以来の大統領である李承晩の独裁権力が1960年4月に起こった学生による四月革命によって退陣に追いこまれ、民主的な政権が誕生した。それを倒して成立し、60~70年代に韓国の軍事独裁政権の時代を現出させた朴正熙政権。その内実はどうだったのか。
(韓国歴代大統領の多くがたどる逮捕や自殺など「悲惨な末路」は有名)

かの1965年6月の日韓基本条約(佐藤栄作と朴正煕大統領との間で締結)も
こうした開発独裁の時代に成立したことを思えば現在の韓国の度重なる「ちゃぶ台返し」
も少しは理解できそうに思うのだが・・・この映画の主眼はそれではなかろう。あくまでも閣下と部長たちの確執、それに疑心暗鬼、それが惹起する第三者を巻き込んだ心理的駆け引き、葛藤、権力闘争などなどだ。

主役のイ・ビョンホンはじめ俳優陣の熱演にもひかれる。
現実に起きた事件の背景や経緯、歴史的な意味などは、知りつくした上で鑑賞してください、詳しく知らなくてもけっこうです、というスタンスの映画づくりだ。だから面白いという、さすがの映画づくり。


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