恐ろしい伝説
般若の面を思わせる怪異な容貌、余分な脂肪が無い鍛え抜かれた体。
キラー・コワルスキーは紫の衣装をまとい、ゆらりとリングに登場しました。
毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」です。
現在のテーマは人気マスクマン10人のランキング。
ベスト3に入る前に番外編をお届けしていますが、今週は番外編の第1位「コワルスキーのマスク」です。
1963年の第5回ワールドリーグに初来日して決勝戦で力道山と戦って以来、12年に渡って日本
マットに襲来しました。
198cm、120kgの巨体で、コーナーマットから急降下するニードロップが代名詞でした。
この技でユーコン・エリックの耳をそぎ落とし、エリックは後に自殺、それからは肉を受け付けなく
なって菜食に徹したとの伝説は広く知られています。
1968年の第10回ワールドリーグにも参戦しこの時も決勝戦に進出した程の実力者でしたが、常に
暗いイメージが付きまとっていました。
そんな恐怖の殺人鬼には、意外な一面がありました。
Wikipediaにはこう書かれています。
<レスラー生活晩年は髪が薄くなってカツラを着用していた為、頭部を締め上げるヘッドロックは御法度。
同じくカツラ着用のブルーノ・サンマルチノとの試合では、両者共に一度もヘッドロックをしなかった。>
そして<1975年の全日参戦時には「カツラが取れると困る」とマスクを被り、リングネームはそのまま
で覆面レスラーとして試合をした。>と。
実は4年も前に
しかし私は知っている、この記録は間違いだと。
これ以前にコワルスキーはマスクを被っていたのです。
それは1971年の秋に行われた日本プロレスの第2回NWAタッグリーグ戦の開幕戦でした。
春のワールドリーグに並ぶ人気シリーズを目指して、前年の覇者アントニオ猪木は坂口征二と共に優勝を
宣言していました。
その前に立ちはだかったのがキラー・バディオースチンとコンビを組んだコワルスキーでした。
注目の開幕戦、何の前触れもなくコワルスキーはマスクを被って登場したのです。
紫のロングタイツと揃いの紫のマスク。
テレビの前のファンは突然のでき事に驚きました。
しかしもっと驚いたのはアナウンサーも解説者もそれを全く話題にしない事でした。
翌週もその姿で登場したコワルスキーは、何故か3週目には素顔に戻っていました。
一連の変貌を、まるで何事も無かったかの様にテレビでは全く触れません。
その不自然さが殊に印象に残っています。
今考えれば裏事情を十分に知っている解説の吉の里さんも、説明のしようが無かったのでしょう。
「彼はカツラなんですね、それがズレない様にマスクを被ったのですが、どうも具合が悪かった様です。
それで今週からは素顔に戻ったのでしょう。」
伝説に彩られた昭和のプロレスでは、そんな正直な話は絶対にご法度でした。
般若の面を思わせる怪異な容貌、余分な脂肪が無い鍛え抜かれた体。
キラー・コワルスキーは紫の衣装をまとい、ゆらりとリングに登場しました。
毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」です。
現在のテーマは人気マスクマン10人のランキング。
ベスト3に入る前に番外編をお届けしていますが、今週は番外編の第1位「コワルスキーのマスク」です。
1963年の第5回ワールドリーグに初来日して決勝戦で力道山と戦って以来、12年に渡って日本
マットに襲来しました。
198cm、120kgの巨体で、コーナーマットから急降下するニードロップが代名詞でした。
この技でユーコン・エリックの耳をそぎ落とし、エリックは後に自殺、それからは肉を受け付けなく
なって菜食に徹したとの伝説は広く知られています。
1968年の第10回ワールドリーグにも参戦しこの時も決勝戦に進出した程の実力者でしたが、常に
暗いイメージが付きまとっていました。
そんな恐怖の殺人鬼には、意外な一面がありました。
Wikipediaにはこう書かれています。
<レスラー生活晩年は髪が薄くなってカツラを着用していた為、頭部を締め上げるヘッドロックは御法度。
同じくカツラ着用のブルーノ・サンマルチノとの試合では、両者共に一度もヘッドロックをしなかった。>
そして<1975年の全日参戦時には「カツラが取れると困る」とマスクを被り、リングネームはそのまま
で覆面レスラーとして試合をした。>と。
実は4年も前に
しかし私は知っている、この記録は間違いだと。
これ以前にコワルスキーはマスクを被っていたのです。
それは1971年の秋に行われた日本プロレスの第2回NWAタッグリーグ戦の開幕戦でした。
春のワールドリーグに並ぶ人気シリーズを目指して、前年の覇者アントニオ猪木は坂口征二と共に優勝を
宣言していました。
その前に立ちはだかったのがキラー・バディオースチンとコンビを組んだコワルスキーでした。
注目の開幕戦、何の前触れもなくコワルスキーはマスクを被って登場したのです。
紫のロングタイツと揃いの紫のマスク。
テレビの前のファンは突然のでき事に驚きました。
しかしもっと驚いたのはアナウンサーも解説者もそれを全く話題にしない事でした。
翌週もその姿で登場したコワルスキーは、何故か3週目には素顔に戻っていました。
一連の変貌を、まるで何事も無かったかの様にテレビでは全く触れません。
その不自然さが殊に印象に残っています。
今考えれば裏事情を十分に知っている解説の吉の里さんも、説明のしようが無かったのでしょう。
「彼はカツラなんですね、それがズレない様にマスクを被ったのですが、どうも具合が悪かった様です。
それで今週からは素顔に戻ったのでしょう。」
伝説に彩られた昭和のプロレスでは、そんな正直な話は絶対にご法度でした。