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【会津野】司法と自治との関係

2016年12月17日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨日、映画を観てきました。ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」です。

2006年9月、福島県知事であった佐藤栄佐久氏は、実弟の逮捕を受け、道義的責任として知事職を辞職しました。

その後、本人も逮捕され、その背景や裁判の記録、さらに2011年3月の原発事故のことを交え、司法に権力を及ばせた裏の権力を考えさせるような内容の映画でした。

佐藤福島県知事に続き、木村良樹和歌山県知事、安藤忠恕宮崎県知事と、3人続けて官製談合事件で知事が逮捕されたのが2006年という年。

裏に何があるのかは、いまだにわかっていません。

さて、12月12日に【会津野】最高裁判所というものというエントリーを書きました。ここで、「黒い巨塔」(瀬木比呂志著)を読んだ感想を記しました。日本の奥ノ院と呼ばれる最高裁判所が、高等裁判所や地方裁判所に及ぼす影響と、その判断にまつわる裏の勢力からの影響として、政治(立法)と行政からの権力行使と、佐藤氏の事件がダブって見えたのは、言うまでもありません。

他方、最近こんな動画を観ました。

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この動画は、「デモで社会は変わるのか?宮台真司 開沼博 蔭山洋介 磯部涼 ② 」というもので、原発事故後に各地で行われた反原発デモが、社会にどんな影響を与えるかをディスカッションしているものです。

この動画の15分くらいのところから、パネリストの宮台真司氏が「共同体自治」のことを述べます。

ここでは、福島にヒトが住めなくなってしまうような大きな事故を経たのに、変わらない日本の政治と行政の背景として、「共同体自治」が行われていない日本独自のものを、ドイツに対比させて指摘します。

映画での佐藤元知事は、「福島県民の安全のため」という、福島県民の共同体の長としての姿勢を鮮明に表現していますが、日本の三権(司法、立法、行政)は、共同体自治ではなく、天皇に任命されることを正統性とする自治政府をトップとしていますので、そこがかみ合わない点として認識できます。

映画からの帰りの車の中で、日露首脳会談の共同記者会見を聴きました。

「特別な制度」を協議することで合意とのこと。この制度における自治は、いったいどんなものなのか。北方4島の元日本人住民とロシア住民の共同体による自治を模索するとすれば、日本の国土ではないものの、日本人が絡むはじめての共同体自治の例になるかもしれません。

もしそれが成功すれば、福島の自治も共同体のための政治、行政、さらに司法となる道が開けるかもしれません。

いまの自治は、いったい誰のものなのか? そこを突き詰めることが、原発事故後の福島県民のための福島の自治へとつながる一歩になると、今日は思考を進めてみました。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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