以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

GMモジュール放談。。。

2022-01-31 11:27:00 | 日記
例年よりも異常に早いスピードで一月が過ぎ去って行くのを感じている寅🐯です。。。

ココのところGMモジュール、、、巷ではベーシックモジュール、ゼネラルマネジメントモジュールなどとも呼ばれている物体の修理改造依頼が多いのでちょっとブログ記事にしてみました。。。

そもそもこのGMモジュールってブツが何者か❓っちゅうと。。。
W124のV8モデル、W140、R129等でエンジンマネジメントコントロール電源、安全装置への電源供給とエアコンコンプレッサーや熱水循環ポンプなどのコントロール電源スイッチング、燃料ポンプリレーコントロールの+12V電源供給。。。オルタネーター不良時の過電圧検出による電源のシャットアウトと、他にも色々とお仕事をしている多彩な機能を持つ、、、まあ謂わば車がエンジンが掛かって走るのに必要な電源エネルギーをマネジメントしながら供給しているユニットと言う理解で宜しいかと思います。。。😅


故にこのユニットが不調になると最悪はエンジンが掛からないとか結構重大故障に繋がる訳でして。。。
しかも既に新車から30年選手と言う毒車の中の毒車ですからね。。。😎
このユニットが持つ各種制御機能には安定化された電源が欲しい訳で内部の基盤にはしっかりと電源回路なるモノが鎮座致しておりやす。。。

大電力電源には相応のダイオードが用いられていて各種保護機能もしっかりとお金を掛けて設計されておりやす。。。

しかしですね。。。
このGMモジュール内部にセットされた外部アクチュエーター類のコントロール用FETや大電力ダイオードは動作熱を発生するので車台のモジュールBOX内部では結構な高温に温度上昇が起きます。。。
同時にモジュールBOXで同居生活をしているLHモジュール、E-GAS(T/LLR)モジュール、ASR/ABSモジュールも自己動作熱を発生するのでモジュールBOX内部は真夏などでは走行後は素手で触れない程の温度上昇が見られます。
この熱ってヤツは自動車に限らず電子機器類の動作時には絶対に付き纏う課題で、、、パソコン💻のハードディスクも使用中は温度上昇が避けられないのでクーリングファンが装着されていますよね。。。
特に大電力をコントロールする部分が多ければ多い程動作熱を発生します。
この熱の根源の殆どは半導体で抑制された電力のロス分で、ロスした電力エネルギーが熱エネルギーとなって素子の外に放出される、、、正にエネルギー保存の法則通りの現象が発生している訳です。。。

現代では半導体の技術力も結構進んで毒車時代の半導体技術とは雲泥の差とも言える程、熱対策が進んでおりますのでモジュールユニット等の熱対策もそれ程神経質にならなくても良くなりました。。。

さて、お話を毒車のモジュールに戻しますと、、、毒車が生まれた時代の毒な国の半導体は電力スイッチングをさせるだけで電力ロスも大きく相応のカロリー値を持つ熱が発生しておりました。。。
その高カロリーな熱をダイキャスト製のケースにヒートシンクの溝を切りケースに半導体を密着させて外に熱放出。。。
自然冷却にて半導体の温度上昇による不安定化を防止して故障を防止しておりました。。。
だから、、、104エンジンのHFMモジュールなどはダイキャストケースの外にスリットを切って自然冷却を狙っていると言う訳です。

対してLHコントロールモデルではモジュールBOX自体にエアコンの冷風を送って冷却すると言う手法が取られております。
W140ではエアコンのエバポレータから直接ブロアファンで冷風をモジュールBOXに取り入れてエアコンが効いている限りはモジュールは冷却されると言う方式になっております。
W124ではエバポレータBOXから出たダクトの途中に小型モーターファンを装着してGMモジュールに装備された温度センサーが基準値を超す温度上昇を検知するとGMモジュールにプログラミングされた小型冷却ファンを回転させる機能が作動して小型モーターファンを回してエアコンの冷風をモジュールBOXに送り込むと言う方式になっております。

ココで勘の良い毒者の皆様はお気付きの事かと存じますが、、、
W140用のGMモジュールとW124用のGMモジュールの機能の決定的な違い。。。
其れはモジュールBOX小型冷却ファンの有無、、、つまりそのコントロール機能の有無にあります。。。ココ重要。。。😳
当然に常に冷風をブロアファンでモジュールBOXを冷却しているW140用GMモジュールにはモジュール冷却用小型モーターコントロールの機能は無い訳です。。。

W140用のGMモジュール、、、011 545 89 32がV8モデル用、011 545 90 32がV12モデル用。。。
W124 500E(1991y〜1993yモデル)に011 545 89 32を装着するとどうなるか❓
エンジンは掛かります。エアコンもスタートします。。。けど走行中にたまにエアコンがストライキを起こします。。。モジュール冷却ファンは一生回りません。待てど暮せど回りません。。。真夏になったらモジュール×四基の熱暴走が期待出来、、、何回かフェイルセーフを経験してモジュール全数が修復不能な故障に至ると言う終着点が待ってます。。。
因みに011 545 90 32でも同じ結果が期待出来ますので迷車にトドメを刺したいユーザーさんはどうぞお試しあれ❗️🤣🤣🤣

更に1994y〜モデルのE500ですと。。。
011 545 89 32では上記に加えてカムセンサーの電源供給がされないのでカムアジャスターがV型エンジンの左右バンク共に動作せず、非常に調子の悪い信号発進で最近の軽自動車に置いて行かれると言う憂えき目に遭う事になります。燃費もメチャクチャ悪くなりますがそんな事気にしないってユーザーさんはどうぞ。。。🤣🤣🤣🤣🤣
結果的にモジュール冷却ファンは500E同様に回らないので熱暴走→フェイルセーフ→モジュール全数死亡の道を歩みます。。。
011 545 90 32にするとカムセンサーも動作してカムアジャスターもキチンと動きますがモジュール冷却ファンは一生回らないので011 545 89 32搭載の場合と同じ道を歩みます。。。

と、言う訳で適合品番以外のGMモジュールを装着するとW124のV8モデルでは後々😱な問題が発生する事になるので御注意下さいませ。。。


尚、前期モデルの500Eに搭載される011 545 91 32は後期モデル用の011 545 97 32を搭載しても普通にイケます。。。
反対に後期モデルに前期モデル用の011 545 91 32を搭載するとカムセンサーの電源が未供給になりますので診断機をあてると目出度く左右バンクの『カムアジャスター地絡又は断絶』と言うフォルトコードが検出され見事遅い車の出来上がりとなります。。。
後期モデルでは011 545 97 32が原則的に適合となります。
現在デイーラーさんで前期500Eの車台番号でGMモジュールを検索すると011 545 97 32が出る様なのでメーカーは現在500EもE500もGMモジュールに関しては一本化しとる様ですな。。。

独り言の余談ですが、当社では011 545 91 32を禁じ手で011 545 97 32に改造して後期モデル対応品にしてしまう何て技も使いますけどね。。。

中古車で500EやE500を購入されたユーザーさん❗️
ユーザーさんの手元に車が来る前にGMモジュールの故障を経験したヒストリーを持つ個体は多いと思います。。。
アホな前ユーザーや馬鹿な車屋がヤフオク等で需要が低くて相場の安いW140用のGMモジュールを購入して形状が一緒だしエンジンが掛かったからOKだと不適合品番のGMモジュールを装着してそのままモジュールBOXの蓋を閉めたナイナイされているケースも結構あるので一度モジュールBOXの蓋を開けてGMモジュールの品番をチェックしてみる事をお奨め致します。🤣🤣🤣🤣🤣🤣🤣

因みにウチで適合品のGMモジュールをO/Hすると。。。

コンデンサー類は耐熱度UP。スイッチングFETはon抵抗値の低いモノを用いて電力ロスの低い仕様に変貌させております。。。
オプションとしてGMモジュールで鬼門となる電磁リレー×3種もウチのお家芸の半導体仕様の無接点化と言う仕様にも施工致しておりやす。。。

GMモジュール。。。舐めてっと大変痛い目に遭います。。。😱



W124 500E修理の続き。。。

2022-01-29 22:59:00 | 日記
先日からモジュール分解修理中のW124 500Eの続きです。。。

ASR/ABSモジュールのリペア。。。


安全装置のコントロールの心臓部ですから他のモジュールよりも真剣にお金を掛けて設計されているのが判ります。。。


でも、、、経年劣化によって電解コンデンサーの液漏れが発生して故障が発生するモードに入っていますね。。。


電解コンデンサーを基盤から分離しますと。。。



見事に液漏れの痕跡が残ってました。。。

此方も。。。😓

電解コンデンサーの漏れた液体の痕跡を清掃して新しい車載用途用の電解コンデンサーに交換。


後は半田の劣化箇所の腐食状況を洗い出して、、、腐食した半田を吸い上げて半田の打ち直し作業。。。箇所が果てしなく有るので集中力の勝負です。。。


半田の打ち直し作業が完了して組立作業。。。

残すところはGMモジュールですが此方は無接点化を含めてチョイと改造が必要な故に部品の到着待ちです。。。

その間にメーターの速度計の指針不良、TRIP&ODOメーターの不動の修理作業。。。


300km/hパネルで走りを予感させても動かなきゃタダのオブジェ。。。
ってか、速度が判らないし車検もアウトですねん。。。





で、、、速度計を取り出して分解。。。






基盤上の電解コンデンサーは既に御臨終。。。🙏

メーター電源回路の抵抗器は焼損してるし。。。

300km/hスケールの文字盤への変更に伴って速度計コイルの進角調整をする為に可変抵抗器を増設改造が施してあったが。。。

可変抵抗器が既に故障していて可変抵抗の数値が可笑しい。。。
よって抵抗器の交換。。。

ODO&TRIPメーターの駆動ギヤーBOXのギヤー破損。。。
まあ、この年代の電気式メーターでは定番。。。

ギヤーBOXを分解して清掃の上で破損したギヤーを新品に交換。。。

単に新品ギヤーをセットすると距離計動作時にカタカタ音が出てしまうので当社独自の対策加工を施工してセット。。。







ギヤーBOXを組み立てて速度計本体の組立作業。。。


現車に装着して速度計基盤に計算値で設定した速度計コイルの進角値を実走にて確認。。。

速度計測の比較対象はGPS速度計を用いてメーターの指針との誤差を確認。。。

GPS速度計の計測値とほぼほぼ近似値である事を確認して完成。。。


お次はGMモジュールの分解作業。。。






制御回路内のコンデンサー類を一式交換の上で電磁リレー×3ケを摘出。。。

明日の無接点化作業に必要な部品の到着待ちです。。。😅

取り敢えず今日はココまで‼️

To Be Continued……


凄えガス臭‼️

2022-01-26 00:59:00 | 日記
只今ウチに入庫中のW124 500E君。。。

A市の某業者様からのトラブル修理のヘルプコール。。。

エンジンのアイドル音を聞いているだけで何か重苦しい。。。

燃料リッチ状態で排気ガスがメチャメチャ生ガス臭い。。。

オマケに時折ASR警告灯が点灯してフェイルセーフにもなる。。。

診断機による検査ではフロントホイールセンサーの不良と出ているので此方は要交換。。。

燃料リッチ状態は確実にモジュール類のコントロールがラフになっている事が事の大元凶となっているのでモジュール類はO/Hにて対応。。。

後はモジュールO/H後にO2センサーもきっと未燃焼ガスで逝っていると思われるので同時交換。

ATシフトもポジションスイッチの節度が疑わしいのでリンケージブッシュと共に同時交換。

ってなトコで修理方針が見えたところでモジュールBOXの蓋をOPEN‼️

で、、、とんでもないモノを発見してもーた。。。

GMモジュールがW140のV12の600用。。。

コレでもエンジンは掛かるがW140の600にはモジュールのクーリングファンモーターが装着されていないので600用の001 545 9032にはクーリングファンモーターのコントロール機能が御座居ません❗️
よってモジュールのクーリングファンモーターが永遠に回転しないので真夏に乗ったらモジュール類の温度上昇を抑える事が出来ず、、、モジュール類が熱害を受けて崩御する事も有る。。。

よって今回はこのモデル対応のGMモジュール(品番001 545 9132)の当社リビルト無接点化品に交換対応と言うお話に決まった。。。

で、、、LHモジュールの分解。。。







カムアジャスター回路も全滅。。。
コレじゃ加速も遅かったべさ。。。


電源回路も不安定になって制御基礎信号もバラバラ。。。😱
インジェクターの断続も結構ラフだったね。。。




電解コンデンサーは全滅。基盤に漏れた液体の痕跡が。。。


基盤洗浄の上で新品車載用電解コンデンサーに交換。


フューエルポンプコントロールも不良症状勃発寸前秒読み段階。。。


コントロール基盤の分解清掃の上、コントロール半導体を再び装着。




LHモジュールのリペア完成〜。。。

お次はE-GASモジュールのO/H。。。


見るからに電解コンデンサーが膨らんだり漏れた液体の臭いが充満してたりしてヤバそうな雰囲気。。。😱













漏れた電解コンデンサーの液体滲みを洗浄しながらの電解コンデンサー交換作業。。。

オレンジ色のタンタルコンデンサーも風化が始まっているので現代仕様のチップタンタルコンデンサーに置換。。。

後は基盤裏のエゴ半田の割れ補修。。。コレが一番時間掛かるんだわ。。。😅

基盤裏のエゴ半田の割れ補修完成後はモジュールを組み立てて完成。。。

お次はASR/ABSモジュールだけど今日はココまで‼️
To Be Continued…….


さて❗️お次は。。。

2022-01-24 21:02:00 | 日記
毎年節分前位から始まる繁茂期の波を感じている寅🐯です。。。

本日はW463のメーターの起動不良修理。。。

1996y以降の電子メーターに移行して直ぐのタイプ。。。

方式はW210の1996y〜1999yモデルとほぼ一緒。。。

このタイプは液晶部分のトラブルは少ないがメーター自体の電源起動回路のトラブルが多いね。。。
最近、このタイプのメーターを搭載したモデルが減って来たのでトラブルの問合せも減りましたけどね。。。

早速基盤の電源起動回路を中心とした検査からスタート‼️


電解コンデンサーも見るからに怪しい雰囲気バリバリで。。。

特によくパンクして電解液流出で二次災害をもたらす大きな電解コンデンサーを摘出。。。

半田ゴテを当てたら漏れた電解液の浸食で臭えこと臭えこと。。。😱

外したら電解コンデンサーの+極側のリードも崩壊して抜けましたとさ。。。😳


基盤の上は漏れた電解液でベッチョリと。。。漏れてからあまり時間が経っていないので洗浄だけで済みました。。。
コレが時間が経って基盤パターンの腐食に至って断線何てコトになると事態は最悪。。。
ど偉いオペは必須❗️下手すりゃリペア不適応な事態に陥って御臨終となります。。。

まあ、メーター起動不良の場合は即刻症状が出るのでユーザーさんも早期に修理依頼される事が多い故、あまり大事に至ったと言うケースはとっても少ないですが。。。

基盤洗浄を施して新品の電解コンデンサーに交換して再組立。。。

本日オーナー様の元へ返送です。。。


さて、お次は。。。

ガス臭くて時折ASRランプ点灯のフェールセーフに入るW124 500E君。。。

診断機の検査でフロントホイール回転センサー不良がASR点灯の原因と判明しましたが、、、
ガス臭さは完全に燃料リッチ状態ですな。。。

インジェクターのオープンタイムは冷間時スタート状態並に異常に長い状態で温間時も保持だし。。。
O2センサーも電圧値が可笑しいし、ON-OFFレシオも妙な%だし。。。
モジュールの積算値も可笑しいけれどO2センサーは絶対交換やね。。。
燃料リッチで生じた過分な生ガスでO2センサーがやっつけられとるね。。。

その他、、、点火プラグとシフトポジションスイッチ&シフトリンケージブッシュも要交換かな。。。

先ずはモジュール類の経年劣化でボケた積算状態を正常に戻してみないとですね。。。
コトにE-GASモジュールの劣化は燃料リッチを引き起こして排ガスのCOとHCを車検基準値ブッチギリの値にしてくれちゃうし。。。😱

その場凌ぎのCO絞りの術は無いのがLH制御の素敵なトコだし。。。🤣





と、まあそんな診断結果で今回はモジュール×4種全てのリペアとなりました。。。

先ずはモジュールをキチンと適正化しないと他の不調が見えないのがこのLH制御方式のイイトコなんですわ。。。(笑)

今回は現車ごとウチに入庫して貰っているので徹底的に検査したろ。。。🤣

続きはまた明日。。。

To Be Continued……


SCオルタネーター出荷です。。。

2022-01-23 20:35:00 | 日記
最近何だかオーダーが増えたW124用SCオルタネーターの出荷で多忙な寅🐯です。。。










モノは天下のDENSO製なので信頼性も抜群‼️

旧来のIII型に比べてSC化による構造上の改良によって回転もメチャ軽いです。🤗

オマケに大きさも全長がIII型よりも短くなっている上に軽量コンパクトになってます。

コレを当社ではW124の6cyモデル向けを中心としてリリースしています。

本日も兵庫県姫路市のお客様よりオーダー戴きました分を検品、ブラケット調整加工、スペーサー類の摺り合わせを行い、DENSOの特許である充電管理システム用のカプラー用ハーネスを耐熱耐油のテフロン電線で製作して梱包と言う作業を行なっております。。。

明日の午前中に姫路市に向けて出荷です。🤗
お買い上げ誠に有難う御座居ました〜❗️☺️

さて、お次の仕事はW463のメーター起動不良の検査修理作業。。。

続きはまた明日❗️ 
To Be Continued…..