以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

誤魔化し発見‼️

2020-07-27 00:23:00 | 日記
本日はW124 AMG3.4CE-24Vのアイドル不良の修理のお話です。。。


アイドリング回転数が一定しない為、アイドルエアバルブの劣化不良と判断致しましてアイドルエアバルブの交換を致しました。。。



☆画像はイメージです。

このお車、前回の修理入庫時にKEジェトロの劣化しきったラフな燃料制御が判明し、、、
燃調が濃い目に寄って固定した状態になってました。。。
点検の結果、EHA(フューエルガバナー)のデタラメ制御を特定しKEモジュールの修復を行いEHAも新品交換致しました。。。
念の為にO2センサーも同時交換。。。

又、KEモジュールの修復前にはアイドルエアバルブのコントロール信号もアクセルのON-OFFに追従せずラグの大きいアイドル回転数も大きく変化し、一定性の無いバラついた信号を出力しておりました。。。

今回は前回の修理でKEモジュールの適正化を行なっておりましたのでKEモジュールの出力信号はアクセルON-OFFの度にほぼ安定した信号を出力しているにも拘らず、アクセルON-OFFの度にアイドル回転数が1400rpm〜700rpmで大きくラフに変化すると言う症状については単にアイドルエアバルブの不良と判断して交換に至りました。。。

と、、、今回のアイドルエアバルブ交換によって判明した過去のオイタ。。。

暖機後のエアコンONでシフトはP位置でアイドル回転数が950rpm一定。。。
エアコンOFFで850rpm固定。。。

アイドル回転数は安定してるけど何かアイドル回転数が高くね❓❓

軽く試乗してみると加速時にノッキング。。。あん❓❓

もしやと思い、エアフローのプランジャーADJ用の禁断のネジを見ると。。。

もう、これ以上は回らないと言う位置まで燃料が極薄になる状態まで回してあったわ。。。😵

KEモジュールやEHA、O2センサーが劣化による不具合を抱えた状態になると混合気が濃くなる為に車検の排ガス検査でCOで引っ掛かる。。。
勿論この時点で点火プラグもカブりがちになって排ガスも生ガス臭くなる。。。
この時点でKEモジュールの修復、EHA、O2センサーの交換を行えば禁断のネジを回す必要など無い。勿論、KEジェトロ車の新車当時のデイーラーさんマニュアルには禁断のネジは「無闇に回すな❗️」と警告されている。。。

ところがところが。。。

「旧車専門店❗️旧車修理はお任せ下さい❗️当社は旧車のスペシャリストです❗️レストア大歓迎❗️」と、大風呂敷を広げている馬鹿な車屋のやる事と言えば。。。

禁断のネジだろうが何だろうが素人客にその場バレなきゃ其れでヨイ。。。
高額な部品交換を店で負担する事なく上手く誤魔化せれば高額販売高利潤でシャンシャンシャン♬はい❗️一丁上がり〜❗️

中古車販売時に知ったか知識をひっけらかして多額の整備料金を請求しておいて肝心要の修理もしない出来ないクセに旧車レストアのマイスターだと宣って客を信用させてそのまま納車。。。
当然、購入した客から納車後に何か変だとクレームが入る。。。
するとトドのつまり、、、「お客さん❗️旧いんだから仕方がないです❗️」との名台詞。。。
最終的に話が噛み合わず、、、客は不調の時限爆弾を抱えた車をどうするかの選択肢に迫られる。。。

プレミア物の旧車の毒車を手に入れたユーザーは馬鹿な中古車屋の対応に無駄な時間を費やす事に疲れてインターネットを彷徨って業者を探して不具合を治そうとする。。。
毒車を熟知した工場やショップに出会えれば旧車ライフに光明が見えると言うモノだが。。。
但し、出会った工場やショップで中古車屋のオイタの数々が露呈する覚悟は必要である。
見てはイケナイものを目の当たりにする事になったりして。。。

話が逸れましたけど当該のAMG君は燃調の取り直しを要すと言う結論になり燃調の再調整。。。だってこのままじゃエンジンが壊れちまう。。。

あーくわばら。くわばら。。。








エアコンリレーのシーズンですね。。。

2020-07-22 11:21:00 | 日記
今回は岡山市からの御依頼。。。

W124 300TEのエアコンリレーのO/H。。。

エンジン始動→エアコンON後。。。→直ぐにエアコンコンプレッサークラッチがOFFになってエアコンが勝手に切れてそのまま。→エンジン再始動で再びエアコンはONになるが再びエアコンが勝手に切れる。の繰り返しと言う症状。。。

毒車の定番故障ですな。。。殆どはこのエアコンリレーのトラブルです。

KEやモトロニック車はエアコンリレー。LH車はGMモジュール。。。

何れもO/Hで大抵は修復が可能です。




1990年代半ば迄採用されていた片面基盤。。。



更に酸化と割れが定番のエコ半田を基盤上から吸引除去の上で打ち直ししながら実装部品の交換作業。。。




IC信号増幅回路の電解コンデンサーはJAPANの車載用規格の耐熱仕様のモノに変更して信頼性の向上。。。



電磁式のA/Cコンプレッサーリレーは無接点化の為撤去。。。




実装部品の交換と無接点基盤への変更を終えた図。。。

基盤裏の半田も全てJAPAN製に打ち替えてこの時代の基盤によくある半田割れや半田の脱落による回路断裂を抑止。
又、経年劣化なりの基盤パターンの剥離箇所も補修を加えて再コーティング。。。

コレにてコート剤の自然乾燥を待ってケースと合体して岡山市にお帰りで御座居ます。。。




さて、ウチの本業とは違いますけどちょっと変わった仕事。。。

広島県の友人からの個人的な御依頼。。。






日産ステージアの速度計修理。。。

速度計コイルが破損と言う実に不可解な故障。。。

コイルをドナーメーターから移植してメーター針のゼロ位置調整。。。

やっぱり毒車の基盤よりもJAPAN製基盤の方が半田の質も良いし仕上げが丁寧ですな。。。(笑)

さて、此方も組み立てて広島県三原市に出荷です。。。🤗





危ねーよ❗️

2020-07-10 21:40:00 | 日記
本日はW124 CE3.4-AMG君の電動補助ファン不動修理です。。。




先ずはファンリレーを直結しても低速、高速共に不動。。。

ファンコネクターにDC12Vを印加してあげると全開で回転。。。

よくあるのはファンレジスターの断線だが今回は低速側のみならず高速もリレーが動作しようが何だろうが動作せず。。。

取り敢えず左側ヘッドライトを外してレジスター付近を露出させて導通を測ろうかと。。。

ヘッドライトが外れてファンレジスター出力側のハーネスをリリースして見て納得。。。



ちょっと拡大。。。




ラグ端子後方から1.5cm位のトコで絶縁被膜が切れて芯線が何やら凄いコトになっとる❗️

更に風化した被膜を剥がして行くと電線同士がよじって接続されていた。。。😡

この端子部分は電動補助ファンの電源であって大きな電流が流れる箇所ですねん。。。

万が一接触不良が発生すれば電線同士の接触部分で過熱を起こして最悪は車両火災ですねん。。。

処置としてはこの線を結目より後ろでぶった切って、高速側リレーとファン行き+極の線の皮を剥いて極太のシリコン線に「高熱半田付け」を施工し、シリコン絶縁チューブで養生。
ファンレジスターへの接続端子を新たに圧着して更に高熱半田揚げ加工を施して端子の根元をシリコン絶縁チューブで養生。。。

コレで動作試験の結果良好。。。

で、、、外した旧い端子。。。





輪になって車台側の線と結んであったが故に酸化して接触不良。。。
巻いてあったテープが溶けていた。。。燃えるぞ❗️マジで‼️😱

どうやらこの仕事、、、W124やW126などの旧車レストア専門店を謳うショップの仕事らしいがコレは最悪‼️😡

恐らく、旧いファンレジスターとの接続部分が赤錆全開になって回せなくなったモンだから配線をぶった切って部品取りの廃車から比較的錆びてないラグ端子線をぶった切って来て結んでテープで巻いて「マイスターの技術仕事」とでも謳ってたんやろな。。。
芯線のよじり接続は芯線同士の酸化のリスクを早め、接触不良を起こし易くします。
接続でよじったら必ず高熱半田揚げ加工を要します。
養生も高温、高熱の環境に曝される接続部分にビニールテープは御法度です❗️
流石❗️馬鹿ばっかの車屋のお仕事ですね。。。小学生のガキの夏休みの工作レベルにも達していないところが御立派‼️
とても電気配線を理解している者の仕事じゃねーわなwww....

余談ですが、、、このお車、先日ウチでメーターのO/Hを施工致しましたけど。。。




水温計、燃料計、油圧計のユニットに意味不明なリード線が半田付けしてあったし。。。

恐らく燃料計の指針振れを治したかったんだろうけど原因は其処じゃねーし。。。(笑)

作業者は恐らくメーターの動作原理も全く理解していないド素人❓❓

結局、ウチでキッチリと完治させて戴きました‼️

「レストア専門❗️旧車のメーターや電装系統修理もお任せ下さい❗️」と謳って裏じゃあこんな具合の商売が蔓延っている訳ね。。。

恐ろしや。恐ろしや。。。😱






続きまして、、、KEジェトロ車のクルーズアクチュエーター修理。。。

2020-07-03 10:28:00 | 日記
中々最近公私共に多忙で先日の修理記事の続きが書けませんでして。。。(汗)😓

さて、、、先日のKEジェトロ車のクルーズコントロールモジュールのO/Hに引き続きまして同じ車のクルーズコントロールアクチュエーターの修理のお話です。。。




油まみれのお姿で当社に到着したW201用のクルーズコントロールアクチュエーター。。。

分解前に外観部分の清掃から。。。

で、、、分解作業着手。。。




センターのアイドルギヤーを抜いたトコの図。。。

動作原理的にはクルーズセットでソレノイドが入り、基盤中央のモーターのピニオンギヤーとピニオンギヤー上の白いギヤーが噛み合わせられる。
同時に画像右側の扇型ギヤーの下にあるポテンションメータの信号がKEモジュールに送信されアクチュエーターのスロットルコントロールレバーの進角を判断し、セットスピードに見合った進角までアクチュエータユニットのモーターを動かして適正なスロットル位置にスロットルコントロールレバーを固定する。

クルーズON状態で加速信号が入るとクルーズコントロールモジュールが加速度合に見合ったモーターコントロール信号をポテンションメータの信号と比較しながら出力する。

反対に減速信号が入るとクルーズコントロールモジュールは減速度合に見合ったモーターコントロール信号をポテンションメータの信号と比較しながら出力する。

と、まあちょっとした昭和時代のマイコンコントロールシステムの動作をするのがクルーズコントロールアクチュエーターですが、このアクチュエーターも故障します。
何方かと言うとこのアクチュエーターは使わな過ぎで自然故障する事が多いですね。。。




例えばこの扇型のギヤーのセンターの穴に入るスロットルリンケージを引っ張る為の出力シャフト。。。

シャフト自体はクルーズコントロールのON-OFFに関わらずアクセルペダルによる速度コントロールと同時に常に動いているのでグリスの固着は殆ど起きませんが。。。
この扇型ギヤーはクルーズコントロールONによってモーターによって動くモノなのでクルーズコントロールを使用しない限りは動作する事は御座居ません。
よって古くなったグリスの固着などが起き易い箇所でもあります。。。

更に、、、この扇型ギヤーの下にはポテンションメータの可動接点が同軸動作で可動する様にセットされています。。。つまり躍動子になっている訳です。。。

奥にセットされた基盤の上にはポテンションメータとなる可変抵抗器がプリントされていて、長期間の劣化で躍動子との接触部分が酸化して参ります。
すると可変した躍動子と基盤側の抵抗器の接点に酸化による電気的抵抗が増え、躍動子が可変する事による適正な抵抗値ではなくなります。。。
よって、ポテンションメーターからクルーズコントロールモジュールに送信される電圧値が綺麗な可変電圧値ではなくなる為にクルーズコントロールモジュールは正確なスロットルの開度判断が出来なくなります。。。
この様な状態になるとどんな症状が発生するか❓❓

クルーズSet→アクセルペダルから足を離す。→速度が一定せずガタガタとしゃくる。→そのままの状態が続く。→クルーズコントロールモジュールが判断の域を越して自動OFF。

と言った症状に見舞われます。。。

よってこの扇型ギヤーをスプリングフックで引っ掛けて丁寧に外してポテンションメータ部分の抵抗値をチェックの上で酸化箇所を修正する地道な作業が要求されます。
間違っても市販の接点復活剤やサンドペーパーによる磨きは御法度です。
この部分の作業は社外秘ですので悪しからず。🙇‍♂️



モーター周りの基盤のパターンや半田箇所も酸化が著しいのでチェックの上で半田の打ち替えを行います。

後は通電によるソレノイドの通電試験。モーターの回転試験を行い各部をグリスアップして組み上げます。



組み上げた後にソレノイドをロックさせてモーターを回転させ、ポテンションメータの抵抗値の可変をチェックして完成です。

今回は外観が余りにも酷かったので鋳物ケースをシコシコと磨き、モーターカバーはバフ掛けしときました。(笑)








コレにてクルーズコントロールモジュールとセットで御依頼主の長崎県のお客様の元へお帰りで御座居ます。




この度も御用命戴きまして誠に有難う御座居ました〜‼️🙇‍♂️