脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

戸畑高校天籟同窓会―右脳刺激の場として考える

2017年08月14日 | 認知症からの回復

北九州市戸畑区。私が生まれて高校卒業まで生活した町。懐かしい…大好きです。
戸畑高校の同窓会は、学校のあるところにちなんで天籟同窓会といいますが、去年から戸畑高校天籟同窓会関東支部長になりましたから、本部総会に勇躍出席!
九州は遠いですね。今回は飛行機にしました。東京は曇りでしたが、だんだんに眼下が開けてきて、瀬戸内海上を飛んだ時には本四連絡橋が全部見えました。これは明石海峡大橋です。

会場は小倉駅前のリーガロイヤルホテル。300人以上の出席者に対応するには大きなシティホテルでないと無理でしょう。
銀河鉄道999のメーテルと星野哲郎が出迎えてくれました。そう言えば松本零士さんは福岡県出身ですね。


会場の様子など写真は撮れませんでした。交流・歓談に忙しくそれどころではなかったので、と言い訳させてください。
全国知事会会長をなさった麻生元福岡県知事(同窓会名誉会長)とごあいさつしました。お願いして福岡支部長安田さんと関西支部長井上さんと一緒に写真を撮らせていただきました。

幕開けは、去年ユネスコ無形文化遺産に決まった戸畑祇園大山笠お囃子披露です。8回生青木勇二郎さん(80歳)が盛り上げてくださいました。実はこのメンバー全員を10月21日の関東地区天籟同窓会総会にもお呼びしてあるのです。

戸畑高校天籟同窓会は、旧制戸畑中学から続いています。その戸畑中学の第1期生として卒業なさった名誉顧問木下憲定さん(94歳)のごあいさつ。去年と変わらずお元気でした!

同窓会の世話人たちが集まると、「どのようにして若い人たちの参加を増やすか」というテーマでもちきりになります。確かに会の存続そのものに関わる問題ですから、いつも若い人たちへの働きかけは工夫し続けることになるでしょう。
ただ、同窓会に深くかかわることになって実感していることを書いておきましょう。
もしかしたら、同窓会は齢をとった卒業生にとっての、やさしい穏やかな脳活性化の場になりうるのではないかということです。
もちろん年若い、現職の人たちが異業種交流を求めて参加することもあるでしょうし、求めるつもりはなかったのに出会いが何かを生むことにもつながるでしょう。若くても、懐かしい友に会いたい人もいるでしょう。
ですが、高齢者に目を向けることにします。
とにかく、現職を退いて第二の人生がスタートした時に、趣味も交遊もない人たちはひなが一日家でボーと過ごすことになります。そのような生活を続けていると、脳は老化を加速していき、認知症への道まっしぐらということになってしまうのです。「出かけましょう」というと「どこへ?用もないのに」という返事が返ってきます。「楽しみごとを見つけましょう」には「今更。この齢になって」。
同窓会は、時を超えて「私の戸畑高校時代」という思いを共有できる場です。それは家にこもりっきりの人にとっては、ちょっとした安心感につながるはずで、次の行動へのステップになるだろうと思えるのです。
どこかへ出かける話になるかもしれません。何かを始めるきっかけになるかもしれません。
総会に出席した同期の友人は「戸畑高校ってこんなにいい高校だったって再認識した。感激しちゃった」といいました。こういう思いを感じられるのが同窓会なのですね。共通の思いをしっかり感じるところ、と言い換えることもできます。
その一体感を最も感じるときは応援団の演武と校歌斉唱でしょう。いつものように胸がいっぱいになりました…

この写真は、九州が見えてきたところで、国東半島と姫島。その西に北九州空港があります。
今回の同窓会出席には、もう一つの楽しみがありました。
当番幹事のM島さんから事務連絡の電話がありました。そして続けて「プライベートなのですが…」と話が続きました。
「高槻さんのお母さんが、私が通っていたそろばん教室に来られていたのです。私がそれまで少し長くそろばんをやっていたものですから『Mちゃんはほんとにそろばんが上手ねえ』と何度も褒めていただきました。それほどでもないのに、すごくほめてくださって。とてもうれしかったんです」
思い出しました!
「絹子ちゃんも通ったそろばん教室の長谷川先生と会ったら、『ボケ予防に教室に来ませんか。子供がたくさん来るので見てるだけもかわいいものよ』って誘われたから、行こうと思うんよ」と確かに電話がありました。
私は「すごくいいと思うよ~だって今更そろばんで身を立てるわけでもないし、上手になる必要なんてないでしょう。子供たちと一緒にいるだけでもワクワクしそう」というようなことを言った覚えがあります。
そして母から「かわいいお嬢ちゃんがいてねえ。賢くてそろばんが上手で(エイ!正直に書いてしまうと)絹子ちゃんのこどものころみたい。ほんとに教室に行くのは楽しいよ。そろばんはちっともうまくならんけどね」
今改めて思うと、この母の積極性はなかなか素晴らしい。確かにこういう脳リハビリの考え方もありますね。この行動が成立した底流には、「わが子がお世話になったそろばん教室」であるということが、一歩を踏み出すときのキーだったのではないでしょうか?
同窓会も、そのチャンスを秘めています。
小倉駅の銅像、キャプテンハーロックも。

そのころの母の年齢が、今の私くらい。そのころの私の歳にそろそろMさんがなるのでは?
不思議な感覚。
母のことも、そのときのやり取りもこんなにしっかり覚えているのに、母はいなくて今いろいろ思い出している母の歳に、私がなっているなんて。
なんだかうれしかった…そしてお会いするのが楽しみになりました。

総会後の記念写真。
M島さんのお家は食料品店。しかも私がよくお使いに行っていたお店です。60年を飛び越えて私のこと、覚えていてくださいました。私というより、私の中の母の面影を見つけてくださったんでしょうけど。
そのうえ、Mさんのお父さまが母の手紙をもってきてくださいました。
20年近く保存してくださっていた感動と、読みながらあまりにも母らしい文面に懐かしい涙が流れました。本当にありがとうございました。

 


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