脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

中ボケを教えてもらいました

2017年08月11日 | 正常から認知症への移り変わり

この頃よく思うことですが、認知症に関して専門家の方々の理解にどこかズレがあるような気がします。
どうしても「原因」を知りたい。「こういう症状を出すにはそれなりの原因があるはずだ」。その「原因」もとても科学的に追及するのが専門家としての使命というのでしょうか?
耳にされると思いますが、アミロイドベータとかタウ蛋白のような脳内の化学物質に求めようとしたり、脳そのものの萎縮ではないかとCTやMRIを駆使してその原因を探ったりしています。
動物実験も欠かせませんね‥‥(写真は国立近代美術館の松方コレクションから)

普通に生活している人たちは、家族である高齢者、という表現より「うちのおばあちゃんやおじいちゃん」であったり「うちのお母さんやお父さん」の方が適切ですね。その他ならぬ大切な祖父母や両親の日々の行動が「何だか変」とか「これって年のせいなんだろうか」という気づきがそもそものスタート。その意味では、原因ではなく結果を見るところから始まっています。ただ、身近な人だけに、ちょっとした変化を捉えることができますね。

「ブログを読みました」と連絡がありました。ちょっとした指針を与えてあげると、症状もその原因も、そしてその対処までも、家族(専門家でなく)ならできるのだとちょっと感動しましたのでご報告。(連絡いただいたものは青字で書いてあります)

先月認知症外来。受診症状を伝え、その後MRIでは頭頂部や後頭部の脳の萎縮がそこそこ進んでいるので、アルツハイマー型認知症であろうとの診断を頂き、投薬開始。

私は母と2人暮らしですが、こちらのブログを色々読ませて頂いて、中ボケの段階なのではないかと感じており、この段階であれば、家族の支援で何とか回復してもらえるのではないかと希望を持っております。

5年程前に、腰椎椎間板ヘルニアを発症して手術を受けて以降、私が反対したのもあり、これまで乗っていた自転車を辞めました。長年新聞配達をしていたせいなのか、左側の背中が盛り上がり、身体が右側に傾いています。ブログを読ませて頂いて、速歩で5000歩を一緒に歩くのをなるべく毎日続けていますが、腰がだるくなりお尻と右脚の付け根がだるくなるので、最後の方は歩行がふらつく感じです。元々社交的で、誰とでも友達になれる性格の母なのですが、もしかしたらそのせいであまり出掛けないことが増えていたかもしれません。

物忘れの症状や、隣組の掃除当番の日程を何度も間違える等が気になり出したのは、ここ半年ぐらいの気がしていますが、この3ヶ月ぐらいは、服を前後逆に着るということが増え、ご近所の方に知らせて頂きました。この1ヶ月は、朝食後の服薬後に飲んだかどうか忘れるようになりました。今日の日付は何度言っても忘れています。ただ予定があると、今日がその予定の日ではないのかと何度も確認します。私はフルタイムで働いており、この1年ぐらいは毎日残業で帰りが遅く、帰って来ても、母がこれまでのように夕食を作っていなかったり、同じものをいくつも購入していたりしたことを、私自身のストレスもあったと思いますが、叱責し大げんかになることが続いていました。

地域の保健師さんや社会福祉士さんに相談し、介護認定無しで受けられる短時間のデイサービスや、ふれあいデイハウスという高齢者が集まって色々な作り物をしたりするところに参加できないか頼んでいます。また社会福祉センターで行われている習い事に参加できないか探そうとも思っています。この1ヶ月ぐらいは、結婚後離れて暮らす妹も甥っ子を連れて来てくれたり何処かに一緒に出掛けてくれたり、来月には旅行も企画してくれています。母の友人達はまだ現役やシルバーで働いている人がほとんどで、なかなか遊びに来てくれたりする余裕もなさそうです。近所の方は時々お茶に誘ってくださったりはしています。私もなるべく毎日一緒に歩くのと、ご飯を一緒に作ったりを心掛け、まだ実現はしていませんが若い頃に母が好きだった宝塚歌劇を観に行くのもどうかなと思っています。

ただ妹は、あくまでも病気だからなるべくこれ以上進行しないように生活のサポートはして、あんまりヤイヤイ言わない方がいいと言っています。私は今よりも前のような明るい母に回復してもらいたい気持ちが強く、何とか出来る限りのことをしたいと思う余り、些細な母の言動に一喜一憂して不安な気持ちが拭えない状況です。

つらつらと書き連ねてしまい申し訳ありません。何とかここで踏ん張りたいと思い、メールを書かせて頂きました。(多少省略しました)


私たちのいう中ボケの真ん中です。見事に的確に症状を捉えていることに驚きます。 中ボケの症状があるときには、もちろん小ボケの症状もあります。例えば「同じものをいくつも購入する」のは小ボケの症状です。 「近所の人が知らせてくれる」のは中ボケの真ん中を過ぎてからのことが多いのですが、このお母さんのように、「誰とでも友達になれる」ような人間関係がいい人の場合は、逆に早めに心配されるということがよくあります。 それにしても、きっかけが5年前だともう少し状態は悪いはずです。
いろいろ確認してその原因がわかりました。 新聞配達をやめた後で、ジムに通い始めたのだそうです。 家のすぐそばのバス停から終点まで行って、そのまたすぐそばにジムがあった、という僥倖! この週一回の行動が、認知症の症状の進行を防止していたと考えると、話の辻褄がよくあいます。 「体を動かして鍛えるよりも、そこの指導員さんが優しくていくのが楽しみだったみたい」ウンウン、なるほどね。
これからの予定は、相談することまで含めて全て正しい。けれども例えば、一緒に調理してももどかしいことが多発するだろうし、宝塚に連れて行っても飽きるかもしれないし喜ばないかもしれない。 妹さんの協力体制は嬉しいことですが、「生活のサポート」をしすぎるとお母さんの脳を働かせるチャンスを奪うし、「ヤイヤイ言わない」と見事に何もしないものですから、やはり脳を働かせることになりません。妹さんの優しい気持ちから出ていることはわかりますが、この考え方は間違っていることを伝えました。
 
アルツハイマー型認知症の原因も対応も、シンプルです。
1.脳はもともと老化のカーブを持っている。
2.脳を使えば、老化は遅れるし、使わなければ老化は進む。
3.脳を使うということは、右脳、左脳、運動の脳を使い続けることで、その時の鍵は前頭葉が握っていることをよく理解する。

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