脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

応急手当講習から右脳・左脳の働きを考える

2017年02月14日 | 右脳の働き

今日は伊東歴史案内人講座の番外編で、消防署を会場に応急手当講習を受けてきました。
大昔に受けたことがありますが、AEDを自分で使っておきたかったので、結構楽しみでした。 

前半の講座もビデオを用いたものでしたから、わかりやすく理解が進みました。『本を読む」だけだと、左脳で理解はするでしょうが、とても実践にはつながらないと思いませんか?
「勉強」は基本は左脳で行われるものですが、今回のように実践が伴うものだと「左脳」だけで「理解」しても、行動につなげるには困難が残ります。同じようなシーンを繰り返し見せていただき、説明も受けました。私は「右脳」優勢 タイプですから、その場面がよく理解できた気持ちになっていました。
後半の講座は実践です。
まず救急隊員の方が模範演技(?)をして下さいました。DVDの画面は主に右脳で理解し、もちろん丁寧な解説を左脳で理解し、最後にもう一度目の前で確認するというように丁寧なステップを踏んだ講座でした。

ところが、わかっているようでも自分が実践するとなると、戸惑いが芽生えてきます。一人1体用意してくださってましたから、胸骨圧迫と人工呼吸を実践してみましたが、やってみると「胸骨を抑えてる手の場所や強さがこれでいいのか、人工呼吸は空気が入っているのかなど疑問がいっぱいわいてきます。参加人数分15体、用意してくださってました。

次にグループに分かれ、立派なダミーを使わせていただいて、一人ずつ救命活動をする人、手伝う人を体験しあいました。
 
1.倒れている人がいる!
2.場所の安全確認
3.肩を触って「大丈夫ですか?」を3回、次第に強くいう
4.大声で助けを呼ぶ
5.119番通報とAED 担当を指示
6.10秒間、呼吸を確認
7.胸骨圧迫
 ・5センチ沈む強さ
 ・1分間に100~120回
 ・30回やって、人工呼吸2回
 ・脳への血流確保
  (力を抜いたときに血液は流れるので、しっかり押さえ、はっきり戻す)
 ・胸骨圧迫を最優先にする。
  (いったん開始したら、開眼や普通の呼吸ができる以外は救急隊到着まで続ける)
 ・胸骨の中心に掌を重ねて腕が肩から垂直になるように構える(前傾)

8.AEDがあれば装着
 ・器械で操作の違いがある
 ・肩・脇腹の2ヶ所に貼る
 ・水分は拭く・ペースメーカーはよける・アクセサリーもよける
 ・周りの人に離れるように言う
 ・AEDの判断に従って、電気ショックを実行するを
 ・この間「離れる」 指示がないあいだは胸骨圧迫をつづける
 ・心房細動を起こしている場合には、
 ・AEDでいったん心臓を停止させて、従来のパルスに戻す
 (AEDは心停止をよくする器械ではない。つい最近亡くなったエビ中・松野莉奈さんに、施してあげたかったですねえ…)

このダミーは 、ほんとうによくできていました。
今日は思いつくままに記録してみました。こういう作業は左脳。
きちんと整理して理解するためには不可欠ですね。そしてこうしておくと、将来確認することができ、確認できたら ほとんど今と同じ理解までできます。おそるべき左脳の機能です。
ただし、メモをどうしても見たくなるでしょう。
いっぽう右脳は 、細部は曖昧になることは否めませんが(逆に細部のどこかをくっきり覚えていたりもしますが)大まかな流れはつかめているものです。たとえメモがなくてもどうにかなると思います。
普通の日常生活のなかでも、左脳と右脳を意識するとちょっとおもしろいでしょう。

今日の来客と面白い話をしました。
「お母さんが、脳卒中を起こして左マヒになったんです」
私「それは大変ですね・・・左マヒということは右脳が悪くなったということですから。あまり世間では言いませんが、右脳障害って結構大変」と言いながら続けて、「わがままでしょ」「状況に合わないことを言い出さないですか」「特別だらしない感じがないですか」「チャランポラン」などといったら、すべて否定されました。
それどころか「『申し訳ない』を繰り返し まるで仏様になったみたい、とみんなから言われている」「左半身マヒが結構ひどいのですが、歩行訓練のガンバリ様は語り草。杖でどうにか歩けるようになりました」「デイサービスに喜んでいくし、右手だけなのにびっくりするような物を作ってきます」「テレビで演歌をやっていると喜びます」「時々友人に電話をかけてはおしゃべりを楽しんでます」
このようなことは、左脳障害の家族がよく話してくれることなのです。

私の推論。「左マヒは重く右脳運動野は間違いなく障害されているけれども、言語化しにくい右脳の機能はほとんど残っているような状態。これを説明できるのは、左利きの方だろうということ」
このブログでよく右脳左脳という話をしていますが、これは100%の右利きの人の場合です。左利きの人は、ここまで右脳左脳の機能分化がはっきりしていないのです。
お客さんは言いました。「お母さんは右利きですけど…あ。そういえば、うちの娘、孫にあたりますが強い左利きなんです」
最近は、利き手を変えたりしなくなりましたが、昔は結構矯正されたものですから、一見すると右利きのような左利きの方もいます。脳卒中の方の後遺症をよく聞くと、右脳=アナログ、左脳=デジタルという脳の機能分化が納得できます。納得できるからこそ今日のようなお話の時「もともとは左利きに違いありません」と強くいえるのです。
                                                                                                                                                                         

 


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