脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

桂花醤作りに挑戦ー前頭葉機能を考える

2017年10月13日 | 前頭葉の働き

春のサクラの花も時期が限られていて心急くものですが、考えてみたら10月になってどこからともなく香って来るキンモクセイも、気が付けば樹本に黄金色のじゅうたんを敷き詰めてしまって、今年もこの香りともお別れだなあと、毎年しみじみと思います。

以前、桂花酒に挑戦してみました。全然おいしくなくてそれ以来キンモクセイは香りだけを楽しむものだと思っていたところ、ランチに利用する仙豆飯店で、デザートの杏仁豆腐にキンモクセイの花が。
尋ねてみると「キンモクセイの花びらを砂糖で煮たものですよ」とシンプルな答えをいただきました。
散歩の途中に、香りに驚かされたキンモクセイの道があります。箱を持って行って、花だけを箱いっぱいいただきました。ネット検索した通りに作ります。
まずピンセットを使って掃除します。枯れた花や、花の茎を取り除きます。

これが気が遠くなるような作業で、たっぷり3時間はかかりました。
創造力を発揮するかけらもない単純作業ですが、やり続けるには前頭葉が大きく関与しています。考えたら「根気よく」という機能は、デジタル情報処理の左脳にも、アナログ情報処理の右脳にもないでしょう!

全部でたったの70g!
ナイナイ尽くしの生活を続けて脳の老化が加速されていくときに、最初に機能低下を起こすのが前頭葉なのです。前頭葉だけがうまく働いていない状態を小ボケと言います。小ボケの方本人や家族がよく訴える症状に「根気が続かない」があります。
掃除をしているときに、最後に掃除道具を片付けていない。洗濯物をたたんでいるときに途中でやめてしまったり、たたんだままで片付けていない。掃除でも炊事でも庭仕事でも、なぜ?と思うように、途中で終わってしまっている。
小ボケの人の一番目立つ症状は、ボーとして何もせず居眠りをしているということで、これは前頭葉がうまく働かないために意欲が出ていないからです。上に述べたように一つずつの作業が途中で終わり、終了しないという状態は、前頭葉の監督不足と考えるといいのです。

よく洗います。
シロップの用意をします。桂花酒がなかったので、代わりにプラムリキュール150g。このような応用編に気づくのも前頭葉機能です。

それにグラニュー糖150g。

花の水を切っている間に、煮溶かします。

花を入れてからは、さっと煮るだけです。

消毒した瓶に入れたら完成。

レシピ通りに作ったのですが、シロップが少なすぎ。
中華料理の「醤」はとろみがあるものですが、桂花醤はさらりとシロップとして使うそうです。そういえば仙豆飯店でもそうでした。香りの付いたシロップと、微妙な舌触りのあるキンモクセイの花びらと、二度楽しめました。
そこで私はレシピを無視して、シロップ200ccをまた作り桂花醤を入れて一煮立ちさせ、花びらをわけました。このような軌道修正も前頭葉の役目なのです。
この判断には、仙豆飯店で桂花醤掛けの杏仁豆腐をいただいた体験が大きく関与しています。知識も前頭葉を支えますが、単なる知識よりも実体験の方が、より自分の前頭葉を豊かに機能させるのです。

きれいでおいしくとても満足のクッキングでした。と評価するのも前頭葉。
今朝はうれしくなって、ホットケーキに少々。寒かったのでおやつには葛湯を練りましたが、そこにも少々。そして、ちょっと食べ過ぎかと反省しました。反省できるのも前頭葉の機能です。



 


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