脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

10月の右脳訓練ー韓国の「娘」一家の来日

2017年10月17日 | 私の右脳ライフ

このブログに「私の右脳ライフ」のカテゴリーを設けたのは、脳をイキイキと保つためには「右脳で人生を楽しむ」ということが重要だと訴えたかったためです。
「右脳」の出番というと、さまざまな趣味を楽しむことが筆頭に挙げられます。「私の右脳ライフ」には物見遊山の報告が多いかなと思いますが、右脳の大切な働きに対人関係を楽しむという面があります。(もちろん脳の機能を考えるときには前頭葉が常に関与していることは忘れてはいけませんが、前頭葉をちょっと外して考えましょう)
私が娘のように思っている韓国人一家との付き合いを報告しましょう。
金珠榮(ぽっちゃん)・朴佳乙(佳乙は韓国語で秋の意味。アキちゃん)・朴善哲(てっちゃん)。私が希望して帰国後に送られてきた「今回来日のベストショット」

19年前、韓国で講演を依頼されました。国際会議場での同時通訳付き講演でしたが、「せめて最初の挨拶だけでも韓国語で…」と思って、ちょうど隣町で、日本語を学ぶために留学中の金珠榮さんを紹介してもらいました。初めて会ったのは1998年3月31日でした。
金さんとご主人の朴さん(韓国は結婚後も女性の姓は変わりません)の暮らしている小さなアパートに行ったとき、それだけでこの若者たち(私の長男と同じ年齢)が何を大切にしてどのように生きたいと思っているかわかった気がしました。
リンゴ箱だかミカン箱にかわいい布をかけて机にしてあって、つつましい生活がうかがえました。でもその机の上には最新式のパソコンが2台!
ぽっちゃんは日本語の微妙なニュアンスまで理解できるほどのレベルでしたし、てっちゃんはどこかつたない感じのする発音ではありましたが、話している内容の深さにもびっくり。
大学でパソコン(だけかどうかは知りません)を専攻した二人は、韓国での講演の準備を手伝ってくれました。当時は学会でもまだスライドを使用していた状態の日本に比べて、一歩先を行っていた韓国では「パワーポイントでなくてはだめです」とその準備もしてくれました。
日常的な挙措を見るとき、儒教的な教えが身についている様子は、ちょうど私の娘時代と同じような感じすらしました。
二人との付き合いは今年で20年目に入りました。

それから、毎年遊びに来てくれます。「遊びに」と書きましたが、あるときに真実が判明しました。
「親元に顔を出すのは子供として当然のことです。日本にいたときに親のようにしていただいたことは忘れません」だから毎年来てくれていたのです。感謝するのはこちらの方です。育てていないのに娘が授かったようなものですからね。
それだけではありません。エイジングライフ研究所が新マニュアルを発行した時には、ぽっちゃんがすべての編集作業をやってくれましたし、認知症の地域予防活動の評価ソフトは、韓国でも有数のプログラマーであるてっちゃんが開発してくれました。

今回の来日は「お盆休み」を利用したものでしたが、1週間以上の大型連休は、韓国で初めてだったそうです。
その初めての大型連休を来日に使ってくれ「何もしなくていいんです。ゆっくりお話しできれば」というメールが来ていました。3日から12日まででしたから、いくら何でもと最後はディズニーリゾートを楽しむ計画に私がしました。
後は本当に家中心で暮らしました。今回が一番「里帰り」っぽかったのではないでしょうか。
「海すすき」まつりが始まったばかりの稲取細野高原。車で30分。

ちょうど祭日で、パラグライダーが次々と飛び立っていました。海が霞んでいます。

実は韓国ではプロポーズするところとして、すすき原というイメージがあるのだそうです。と、細野高原は予想外のヒットになりました。
そのまま東伊豆町のクロスカントリーコース3キロに挑戦。

ツリーハウス。

細野高原を満喫した後は、今井浜海岸の「舟戸の番屋」の海鮮バーベキューランチへ。

ランチの後は、海を臨む露天風呂。韓国には火山がないので温泉もない。屋外でお風呂に入る文化もない。という訳で露天風呂は、いつでもとても喜びます。

中学3年生になったアキちゃんの今回の希望は、温泉旅館(露天風呂)、居酒屋(「孤独のグルメ」「深夜食堂」のtv番組の影響とか)などと言っていましたが、たまたま目にした「おそ松くんのフィギュア―」に「うわーおそ松さまだ~」と大喜び。もうひとつ喜んだのが、踏切。日本のアニメはやはり人気があるそうです。その少女向けのアニメでよく使われる別れのシーンが、踏切。
ところが、朴一家が住んでいるところは都会の真ん中の高層ビルですから踏切がない!地下化しているか高架化しているのだそうです。「これが踏切だ」と家族で別れ別れになるシーンを演じたりして撮影タイムが続きました。
私はせっかく来日したのだからと、アキちゃんのためにいろいろと企画しました。タコ焼、キテイちゃんのホットサンド、三角おむすび…
外階段の掃除も頼んだら「虫との戦いだった」と、さすが町の子、びっくりするところが違います。
みんなヒットしましたよ。
近所のポットホールにも連れていきました。まったく怖がらないたくましさに驚きました。下の写真はアキちゃん撮影です。

ちょっと文化的な体験もと、函南町ほとけの里美術館へ行きました。ボランティアの方が説明してくれましたが、その方のご主人は韓国籍の方だそうで「日本の文化は韓国経由で来たのです。だから兄弟」と仏像の解説を超えたお話をしてくれました。

ぽっちゃんは、韓国に帰国後日本語ガイド試験を受けました。当時数百倍だったと思いますが難関を突破して日本語ガイドとして数年活躍しました。アキちゃんが小さい時から来日のたびに日本語の本やおもちゃを持ち帰り一緒に遊んでいたようです。私も童謡がセットされているおもちゃをお土産に持って行きました。スカイプに凝っていた時期もありました。
3人の中で一番発音がきれいなのはアキちゃんです。中学に入って日本語の履修が始まり「言ってることはだいたいわかるのに、言いたいことが言えな~い」と何度か悔しがっていました。

そのアキちゃんと話すとき、こちらの言いたいことをわかってもらうために、ゆっくりはっきりしゃべるのはもちろんのこと、表情を豊かに感情をこめて話します。ここが右脳の出番なのです。
そして、アキちゃんの反応にも注意深く目を凝らします。分かってくれたのか、それともどこかで分からなくなってしまったのか。それは質問して答えてもらうことで確認するのではなく、アキちゃんの表情、しぐさから類推するのです。そこがまた右脳の出番。
人との交遊には、言葉はもちろん必要ですが、言葉だけでは楽しく充実した関係性は生まれません。右脳の情報処理能力は必須なのです。

アキちゃんはこんなにかわいいのです。(自撮り)このアプリを私のiPadminiにも入れてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 


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