脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

伊東自然歴史案内人講座ー伊東小室桜

2017年02月11日 | 私の右脳ライフ

今回の伊東自然歴史案内人講座はおもしろかった!
と書いて、即反省。「私にとって」と書き添えなくてはいけません。
他の講座に不満があるわけではないのです。

私はもともとお花が好きですし、さくらにも興味があります。毎年必ず見に行くことにしているさくらの木が何本もありますし、そしてその木の種類が判明したというおまけまであったのですから。知りたかったことをたくさん教えていただきました。
私の興味関心にピタリとはまった講義だったということです。

伊東自然歴史案内人講座に参加している人たちは、伊東の自然と歴史を学びたいということは共通しているとはいえ、それぞれに興味や関心があるところが違うのですね。
人によっては、歴史が大好きな人もいるでしょう。歴史でも古代史が好きな人 、伊東ですから頼朝時代に関心が深い人、近代史なら任せてという人もいますよね。
伊豆半島はジオパーク構想があります。「南から来た火山の贈りもの」というキャッチコピーのように、はるか南の海の火山島がフィリッピンプレートに乗って本州にぶつかってできたのが伊豆半島ですから、火山や、特異な地形や、様々な地層や地学に興味がある人たちにとっては、ここは宝庫のようなものらしいです。
芸術分野も豊かです。仏像や歴史的建造物もあります。
好きなことや関心のある分野はそれぞれでしょう。人によって、興味や関心が種々違うのはのはなぜでしょうか?
考えたら、不思議なことですね。なぜこういうことが起きるのでしょうか。
カギは「前頭葉」です。
素質も違いますし、人生の経験も違いますが、私たちは日々生きていく、その経験のなかで、誕生の時には真っ白だった「前頭葉」を自分らしく作り上げていきます。
「前頭葉」は物事の判断・計画・評価・創造等を担う「脳の司令塔」なのですが、その人らしさの源ともいえます。そうだ。的確な言葉があります。「十人十色」。それぞれの色を決めるのがその人の前頭葉ということになるのです。「人柄」と言うときにも、その内実はその人の前頭葉そのものなのです。

講師の萩原直義先生は、小室桜の発見者です。
自己紹介の時、「地元吉田の農家に生まれ、父からは『地元のために尽くす』ということを叩き込まれた」といわれました。その後の小室桜の発見、育苗、自生種と決めるためのなみなみならない努力、伊東小室桜という命名にかかるお話、伊東小室桜は伊東に特化した普及を目標としていることなどを伺ううちに、何よりもそのお人柄に惹かれました。確かに萩原先生の前頭葉には「地域への貢献」という姿勢が貫かれていました。

午後からの実地研修場所は小室山でした。小室山レストハウス前の伊東小室桜はまさに見ごろ。

伊豆半島はもともとサクラが多い地域です。カンヒザクラ、エドヒガン、ヤマザクラ、オオシマザクラ、マメザクラなどなど、こういう専門的なお話もありました。。
伊豆半島の山々の春は、すばらしいサクラの競演が楽しめます。 伊豆に住んで「遠山桜」という言葉の意味がよくわかりました。白い花、ピンクの濃淡、葉の色も淡い緑も紅色もあります。何とも言えない日本の彩りが繰り広げられるのです。
そのような、私がひそかに観桜の名所と決めている場所がありますが、まさにその場所のことを「展望台でも作ったら町おこしになる」といわれたところから「チャンネルがあった!」とワクワクし始めました。
今回初めて知ったことは、そこここに見られるオオシマザクラ(白い大きな花が咲けば、オオシマザクラと決めつけるほど)は伊豆諸島、伊豆半島、三浦半島、房総半島の海岸部だけに自生する種であるということです。 

また、サクラは交雑が起きやすい植物で、伊東小室桜は、オオシマザクラとカンヒザクラの雑種であろうということでした。
小室山に、計画的に植樹された伊東小室桜。伊東ロータリークラブにより5年かけて250本!

伊豆には早咲きサクラが多いのです。
カワヅザクラの誕生秘話も面白く聞きました。
河津町に行くと、カワヅザクラの原木があります。確かに河津川の土手に早咲きサクラを発見したのは河津町の方だったのですが、それを接ぎ木で増やしたのは、何と伊東市内の業者だったそうです。(接ぎ木で増やさないと、親の形質が強く出てしまい、どのようなサクラになるのかわかりませんから、オオシマサクラを台木にしてクローンをつくるのです)
「町おこしになるかも」と市役所に持ち込んでのですが、一顧だにされなかったとか。
歴史は変遷。その業者は、たくさん苗を育て、たくさん売り出したのです。暖かいところであればカワヅザクラは大きく育つのだそうです。河津町のお花見客はピークが110万人だったそうですが、最近は80万人になってきているといわれていました。
首都圏から、河津町まで来なくてもみごとなカワヅザクラの名所ができてしまってるのですから。

遠景もいいですが、アップもかわいい。2/8の撮影です。
 
伊東小室桜は、厳重に管理されているらしいのです。
平成18年から28年までで、市内1399本。その他946本。計2345本!を植えたというまとめがありました
これからの普及としては、単木植栽と計画的な集団植栽、その他親善用として、とこれもはっきりしたものです。
伊東小室桜はオオシマザクラとカンヒザクラ(カンザクラかも?)の交雑種。これはカワヅザクラも同じなのですが、差も教えてくださいました。
・伊東小室桜の方が花がやや大きい。
・花が上向きにも付く。カワヅザクラは原則、下向きに咲く。
・蕾の外側の色がカワヅザクラよりも薄いために、全体の色のトーンが薄く優しい。
・葉の色が、さわやかな緑色。
伊東市内遠笠山道路にチェリーロードと名付けられた伊東小室桜の並木があります。花と一緒に葉が展開されるので「ちょっと惜しいなあ」と思っていましたが、実は若木の間は早く葉が開くのだそうで、これからが楽しみになってきました。
小室山は321mですが、素晴らしい眺望が楽しめます。

もうひとつ疑問に思っていたことがわかりました。
熱海糸川沿いのアタミザクラ。1月からみごとに咲く、この辺りでは早咲きサクラのトップです。
川奈ホテルと我が家の近所の一本が、アタミザクラと、ほとんど同じころに咲くのです。川奈ホテルのサクラには「カンザクラ」という説明板があります。
アタミザクラは通称でじつは「カンザクラ」。長年の疑問が氷解しました。このことがわかったことも、とてもうれしいことでした。
いつも見ている富戸の大木

これは伊東市内で一番古いカワヅザクラだそうです。
伊豆に住んでいるとサクラで心がざわつきますが、世の中はまだまだウメの季節です。小室山の紅梅。

フロク
日本人にとっての桜といえばソメイヨシノ。エドヒガンとオオシマザクラとの交配種で江戸染井村(駒込)で作られた園芸品種ということになっています。前述のようにオオシマザクラは、海岸に近いところしか生育できないのです。そして分布は非常に限られているとなると 、もしかしたらソメイヨシノは伊豆で生まれた桜かもしれません。と笑いを含みながらおっしゃいました。


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