毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




これからきくのは中田恵子のオルガンで、ト短調のフーガ(BWV578)。このフーガは「アンドレーアス・バッハ本」などの筆写譜で伝承されており、同じト短調の(ファンタジーと)フーガ(BWV542)との識別のため「小フーガ」と愛称されています。中田はこの小フーガを、フランスはベルフォールのサン・ジャン教会のガルニエ・オルガン(1984年)で演奏。明晰な美しさのある音色で、ポリフォニーの綾がくっきり描かれており、これはなかなかのききものです。収録されているのは、2016年録音の「Joy of Bach」です。

CD : arc 17008(Arcantus)

arc 17008

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今週後半から来週前半にかけて楽しむのは、中田恵子の「Joy of Bach」。この2016年に録音されたCDの収録曲9曲から、コラールをのぞいた自由曲6曲のみをきいていきます。中田は、2013年の第11回アンドレ・マルシャル国際オルガンコンクールの優勝者。フランス留学中に立ち寄ったという、ベルフォールのサン・ジャン教会にあるガルニエ・オルガン(1984年)を弾いての録音です。今日まずきくのは収録順どおり、有名なほうのニ短調のトッカータとフーガ(BWV565)で、これはCDの2曲目に収録されています。

CD : arc 17008(Arcantus)

arc 17008

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今週前半きいているのは、ベンヤミン・ヨーゼフ・シュテーンスのクラヴィコード、ジャック・アントワーヌ・ブレッシュのフルートによる「Bach and Sons」(2011年録音)。収録曲7曲中からバッハの作品のみをきいていおり、今日これから楽しむのは、変ホ長調のオブリガート・チェンバロとフルートのためのソナタ(BWV1031)です。

一昨日きいたト短調のソナタ(BWV1020)と同じく、バッハの真作性が疑われており、録音されることもめっきり減っているように思えます。バッハの手になるものではないにしろ、シチリアーノは美しい曲であることにはかわらないので、じつにもったいない。

二人の奏者の使用楽器は、シュテーンスがヨリス・ポトフリーゲによる2010年製クラヴィコード(ザクセン地方のフレットフリーによる)で、ブレッシュがユウジェン・クライネン(2016年死去)の1997年製フルート(カール・アウグスト・グレンザーによる)です。

CD : EPRC 011(Evil Penguin Records Classic)

EPRC 011

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今日これから楽しむのは、ベンヤミン・ヨーゼフ・シュテーンスのクラヴィコードで、プレリュード、フーガとアレグロ(BWV998)。昨日きいたジャック・アントワーヌ・ブレッシュとの、「Bach and Sons」(2011年録音)と題されたCDからの1曲です。自筆譜には「リュートまたはチェンバロのためのプレリュード」とあるのですが、ここではもちろんクラヴィコードでの演奏。使用楽器は、ヨリス・ポトフリーゲによる2010年製クラヴィコードです。

CD : EPRC 011(Evil Penguin Records Classic)

EPRC 011

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今日からきいていくのは、ベンヤミン・ヨーゼフ・シュテーンスのクラヴィコード、ジャック・アントワーヌ・ブレッシュのフルートによる「Bach and Sons」(2011年録音)です。CDには表題どおり、バッハと息子たちの作品が収録されていて、全7曲中バッハのものは、BWV1020、BWV998、BWV1031の3曲(とはいえBWV998をのぞく2曲はバッハの真作性が疑われているのですが)。

まずきくのは収録順にBWV1020で、これはヴァイオリン・ソナタとして伝承されています。作曲者はバッハではなく、カール・フィーリップ・エマーヌエルとみなされています。使用楽器は、シュテーンスがヨリス・ポトフリーゲの2010年製クラヴィコード(ザクセン地方のフレットフリー)、ブレッシュがユウジェン・クライネン(2016年死去)の1997年製フルート(カール・アウグスト・グレンザー)です。

ちなみに、ポトフリーゲのクラヴィコードを、ヴィム・ヴィンタース弾いている映像が、Youtubeのチャンネル「AuthenticSound」にあります。ポトフリーゲの工房で録画された平均律第1巻第24番(J.S.Bach :: Prelude and Fugue in B Minor, BWV 869 :: Wim Winters, clavichord)もあり、なかなかのききものです。

CD : EPRC 011(Evil Penguin Records Classic)

EPRC 011

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顕現節後第3日曜日にきくのは、ジョン・エリオット・ガーディナーたちによる「主よ、御心のままに、わが身の上になしたまえ」です。このBWV73は、1724年1月23日に初演にされた、全5曲からなるカンタータ。ここできくガーディナーたちの録音は、2000年、「バッハ・カンタータ巡礼」のシーリーズとして録音されたものです。ただし、自主レーベルのSDG(Soli Deo Gloria)ではなく、アルヒーフでおこなわれたものです。管弦楽と合唱は、いつものように、イングリッシュ・バロック・ソロイスツとモンテヴェルディ合唱団。独唱者はジョアン・ラン(ソプラノ)、ジュリアン・ポッジャー(テノール)、スティーヴン・ヴァーコー(バス)です。

CD : 463 582-2(ARCHIV PRODUKTION)

463 582-2

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これからきくのは、アラン・フォーゲルたちによるト短調のオーボエ・ソナタ(BWV1030b)。番号からもわかるように、これはロ短調のフルート・ソナタの異稿で、ここではオーボエ(フォーゲル)、チェンバロ(パトリシア・マビー)、ガンバ(マーク・チャットフィールド)によって演奏されます。この曲が収録されているのは「Bach's Circle」(DELOS DE 3214)というCDで、収録曲はバッハのほか、テレマン、フランソワ・クープラン、ヨーハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハの作品。サークルということでいえば、奏者はみなロサンゼルス・サークルといえるような音楽家たちですね。フォーゲル(退団)とマビーはロサンゼルス室内管弦楽団員ですし、チャットフィールドはロサンジェルス・フィルハーモニックとの共演があったようです。

DE 3214

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これからきくのは、ジョアンナ・グッデールのピアノによる「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」(フェルッチョ・ブゾーニ編曲)。この曲が収録された「Bach in a Circle」(PARATY PTY819169)には、バッハの作品とグッデールの作品が併録されています。トルコの血をひくグッデールの、スーフィズム(イスラム教神秘主義)教団との出会いが背景にあるようで、とても興味深いプログラム構成。CDの解説からすると、出会ったのは、おそらくメヴレヴィー教団(旋舞教団)の宗教儀式であるセマー(旋舞)だったと思われ(写真も掲載されていますし)、それに触発され、バッハの音楽との共通性を感知、「バッハをトルコへの旅に誘う」(解説)こと、つまりCD制作に至ったようです。これは、じつにおもしろいですね。

PTY819169

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これからきくのは、レザ・ナジファールのアルト・フルートによる無伴奏フルートのためのパルティータ(Austrian Gramophone G0012)です。2018年に録音されたアルバムには、このパルティータのほか、無伴奏チェロ組曲第2番のプレリュード、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番のプレスト、同第2番のアレグロのアルト・フルート用の編曲が収録されています(ほかにエマヌエル・バッハのソナタも)。ナジファールは、1960年、イランのテヘラン生まれのフルート奏者。たっぷりとした響きながらも、多彩なアーティキュレーションできかせ、想像したよりも楽しめます。アルト・フルートらしく泰然とした音色も美しいですね。

AG0012

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これからきくのは、バルトシュ・コウストのアコーディオンによる「イタリア協奏曲」(Opus Series OPUS 37)。コウストは、2015年にショパン音楽大学(フレデリック・ショパン音楽アカデミー)を卒業したというので、まだずいぶん若い奏者と思われます(フォルクヴァング芸術大学では御喜美江に学ぶ)。両端楽章はアコーディオンらしい軽妙さ、中間楽章では陰影のある表現で、なかなかきかせます。録音は2019年です。

OPUS 37

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これからきくのは、リチャード・ストルツマンたちによる半音階的幻想曲とフーガ(Avie Records AV2409)。幻想曲はリチャード・ストルツマンのクラリネット独奏、フーガのほうはクラリネット、夫人のミカ・ストルツマン(吉田ミカ)のマリンバ、エクトル・デル・クルトのバンドネオンのための編曲で、ともにリチャード・ストルツマンの手によるものです。チェンバロの芯のはっきりした音にくらべ、この編曲だとずいぶんふわふわとしており、これはこれでおもしろく、楽しめます。録音は2018年です。

AV2409

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これからきくのは、2019年12月25日に亡くなったペーター・シュライアーの録音。歌手として、のちに指揮者として長年バッハとかかわり、2013年にはバッハ・メダルを受賞しています。しかし、このブログではカール・リヒターのカンタータの独唱者としての紹介ぐらいで、指揮者としてシュライアーの功績を賞賛することはあまりなかったかと。そこで、追悼としてシュライアーの歌い振りの録音をきくことにし、世俗カンタータ集(Berlin Classics 0184202BC)から楽しむことにします。「鳴り交わす絃の相和せる競いよ」は1979年の録音。シュライアーによる第3曲のアリアの歌唱は、さずがにきかせます。録音のすくない世俗カンタータにあっては、シュライアーの一連の録音はいまも貴重といえるでしょう。

0184202BC

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顕現節後第2日曜日にきくのは、クリストフ・シュペーリング、ダス・ノイエ・オルケスター、コールス・ムジクス・ケルンによる「ああ神よ、いかに多き胸の悩み」です。このBWV3は1725年1月14日に初演された、全6曲からなるカンタータ。マルティーン・モラーの同名コラールにもとづいた、いわゆるコラール・カンタータで、モラーの詩は、第1節が第1曲(合唱)、第2節が第2曲(レチタティーヴォとコラール)、第18節が第6曲(コラール)のそれぞれの歌詞にもちいられ、第5曲(二重唱)にも部分引用されています。シュペーリングたちの録音は2018年。合唱はパート5名で、オーケストラは17名ほどで編成されています。独唱者は、イェリー・スー(ソプラノ)、レアンドロ・マルツィオッテ(カウンターテナー)、ベネディクト・クリスティアンソン(テノール)、ダニエル・オチョア(バス)です。

CD : 19075874862(deutsche harmonia mundi)

19075874862

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これからきくのは、ドロテー・オーベルリンガーのリコーダーとクリスティアン・リーガーのチェンバロによるロ短調のソナタ。原曲はオブリガート・チェンバロとフルートのためのソナタ(BWV1030)で、フルート・ソナタ名曲中の名曲です。オーベルリンガーたちと同じ編成での録音には、パラディソ・ムジカーレの演奏(「ソナタ ロ短調 BWV1030」)や、ミカラ・ペトリとキース・ジャレットの演奏もあり、こちらの編成でも人気があります。使用楽器は、ラルフ・イーラートのアルト・リコーダー(ピーテル・ブレッサンにもとづく)と、デイヴィッド・サザーランドのチェンバロ(クリスティアン・ツェルにもとづく)で、録音は2005年です。

CD : MA 20035(Marc Aurel Edition)

MA 20035

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今週きいているのは、ドロテー・オーベルリンガーとクリスティアン・リーガーによる「Johann Sebastian Bach a due per Flauto e Cambalo」(2005年録音)。ここまできいていたのは、オーベルリンガーとリーガーのデュオか、オーベルリンガーの独奏だったのですが、これから楽しむのはリーガーの独奏で、プレリュード、フーガとアレグロ(BWV998)です。この曲はリュートでの演奏もおおいのですが、自筆譜には「Prelude pour la Luth. ò Cembal」(リュートまたはチェンバロのためのプレリュード)とあるので、リーガーのようにチェンバロで演奏されることもあり、このブログでもいくつかきいています。なお、リーガーの使用楽器は、デイヴィッド・サザーランド製作のチェンバロ(クリスティアン・ツェルにもとづく)です。

CD : MA 20035(Marc Aurel Edition)

MA 20035

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