nikkan-gendaiの記事【国民が葬った民主主義…改憲へ衆参独裁政権誕生の絶望】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185450)と、
その続き【同 】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185451)。
《これでいよいよ、国家統制を前面に押し出した改憲が現実味を帯びてくる。安倍首相はテレビで慎重姿勢を見せていたが、こんなものはポーズだ。今回の選挙結果とは、もっとも危ない暴君に、とてつもない数を与えてしまったのである》。
《そういう最悪の選択をしたことに、自民党に一票を投じた有権者が気づいていないとすれば、あまりに愚かである》。
『●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。
あの手口に学んだらどうかね」』
『●「言い過ぎを批判された政治家が自己弁護する、
あまり効き目のない常套手段」』
『●麻生太郎氏「ナチス発言」、やはり有耶無耶に』
「二度あるアベノサギは三度ある」…「あとの祭り」。《もっとも危ない暴君に、とてつもない数を与えてしまった》、《やりたい放題の巨大与党の独裁がついに完成》、《事実上の独裁を手に入れた》。まずはアベノサギに三度騙されたことを自覚すべきだし、マスコミが警鐘を鳴らすべきだというのに、開票が終われば、知らんぷり。《自民党に一票を投じた有権者》は茹でガエルで、自分が茹でられていることに気付きもしない。
《ナチス憲法改正…ワイマール憲法がかわって、ナチス憲法にかわっていたんですよ。だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね》…をアベ様や公明党の議員はやってしまったわけです。
「選挙で勝てば一転、「信任を得た」とばかりに突き進む手法」=アベノサギの三度目を許してしまったのです。50%近い「眠り猫」の皆さんといい、三度もアベノサギに騙される皆さんといい、《あまりに愚か》。もし後悔しているのであれば、「あとの祭り」。なんにも感じないのであれば、「考えないことの罪」「無関心の罪」。東京新聞や日刊ゲンダイ、リテラなどを除く報道機関、特に、アベ様のNHKや読売・産経系報道機関もアベノサギに協力する始末。救いようがない国・ニッポン。
『●失われる「メディアの作法、矜持」…
「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」』
『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」』
『●2016年7月参院選、今回も「眠り猫」だった皆さん…』
『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…
教育破壊の効果とアベノサギという「壊憲=争点」隠し』
『●2016年7月参院選、
「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり』
『●アベノサギで違法な壊憲:
永六輔さん曰く「「9条を守る」ことは「99条を守ることだ」」』
『●「人殺し」に行くのはアナタ、
「自分は“お国のために死ぬのはゴメンだ”と」言うヒトを支持する人って?』
『●映画『標的の村』監督・三上智恵さん、
「わずか9時間の歓喜 ~高江工事再開・民意圧殺の朝~」』
『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…
アベ様にそんな謙虚さがあれば、アベノサギなんてしませんって』
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185450】
国民が葬った民主主義…改憲へ衆参独裁政権誕生の絶望
2016年7月11日
(やりたい放題の巨大与党の独裁がついに完成(C)日刊ゲンダイ)
■大マスコミの裏切りで全く伝わらなかった本当の争点
10日、投開票された参院選はやりきれない結果だった。野党共闘はある程度、奏功し、1人区で野党は11勝(21敗)した。しかし、この程度の善戦ではどうにもならず、終わってみれば、自民党が56議席と圧勝。公明党も14議席を確保した。おおさか維新の7議席を加えれば、改憲勢力は77議席を獲得。非改選の無所属議員のうち改憲賛成の4人を加えると、自公プラス改憲勢力が参院で3分の2を制してしまった。
与党は衆院ではすでに3分の2を確保しているから、これでいよいよ、国家統制を前面に押し出した改憲が現実味を帯びてくる。安倍首相はテレビで慎重姿勢を見せていたが、こんなものはポーズだ。今回の選挙結果とは、もっとも危ない暴君に、とてつもない数を与えてしまったのである。
高千穂大の五野井郁夫准教授は「2016年7月10日は歴史に刻まれる日になるだろう」と言い、こう続けた。
「日本の民主主義が形式的なものになってしまった日だからです。
衆参で与党や与党協力勢力が3分の2を制するなんて、日本の
民主主義の歴史においてはほとんど未踏の領域です。今でもこの政権は
メディアに平気で圧力をかける。公平・中立報道をしなければ、
電波停止をにおわせる。今後も言論機関に圧力をかけてくるでしょう。
本来であれば、『それはおかしい』と言う野党もここまで負けてしまうと、
手も足も出ない。与党議員や閣僚に疑惑があっても証人喚問はもとより、
質問時間すら制限されてしまう。安倍政権は『今がチャンス』とばかりに
やりたい政策を加速化させていくでしょう。グズグズしていたら、高齢化が
進む安倍応援団、日本会議が許さないからです。かくて、あっという間に
国の形が変わってしまう恐れがある。後世の歴史家は、この日が歴史の
分岐点だったと分析するかもしれません」
それなのに、有権者の能天気だったこと。投票率は戦後4番目に低い54.7%だから、どうにもならない。大マスコミが安倍の姑息な争点隠しに加担したものだから、民主主義を賭した選挙だという自覚もなく、盛り上がらない選挙になった結果がコレなのである。民主主義は死んだも同然だが、そのことすら大マスコミは報じようとせず、従って有権者はいまだに気づかない。安倍の思うツボである。
■比例統一名簿に失敗した野党の致命的大失態
返す返すも悔やまれるのは、野党4党が比例区で統一名簿を作れなかったことだ。1人区で野党統一候補は11議席を獲得。特に東北地方は5勝1敗と共闘効果を発揮し、メディアの最終情勢調査を大きく覆すほど善戦しただけに、なおさら惜しまれる。比例区で野党票が分散した結果、自民党の比例獲得議席は19と、圧勝した前回の18議席を上回ってしまった。
「野党共闘が比例区でも実現していれば、自民党から少なくとも
5、6議席を奪えたはず。確実に改憲勢力3分の2議席は阻止できました」
(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
政治評論家の野上忠興氏は「決断できなかった民進党の岡田代表の“オウンゴール”」と語ったが、まさにその通りだ。昨年夏の安保法の成立以降、憲法学者の小林節・慶大名誉教授らは野党の大同団結を呼びかけ、社民・生活も統一名簿実現に前向きだった。消極姿勢は民進だけで、小林教授はしびれを切らして「国民怒りの声」を立ち上げた後も「統一名簿が実現すれば、いつでも降りる」と強調していた。
「最後は連合まで統一名簿に積極的となったのに、岡田代表が
踏み切れなかったのは『民進党のエゴ』といわざるを得ません。
全ての1人区で野党共闘が実現しても、比例統一名簿がないことで
“画竜点睛を欠く”状況になってしまった。決断しなかった岡田代表の
歴史的責任は重くなりそうです」(鈴木哲夫氏=前出)
統一名簿をフイにした野党は、この国の民主主義を見殺しにしたも同然だ。後世の歴史家に「致命的大失態」と評価されるのは間違いない。
(つづく)
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185451】
国民が葬った民主主義…改憲へ衆参独裁政権誕生の絶望
2016年7月11日
(事実上の独裁を手に入れた(C)日刊ゲンダイ)
■壊憲政権が信任され、さらに巨大化という悪夢
「ヒトラーは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って出てきたんですよ。彼はワイマール憲法という当時ヨーロッパで最も進んだ憲法下にあって出てきた。常に憲法は良くても、そういうことはあり得るということ」――。今から3年前、麻生財務相が放った言葉を改めて聞くと、現状をあまりにも言い当てていてゾッとする。
「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」と続く大妄言だが、安倍政権は「ナチスの手口」をしっかり学んできた。九州大名誉教授の斎藤文男氏(憲法)はこう言った。
「憲法の定める基本的人権や知る権利を踏みにじる特定秘密保護法の
強行採決に始まり、閣議決定だけで武器輸出を47年ぶりに解禁。
揚げ句が集団的自衛権容認の解釈改憲で、安保法制による『立法改憲』と
セットで9条を空文化させた。一連の憲法無視の“壊憲政治”は、
悪名高い全権委任法を成立させてワイマール憲法を葬り去ったナチスの
手口さながら。こうした強引な政治手法こそ、安倍政権は国民の審判を
仰ぐべきなのに、今回の選挙も憲法無視の政治姿勢や改憲の
野望などの争点化を巧妙に避けた。これも『誰にも気づかせない』
というナチスの手口に学んだ結果でしょう」
メディアは「改憲勢力3分の2議席」に焦点を当てているが、ちょっと待て。安倍政権は改憲の発議をすっ飛ばし、とっくに憲法をないがしろにしてきたではないか。
「安倍政権にとって改憲の必要性があるとすれば、憲法に条文のない
『緊急事態条項』を加えるくらいなもの。あとは身勝手な解釈改憲で
どうにでもなる。事実上の独裁を手に入れた今、国民の人権や自由を
損ねても、お構いなしだと思います」(斎藤文男氏=前出)
国民は壊憲政権を信任し、巨大化させたツケを払うことになる。
■今回が「最後の選挙になる」という予言は当たるだろう
〈今回が「最後の選挙」になる〉――。不気味な予言だ。これは、10日の毎日新聞に載っていた政治学者の白井聡氏(京都精華大専任講師)の言葉である。改憲勢力が3分の2を占め、憲法改正に向けた流れは「第2段階」に入ったというのだ。
〈すぐに全面改憲には動かないだろう。まずは政府に強力な権限を与える「緊急事態条項」を加える〉と白井氏は予想する。
9条改正は心理的なハードルが高いが、大災害やテロに備えて緊急事態条項が必要だと喧伝されれば、お人よしの国民はコロッと騙されかねない。それで国民を改憲に「慣れさせる」。自民党が言うところの「お試し改憲」というヤツだ。白井氏はこう続ける。
〈その後に予想されるのは、軍事衝突が発生することを黙認、
または誘発することだ〉
そこで緊急事態を宣言すれば、言論や集会、結社の自由など国民の諸権利を停止させ、政府に対する批判も封じ込めることができる。日本の選挙で最低限保障されてきた公正性や自由など望むべくもなく、なし崩しで憲法が停止されてしまう。残念ながら、この見立てが現実になる可能性は限りなく高くなった。
「55年体制の時代も万年自民党政権といわれたものですが、
当時は自民党内に反対意見や議論があった。大メディアにも
まだ批判精神がありました。その両方が失われ、野党も無力な今
となっては、独裁政権の力が増す一方です。言論の自由が失われた
独裁下の選挙は、何度繰り返しても与党が圧勝する形ばかりのもの
になる。日本は本当に危険な状況にあります」(政治評論家・森田実氏)
要するに、北朝鮮のような国になっていくのだろう。そういう最悪の選択をしたことに、自民党に一票を投じた有権者が気づいていないとすれば、あまりに愚かである。
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2016年7月参院選翌日の東京新聞の社説【参院選 改憲勢力3分の2 「白紙委任」ではない】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071102000189.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016071102000188.html)。
《改憲勢力も三分の二以上に達した。安倍政権は「信任」された形だが、有権者は「白紙委任」したわけではない》。
《「白紙委任」ではない》なんて、アベ様にそんな「謙虚さ」があれば、アベノサギなんてしませんって。「選挙で勝てば一転、「信任を得た」とばかりに突き進む手法」=アベノサギの三度目を許してしまったのです。50%近い「眠り猫」の皆さんといい、三度もアベノサギに騙される皆さんといい、どう責任をとるつもりでしょう。もし後悔しているのであれば、「あとの祭り」。なんにも感じないのであれば、「考えないことの罪」「無関心の罪」。東京新聞や日刊ゲンダイ、リテラなどを除く報道機関、特に、アベ様のNHKや読売・産経系報道機関も大変に大きな責任を負います。
『●失われる「メディアの作法、矜持」…
「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」』
『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」』
『●2016年7月参院選、今回も「眠り猫」だった皆さん…』
『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…
教育破壊の効果とアベノサギという「壊憲=争点」隠し』
『●2016年7月参院選、
「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり』
『●アベノサギで違法な壊憲:
永六輔さん曰く「「9条を守る」ことは「99条を守ることだ」」』
『●「人殺し」に行くのはアナタ、
「自分は“お国のために死ぬのはゴメンだ”と」言うヒトを支持する人って?』
『●映画『標的の村』監督・三上智恵さん、
「わずか9時間の歓喜 ~高江工事再開・民意圧殺の朝~」』
《しかし、今すぐ提供できる料理がメニューのどこにも見当たらない》??
上述の悪質な報道機関がレストラン「M」のメニュー上の「提供できるメニュー」を黒塗りして回っているのではないですか? それでもレストラン「J」に行く人の気が知れません。だって、不味い上に、強烈な毒入りなんですもの。将来じわじわとその毒が回ってくる。心ある報道機関はそれを叫んできたというのに…。
『●争点は「壊憲」: 「選挙で勝てば一転、
「信任を得た」とばかりに突き進む手法」=三度目のアベノサギ』
「争点は壊憲。「選挙で勝てば一転、「信任を得た」とばかりに
突き進む手法」=アベノサギ。《特定秘密保護法や安全保障関連法の
制定がその例》であり、今度で三度目のアベノサギ。自公は争点にもせず、
選挙で訴えもしない「壊憲」を、選挙後に、進めます。引き返す、
最後のチャンスでではないでしょうか?
「20XX年、再び戦争が始まった…」でいいのでしょうか…」
『●争点は「壊憲」: アベノサギを見逃し「眠り猫」となれば、
「未来に向けた道」を閉ざすことに』
『●争点は「壊憲」: アベ様「マニフェストのなかに
書いてあります」!…「いちばん最後、たったの10行」』
「あとの祭り」…若き「眠り猫」の皆さん…。『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【改憲勢力3分の2で安倍首相が膳場貴子や池上彰にキレ気味で本音「改憲はもうイエスかノーかの段階じゃない」】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2409.html)によると…、
《つまり“改憲はもう決まっていること”“最後は国民投票するんだから
つべこべ言うなよ”ということらしい。…首相は「国民投票があるのだから
選挙で信を得る必要はない」などと強弁するのだから、
開いた口がふさがらない。…その本質は「議論」などという上等な
ものではなく、さまざまな謀略を張りめぐらした“反・安倍改憲”の民意が
盛り上がる芽を徹底して潰し、おそらく一気に「緊急事態条項」の新設に
踏み切ろうとするはずだ》
…そうです。
また、同記事【改憲勢力3分の2で安倍首相が膳場貴子や池上彰にキレ気味で本音「改憲はもうイエスかノーかの段階じゃない」】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2409.html)では…、
《そして、圧力に萎縮し政権を忖度してばかりのマスメディアが盛んに
改憲の話題を扱うのも、せいぜい今週までだ。そのあとは、またぞろ
だんまりを決め込むだろう。そういう意味で言うと、わたしたちがいま、
もっとも気をつけなければいけないことは、御用マスコミによる
「野党共闘は失敗だった」という扇動に乗らないことだ。むしろ、
安倍政権と民進党内にある保守派の動きを細かく注視し、野党が
切り崩しに屈さないよう、声を大にして発破をかけることだ》
…そうです。
最後に、アベノサギに加担するマスコミ…、同紙の記事【参院選“改憲隠し”はテレビも同罪! 結果が出たとたん「改憲勢力3分の2確保」「バックに日本会議」と後出しジャンケン】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2408.html)によると…、
《開票が開始された昨晩20時前からNHKおよび民放各局は
一斉に選挙特番を放送したが、そこでは今回の選挙の争点が
「憲法改正」であることを全面に打ち出し、出口調査結果を
発表するなり「改憲勢力が3分の2議席を確保する見込み」
「憲法改正発議可能に」「野党共闘ふるわず」などと伝えはじめたからだ。
……目がテンになるとはこのことだろう。この参院選の間、ほとんどの
テレビは改憲の問題を無視していたんじゃなかったのか。そして、
安倍政権の誘導に乗っかってあたかもアベノミクスが争点であるかのような
報道を展開していた。いや、そのアベノミクスの検証さえ行わず、むしろ
参院選のニュースを最小限に留め、今月末の都知事選のことばかりを
取り上げる始末で、きちんと参院選の改憲問題をピックアップしていたのは、
『NEWS23』『報道特集』などのTBSの報道番組と、テレビ朝日の
『報道ステーション』くらいだったではないか》。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071102000189.html】
【社説】
参院選 改憲勢力3分の2 「白紙委任」ではない
2016年7月11日
参院選は自民、公明両党が改選過半数を確保し、改憲勢力も三分の二以上に達した。安倍政権は「信任」された形だが、有権者は「白紙委任」したわけではない。
安倍晋三首相にとっては、政権運営にいっそう自信を深める選挙結果に違いない。自民、公明両党の与党議席は、首相が勝敗ラインに設定した改選過半数の六十一議席を上回った。二〇一二年に自民党総裁に返り咲いた首相は、国政選挙に四連勝したことになる。
◆景気回復は「道半ば」
民進、共産、社民、生活の野党四党は改選一人区で候補者を一本化して臨んだが、「自民一強」を崩すには至らなかった。
自公両党に「改憲勢力」とされるおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党、無所属の「改憲派」を加えた議席は非改選を合わせて三分の二を超え、憲法改正の発議が可能な政治状況になった。戦後日本政治の分水嶺(ぶんすいれい)である。
参院選は首相が来年四月に予定されていた消費税率10%への引き上げを二年半先送りし、成長重視の経済政策「アベノミクス」の加速か後退かを最大争点に掲げた。
安倍政権発足後三年半が経過しても、景気回復が道半ばであることは政権側も認めている。
野党側は、アベノミクスが個人や企業、地域間の経済格差を拡大し、個人消費低迷の要因になったと指摘したが、有権者はアベノミクスの成否の判断は時期尚早だと考えたのだろう。
野党側の批判はもっともだが、説得力があり、実現性を感じられる対案を求める有権者の胸に響かなかったことは、率直に認めざるを得ないのではないか。
一八年十二月までには必ず衆院選がある。野党は次の国政選挙に備えて党内や政党間で議論を重ね、安倍政権に代わり得る政策を練り上げる必要がある。
◆意図的に争点化回避
とはいえ、有権者は安倍政権に白紙委任状を与えたわけではないことも確認しておく必要がある。特に注視すべきは憲法改正だ。
安倍首相は憲法改正を政治目標に掲げ、一八年九月までの自民党総裁の「在任中に成し遂げたい」と公言してきた。参院選公示直前には「与党の総裁として、次の国会から憲法審査会をぜひ動かしていきたい」とも語った。
与党はすでに衆院で三分の二以上の議席を確保しており、参院選の結果を受けて首相は在任中の改正を実現するため、改憲発議に向けた議論の加速に意欲を示した。
しかし、自民党は参院選公約で憲法改正に触れてはいるものの、首相は「選挙で争点とすることは必ずしも必要はない」と争点化を意図的に避け、街頭演説で改正に触れることはなかった。公明党は争点にならないとして、公約では憲法について掲げてさえいない。
改正手続きが明記されている以上、現行憲法は改正が許されない「不磨の大典」ではないが、改正しなければ国民の平穏な暮らしが著しく脅かされる恐れがあり、改正を求める声が国民から澎湃(ほうはい)と湧き上がるような状況でもない。
改正に向けた具体的な議論に直ちに入ることを、参院選で有権者が認めたと考えるのは早計だ。
安倍政権内で、自民、公明両党間の憲法観の違いが鮮明になったのなら、なおさらである。
安倍政権はこれまでの国政選挙で、経済政策を争点に掲げながら選挙後には公約に明記されていなかった特定秘密保護法や、憲法違反と指摘される安全保障関連法の成立を強引に進めた経緯がある。
憲法は、国民が政治権力を律するためにある。どの部分をなぜ改正するのか、国民に事前に問い掛けることなく、参院選で「国民の信を得た」として改正に着手するような暴挙を許してはならない。
日本国憲法は先の大戦への痛切な反省に基づく国際的な宣言だ。理念である国民主権や九条の平和主義、基本的人権の尊重は戦後日本の経済的繁栄と国際的信頼の礎となり、公布七十年を経て日本国民の血肉と化した。
◆改正より守る大切さ
安倍政権下での憲法をめぐる議論を通じて再確認されたのは、改正の必要性よりも、むしろ理念を守る大切さではなかったか。
参院選は終わった。しかし、有権者としての役割はこれで終わったわけではない。一人ひとりが政治の動きや政治家の言動に耳目を凝らし、間違った方向に進み出そうとしたら声を出し、次の国政選挙で審判を下す必要がある。一人ひとりの力は微力かもしれないが決して無力ではないはずだ。
私たちの新聞は引き続き、有権者にとっての判断材料を提供する役目を真摯(しんし)に果たしたい。覚醒した民意こそが、政治をより良くする原動力になると信じて。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016071102000188.html】
【コラム】
筆洗
2016年7月11日
この町には二軒の料理店がある。大きい方の店「J」の経営は風変わりで、できる料理はカレーライスとハンバーグのみ。どちらも大した味ではない。見るのも嫌という人もいる▼試しに住民に聞いてみた。アベノなんとかというカレーライスを六割の人がまずいといい、改憲ハンバーグは五割がひどいと答えた。二つのメニューのいずれも人気がない。それでも、町のレストラン選挙ではいつも、もう一店の「M」を引き離し、勝ってしまう▼おかしい。あの店においしい料理はないのに。結果を疑った「M」の店主は探偵に調査を依頼した。探偵は選挙後、町の住民に聞いて歩いた。「あのカレー? ひどいね」「あのハンバーグは絶対許せない」。悪評しか聞こえてこない▼やはり不正投票の可能性がある。探偵は事実を知らせようと「M」に飛び込んだ。「やはり不正…」と言いかけてやめた。この店の様子もおかしい▼メニューを見た。「あの店のカレーはまずい」「ハンバーグは絶対阻止」と書いてある。「おいしい料理を作りたい」「こうやっておいしくします」と決意やアイデアもある。しかし、今すぐ提供できる料理がメニューのどこにも見当たらない▼探偵は店を出た。向かいに「J」が見えた。おなかをすかせた客がカレーを食べている。喜んで食べている人もいる。疑いながら、泣きながらの客もいる。
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『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の伊勢崎馨氏による記事【参院選を前に女性たちが安倍政権に危機感…ファッション誌「LEE」も「自民党に改憲を許す」危険性を警告】(http://lite-ra.com/2016/06/post-2366.html)。
《7月最新号では、「『憲法』『育児・待機児童』問題 もしあなたが投票に行かなかったら……再び」という、参院選を見据えて11ページもの大ボリュームで政治特集を組んでいる》。
何度も訴えます。
「眠り猫」の皆さんは目覚めて、三度目のアベノサギの阻止をして頂かなければ、困ります。ニッポンは破滅です。創価学会の皆さんや、「積極的平和主義」を愛する公明党支持者の皆さんには、何を言っても無駄。何の期待も持っていません。「20XX年、再び戦争が始まった…」時、子や孫に《ごめんよ 憲法ぐらい変わっても生活はたいして変わらないと思ってね》とでも答えることでしょう。
それを阻止するためには、50%近い「眠り猫」の皆さんの目覚めしかないのです。「若者よ、戦争に行かず、選挙に行こう」…1票でしか変わらない。子や孫に《ごめんよ…》なんて言わなくて済むように、投票に行きませんか?
《投票しないということは『現状に不満はない』という『黙認』を意味》し、アベ様や《政府にとっては“都合のいい無関心”》。それで本当にいいのですか? 創価学会の皆さんや、「積極的平和主義」を愛する公明党支持者の皆さんの「騙されることの責任」に匹敵する、「眠り猫」の皆さんの「考えないことの罪」「無関心の罪」です。
『●「騙されることの責任」とハンナ・アーレント氏「考えないことの罪」』
『●争点は「壊憲」: 「ドアホノミクス」の頓挫を認めては?
…座礁したアベドアホノ丸・船長の虚しき言い訳』
『●争点は「壊憲」:2016年7月参院選で「ネジレ」を
取り戻さねば、アベ様は「白紙委任状」とばかりに…』
『●争点は「壊憲」: 頓挫が明確な「ドアホノミクス」の
是非を問うという詐欺的手口…鎧の下の剣「壊憲」』
『●争点は「壊憲」:2016年7月参院選が終われば、
自公が争点にもしない「壊憲」へ…三度目のアベノサギ』
『●「最高責任者は私」だと嘯き、違法に壊憲する
「ボンクラ」「嘘つき」は政権から引きずり下ろすしかない』
『●争点は「壊憲」: 「選挙で勝てば一転、
「信任を得た」とばかりに突き進む手法」=三度目のアベノサギ』
「争点は壊憲。「選挙で勝てば一転、「信任を得た」とばかりに
突き進む手法」=アベノサギ。《特定秘密保護法や安全保障関連法の
制定がその例》であり、今度で三度目のアベノサギ。自公は争点にもせず、
選挙で訴えもしない「壊憲」を、選挙後に、進めます。引き返す、
最後のチャンスでではないでしょうか?
「20XX年、再び戦争が始まった…」でいいのでしょうか…」
『●争点は「壊憲」: アベノサギを見逃し「眠り猫」となれば、
「未来に向けた道」を閉ざすことに』
『●争点は「壊憲」: アベ様「マニフェストのなかに
書いてあります」!…「いちばん最後、たったの10行」』
「自民党の候補者で「壊憲」を第一声したのは、わずか一人だそうです。
アベ様は、自信満々に《マニフェストのなかに書いてあります》!
と述べたそうですが、……《いちばん最後、たったの10行》という有り様。
2016年7月参院選後、あたかも白紙委任状が得られたかのごとく、
三度目のアベノサギするための、姑息な「アリバイ作り」にしか過ぎません。
自公お維大地支持者と「眠り猫」の皆さんは、参院選後、
後悔することに絶対になります。
《若者よ、戦争に行かず、選挙に行こう》
(http://list.jca.apc.org/public/cml/2016-June/043954.html)
アベ様《が隠そうとするのなら、選挙当日まで、憲法改正こそが
参院選における最大の争点なのだということを、草の根ででも徹底して
周知させていかなくてはならないだろう》。全く同感、何度でも、
言い続けましょう、争点は「壊憲」。」
『●争点は「壊憲」:
「若者よ、戦争に行かず、選挙に行こう」…1票でしか変わらない』
『●争点は「壊憲」:創価学会婦人部「ごめんよ
憲法ぐらい変わっても生活はたいして変わらないと思ってね」』
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【http://lite-ra.com/2016/06/post-2366.html】
参院選を前に女性たちが安倍政権に危機感…ファッション誌「LEE」も「自民党に改憲を許す」危険性を警告
伊勢崎馨 選挙 雑誌 2016.06.27
(「LEE」(集英社)2016年7月号)
福島原発事故や安保法制議論をきっかけに、女性週刊誌や女性ファッション誌で頻繁に社会派記事が掲載されるようになったが、その流れは今でも健在なようだ。
30代ママ層を主なターゲットにしたファッション誌「LEE」(集英社)の7月最新号では、「『憲法』『育児・待機児童』問題 もしあなたが投票に行かなかったら……再び」という、参院選を見据えて11ページもの大ボリュームで政治特集を組んでいる。
「LEE」といえば、これまでも度々、憲法や政治関連の特集を組んでおり、今年2月号でも「もし、あなたが投票に行かなかったら……」という選挙関連特集を掲載し大きな話題となった。今回はその第二弾というわけだが、第一弾同様、その内容は安保法制、憲法改正、そして待機児童問題など政治に関する様々な問題に切り込んだものだ。
「気軽に政治にかかわってほしい。そうした声をしっかり届ければ、
社会を変えるパワーに必ずなります」
冒頭、「LEE」読者に選挙について“講義”するのは政治学者の岡田憲治氏だ。岡田氏はママ世代の政治や選挙について分かりやすく解説していく。例えば「自分が1票を投じただけでは何も変わらない、意味がない」と思っている読者の疑問に、こう答えている。
「現在の小選挙区制度は、一票の価値ってとても大きいんです。
例えば09年の衆院選。その前の選挙で圧倒的人気を誇った
小泉内閣が獲得した多数の議席を民主党が奪い、政権交代が実現した。
これって実は、いつも自民党に投票していた人のわずか10%前後の人が
民主党に入れたから、政権がひっくり返ったと言われているんです。
『最近の自民党は感心しないから、お灸を据えよう』と思ったのか、
それくらいの人の支持が変わっただけです」
その上で、投票にいかないことがどんな意味をもつかについても、丁寧に解説していく。
「投票しないということは『現状に不満はない』という
『黙認』を意味します。仮に現在の与党に対して不満があった
としましょう。もし投票しなかったら、今の制度では
『現状のままでよい』と見なされます。(略)不満を持っている党や
依頼な(???)候補者を応援することになっちゃうわけです」
「無投票は『ただ投票しなかった』だけでなく、まして『抗議』の効果
なんてなく、『投票に行った人への賛成』を意味する。この点は
知っておいてほしいです。前回の衆院選で与党第一党に投票した人は、
比例で全有権者の17%、小選挙区で約25%です。もし今の政治に
不満があるならば、投票に行かないことは、この人たちに、
いろんなことを丸投げするということなんです」
また、一人では無力感があるという質問に対して、PTAやサッカーチームでもいい、意見をもち寄って調整し、仲間をつくり、増やすことが「政治」であり、またSNSを活用して政治の情報収集することも可能だと“身近な政治”を提案している。
さらに、投票のために“知っておくべきこと”として「改憲」の問題が取り上げられているが、ここでは安保法制、集団的自衛権の憲法解釈などについて、憲法学者の木村草太氏による具体的な危険性が提示される。
例えば、昨年成立した安保法制で何が変わるかとの質問に、木村氏はこう答えている。
「安保法制というより“自衛隊海外活動拡大法”と呼ぶべきでしょう。
(略)自衛隊がこれまで以上に危険な状況に陥り、戦闘で死者が出る
可能性が高くなるということです。この法律が通ってしまった背景には、
日本人が外国の紛争解決に“貢献”しない点に対する後ろめたい気持ちが
あると思います。その後ろめたさが安保法制について真正面から
考えさせないでいる。それは自衛隊の活動を拡大した政府にとっては
“都合のいい無関心”になります」
また、緊急事態条項についてもこう説明する。
「戦争や災害時に緊急事態を宣言して政府が一時“独裁”する
との条項です。(略)自民党草案の緊急事態条項は、
三権分立や基本的人権を停止する効果まで定められています。
とても危険な内容で、とうてい許容することはできません」
他にも、少子化はそこに予算をかけない政府の政策ミスであり、自然発生ではなく人為的なもので、子育て世代は声を上げるべきだといった内容や、自民党・木村弥生議員と民主党の山尾志桜里議員のインタビューを並列して掲載するなど、力の入った特集となっている。
「LEE」は2014年12月号でも「母親たちの初めての憲法特集」という企画を組んでいるが、実際にこうした硬派な記事は読者にも好評を得ているという。それは翻れば、現在の政治状況に多くの女性が危機感をもっていることの証明なのだろう。
舛添要一都知事問題などのセコい話だけでなく、こうして幅広く政治的関心をもち、同時に権力に対する危機意識をもつ。それが政治に関わる第一歩だ。
(伊勢崎馨)
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