5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

政治対応の遅れ

2019-09-21 21:31:57 | 政治

「ワクチンを接種すれば、国際ルール上、非清浄国に格下げされて輸出が難しくなるっていうから日本てそんなに豚肉輸出してたのかと思ったら昨年の輸出量は711トンだった。711トンの為に国内豚肉生産量89万トンを危機にさらしてたって端的に言ってバカじゃないのか」

タイムラインを流れるツイートのひとつを読んでなるほどそうかと思った。この数字が確かなものならば、彼のいうことにも頷ける。

愛三岐エリアを中心に発生がつづく豚コレラ、もう一年近くになっているはずだが、最近、関東(埼玉)にも飛び火したこともあってか、ここへきて俄かに国の対応が変わってきたようだ。

豚コレラのさらなる感染を防ぐためにワクチン接種の方針を決め、接種を実施するために必要な手続きに入ると農水大臣が昨日の記者会見で明らかにしたというNHKのニュースだ。これまで防疫に頭を悩ましてきた8府県の知事の強い要請を受けてのことだという。

農水省は、豚コレラ被害の出ている8府県に限ってワクチン接種を許可するらしいが、これは非清浄地域を分けることで清浄国のステイタスを守りたいという役所の事情がありそうだ。しかし宿主になる野生イノシシの移動を考えると、県境という行政ラインでは完全なシャットダウンということにもならないのではと疑問も涌く。

「今回の判断は大変うれしいが、もっと早くワクチンを接種していれば、13万頭を超えるブタが殺処分されることはなかった。安心して経営ができるよう一刻も早くワクチンを打ってほしい」という岐阜県の養豚協会長のような現場の人々もいれば、「ワクチンを投与された豚肉」にはイメージとして消費者の食指が動かないのではないかと心配する人々もいるようで、「ワクチン接種は選択肢ではあるが、これによって流通や小売などにどんな影響が出るのか、論点を整理して議論すべきだ」という愛知県知事のような考え方もある。

「日本は2006年まで豚コレラワクチンを接種していた豚肉を食べてきた。ワクチン接種でその豚が危なくなるというのは間違い。これは豚の予防接種のようなものと考えていたきたい」と農水大臣はさっそく風評被害にたいする予防線を張っている。

日本の豚コレラとは別物だが、感染力の強いアフリカ豚コレラが隣の韓国で発生したというKBSニュースも大いに気になる。中国は韓国からの豚輸入を即時禁止し検疫を強化しているそうだ。那覇空港では中国客の肉製品に陽性反応が出たというから、日本列島へのウイルス侵攻は密やかに確実に続いているわけだ。

スエーデンの少女が起こした「金曜日の気候ストライキ」は大きなうねりとなって世界中の若者たちを「連帯」し、国連の気候行動サミットに大きく影響を与えている。地球温暖化がウイルスの活性化に影響しないと誰がいえよう。もはや日和見で政治ができた時代ではないのだ。豚コレラの制圧に関しても中途半端な妥協は許されまい。



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