5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

夏告鳥

2014-06-27 22:22:56 | 自然
「こんにちは。今日も外は梅雨とは思えぬ好天。そろそろ真夏の水瓶が心配になってきました。毎日暑いので、暑気払いの機会が多発しています。皆さん、ご自愛されていますか?」

お仲間グループの幹事ASさん、彼は月例会案内メールのマクラをこう書いた。彼も現役サラリーマンだから年度替りの退任や異動からみの歓送会への誘いも多いのだろう。

今日は全国の上場会社の多くで株主総会が開かれたらしい。

KSさんのように既に子会社転籍が決まった人もいる。MTさんの朝のツイートは「暇だから株主総会を覗いてみるか」だ。役員OBとしてちょっと大きな顔ができるのかもしれない。

そして、幹事メールにはSSさんからこんな返メールがあった。

「我が家のすぐ近くの茶屋ヶ坂公園には、今年はのど自慢の鶯が毎日やってきて、ホーホケキョ・・・・と、よい声をほとんど一日中聞かせてくれます。そのせいもあってか、周りの空気が例年ほ程は蒸し暑くなく感じられます。」

公園の木々の梢にとまった鳥たちがひがな一日囀りを聞かせてくれる環境はうらやましい。

春告鳥と云われる鶯の季語は春だが、夏の季語として上げられる鳥の代表格が時鳥(ホトトギス)だろう。鳴き声も鶯ほどではないにしろ結構上手く歌ってくれる。

  卯の花の匂う垣根に
  時鳥早も来鳴きて
  忍び音もらす
  夏は来ぬ

佐佐木信綱の有名なこの歌が示すようにホトトギスの鳴き声は夏の到来を告げるもの、雪月花に匹敵する夏の代表的風物だったと云うのは「季語集」の坪内稔典。春告鳥ならぬ夏告鳥というわけか。

だが、明治の頃からは、当時は不治の病だった肺結核とイメージを重ねて「啼いて血を吐く」と形容したのだ。ホトトギスに罪はない。

妻の肺病が夫婦を引き裂く徳富蘆花の悲恋小説は《不如帰》と書いてホトトギスと訓ませる。俳人の正岡常規が喀血したのは明治22年(1889年)で、彼が俳号を《子規》としたのもそれがきっかけになった。

子規も不如帰とおなじようにホトトギスの当て字だったというのは、坪内に云われて始めて知った。死期と同音の子規。これも意味ありげな符合である。

「四月二十八日初時鳥」










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