BBCのニュースで、南アジアでは地球温暖化の影響で気温が上昇するのに合わせて湿度も高くなりつつある。湿度は乾湿球の温度差で見るのが一般的だが、この湿球温度上昇が大きな問題になりそうだという。
人間の体内温は37度、体表温は35度というのが平常値、暑ければ汗を流して体温調節をするのだが、湿球温度が35度以上になると熱が体内に篭ったまま放出されず、死に至るリスクが大きく増加するのだというから怖い。
注意すべき湿球温度は現在31度ということだが、このままCO排出が続いていけば、将来的にクリティカルな35度ラインを超えてしまうことになるだろうという警告なのだ。
名古屋の今日の湿度は54%と耐えられないほどではないにしろ、不快な暑さは続いた。第三次安倍内閣の顔ぶれについてNHKは繰り返し情報を流しているが、不快なのはこちらのせいかもしれない。
夏の夜は昼の地熱が残っていて寝付きにくい。そんな時に、ジーッ、ジーッ、ジーッというオケラの鳴き声が聞こえると、その声が耳について、寝苦しい夜がますます寝苦しくなる。
これは、金田一春彦先生の「ことばの歳時記」に載っている「オケラ」についてのコラムの一部だ。
昭和四十年の夏には、東京でも夜になるとオケラが鳴いていたのだ。もちろん当時の我が故郷ではおなじみのサウンドであった。指摘されると却って懐かしさを感じてしまう。
地中に住む小さな昆虫に丁寧にも「オ」をつけて呼ぶのははなはだ奇抜。どういうわけだろうとおっしゃるのだから、大言語学者もご存知でなかった訳だ。
そんな「オケラ」を聞くことは絶えて久しくなった。田舎に行けば今でもあの ジーッ、ジーッ、ジーッが鳴っているのだろうか。
今夜のわが町、午後十時を過ぎたがセミの合唱が未だに続いている。湿度に応じた鳴き方をする虫が若しいたら人命救助になりそうだ。