オーストラリアに住んでみれば

南国暮らしに憧れて、住み始めたオーストラリア。
住んで、暮らして、初めて分かる、色々な体験談をお披露目します。

オーストラリア 肩脱臼事情

2021-05-17 21:27:43 | 日記

オーストラリアは、秋もすっかり深まり、

夜明けは、朝6時は、まだまだ暗くって、朝晩も16度と言う、うすら寒さ。

それでも、京都の底冷えと比べたら、寒すぎてそぞろ泣く、なんてことは無くなりました、が、

朝のプールは、昨今においては、ガラすき、

が、常なのですが、その日は何故か、元気な年寄で込んでいたのです。

邪魔しないでよね、、、、前方注意しながら進んでいたら...

後ろがあいているか見ようと思って、プールサイドにタッチして、後ろを振り返ったとたん、

肩が、脱臼!

前から肩、痛めてはいたんだけど、

今まで脱臼なんてしたことない、、、、けど、とにかく痛い、動かせない!!!

頭の中で、シュミレーション...今から、病院に行って、直してもらったりしてたら、

それだけで一日終わっちゃいそうで

この忙しい日に、そんなことしてられない。

何とか、元にはまって戻らないかと、水の中でいろいろ試したけど、ダメで、とうとう

諦めて、病院に行こうと思って、プールから上がるとさらに痛い!

誰かはめられ人いないかなぁ? と思っているところに、人が来て、どうしたの?と聞くので、

”肩が外れたんだけど、アナタはめられる?” と聞いてみる。

そら、やっぱり駄目よね。

シャワーに行って、何とか水着は脱いだんだけど、今度はパンツが上げられない!

でも、こればっかりは、人を呼べないので、冷や汗かいて、もう痛くって、

部屋に戻るのが精いっぱいと判断したので、タオルを体に巻いて、荷物はほったらかしで、

とにかく部屋に戻り、肩を動かさなくても着られそうな、、、、服、服、服。

赤いドレスしかない…仕方ないので赤いドレスを着て、Uberを呼ぼうと思ったけど、電話を変えたときに、

アプリを再インストールしてない。

仕方ないので、タクシーを呼びたいんだけど、痛すぎて、携帯の中の電話番号すら探す余裕がない。

でも、何とかよばないと、、で、、レセプションに座っていると、

色々な人が、かわるがわる、” 大丈夫? どうしたの?” と、ご親切に気いて下さる。

...今、喋りたくない、と言うか、喋れない気分なのよね…

          みてわからんかい?! と、内心怒りながら、、、冷や汗をかきかき、

”大丈夫です!” 

”何かできるかしら?”

          いらん、いらん、いらん、何も出来ん! 喋りかけんなーーーー! 

”いえ、結構です!”

          ううううううぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーー痛い!

で、タクシーが来たので、飛び乗って、行き先を言って、椅子になだれ込む。

”あと、何分?”

”あああああっ!!!!車揺らさないで!!!”

” でも、急いで!!”

と叫びながら、やっと着いたら、幾らかよく見てる余裕なくて、間違えて少なく出したら、

”良いから行きなさい!”

と、3ドルほどオマケ。ラッキー!

で、レセプションに行ったら、多くの人が待つ中、先に入れてくださって...みなさま、すんません!!!!

ベッドで待つこと、凡そ1年...みたいな気がしたんだもの。 

ドクターが来て、動じず、騒がず、静かな声で、色々聞いてくださるけど

”早く肩戻してーーーー”

と言っても、動じず、騒がず、静かな声で、

”まず、レントゲンを撮りましょう”

と言う事で、看護師さんに、レントゲン室に連れて行かれあっちこっち向かされ、撮影!

” 早くして~”

やっと終わったら、又ベッドで待つこと1か月...みたいな気がしたんだもの。

ドクターが来て、動じず、騒がず、静かな声で、手順を話してくださる。

”これから、肩戻すけど、まず痛くないように、血管から管を入れて麻酔を入れるからね”

麻酔なんていらんから、早く戻して~...でもまあ、麻酔はあった方が良いかな、、、と気絶寸前。

待つこと、更に1週間...みたいな気がしたんだもの。

看護婦さんが来て、血管を探してる。

ブスッ! ”ああ、ダメだわ” 

又あちこち探して、狙いを定めて、ブスッ! ”ああ、ダメだわ”

ブスッ! ”ああ、ダメだわ” 

ブスッ! ”ああ、ダメだわ” 

ブスッ! ”ああ、ダメだわ” 

ブスッ! ”ああ、ダメだわ” 

肩も、針も痛い (´;ω;`)ウゥゥ

結局、6回ほどしてダメだったので、こんどは、ドクターが来て動じず、騒がず、静かな声で、

”僕がしましょう” と。

ああ、出来たのね!

と思ったら、結局、これも3回ほどで、、、

”うまい人が居るから、その人にやってもらうからね”

と、待つこと3日...みたいな気がしたんだもの。

さて、自信たっぷりにやってきたその人。

ドクターも、横で待機してくれている。

一発で、刺した針を、自信ありげに見ている。

出来た!?

” ダメだわ…” もう一回!

さすが、プロ!2回で、諦めてくださいました。

”もう、これはダメだ。○○を使おう”

○○がなんだか聞こえない。

で、直ちに、口にくわえるチューブが出てきて、モクモク出る白い煙を吸わされる。

頭がふわーーーーーーーっとして、

       何で最初から、これにしてくれへんねん! と思いつつ、

ドクターが、じゃあ、今から直しますね、と、’肩を押さえて、

グニッ!という感じがしたら、いっぺんに直りました!

10年もたった気がしたけど、

救急外来に来て、結局ここまで、およそ1時間半。

素晴らしい!!!

 

でも、まだある。

普通、こういうのの後って、オーストラリアの病院では、タダでは帰してくださらない。

ちゃんとした身寄りが迎えに来るところまで、見届けて下さる、という、ご配慮、

身寄りも無く、幼子を連れたシングルマザーには過酷な決まり。

タクシーじゃ帰れないし、勿論、自分で運転して帰るなんて、許してもらえません!

で、今は大人になった、子供たち、

電話して、お願いしたら、2人とも、二時間の道のりを救急サイレン鳴らして、帰ってきてくれました!(´;ω;`)ウゥゥ

” ママ、大丈夫?”

”大丈夫だよーーーー!” (´;ω;`)ウゥゥ

 

このあと、腕固定、腕吊り4週間。

肩の前の靭帯が緩むと、脱臼が癖になるので、かなり厳しく動きを制限しなければいけません。

本当は、大人しくしてないといけないんだけど、一人暮らしの身、何もしない訳にはいかないので、

かなり使っちゃったけど、病院に事後診察に行くと

”大体、脱臼と言うのは、若い人がなるもんなんだけど…

大体は、30歳以下に起こりますので、あなたの場合、三十路も過ぎたので、

脱臼癖になる可能性も少ない ”

という事で、2週間で、意外なことに、腕吊り開放の許可が出ました。

 

脱臼した時、柔道整体師みたいなこと気出来る人が、側にいれば早く元に戻せて、ダメージも少なくて良いんだけど、

自分で治す方法と言うのもあって、ゼロポジションと言うのですが、こういう格好をして腕を引っ張ると、

自然にはまることもあるそうです。念の為、覚えておきましょう。

でも、もしハマっても、その周りを傷めている可能性があるので、その後、病院に入った方が良いそうです。

歌島 大輔 スポーツコーチングドクター    https://utashima.com/shoulder-dislocation-pain/

 

で、満期の4週間が過ぎると、ご丁寧に、リハビリに誘ってくださいます。

で、いそいそと出かけると、状態を検査して、体操を教えてくださいます。

もう、何でもやりたいことはやったら良い、と言うお許しを出したくせに、水泳はまだ駄目。

...もう暫らく、犬かきだな。

肩は、脱臼しやすいポジション、と言うのがあって、野球のボールを投げる時のような、

肘をあげて、頭の横に手首を後ろに引くような動きです。

肩の悪い人は、この動作する時は無防備になられぬよう、これぐれもご注意くださいネ!

この後、更に3か月ほどは、運動復帰できません!

...しかしながら、年齢が高くなればなるほど、運動能力が衰えるのは、神経の連絡の悪さが関連しています。

と言うのは、運動を休むという事は、傷の回復を期待するより、神経の退化の速度が速い、と言う事です。

更に、年齢とともに、運動効果も下がるので、持ってるものを無くさないようにするとこはとても大切。

例えケガをしても、やれることは沢山あります。

皆さま、COV19を言い訳に、運動をお休みなさっている方も多いと存じますが、

運動は何処でも何でもできます。

オーストラリア コロナ明けに備えて

https://blog.goo.ne.jp/2002kai/e/92750f28a79741bb8df80ba5731302f6

 

夏に備えて、ぜひ、エクササイズ、始めましょうね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


オーストラリア トップガン

2021-05-08 11:25:40 | 日記

コロナが発生して以来、海外とも縁薄くなりがちな今日この頃、

ああ、帰れないとなると、余計に、なんだか日本に無性に帰りたくなるのよね、、、

と空を見上げると、、、

ここ、オーストラリアでは、沖縄に住んでいた頃でさえ見なかった、Tom Cat と言う戦闘機が、時々、

海の上を飛んで行きます。

Tom Cat と言うのは、トムスクルーズのヒット作、Top Gun に出てくる、あの戦闘機の事です。

キューンーーーーーーーー! という

けたたましい音がしたかと思うと、もうそこには何もなくて、遥か向こう側に、それらしいのが飛んで行くのが見えます。

と、いう事で

今日は、その トップガンを撮影する時に、協力したパイロットの方のお話を聞く機会があったので、

シェアさせていただきます。

そこでまず、TomCatに乗るようになるまでの道のり、を聞いてみました。

 

まずは、空軍の中から、試験に応募できる人を選ぶ為の一般教養試験があって、

これは、読解力、文章力、微分、積分、機械学、電気学で、試験問題が80%以上できていないと落ち、

殆どの人が落ちるそうです。

......私は、微分とか積分とか、知りませんが、それでも、それなりの親分さんに知り合いはいるので

これは何とかなります。

更にその中から、2次試験は航空適正テストで、これは、航法、航空推進の原理、緊急時対応力、で、

90%以上出来なかったら落ちるので、ここでの合格者は、一般教養試験合格者の中の、更に2%ていどになるそうです。

....2月は、子供の誕生月ですから、大丈夫です。

 

両方の試験に合格できた人は、次に、厳しい身体検査があります。

血液検査、視力検査とか、、、、私はババですが、裸眼です。

そして

それが終わって、体力テストがあります。

それは、2マイル (3.2km)を12分以内、腕立て50回、懸垂50回、腹筋50回、全部合わせて30分以内...

これだけなら、、、まあ、いけるよね?!????????....

 

これが終わったら、素行調査。

なんと、、、かの FBIが、子供のころからのご近所、学校の先生、友達など、

人生に関わて来た人すべてに、犯罪歴が無いかは勿論、性格で悪い所は無かったか、とか、

問題は起こしていないか、とか、学校はさぼって無かったか、とか、嘘つきではなかったか、とか、

暴力をふるったりする人ではなかったか、とか…

良い性格、と言うのも含めて聞きまくってもらえるそうですが、、、

ロクなことしてきてない自信はあるし、FBIにこられては、あきらめざるを得ません!

 

ここで、3人の専門家からの推薦状と一緒に、全ての成績を役員会に持って行き、そこで投票で選ばれた人が、

晴れて、航空士官候補学校に行くことができます。

学校では、各生徒は、士官になるためのリーダーシップを身に着けるために、

朝4時半から、長距離走、プッシュアップ、腹筋、懸垂、障害のある道を行く練習、

立ち泳ぎ(どこにも触らないでないで数時間) それが終わったら、航空力学、航空学、通信、

クロスオーダードリルズ(部隊の行進)、マーチング、気を付け、拳銃を使う練習、と資格を貰います。

 

卒業と同時に、ネイビーの士官として契約します。

成績優秀で卒業した人は、今度は普通の航空学校に行って、ジェットの操縦訓練を受け、

そこで、ジェットを操縦する資格を貰って、そこから又、色々とスペシャルなトレーニングがあります。

 

例えば、ウィンタートレーニング。

ケガをしたか、Give up を知らせる為のラジオと、ナイフ一つ渡されて、雪の山中に落とされます。

その中で、誰にも見つからない様に6日間、生き延びるのですが、

雪の中に、穴を掘って眠り、魚を取って食べたそうです。

春先には、オーシャントレーニング、と言うのがあって、

自分たちの大きな荷物と共に海に落とされ、6時間、飲まず食わずで泳ぎながら耐えます。

パンツと靴を脱いで、靴は濡れないように肩にのせ、パンツは、、、浮きにします。

どうやってするの???

” 両裾を縛って、中に空気を入れたら、10分は持つので、10分したら又、空気を入れて、、、を、繰り返す、と

  体力が消耗するのを防ぐことができる”  そうです。

 

サメがいたら、戦わなければいけないそうで、、、戦い方も、訓練済みだそうです。

オットセイが居なければ、サメはまずいないそうですが、、、、

私はサメは嫌いです。

何がどうなのか聞くと、とにかく、”寒い!” そうです、、、そうですよね~。まだ海水浴はまだ程遠い初春。

ご親切にも、試験官の人が、暖かいコーヒーを飲みながら、

”諦めて、上がってきて、暖まらないか?”

と聞きに来てくれます。

彼はここで、諦めることを許さない精神、を学んだそうです。

 

こうして、晴れて揚々と入学してきても、30%くらいは、去るそうです。

さて、

Tom Catを操縦するのには、向いている体型と言うのがあって、背が高すぎてもダメだし、低くても細すぎても、

太すぎてもダメで、その中から、注意深く選ばれた人が、訓練に入ります。

重力に耐える訓練があるそうで、 

” 計器を見る為に、顔をこうやって上げてないといけないんだ”

顔をあげてるのが、大変だそうです。

かのトム・クルーズ御一行が、映画撮影の為にやってきたことがあるそうですが、

”彼女を連れて、TomCatに来ないように” と言ったのに、皆、彼女や、ワイフを連れて、和気あいあいと、いらして、

実際に1回乗ったトムクールーズを見て、たちまち、その意味がわかったそうです。

”今でも運転できる?”

 

”あれは、体力的にもう無理だから、若い人にやってもらってる”

とのことでした。

かかる重力とか、目に入る紫外線とか、体力的にもかなり負担がかかるし、

飛ぶのは簡単だけれど、着陸はものすごく難しい、、、ので、もう、

契約更新しなかったそうです。

 

彼が、士官として配属された、軍の最高官が、新しい人に変わる式に出た時、

恒例で、士官は皆、順番に、最高官に、質問する権利を与えられます。

そこで、彼の番が来た時、

” サー! 私がエアバスで働くようになったら、きっと彼らの長官の戦法に刺激されると思うのですが、

 最高官は、どんな方法で彼らを、かわされますか?”

と聞いたら、なんと、最高官が答えられなかったのです。

そこで騒ぎになり、直ちに彼は、別室に連れて行かれました。

答えられないような質問を上官にしてはいけないことになっていたのです。

” お前は問題を起こしてくれた”

皆にさんざん叱られ、その質問を撤回しろ、と言われ、そのあと、別の所に連れて行かれ、

”言ったことを撤回して無かったことにするか?”

と聞かれました。

彼は、さんざん考えたけれど、もう、どうせクビになるだろうし、

もう、いいと思って、

”いえ、撤回しません。最高官は、この質問に答えられなければいけなかったと思います”

と言ったそうです。

彼は一人、部屋に残され、しばらくして、最高官の部屋に呼ばれました。

”ああ、今日で終わりだ。親にもなんて言おう ” と思って行ったら、

”お前は今日から、副最高官について、質問の答えを考える役目として働きなさい”

と言われ、そこで働くことになったそうです。

そしてそこでは、実にいろいろなことを学んだそうです。

 

例えば、どんなこと学んだの?

 

1.新しい決め事は、事前に必ずシステムと人に与える影響を試行して、確認してから行う

2.何事も、1回で必ず成功させてやるように訓練する。何事も一度失敗すると、3倍のコストがかかる。

3.マネージメントとうのは、リーダーシップのことで、皆が分かっていることを、” やれ” と、いう事ではない

4.人の言う事を聞け。特に不満を持っている人の言う事を聞いていないと、その人が10人の人を連れ去ってしまう。

5.やった事の質は、そこには表れない、が、周りの評価として現れる

6.リーダーとして、低いレベルの期待をかけると、低いことしか達成されない。高い期待をかけなければいけない。  

などなど、だそうです。

 

戦争の時、日本の若者たちの一人一人が、死ぬ思いで、苦しい訓練に耐え、そして

そういう日本人の強さは、今でも生きていて、日本を強い国にしているんだと思うんだけれど、

アメリカの若者たちだって、苦しい訓練に耐えて、国のために頑張ろうと思ってるんだな、と。

そして、その強さが、アメリカを支えているんだろうな、と、思ったので、シェアさせていただきました。

貴方は、どう思われるでしょうか?