韓流ラブストーリー完全年鑑2018 (COSMIC MOOK) | |
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いいわ・・・とウンタクは頷きました。
「わびしい男の花嫁になる。燦爛たる男の最初で最後の花嫁になる。約束するわ。」
心が締め付けられるほどに切ない喜びを感じました。
この感動的なシーンとは裏腹に、シンもウンタクも舞い上がります。
シンは、結婚が遅れたら、ウンタクは自分より若い男と合コンなんぞをしてしまうかもしれない・・・なんて勝手に焦ったり。すぐにでも結婚すると周囲に言いふらします。
最近幽霊が又見えるようになったウンタクは、馴染みの幽霊から祝福を受け、大喜びしました。
実は、幽霊になったと言うのに、まだウンタクに付きまとって意地悪ばかりしてる叔母もいたのですが、馴染みの幽霊がそろそろ昇天しようと思って・・・と、叔母の幽霊も無理やり連れて行ってくれたのです。
ほっとしたウンタクです。
最期には、ちゃんと叔母にお礼も言えました。育ててくれて、有難う・・・と。
シンはドクファにも結婚を報告しました。
ドクファだけは完全に記憶を失っていまして、ウンタクの事を一切覚えていません。
シンと死神に関しては、祖父からの教えもあって、承知していますけどね。
ウンタクが、トッケビと結婚するとちゃんと理解していると知り、驚いてましたよ。
ところで、ドクファとキム社長の関係も、本当に微笑ましいものです。
キム社長は先代の社長、ドクファの祖父から様々な細かい遺言を受けていますが、それを本当に誠実に着実に実行して来ています。
その中には、おそらくドクファの成長を見守るというのもあるのでしょう。
決して甘やかす事無く、かと言ってお尻を叩くように焦らせることもせず、父親のような長い目で見守り続けています。
「あなたはまだ周りの事に興味が無い。だから私は質問を待っています。本当の大人としての質問です。世の中について周りの人の喜びや悲しみについて。」
と、ドクファに言いました。
「有難う。もう少し待って。頑張って成長するよ。」
と、ドクファは言いました。ドクファも素直な子です。キム社長の言葉の意味をきちんと理解していますから。
はい・・・と嬉しそうに頷くキム社長でした。
大人になると言う事は、自分だけじゃ無く、周りの事、周りの人の事に興味を持てるようになること・・・そうなのですね。
思わず私も頷いてしまいました。
シンとウンタクは、お祝いを身内だけで開きました。
死神とドクファ、そしてキム社長が招待されたのですが。
ついつい、全て知ってるメンバーの気安さから、それぞれの特殊能力を遠慮なく使ってしまうんです。でもね・・・キム社長は知らなかったんですよ、トッケビと死神だなんて。
感情が表情にあまり出ないキム社長なんで、イマイチ分かりにくいですが、充分ショックを受けてて
一瞬、気を失いそうになるんです。
ドクファが必死に取り繕おうとしますが・・・
全く、立派な大人の男性の筈なのに、この二人は油断し過ぎって言うか、はしゃぎ過ぎって言うか・・・
ま、面白いんで、良いんですけどね。
ある日、ウンタクのラジオ番組に一通のメールが届きました。
内容が素敵なので、採用されて番組で朗読されました。
『記憶を消す事が幸せだと考えたあなた。会った瞬間気付いたわ。あなたも全てを覚えていると。お互い来世では運命の人でありますように。口実が無くても会える顔とこの世に一つだけの尊い名前を持って・・・。偶然会えば、駆けよって挨拶を交わし全問正解の恋をする。そんなふうに出会いたい。顔が見られて良かった。ある時はキム・ウビン、又ある時は、ワン・ヨのあなた。どうか末永く元気でね。さようなら。』
ウンタクは、すぐにサニーのモノだと察しました。
サニーの家に急ぎました。
でもね、既にサニーは全てを売り払ってどこかに姿を消した後だったのです。
ウンタク宛ての手紙が残っていました。
そしてウンタクは知ったのです。サニーは何一つ忘れていなかったことを。そして忘れたフリをして、記憶を失ったウンタクを見守り続けて愛しんでくれ続けたことを。
どれほど孤独だったかを・・・。
番組を聞いていたシンも死神も同じ事を察しました。
サニーの家に来たシンに、ウンタクは、何故去らなきゃいけなかったのかと問いました。
「許せないから。」
と、シンは答えました。
死神を本当に愛してしまったけど、前世のワン・ヨの罪を許す事は出来なかったのでしょう。そして、死神にとって、今世で会わないことが一番の罰だと分かっているからなのでしょう。
それでも、サニーはなかなか去りかねていました。
50人通り過ぎたら・・・と決めて、陸橋の上で数えはじめました。
「49・・・。」
と、呟いた時、後ろから声が聞こえました。
「1・・・2・・・。」
死神でした。
サニーの気持ちを充分理解していました。だから、引き留めたい気持ちはあっても、強くは出ませんでした。
最後に一度ハグを・・・とサニーが言いました。
泣けましたわ・・・ホント。
サニーと別れたことを悲しんでいる死神に、シンは言いました。
「誰かに言ってほしい。“もう充分だ。それだけ苦しめば充分だ”と。」
彼らは自らの犯した罪をずっとずーっと抱え続けるしかないのです。そしてそれには期限が無いのです。
トッケビには命の終わりは無いし、前世の記憶を取り戻した死神にも・・・。
死神は、同僚の女性の死神に会いに行きました。
前世でワン・ヨの侍女をしていたあの女性死神です。
「神は自分の命を粗末に扱った者を死神にして死者を見送らせながら人間でも死者でもないまま生かしている。その理由が何なのか追い求めて行けば、いつか捨てた名前や人生を取り戻したくなるんじゃないだろうか。“生きたい”と思った時、俺たちの罰は終わるのかもしれない。」
女性死神は、9年前パク・チュンフンの幽霊から前世について聞かされました。
だから、目の前の死神がワン・ヨだということ、自分がその侍女だったと言う事を知っています。
謝りたかった・・・と死神は言いました。
ワン・ヨは、侍女に毒薬の入ったお茶を運ばせました。拒否する事が出来ない立場の彼女は、否応なしに主君の自殺の手助けをさせられてしまったわけです。
全て忘れろと死神は言いました。
「死者をしっかり見送る事で罪を償え。自分自身を許してやれ。神が望んでいるのは、俺たちが自分自身を許し命の尊さを悟る事だ。」
シンとウンタクは結婚式を挙げました。
あの一面にソバの花が咲く草原で、二人きりで。
ウンタクの手には、ソバの花のブーケ。死神からのプレゼントでした。
泣けるほどに幸せでした。
でもね、運命はやはり“処理漏れ”のウンタクをそのままにしてはくれませんでした。
園児と運転手の死者のカードが届き、死神が現場で待機していたら、そこにやって来たのはウンタク。
死神に明るく手を振って通り過ぎた時、死者のカードの名前が消えたのです。
死者になる筈の者が、死なずに済んだのです。
ウンタクのお陰で・・・。
ブレーキの外れた無人のトラックが、坂道をスピードを上げながら園児たちの送迎バスに向かって来ました。
それを見たウンタクは、通り過ぎる事も出来たのに、トラックの前で車のブレーキを踏んでしまったのです。
トラックは、ウンタクの車にぶつかって停まりました。
死神は、カードの届かない死者もいる・・・と思いました。
想定外の死・・・。犠牲だ・・・と。
カードが届いたのは、ウンタクが息を引き取った直後でした。
その時、ウンタクはシンと通話中でした。
考えてみれば、今日は全てが完璧だった。朝はシンの腕の中で目覚める事ができ、仕事も上手く行った・・・。これは全てこの一瞬のためだったんだとウンタクは息を引き取る前に思いました。一秒でも遅れたら、この状況にはならなかったでしょうから・・・。
人間の犠牲は神には計算できない。予知さえ不可能だ。それは人間の本能であり人間自身の選択によるものだから。
人間だけができる選択なんだ・・・。
死神は呟きました。
その時、遅れてウンタクのカードが届きました。
死神の茶店でウンタクは聞きました。自分は何度目の人生だったのか・・・と。
「1度目だ。」
と聞き、良かった・・・とウンタクは呟きました。後3回残ってるから・・・と。
シンが駆け付けて来ました。
泣くしか出来ないシン。
「前に言ったよね。残された人は一生懸命生きないと。時々泣いても、泣いた分笑って逞しく生きる。それが故人への礼儀だ・・・って。」
と、ウンタクはシンの髪を撫でながら話ました。
シンの泣き方が、本当に胸が痛くなるようです。
ウンタクを力の限り抱きしめ、泣きました。
「あまり長く悲しまないで。また会いに来るからそれまで待ってて。あまり雨を降らさないで。少しの辛抱よ、約束するわ。今度は私が会いに来る。私があなたを絶対に見つける。来世では天寿を全うする運命に生まれて、ずっとあなたの傍にいる。そうさせてくれと神にせがんでみる。」
そして、ウンタクは、死神にお願いしました。
「皆いなくなったら、この人をよろしくお願いします。」
そうだね・・・。トッケビは人を見送るだけですもんね。
死神は、いつものように現世の記憶が消えるお茶を差し出しました。
でも、ウンタクはそれを飲みませんでした。
生まれ変わってシンの元に帰って来なくてはいけませんからね。
すぐ来るわ。走って行って、走って帰って来る・・・。
そう言って、ウンタクはドアの向こうに消えたのです。
30年の月日が経ちました。
死神の元に最後の仕事が来ました。長い罰が終わります。と言う事は、死神も昇天するということですよね。
死者のカードの名前は“キム・ソン”。サニーです。
死神は最後の仕事に向かうことをシンに告げました。
そして、最後に又一つ規則を破る・・・と言って、茶店に来るよう言いました。サニーを送るから。
死神は、サニーの指に優しくあの指輪をはめました。
前世では、乱暴に無理やりはめましたからね。
穏やかに話をし、死神とサニーは手をとってドアの向こうに消えました。
シンはそれを見送りました。
彼らは次の人生を生きています。
今度は運命的に出会い、真っ直ぐに明るく愛しあえています。
シンもそれを確認し、ほっとしました。
シンはまたカナダにいました。
あの丘で本を読んでいると、後ろに人の気配が。
ウンタクでした。いえ、正確に言うと、ウンタクの記憶を持って新しい人生を生きる女の子でした。
見つけた・・・と呟きました。
「アジョッシ。私が誰か分かる?」
「最初で最後のトッケビの花嫁。」
やっと出会えました。
泣けましたよ~っ
大人版のジブリの雰囲気を感じる作品です。
まず思ったのは、コン・ユssiってこんなにカッコ良かった?・・・ってこと。
大人の渋さやカッコよさ。服の着こなしや立ち姿。とにかく絵になります。
その上で、お茶目さや子供っぽさを持った魅力。彼の演じるトッケビは本当に素敵でした。
そして、イ・ドンウクssiの死神も、これまた上手い。
この二人だからこそこの作品の魅力が増したと言えましょう。
キム・ゴウンさんの声、やっぱり私好きです
彼女独特の演技も、自然で魅力的。
ユ・インナさんも、ぽわんっとした風貌でありながら、芯のしっかりした女性を魅力的に演じていました。
ユク・ソンジェくんも、良い味出してましたねぇ。キム社長を演じてたチョ・ウジンssiも良かった~っ
語り尽くせない魅力満載のこの作品。
「トッケビ召喚スペシャル」も、期待しないで見たら、とーっても充実した内容でした。
イ・ドンウクssiとユ・インナさんをナビゲーターとして、NG集だけじゃなく、昔話としてのトッケビとの違いなんぞの解釈もあったりして、楽しゅうございました。
これも本編と合わせて保存版にしようと思っています。
力いっぱいお勧めします
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