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中宗の妃だったチェギョンが廃位され、処刑されようとするシーンから始まりました。
・・・が、あれ?死刑に処せられたんだっけ?チマ岩伝説があるくらいだから、流刑かと思ってましたが。フィクションですと断りを入れてるくらいだから、もしかしたら、史実とは別の展開になるのでしょうかね。
イ・ドンゴンssi演じる燕山君は、朝鮮王朝10代の王で、最悪の暴君と評されています。
物語が始まるのは、燕山君の治世が始まって5年になる頃。多分23歳頃のこと。
暴君と言っても、最初からそうだったわけではなく、王位についてしばらくは善政を施していたようです。この時期は、その過渡期と言える頃でしょう。
既に、その気性の荒さとか、猜疑心の強さ、神経質な雰囲気は表に出ています。
その頃、世は日照り続きで作物も枯れてしまう有様。
昔から天変地異の原因は、王の不徳が原因だとみなされて来た時代です。燕山君は重臣たちにその対策を講じて貰いたいのに、皆、他の事を論じるばかり。
燕山君は、激怒し、干ばつを解決するまで、その場を動くなと命令しました。
重臣たちは、屋内ではなく、広い宮殿の広場で、炎天下の元、立たされることに。・・・倒れちゃいますよ。
現実的な解決策を求めた燕山君に、重臣は、気の向きが・・・とか、雨乞いの祈りを・・・とか、全く役立ちそうになり案ばかり口にしました。
その時、重臣のパク・ウォンジョンが提案したのが、皇室の婚姻。良い事をもたらすと言われているとか。
燕山君の異母弟チンソン大君の婚礼を考えてはどうか・・・と。
すると、突然、燕山君が傍に控えるシン・スグンに声をかけました。
「チンソン大君の舅になってくれるか?」
シン・スグンはもとより、傍にいたパク・ウォンジョンもイム・サホンも驚きました。
シン・スグンには、娘がいました。それが、シン・チェギョン=パク・ミニョンさん。この時はまだ子役のパク・シウンさんです。
父の命令で、乳母と共に田舎でひっそりと暮らしていました。絶対に都には来るなと言われていたのです。
その理由はまだ定かじゃありませんが、不安定な世の中の動きに巻き込みたくないという親心だったのかもしれません。
既に自分の妹は燕山君の妃となっています。政権中枢にいると言っても過言じゃないけど、燕山君の治世に不安を持っていて、いつなんどき政権が覆るか分からないという思いがあったのかもしれません。だから、娘だけは安全な場所にいさせたいと思ったのでしょう。
有力な豪族や貴族からの申し入れにも、首を縦に振らずにいたようです。
燕山君は、その娘の存在を知っていました。
チェギョンは、のびのびと育っていました。
身分の上下の関係無く、村の人々と親しくしていました。
でも、父がいつまでたっても自分を都に呼びもどしてくれない事にも不満を持っていました。
で、ある時、乳母が使いの者に密かに手渡した手紙を抜きとり、それを口実に男の形をして一人都を目指して出奔したのです。勿論、乳母には内緒で。
一方、燕山君の異母弟ヨク・・・チンソン大君も、王族ではあるけど、比較的自由な毎日を過ごしていました。
幼い頃から、異母兄の燕山君を慕っていて、つい、“兄上”と呼んでしまいそうになります。
でも、身分もちゃんとわきまえていて、決して兄を押しのけて王位に・・・とは思っていないのです。
昔は、燕山君も弟を本当に可愛がっていました。
なのに、今、燕山君や彼の周囲がチンソン大君を警戒するのは、前王成宗の言葉があったためです。
元々、成宗はチンソン大君をとても可愛がっていました。
王としての素質は、燕山君より上だと考えていたようです。
その様子を見て来た燕山君。世継ぎである自分より父に愛されている弟を見ると、嫉妬しない筈がありません。
挙句の果てに、息を引き取る間際の成宗が、遺言として燕山君に告げたのです。
「チンソン大君が成人したら、王位を譲ってやれ。お前は朝鮮を滅ぼす。」
その言葉が密旨として残されているらしい・・・とイム・サホンが言いました。
婚姻によってシン・スグンとチンソン大君を結びつけ、これ以上力を持たせてはいけないと進言したのです。
街で偶然チェギョンとチンソン大君は知りあいました。
男の恰好をしているチェギョンと、何かと張り合う状況になってしまったのです。
財布や例の乳母が使いに託そうとした父シン・スグンに渡す筈だった物まで掏られてしまったチェギョンは、それがチンソン大君の仕業だと思い込み、後を追いました。
見つけた時、チンソン大君は血相変えて馬を走らせている時でした。
親友とふざけながら家に帰って来た時、彼を待っていたのは、燕山君と一行。
そこで、燕山君に言いがかりをつけられ、馬で勝負をする羽目に陥ったのです。勝たなければ、チンソン大君はもとより、親友二人の命も奪うと燕山君は言いました。
で、必死に馬を走らせていたのを邪魔したのがチェギョンだったのです。
そのままだったら勝てた筈でした。
激怒するチンソン大君だったのですが、後から来た燕山君の馬に蹴られそうになったチェギョンを助けることも忘れませんでした。
結局、燕山君に遅れて宮殿に到着したチンソン大君。
必死に誤解を解こうとしました。燕山君が何に怒っているのか、チンソン大君には分からなかったのです。
親友二人も連れて来られました。
二人を見て、チンソン大君は、目を閉じました。自分の命で二人を許してもらえるなら・・・と。
良いだろう・・・と燕山君は言いました。
剣を振り上げ、斬ろうとしたんですが、幼い頃、慈しんだ弟の姿が脳裏を過ぎりました。振りおろす事が出来ないまま、固まりました。
その時、チンソン大君の母チャスン大妃が駆け付けて来たのです。
流石に母親の目の前で息子を斬り殺すなんてこと、できませんよね。
亡き父成宗と母チャスン大妃という心強い後ろ盾があるな・・・と燕山君は言いました。そのおかげで堂々と生きる事ができるのだと。
「いいえ。私の一番強力な後ろ盾は兄上です。国王である兄上が愛し、可愛がってくれるので私は堂々とできるのです。」
涙をこぼしながら燕山君を見上げるチンソン大君。
燕山君にも分かっていたでしょう。
チンソン大君には何の罪も無い事を。そして権力への欲も無い事を。
しかし、二人の立場が幼い頃のまま弟を愛する事を許してくれないのです。
だから、悶々としてしまうのです、燕山君は。
それでも、自分の剣で傷ついたチンソン大君のために薬を持って行ってあげたら、なんと、タイミング悪く、チャスン大妃がチンソン大君に言い聞かせている時だったのです。
世の中の全ての人を信じても、唯一燕山君だけは、信じてはいけないのだ・・・なんてね。
それを聞いてしまった燕山君。
いくらチンソン大君が、自分は兄上を信じると言っても、耳を貸しませんでした。
「私はそなたを信じぬ。そなたを取り巻く全てを。」
母のチャスン大妃は、今見た姿が燕山君の本当の姿だと言い、チンソン大君に警戒心を持てと言いました。
でも、チンソン大君には兄を信じる気持ちがありました。
なぜならその日、落馬した自分は大怪我をすることなく、かすり傷で済んだわけで。それは全て兄が昔教えてくれたからだと分かっているからなんです。
愛しているからこそ、教えてくれたわけで、殺したいと本当に思っているのなら、これまで生かして来た理由が無い・・・と。
燕山君は、酷い言葉を言い放ったからと言って、気持ちが晴れたわけではありませんでした。
悶々とする気持ちを晴らしたいと、密かに宮殿を抜け出し、温泉に向かいました。
その姿を見かけたチェギョンは、チンソン大君だと思い込み、後を追いました。
そして、温泉地で、二人は出会うのです。
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