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前回の記事は、こちらから。
ミシルは、貴族たちは誰も穀物を売るなんて事をしないだろうと言いました。
でも、それは貴族が一枚岩だった場合だけです。一口に貴族と言っても、全員が団結してるわけじゃないので、足並みをそろえるなんてことは無く、自分たちが痛手を負うと分かったら、我先に被害を食い止めようとするはずなんですね。
トンマンは、そこを突いたのです。
現に、ハジョンがうろたえて売りに走りましたし、父のセジョンも、ミシルの弟のミセンも同様の行動に出ました。
もう、貴族たちはミシルでさえ押さえられなくなったのです。
市場は混乱を極め、その中で値が下がった穀物をトンマンは安く手に入れることに成功したのです。
トンマンは、利益を得ただけじゃなく、欲に走って民をないがしろにしたら、無謀な王女がどんな手を打つか分からないぞと貴族に釘を刺したんですね。
ミシルを賢い人だとトンマンは言いました。
「鋭い洞察力もあります。行動力や指導力にも優れています。それなのに、なぜ真興大帝以降、新羅は発展しないのですか?」
ミシルにそう問うたトンマン。
ミシルは、眉を上げただけで、何も言わずその場を後にしました。思いもよらない言葉だったんでしょう。皮肉じゃなく、心からトンマンが疑問に思ってるというのが分かったからかも。
ピダムは、トンマンの下で花郎として働いてます。
でもね、トンマンがユシンに物事を相談してるのを、切なそうな目で見つめています。
その一方で、チュンチュをうま~く使ってますが、チュンチュが実は遊び人を装ってるだけかも・・・と気になってもいるようです。
トンマンは、今回の事で得た利益を、農機具作りに使おうとしています。
それまで農具は質の劣る鉄で作られていた為、荒れ地を耕作地にしようとしてもなかなか進まなかったのです。
だから、武器を作るような質の良い鉄で農具をつくるよう命令を出しました。
そんなある時、安康城で暴動が起こるのです。害虫被害で収穫量が減ったにも関わらず、例年通りの税を徴収され、手元に何も残らない状況に追い込まれた民が、城を襲って太守を人質に取ったのです。
トンマンは、直接出向いて行き、村長たちと会いました。
そして、村長たちと交渉したのです。
トンマンは、村人に強い鉄でつくった農具を与え、荒れ地を開墾させようと思ってる事を話しました。
徴収した今年の税分の穀物を返し、荒れ地を開墾させ、開墾した土地は村人のモノとし、そこで取れた穀物の中から、今年の税分と利息分を合わせた量を税として返すよう持ちかけたのです。
その他の収穫物は村人のモノとする・・・と。
それをのむなら、今回の罪は許す・・・と。
なのに
村人はトンマンとの約束を破り、返して貰った穀物と新しい農具を持ち逃げしたのですよ。
大きいショックを受け失望したトンマン。
ミシルは、言いました。
「民は子どもと同じなのです。処罰は断固として厳しく、褒美は少しずつゆっくり、それが支配の基本です。」
民は、これまでに経験の無かった事だから、信じられなかったのですよ、支配者の言葉を。
「これで真興王以来発展が無かった理由が分かりました。あなたは国の主ではない。国の主であれば民を我が子のように思い、話をして理解させようとします。そして幸せを願うはずです。でも、あなたは主じゃないから他人の子を世話する気持ちだったのでは?叱って押さえつけ寝かしつけようとした。主でない者が国や民の為に夢を見られますか?夢無き者の時代は前進しません。」
このトンマンの言葉に、勝ち誇ったようなミシルの表情がこわばりました。
「処罰は厳正に、褒美は少しずつ、そして、前例にならないように処理するつもりです。」
そう言って、トンマンは村に行きました。
逃げた村民が捕まえられていました。
村長たちに、逃げた理由を問いただしたトンマン。
でも、村民たちは、許しを請うばかりで、理由らしき理由はありません。貴族と同じ様に、トンマンも自分たちから利息と言って税を取り立てようとしてるだけじゃないのかと言うだけです。
要するに、トンマンを信頼してはいないと言う事です。
「お前は私との信義を捨て、村人の未来を捨てた。」
そう言って、トンマンは村長たちを切り捨てたのです。
周囲、騒然としました。
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