今回は「般若心経」の全文(266文字)を掲げます。
『仏説 摩訶般若波羅蜜多心経』
観自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。照見五蘊皆空。度一切苦厄。
舎利子。色不異空。空不異色。色即是空。空即是色。受想行識亦復如是。 舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増不減。
是故空中無色。無受想行識。 無眼耳鼻舌身意。無色声香味触法。 無眼界乃至無意識界。無無明亦無無明尽。乃至無老死亦無老死尽。無苦集滅道。
無智亦無得。以無所得故。菩提薩埵。依般若波羅蜜多故。心無罣礙。無罣礙故。無有恐怖。遠離一切顛倒無想。究竟涅槃。
三世諸仏。依般若波羅蜜多故。得阿耨多羅三藐三菩提。故知般若波羅蜜多。
是大神呪。是大明呪。是無上呪。是無等等呪。能除一切苦。真実不虚。
故説般若波羅蜜多呪。即説呪曰。
掲帝。掲帝。波羅掲帝。波羅僧掲帝。菩提僧娑訶。
般若心経。
(「般若心經 講話」・橋本凝胤 著・誠心書房刊 P4~P7)
私の書棚には「般若心経」の解説本が17冊並んでいます。これ以外にも、私は約30年間に渡って読書し、考え、唱えてきましたが、未だに納得できる解釈の仕方が定まっていません。
考えてみれば、「般若心経」の教えは、当に、仏教で説かれる「知恵の完成」の教えです。私のような凡人が絶対的な解釈などできるわけがありません。
『八千頌般若経』の中で世尊は次のように述べられています。 ”この知恵の完成の意味を解釈し、心で吟味し、すぐれた知識に従って、それに 熟慮を加えるとしよう。正しい教えを長く存続させるために、「仏陀の案内人(知恵の完成)が断絶しないように、正しい教えが消えないように、(以下・・・・・・省略)」”と。 ( 大乗仏典2 八千頌般若経 Ⅰ 梶山雄一訳 中央公論新社 P91 )
まことに意味深いことばです。私はこれからも、このような教えがあることを念頭に置いて、「般若心経」を唱え続けて行こうと考えています。