『黒幕と言われた男』の著者の戯言

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池田理代子さん来たる—塔全国大会

2016-08-24 16:34:16 | 日記
 私の所属する短歌結社「塔」では毎年夏に全国大会が各地持ち回りで行われる。

 今年は岡山で開催され私は前日から一人であちこち観光した。その話は後で書くとして

今年の目玉は「ベルサイユのばら」の作家でかつ声楽家の池田理代子さんを招いての講演であった。

私は漫画やアニメにはほとんど触れたことがないが、みなさん結構ファンがおられた。

初めに真中朋久氏が漫画が詠み込まれた短歌を紹介する講演があり、次いで池田氏が表現者として

アニメの世界においても言葉の大切さ・詩心などについて話された。そののち池田氏・吉川宏志氏・

永田紅氏の鼎談が行われた。主に紅さんが司会を務められたが、ベルばらをはじめ池田作品の大ファン

で作品の舞台をわざわざ家族で旅されたそうでその時の映像などを使って興奮冷めやらぬ様子で話は

かなり専門的な部分にまで踏み込まれた。作品の制作にあたって絵が先か言葉が先か 編集者と作家の

立場の強弱などなかなか聞けない話題が沢山あった。

 夜の懇親会の最後に池田氏が塔への入会を表明され、ここでも大いに盛り上がった。

塔にはピアニストの河野美砂子という著名人がいるがもう一人スター歌人の誕生まじかである。


 前日、岡山県の中でも山深い吹屋地方を観光した。ここは弁柄の生産で財を成した歴史的な地方で

ある。べんがらと言えば京町屋の格子戸がまず浮かぶが、それがこんなところで生産されていたとは

つゆ知らなかった。もともと銅が産出され鉱石から銅を採った捨て石であった硫化鉄鋼から酸化第2鉄

(Fe2O3)が偶然発見され、それを松の薪で700度の高温で焼き、水を加えながら石うすで挽き、次に

酸を抜くために綺麗な水で100回くらいかき混ぜて天日干しにするそうだ。その銅を掘った坑道にも

入ってきた。狭い坑道はほの暗く両側の岩や天井から水が浸みて薄気味悪い。平日で観光客もいない

ので一人では足がすくんで進めない。ガイド役のタクシーの運転手さんが後ろから押してくださった

のでどうにか奥まで進めた。途中に当時の様子を再現するために坑夫の人形が置いてあったのには

あまりリアルで逆にキャーと悲鳴を上げた。

  夕方、岡山駅へ帰ってきたがホテルがよくわからない。地図はもらっているがそれが不正確で

どちらへ進むのか見当がつかない。駅前で話し込んでいた高校生か大学生かと思われるペアーに

地図を見せて道を尋ねたらすかさずスマホを出して調べてくれてそのホテルが見えるところまで

同道してくれた。なんと親切な人たちよ。私ならとてもそこまでのことはようしない。

 ホテルのレストランがあまり美味しそうに思えなかったのでフロントで近くにいい店がないか

教えてもらって行った店が大当たり。旅先でこんなにおいしい店に出会えたとは幸せ。聞けば板長は

京都の中村楼で修業をしたとか。さすが納得。

 帰って明日の観光をフロントに相談したら後楽園と岡山城が夜間拝観しているからとシャトルバスの

チケットをくれた。残念なことに京都でのライトアップをイメージしていたら少し違って、後楽園の

池に風船のようなものを浮かべて多色にライトアップしているだけなのでパンフレットいある幻想的

とは思えず美しい庭は何も見えず隣のお城だけが美しく闇にライトアップされていた。帰りのタクシー

の運転手さんと話していたら「奥さん早口ですな。そんな早く喋られたらついていかれまへん。そやけ

ど早口は頭の回転も速いことだろうから認知症にはなりませんわ」と言われた。そういえば、前日の

運転手さんにも「奥さん健脚ですな。そんなに急いで歩かなくても旅先ではのんびり楽しんで歩いて

ください。奥さんは目的地までまっしぐらや」と笑われた。日頃の癖は抜けないものだ。

 そして翌日は吉備津神社へ行った。駅の案内所の説明では駅降りたらすぐとのことだったこれも

京都人の予想とちがって日陰もない田舎道を10分あまり歩いてやっと鳥居が見え、長い参道を進んで

屋と着いたら社務所まで 長い階段。さらに本殿へへ急な階段。登り切って思わず転んでしまった。

あとは長い回廊があって途中にいくつか摂社があるがすべて高い階段。下から会釈して通過。

神話で有名な鳴る釜があって釜の火は神代の時代から燃え続けているそうで吉兆占いの神事の場所は

写真撮影も禁じられていた。

 島根県が神話の国との認識はあるが岡山も神話の国とは認識不足であった。他に古墳もあれば

鬼の城というところもある。岡山市内はさすがに発展して駅前は立派なホテルが林立しているが

JRの支線を旅すれば山や田畑の美しい日本の古里であった。忙しいが楽しい旅であった。





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