中国では誕生日のときに麺類を食べる習慣があると聞いていますが、今回は6月19日に誕生日を迎えた中国語担当の劉 ていぎょく講師に誕生日の思い出と出身地である西安の麺類について尋ねました。
Q:誕生日の思い出と欠かせない食べ物は何でしたか?
劉:私たちの年代特に女性の場合は、誕生日にケーキを欠かすことはできません。小さい頃両親は誕生日になるとイチゴのケーキを買って用意してくれましたが、私はケーキもイチゴも大好物なので嬉しさは2倍でした。大学生になると寮生活でしたが、やはり楽しみは誕生日を迎えた人にはケーキを買ってお祝いをしました。そして、誕生日のときにはたくさんの友人が集まって部屋の中で火鍋を囲み、夜遅くまでおしゃべりしながら過ごしました。本当のことを言いますと、寮の部屋では火気を使用することが禁じられていたのですが、誕生日の日だけはこっそり見つからないように鍋料理をするのが定番になっていました。
Q:中国では誕生日に麺類が欠かせないと聞きますが、劉さんの家ではどうでしたか?
劉:麺類は長寿につながると言われ、中国では誕生日などに縁起の良い食べ物としてよく食べる習慣があります。ただ我が家では誕生日に必ず麺類を用意するという習慣はありませんでしたが、外食をしたときそのお店に麺類のメニューがあるときはよく食べさせてもらいました。私の場合はトマトと卵を乗せた麺やひき肉の入った麺が好きだったので、注文するときは大体いつもどちらかを選んでいたという記憶があります。
Q:劉さんの故郷の西安には有名な麺類はありましたか?
劉:西安で有名な麺としては「ビャンビャン麺」があります。これは日本のうどんによく似た食感で幅広の麺ですが、麺を打つときに「ビャンビャン」ということから名づけられたという説もあります。ところで、「ビャンビャン麺」の「ビャン」の漢字を石に刻んだものが下の写真ですが、この字を正確に書くことは中国人にとってもとても難しいのですよ。ちなみにこの石は西安にある城壁外側にある西安名物料理店が集まったエリアの一角にあります。
ビャンビャン麺
「ビャンビャン麺」の「ビャン」の漢字を刻んだ石
Q:日本でも有名な「刀削麺」も西安の麺ですか?
劉:「刀削麺」はもともと西安のある陝西省ではなく、山西省あたりが発祥の地であるといわれていますが、今では西安あたりでも「刀削麺」はとてもポピュラーでとても多くのお店で食べることができるため、日本ではむしろ西安の麺であるという印象があるかもしれません。「刀削麺」は水で練った生地の麺を持って、湯の沸いた鍋の前に立ち、「く」の字に曲がった包丁で生地を削り落として鍋の中に入れて茹でます。名古屋にもこの専門店がありますので、皆さんの中にもこの調理する姿を目にされた方も結構多いのではないかと思っていますが、まだ見たことのない方には是非一度見ていただきたいと思います。同じ太さに麺を削る技と削って飛ばされた麺が確実に鍋の中に入れられる技は一見の価値があると思いますよ。