悠々茶房ブログ

名古屋市東区にある中国茶カフェ・語学教室のブログ!教室イベントの記事、中国茶の記事、中国・アジア各国の文化も紹介します♪

中国の寒さ対処法

2015年12月27日 11時32分53秒 | 現中国語講師

 中国東北地方は中国のなかでも寒さが厳しい地域ですが、今回は東北地方出身の劉 せいせい講師と袁 悦講師に中国の寒さ対処法について語りあっていただきました。

劉:私は吉林省長春の出身で冬になるとマイナス30度を下回ることもあります。ですから冬に外出するときはズボンは3枚程度重ね着し、上半身も3~4枚程度着た上にダウンのジャンパーなどを身につけます。それでも朝や夕方以降に外出すると寒いというより痛さを感じるので、買い物などはできるだけ太陽の出ている時間帯に済ませるようにしています。

袁:私の住んでいた遼寧省撫順でも冬にはマイナス30度近くになることがありました。私も外出するときは毛糸や綿の素材の下着やセーターを着用したうえで、ダウンジャケットを着たりしていましたが、特に下半身は冷えるので綿の入ったブーツも欠かすことができませんでした。それでも太陽が出ていない時間帯に外出すると長い時間過ごすことができないので、できるだけ太陽の出ている時間に用事を済ませるようにしていました。

劉:外はとても寒い東北地方ですが、この地方では家のなかの壁に沿ってパイプが通り、ここに熱い湯を通して家中を暖める暖房システムになっているため、室内温度は20度以上になって真冬でも半そでで過ごすことができるほどでした。日本の友人はそんな寒い場所で生活していたのだから寒さに強いだろうと思われているのですが、毎日暖かい家の中で生活しているので、東北地方出身の女性は実際には寒さに弱い人が結構多いのですよ。日本の大学では暖房を入れても良い時期が定められていて、設定温度も18度になっているので、むしろ日本で生活する方が寒さが堪えるといってもいいかもしれませんね。

袁:私の住んでいるところでもそのような暖房システムになっているのですが、我が家ではもう少し室内温度は低いため半そでで過ごすようなことはありませんでした。ですから、私も東北地方出身者ですが、劉さんに比べると寒さに弱くはないかもしれません。あと、東北地方では寒さ対策として二重窓を採用している家が多いのも特徴といえるでしょう。ただ、中国でも中部から南部にかけての地域ではこのような暖房システムを採用していませんので、日本と同じようにエアコンやストーブなどの暖房器具で生活しているようです。いずれにせよ、中国東北地方には寒さに弱い女性が多いのは確かなようで、特に日本の社会人、高校生などが真冬にミニスカートをはいたり、素足のままでいるのを見かけると、本当に驚いてしまします。

劉:寒さ対処法として食べ物について言えば、私の出身の吉林省には朝鮮族の人も多く住んでいるので、犬肉の鍋料理をよく食べます。犬の肉は体を温める効果があるといわれているので、寒さ対策としても有効なのです。あと、寒いときにはお酒も欠かすことができず、食事のときに白酒というアルコール度数50度程度のお酒を飲む習慣があります。そのほか、秋になると冬の備えとしてたくさんの野菜や果物を買って地下倉庫に保存します。たとえば梨は外の寒い場所において凍らせると甘みも増しますし、長期保存ができるようになるのです。また、白菜は東北地方の家庭にはなくてはならない「酸菜」という漬物にして長期保存した後、鍋物や炒め物などに使用します。

袁:あと、中国の冬の鍋物といえばやはり火鍋ですね。日本でもよく知られるようになりましたが、赤くて辛いスープと辛くない白濁したスープに具をつけていただくのですが、辛さによって体が温まり中国の冬の風物詩でもあります。私の住んでいる場所でも犬料理専門店がありましたが、羊肉料理もニーズが高まります。羊肉も犬肉と同様に体温を暖めるほか、栄養もとれるため東北地方の寒さ対策としてよく食べられます。また、我が家でも冬が来る前に白菜や葱などを100キロほど買っておき、野菜倉庫に保管しておきます。白菜は酸菜という漬物にしたうえで、親戚に配ったりしてお互いに助け合って長い冬を過ごすのが習慣になっているのです。

劉:東北地方では風呂に入る家庭は少なくシャワーだけで済ませてしまうため、寝る前には足浴をしたうえでマッサージをして足の血行をよくしてから寝る人も結構います。足を暖めることによって深い眠りにつくことができると言われているからです。そして、朝目覚めた後は朝食に暖かいお粥を食べたりして、また寒い一日の生活がスタートするのです。

袁:寒い日には運動不足になりがちなので、若者のなかには全面的に凍った川の氷の上でスケートしたりする光景もみられるのが、東北地方の冬の光景です。でも、お年寄りなどは外で運動することもできないので、暖かい暖房のよく効いた家のなかで家族や友人などとマージャンをしたり、囲碁・将棋を楽しんだりして長い冬の時間を過ごすのです。

 


日本と中国の生活習慣

2015年12月18日 10時46分41秒 | 文化・生活習慣

 今回は中国語講師の劉 ていぎょく講師と袁 悦講師に、日本と中国の生活習慣の違いについて感じたことについて語り合っていただきました。

Q:まず大学生活のなかで違いを感じたことは?

袁:中国の大学生は寮生活が基本で、たとえ自分の家と大学が近くであっても、2年生くらいまでは寮生活をしなけれなならないことになっています。また、特に有名な大学については、全国各地から学生が集まるので、どうしても寮生活をしなければなりません。寮の部屋は3人部屋や4人部屋が多く、寮の部屋で生活するうちに友人関係が強まることが多くあります。一方、今通っている日本の大学では通学している学生が多く、たとえ通学時間がかかっても通学する学生が結構多いように思われます。また、日本の学生は相部屋を好まない人が多いようで、マンションなどで一人暮らしするケースが多いのではないかと思います。

劉:中国の大学では学生の数が多いので、食堂の数が多いうえ、大きさも日本の大学よりもかなり大きいですね。また、日本の食堂に比べるとメニューが豊富なので、毎日食堂で食べてもあまり飽きてしまうということはなく、その点では中国の大学の方が良かったと思います。あと、日本の大学生はバイトをする学生が多く、バイトの種類もまちまちですが、中国ではバイトをする学生は多くなく、しかもほとんど家庭教師に限られています。さらに、日本の大学ではサークル活動が活発であるのに比べ、中国では日本ほどサークル活動に熱心な学生は少ないのではないかと思います。

Q:次に家庭生活では何か違いはありますか?

袁:中国では夫婦共稼ぎをするのが基本になっています。ですから、家事は早く仕事が終わった方が買い物をしたり、食事をつくったりするのが基本なので、ご主人の方が料理をするのが上手であるという家庭も少なくありません。日本でも最近は夫婦で共稼ぎをする家庭が増えているようですが、それでも出産などのために仕事を辞めてしまう女性が多いと聞いていますし、専業主婦の人も結構多いと聞いているので違いはあるのだと思います。

劉:中国では出産しても子供は祖父母に預けたりする家庭も多く、会社を辞めずに働き続ける人がほとんどです。また、日本の場合は残業したり、会社帰りに同僚と酒を飲みに行ったりする人も多く、自然に家庭の仕事は女性の役割になっているケースが多いのではないでしょうか。一方、中国では仕事帰りに会社の同僚と酒を飲みに行くという習慣はほとんどありませんし、IT関係など一部の職種を除けば日本ほど残業する人も少なく、また時間も限られるのではないかと思いますね。

Q:食生活でも習慣に違いはありますか?

袁:中国では生物を食べることは少なく、日本に来るまではキャベツをサラダで食べたことはありませんでしたし、刺身や寿司もあまり食べたことはありませんでした。また、冷たいご飯を食べる習慣はなく、中国ではおにぎりを食べたことはありませんでしたし、お弁当を冷たいままで食べる人もほとんどありません。中国の学校や会社には保温器が設置されていることが多く、家から弁当を持ってきた人は必ずそこに入れて、暖かいご飯をたべるのです。また、中国では飲み物についても冷やしたものを好まない人は多く、特に年配の人は温かい飲み物しか飲まない人も結構います。

劉:この前日本に来た両親はわざわざ中国から魔法瓶を持ってきて、外出するときは必ず熱いお茶を入れて持ち歩いていました。というのは、日本の飲食店では最初に冷たい水を出す習慣があるようですが、中国では水を出すことはなく、出す場合は熱いお茶しかないので、両親は初めて水を出されたときには驚いてしまい、それからは熱いお茶を持ち歩くようになったのですよ。そのほか、中国では朝ご飯は外食する人が多く、お粥、油条という揚げパンのようなもの、麺類などを食べたりするのですが、日本のように食パンを食べることはほとんどありません。また、日本では喫茶店でモーニングサービスを食べる人も多いと聞きますが、中国にはそのようなものはありません。あと、私が一番驚いたのは日本のランチでラーメン、餃子、炒飯がセットになったものがあるのですが、これらはすべて米や小麦からできた主食なので、中国ではこのような組み合わせのものは決してありません。

Q:最後に街のなかで違いに気づいたことはありますか?

劉:中国では街のなかには至る所にゴミ箱があるのですが、日本にはあまりゴミ箱が設置されていないので、ゴミは家に持ち帰るか、コンビニで買い物したときに捨てるしかなくて、そこには違いがあります。また、日本では公衆便所にもトイレットペーパーが設置されていますが、中国では公衆トイレや小さな飲食店ではトイレットペーパーがないことも多く、中国に帰ったときには日本の習慣になれてしまってティッシュペーパーを持ち歩くことを忘れてしまい、困ってしまうことが時々ありますよ。

袁:ゴミ箱について言えば、日本のコンビになどに設置されてあるゴミ箱では、きちんと分別して出すようになっていますが、中国の街中にあるゴミ箱では分別するようになっていないので、あらゆる種類のごみが一緒に入れられてしまいます。トイレについて言えば、日本の公衆トイレは清潔が保たれているし、トイレットペーパーを持ち帰ってしまう人もいません。中国でも今後は日本のように公共の施設や物品を大切にする意識や環境に配慮する意識をもっと高めるようにしなければならないと感じています。


ロシア、ドイツの寒さ対処法

2015年12月08日 11時00分57秒 | 文化・生活習慣

 今回はロシア語担当でハバロフスク出身のコルコ マリア講師とドイツ語担当でハーゲン出身の森 桃講師に、それぞれの国の寒さ対処法について語り合っていただきました。

Q:出身地はどの程度の寒さであるか、そして冬の一般的な服装を教えてください。

コルコ マリア:ハバロフスクは12月から2月にかけてが最も寒く、最低気温がマイナス40度を下回ることがありますので、毛皮のコート、ブーツ、帽子と手袋、マフラーを欠かすことはできません。上半身はコートの下に3~4枚程度を重ね着しますし、下半身もタイツを2枚はいてズボンを着用します。ロシアのブーツにはトナカイの毛でおおわれたものなどがありますし、「ウシャンカ」という耳当てのついた毛皮の帽子はロシアを象徴する服装として知られているようですが、最近の都会ではこのような帽子を着用する人はかなり減少しました。

森 桃:ハーゲンは名古屋に比べると冬の寒さは厳しいのですが、冬の最低気温がマイナス10度程度、昼間の気温が5度程度ですので、ロシアに比べるとそれほど寒くはありません。父の話によれば昔は雪もよく降ったと聞いていますが、最近では雪もあまり降らないので、これも温暖化の影響かもしれません。それでも、冬に外出するときはダウンジャケットなどのほか、毛皮のブーツ、マフラー、帽子、手袋を着用する人がほとんどであると思います。上半身は3~4枚を重ね着しますし、ズボンの下にはタイツをはく人も多いと思います。あと、ドイツではフード付きのコートを着る人が多く、冬に雨が降ったときにも傘をささずにフードでしのぐ人も結構います。

Q:家の暖房はどのようにしていますか?

コルコ マリア:ロシアではセントラル暖房が主流で、熱いお湯が各家庭の壁に設置されたパイプを通り、部屋を暖めるため室温は20度を超えています。古くはペチカと呼ばれる暖炉が普及していましたが、最近ではセントラル暖房のおかげで、特に都会ではペチカやストーブも不要になってきています。最近では床暖房をしている家庭も増えていますので、私も小さい頃家のなかのキッチンや浴室などでは裸足になって歩いたりしていました。ロシアの冬は寒くて厳しいという印象を持っている人も多いかもしれませんが、室内だけで考えれば日本よりもロシアの方が暖かいと言えるのではないかと思います。

森 桃:ドイツでは電気ヒーターやエアコンを使用する家庭が多いのですが、床暖房も採用している家庭も結構あるのではないかと思っています。ただ、ドイツでは原子力発電は採用せず、クリーンエネルギーの比率を高めるようにしているため、電気料金は高くなっています。したがって、暖房も必要最低限にとどめている家庭が多く、部屋のなかでは普通セーターなどを着用して過ごしている人が多いと思います。また、寒い地域では家の間口を狭くしたり、二重窓にしたりして熱を逃がさない工夫がされているのも特徴のひとつです。

Q:寒いときに食べる料理や飲み物を教えてください。

コルコ マリア:ロシア料理は保存食を利用した料理やスープ料理に特徴があるのですが、寒いときに食べるスープ料理の代表的なものが「ボルシチ」で、これは日本の皆さんもよくご存知だと思います。そのほか、「ペリメニ」と呼ぶロシア風水餃子や「ビーフスロトガノフ」なども寒いときに栄養を蓄える料理になります。ロシア人はよく紅茶を飲むのですが、日本の友人からは「ロシア人は紅茶にジャムを入れて飲むそうですね。」とよく言われるのですが、実はこれは一般的な飲み方ではないのですよ。あと、ロシア人はお酒が好きで、ウオッカというアルコール度数の高いお酒は日本人にもよく知られているようですが、これは寒さ対策というよりお酒好きなだけではないかと思っています。

森 桃:厳しい冬を越すためために、ドイツの伝統的な料理にはスタミナ満点の料理が数多くあり、大きな肉の塊をローストしたり、濃厚なソースにからめたりして作ります。また冬の保存食としてハムやソーセージが発達してきたことも特徴のひとつです。ドイツ人は紅茶よりもコーヒーやココアなどをよく飲み、暖かいパンケーキやワッフルなどを一緒に食べたりします。あと、寒い時期のアルコール飲料としては「グリューワイン」を欠かすことができません。これは赤ワインにシナモンなどの香辛料、砂糖などを加えて暖めてつくるのですが、ちょうどクリスマスシーズンの風物詩とも言える飲み物です。さらに、「アイヤーリキュール」と言う飲み物は、蒸留酒に卵黄、ミルクを混ぜて飲むドイツ風「たまご酒」とも言える飲み物です。

Q:最後に寒いときのレジャーを教えてください。

コルコ マリア:日本人は風呂や温泉が好きで、寒い時期は特に温泉などに出かける人も多いと聞いているのですが、ロシア人にとっては「バーニャ」と呼ばれるロシア式サウナを愛する人がとても多いのです。もちろんサウナですから汗を流して体を綺麗にするという効果もあるのですが、寒い時期には体を温めるために「バーニャ」を訪れる人が増えるのです。私の父親も「バーニャ」好きで、毎週通っていたという記憶があります。

森 桃:ドイツでは冬でも雪遊び、氷遊びをする子供や若者は結構多くいます。特に子供は雪遊びが好きで、雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、そりすべりをしたりして楽しみます。また、若者のなかにはスキーをしたりスケートを楽しむ人も結構多いので、冬であっても家のなかでじっとしているばかりではありません。きっと、日本の寒い地方に住んでいる子供や若者も同じように寒さを楽しんでいるのではないかと思いますので、あまり違いはないのではないかと思います。