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悠々茶房ブログ

名古屋市東区にある中国茶カフェ・語学教室のブログ!教室イベントの記事、中国茶の記事、中国・アジア各国の文化も紹介します♪

中国の春

2016年04月19日 10時40分03秒 | 現中国語講師

 今回は中国語担当の劉 せいせい講師と黄 雅婷講師に中国では春を何で感じるか、またどのように過ごすかなどについて語り合っていただきました。

Q:中国では秋に「中秋節」がある一方、春には「清明節」があるそうですが、これはどんな日ですか?

劉:春風が吹き暖かくなると空気は新鮮で爽やかになり、天地は明るく清らかになるので「清明節」と呼んでいます。清明節は毎年4月5日前後の日になりますが、この日には先祖の墓に行ってお参りをする習慣があります。またそのときには紙のお金を燃やす習慣もあるのですが、これは先祖の人があの世で不自由をしないようにという願いを込めた行事なのです。通常は紙でお金を作るのですが、なかには車や馬などを紙で作り、これを燃やすこともあるようです。

黄:清明節になると中国各地で春を感じるのですが、お茶の産地では清明節の時期は大切な時期になります。たとえば中国緑茶を代表する龍井茶というお茶がありますが、清明節の前に摘んだ茶葉は最も香りと甘みがあり高級な茶葉であるといわれ、清明節の前という意味で「明前茶」と呼ばれています。茶葉を扱うお店では「明前茶」と表示してあることがありますので、買われるときに注意して見ると良いのではないかと思います。お墓参りの話が出ましたが、我が家では祖父母がいた頃は金色と銀色の紙で昔のお金の型をつくって墓参りをし、そこで燃やすことをしていましたが、祖父母が亡くなってからはそのような習慣がなくなってしまいました。

Q:中国では春に桜の花見をする習慣はありますか?

劉:私の住んでいた吉林省の長春はとても寒い地域ですので、桜の木はほとんど見られません。中国人は梅の花を好みますが、梅が咲く時期はまだとても寒いので、日本の花見のように花を見ながら弁当やお酒を飲んだりすることもありません。散策しながら思い思いに梅の花を眺める程度であると思います。日本人は桜の花の薄いピンクに哀愁を感じ、また花が散る様子を見て感傷にひたるといいますが、中国人は鮮やかな色を好むため真っ赤な梅の花や、大きく色鮮やかな牡丹の花を好む傾向にあります。ただし、最近では花見シーズンにあわせて日本を訪れる中国人観光客も増加しており、観光もいわゆる「爆買い」だけでなく、花見を楽しんだり茶会の体験をしたり、日本料理を味わったりというように日本の文化に触れるツアーがこれからはもっと増えるのではないかと思います。

黄:日本といえば桜の花ですが、中国の花と言うとやはり牡丹の花ですね。私の住んでいた河南省洛陽では牡丹が市の花になっていることもあり、毎年4月には牡丹祭りが行われるので、この祭りになると春がきたことを実感します。もちろん牡丹の花を見ながら弁当を食べたり酒を飲んだり、カラオケをしたりということはなく、家族や友人と一緒に公園を散策して花見をするのが一般的です。洛陽にもあまり桜の木はないので桜の花見をすることもありませんが、桜の時期に合わせて本当に多くの日本人が花見をし、また盛大に楽しむのは独特の文化であると感じます。

Q:中国で春になると食べる物を教えてください。

劉:今では春に限定されず年中食べられているのですが、元来は立春のときに食べる行事食に「春餅」があります。春餅は私の住んでいた吉林省を含む中国東北地方でよく食べられる料理で、小麦粉を水で溶いて円形に薄く延ばして油で焼いたものです。この春餅に肉料理、野菜料理、卵料理などを乗せて巻いて食べます。その他、私たちの地域ではよく立春の時期になると豚の頭を食べるのが伝統になっています。豚の頭を龍の頭に見立て、これを食べることによって龍のように上昇していくようにという縁起を込めた料理であるといわれています。

Q:春になると中国大陸から黄砂が日本にも飛来しますが、住んでいる地域では影響はありませんか?

黄:中国の北西部にはタフラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原があり、黄砂の三大発生地として知られています。黄砂は一年を通して発生する現象ですが、春は最も発生しやすい気象条件が整ううえ、偏西風にのって遠方まで運ばれるため黄砂は春を連想させる気象現象になっています。私の住んでいた河南省は黄河中流域の内陸部にあるため、西部にある砂漠地域からの砂が飛んできやすい地理条件にあります。したがって、春になると黄砂によって空がかすんでしまうこともしばしばあり、しかも年々ひどくなっているように感じられます。政府も植林をすすめるなどの対策を講じていますが、早く改善されることを人々は願っているのです。

 


春節の思い出

2016年01月28日 12時20分49秒 | 現中国語講師

 中国では一年で最大の行事といわれる春節ですが、今年は2月8日が旧暦1月1日にあたります。そこで、今回は中国語担当の劉 婷講師と袁悦講師に春節の思い出について語っていただきました。

Q:大晦日にはどのようなことをして過ごしますか?

劉:大晦日の夜は家族そろって「春節晩会」という、日本の「紅白歌合戦」のような番組を見るのが恒例になっていました。そして番組を見ながら水餃子をつくりはじめ、年が明ける12時前から家族で水餃子を食べました。12時になると街では花火などで賑やかになるので、それを見たりすると寝るのが遅くなってしまい、新年の朝は少し遅めに起きてまた水餃子をいただきました。新年に食べる水餃子にはコインを入れたものをつくり、それが当たった人は一年の運勢が良いといわれているので、こうして運勢を占ったのです。

袁:我が家では大晦日に祖父母などが集まって過ごすことが多く、皆で昼ごろから夕食の準備に取り掛かり、夕食は普段よりも少し贅沢な料理が食卓に並びました。夕食が終わると「春節晩会」という番組を見たり、大人はマージャンをして過ごすのですが、夜遅くになると女性たちは水餃子つくりを始めます。このときに食べる水餃子は年齢の数だけ食べるのだと言われていましたが、さすがに大人は年齢の数も食べることができませんでした。12時になるとあちこちで爆竹が始まりますので、とても煩いほどの賑やかさです。都会では爆竹は禁止になりましたが、我が家のあたりはそれほど人家が密集していないので、爆竹をしないと新年を迎えることができないという感じでした。

Q:新年になってからはどのように過ごしますか?

袁:これは大晦日から新年にかけての夜にすることですが、田舎の家では庭先で、都会では街中の十字路で「紙銭」を燃やすことをしました。これは先祖の人があの世でも良い年を越せることができますようにという願いを込めて行う行事で中国の伝統的な行事です。一方、この世で生活する私たちは新年になると新しい衣服を着るのが通例になっていました。なかでもその年に干支を向かえた人は全身上着も下着も赤色にそろえるというのが良いといわれていましたが、我が家では少し抵抗があるので、赤系統の色でそろえたのを記憶しています。

劉:日本では門松を飾ったりしますが、中国では新年に家の玄関などに「福」の字を逆さまにして貼ったりするのが恒例になっています。「福」をさかさま(倒)にすると、福が来る(到)に通じるからと言われています。我が家では取引のある銀行からもらった飾りを貼り付けていましたが、近所には同じ銀行の飾りがいくつも並んだりしていて、少し恥ずかしいような気がしたものです。

袁:中国では「福」の字を逆さに貼るように、新年に縁起をかつぐことたくさんあります。我が家では正月料理に魚料理や豚足をいつも食べていました。「魚」の発音と「余」の発音が同じなので、「年年有余(魚)」つまり「毎年蓄えが増えますように」という願いを込めて魚料理を食べますし、豚の足は良い運気を持って来るといわれているので、豚足料理も欠かせませんでした。

Q:中国でも子供はお年玉をもらいますか?

劉:我が家では新年2日に母親の実家にあいさつをし、3日と4日に親戚の家をまわるのが恒例でしたが、子供の頃は両親に連れられて挨拶に行くとお年玉がもらえるので、それがうれしくてたまりませんでした。中国では赤い色が縁起の良い色であるとされているので、お年玉袋も赤色をしているのですが、お年玉袋をもらうと中にいくら入っているのかが気になったものでした。実は昨年春節の時期に中国帰国したのですが、大学生の私にも思いがけず親戚の人からお年玉をいただき驚いてしましました。でも子供でも大人になってもお年玉をいただくと、嬉しい気分になるものですね。

袁:我が家では1日には父親の実家に、2日には母親の実家にあいさつするのが恒例になっていて、私も小さい頃それぞれの実家に連れてもらい、祖父母などからお年玉をいただくのが楽しみでした。我が家ではもらったお年玉は母親が管理することになっていましたが、どうしてもほしいものがあるときは母親にお願いをしてお年玉から買い物をしたりしたものでした。

Q:そのほか、地域特有の行事は何かありましたか?

劉:私の故郷である西安では新年1日から15日にかけて城壁に沿って灯篭などを飾り付けしてライトアップするため、家族で散策しながらいつもと異なる光景を楽しみにしていました。あと、新年15日は家々の軒先に「灯篭」や「提灯」を飾り付けるするのが中国の伝統的行事なのですが、故郷では「提灯」などに紙をつりさげ、紙にはクイズが書かれていました。そしてそのクイズの答えを書いて広場の受付に提出し、正解であればプレゼントがもらえるようになっていたので、子供の頃はこの行事も楽しみのひとつでした。「提灯」に書かれた「なぞなぞ」なので、これを地元では「灯謎」と呼んでいました。


中国の寒さ対処法

2015年12月27日 11時32分53秒 | 現中国語講師

 中国東北地方は中国のなかでも寒さが厳しい地域ですが、今回は東北地方出身の劉 せいせい講師と袁 悦講師に中国の寒さ対処法について語りあっていただきました。

劉:私は吉林省長春の出身で冬になるとマイナス30度を下回ることもあります。ですから冬に外出するときはズボンは3枚程度重ね着し、上半身も3~4枚程度着た上にダウンのジャンパーなどを身につけます。それでも朝や夕方以降に外出すると寒いというより痛さを感じるので、買い物などはできるだけ太陽の出ている時間帯に済ませるようにしています。

袁:私の住んでいた遼寧省撫順でも冬にはマイナス30度近くになることがありました。私も外出するときは毛糸や綿の素材の下着やセーターを着用したうえで、ダウンジャケットを着たりしていましたが、特に下半身は冷えるので綿の入ったブーツも欠かすことができませんでした。それでも太陽が出ていない時間帯に外出すると長い時間過ごすことができないので、できるだけ太陽の出ている時間に用事を済ませるようにしていました。

劉:外はとても寒い東北地方ですが、この地方では家のなかの壁に沿ってパイプが通り、ここに熱い湯を通して家中を暖める暖房システムになっているため、室内温度は20度以上になって真冬でも半そでで過ごすことができるほどでした。日本の友人はそんな寒い場所で生活していたのだから寒さに強いだろうと思われているのですが、毎日暖かい家の中で生活しているので、東北地方出身の女性は実際には寒さに弱い人が結構多いのですよ。日本の大学では暖房を入れても良い時期が定められていて、設定温度も18度になっているので、むしろ日本で生活する方が寒さが堪えるといってもいいかもしれませんね。

袁:私の住んでいるところでもそのような暖房システムになっているのですが、我が家ではもう少し室内温度は低いため半そでで過ごすようなことはありませんでした。ですから、私も東北地方出身者ですが、劉さんに比べると寒さに弱くはないかもしれません。あと、東北地方では寒さ対策として二重窓を採用している家が多いのも特徴といえるでしょう。ただ、中国でも中部から南部にかけての地域ではこのような暖房システムを採用していませんので、日本と同じようにエアコンやストーブなどの暖房器具で生活しているようです。いずれにせよ、中国東北地方には寒さに弱い女性が多いのは確かなようで、特に日本の社会人、高校生などが真冬にミニスカートをはいたり、素足のままでいるのを見かけると、本当に驚いてしまします。

劉:寒さ対処法として食べ物について言えば、私の出身の吉林省には朝鮮族の人も多く住んでいるので、犬肉の鍋料理をよく食べます。犬の肉は体を温める効果があるといわれているので、寒さ対策としても有効なのです。あと、寒いときにはお酒も欠かすことができず、食事のときに白酒というアルコール度数50度程度のお酒を飲む習慣があります。そのほか、秋になると冬の備えとしてたくさんの野菜や果物を買って地下倉庫に保存します。たとえば梨は外の寒い場所において凍らせると甘みも増しますし、長期保存ができるようになるのです。また、白菜は東北地方の家庭にはなくてはならない「酸菜」という漬物にして長期保存した後、鍋物や炒め物などに使用します。

袁:あと、中国の冬の鍋物といえばやはり火鍋ですね。日本でもよく知られるようになりましたが、赤くて辛いスープと辛くない白濁したスープに具をつけていただくのですが、辛さによって体が温まり中国の冬の風物詩でもあります。私の住んでいる場所でも犬料理専門店がありましたが、羊肉料理もニーズが高まります。羊肉も犬肉と同様に体温を暖めるほか、栄養もとれるため東北地方の寒さ対策としてよく食べられます。また、我が家でも冬が来る前に白菜や葱などを100キロほど買っておき、野菜倉庫に保管しておきます。白菜は酸菜という漬物にしたうえで、親戚に配ったりしてお互いに助け合って長い冬を過ごすのが習慣になっているのです。

劉:東北地方では風呂に入る家庭は少なくシャワーだけで済ませてしまうため、寝る前には足浴をしたうえでマッサージをして足の血行をよくしてから寝る人も結構います。足を暖めることによって深い眠りにつくことができると言われているからです。そして、朝目覚めた後は朝食に暖かいお粥を食べたりして、また寒い一日の生活がスタートするのです。

袁:寒い日には運動不足になりがちなので、若者のなかには全面的に凍った川の氷の上でスケートしたりする光景もみられるのが、東北地方の冬の光景です。でも、お年寄りなどは外で運動することもできないので、暖かい暖房のよく効いた家のなかで家族や友人などとマージャンをしたり、囲碁・将棋を楽しんだりして長い冬の時間を過ごすのです。

 


中国の秋

2015年10月29日 10時28分25秒 | 現中国語講師

 中国語担当の黄 雅婷講師は9月生まれ、袁 悦講師は10月生まれの誕生日ということで、先日中国東北料理の店で誕生日祝い会を行いました。今回は二人の誕生日が秋であることにちなんで、中国の秋について語り合っていただきました。

左側が袁講師、右側が黄講師

Q:中国では秋はいつ頃、何によって感じますか?

黄:私は河南省の洛陽出身ですが、河南省は黄河下流域で中国全体で見ればほぼ南北の中央に位置しますので、秋の爽やかな時期は10月から11月にかけてです。中国には「秋高気爽」という言葉がありますが、高くて青い空、湿度も低く爽やかな空気の秋を表現しています。秋の果物と言えば私はすぐに「りんご」を思い浮かべます。秋になると家には箱の中に詰まったりんごがたくさん入った状態で置いてあるので、好きなだけりんごを食べることができたことを思い出します。そのほか、中国でも梨や柿といった果物も秋になると市場で見られるようになりますが、我が家ではやはり主役はりんごでした。秋の海産物といえば中国では「上海蟹」が有名ですが、この蟹は上海やその周辺地域では秋の風物詩であるのですが、河南省にまで出回ることはほとんどなく、私にとっては縁遠い食べ物でした。あと、日本では秋の魚として「さんま」や「さば」が有名ですが、中国では沿岸部以外の地域では海の魚を食べる習慣がほとんどないので、私は日本に来るまで「さんま」を食べたことがありませんでした。

袁:私は遼寧省撫順出身ですが、遼寧省は中国東北部に位置して日本で言えば北海道や東北地方の気候に近いので、秋の爽やかな時期は9月から10月上旬にかけてで、中旬以降になると早くも冬の装いになります。秋の果物については、私も黄さんと同じように「りんご」が思い浮かびます。この時期になるとお店にりんごが並ぶようになり、また我が家でもりんごをたくさん買っておくためです。あと、秋になると山菜が種類、数ともに豊富に出回るようになるので、とても楽しみが増えるのですが、日本で秋の味覚として有名な「松茸」はほとんど中国では食べられることはありません。また日本の皆さんは秋になると「上海蟹」を思い浮かべる人も多いようですが、上海からはるかに距離の遠い遼寧省では「上海蟹」は食べることも見ることもほとんどありません。あと、秋は長くて寒い冬支度の季節でもあるため、この時期になると白菜を大量に購入して、中国東北料理には欠かすことのできない「酸菜」という漬物をつくる準備にかかるのです。

Q:秋は行楽シーズンですが、中国でも旅行したり、紅葉を楽しんだりしますか?

黄:中国では10月1日の国慶節の日から1週間がゴールデンウイークになるので、中国では旧正月にあたる春節の時期と並んで行楽シーズンになります。もちろん旅行に出かける人も大勢いますが、家族ずれで遊園地や公園などの近場で遊ぶ人も多く、どこに出かけても人であふれています。一方、紅葉は大部分の地域でこの時期よりも遅くなるのですが、私の住んでいる洛陽あたりには紅葉の名所と呼ばれるような場所はありませんし、一般的に言えば中国では日本のように紅葉を楽しむという習慣もあまりありません。ただ、北京近郊には「香山」という有名な紅葉の名所がありますので、紅葉の時期に北京旅行する機会がありましたら、是非訪れてみてください。

袁:日本では「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」などと呼んで、秋に様々なイベントが開催されたりしますが、中国でも私の住んでいた東北地方は秋の期間が短く、秋は冬に備えるための準備期間という位置づけで、秋をのんびり過ごしたり、いろんなイベントを楽しんだりする余裕はほとんどありません。また、私の住んでいた遼寧省では紅葉するような落葉樹も少なかったので、紅葉の名所と呼ばれるような場所もありませんでしたし、紅葉を楽しむという習慣もありませんでした。

Q:中国では9月頃(旧暦8月15日)に「中秋節」という重要な行事もあるのですが、どのようにして過ごしましたか?

黄:中国では「中秋節」には月餅というお菓子を食べながら家族団らんで過ごすというのが一般的だと思うのですが、我が家でもこの日に放映される「中秋晩会」というテレビ番組を見ながら時間を過ごしていました。中秋節ですから満月を眺めながらと言いたいのですが、中国の都市部ではマンションやアパートでの生活が一般的で、我が家でも窓から少し眺めるだけの場合がほとんどでしたが、時には近所を散歩しながら満月を楽しむこともありました。

袁:我が家も黄さんと同じようにマンションでの生活でしたので、満月をのんびり眺めることはほとんどなく、また私たちの地方ではもうこの時期になると夜はかなり冷え込むので散歩したりする人もほとんどなかったと思います。ところで、日本では満月に浮かぶ影の部分が「餅をつくうさぎ」の形に見えるそうですが、中国では地方によっていろいろな言い伝えがあるようですが、私の聞いた話では「不老不死の薬を飲んで月に行き一人寂しい天女、そして林の中で木を切る男の人」であるというものです。特に天女については小さい頃にその物語も聞かせてもらった記憶があり、こちらは結構中国の広い地域で伝わっているようです。


中国の夏休み過ごし方

2015年07月18日 10時35分40秒 | 現中国語講師

今回は中国語担当の黄 雅婷講師と袁 悦講師に夏休みの思い出や、日本と中国の夏休みの過ごし方の違いなどについて語っていただきました。

Q:中国の小学校、中学校では夏休みの宿題はたくさんありましたか?

黄:中国の小・中学校の夏休みには、数学、国語、英語などの学科については、練習帳による復習をたくさんしなければなりませんでした。また、読書感想文や日記などの宿題もありましたので、毎日勉強してもかなりの日数を要することになり、のんびり過ごす時間はあまりありませんでした。また、中国では両親が共働きである家庭がほとんどですので、夏休みといっても両親と旅行したりする機会はほとんどなく、友人と公園のプールに行ったり、グラウンドで遊んだり、街に買い物に出かけたりすほかは、家で読書したりテレビをみたりして過ごすことが多かったです。そんななかで、特に印象に残っているのは、労働経験の実習をしたことです。これも学校の課題で行ったのですが、私は自分の住んでいるマンションの清掃活動を友人と毎日実施しました。毎日続けることは正直言ってつらいこともありましたが、たまにマンションの住人からほめていただいたりするととてもうれしい気持ちになり、それも励みになって継続させることができました。

袁:私は中学生の途中から日本で生活をするようになったので、中国と日本の両方で学校の夏休みを体験したのですが、やはり宿題は中国の方がたくさんありました。私は毎日頑張ってひとりで夏休み中に宿題を終えるようにしていましたが、友人たちの話によると一生懸命頑張っても宿題が終了しない人もいて、そんな人は両親に手伝ってもらったりしたということでした。また、中国では宿題だけではなく、補習授業をするため学校に行ったり、学習塾に通う人も結構いますので、夏休みといってもほとんど余裕のない生活を贈っていたのではないかと思います。そんななかでも、夏休みの期間中に一度は四川省に住む祖父母の家に行くようにしていました。祖父母の家は田舎暮らしでしたので、畑でとうもろこしやサツマイモの栽培や収穫をする手伝いをしたり、耕作用に飼育している牛と一緒に散歩したりして、このときだけはゆったりした時間を過ごすことができました。

Q:そのほか日本と中国ではどのような違いを感じましたか?

袁:私は日本に来てから中学校の合唱部に入ったのですが、夏休みになるとコンクールの発表を控えて猛練習の日々を過ごすようになりました。このように日本ではクラブ活動が熱心に行われているのですが、中国ではこのような芸術分野のクラブ活動はあまり学校にはないので、個人でどこかのサークルに入ったりしなければなりません。そもそも先ほども紹介したとおり、中国では宿題や補習授業などでかなりの時間を費やさなければならないので、クラブ活動自体が日本ほど熱心におこなわれておらず、そこに大きな違いを感じました。日本では宿題の中にも書道や工作など芸術分野の内容も結構あると聞いていますが、中国では数学、国語、英語などの分野について練習帳の問題を数多くこなすという内容がほとんどで、宿題の内容にも違いがあるように思えました。

黄:私は日本の学校生活を体験していないので、詳しいことはわかりませんが、中国では小学校や中学校から競争が激しいので、夏休みの宿題が多いだけでなく、補習授業なども含めて自主的に学ぶ時間がかなり多いのだと思います。ですから、高校生になるとこの傾向はもっと顕著になり、大学受験を控えてスケジュールがびっしりになり、テスト形式の問題を数多くこなすなど、学習内容もより実践的なものに変わり、ますます競争に追われるようで大変でした。あと、クラブ活動について言えば、現在学んでいる大学でも熱心に活動する学生は多く、大学生同士を比較しても中国より日本の方がクラブ活動は盛んであると思われますが、それは小学校、中学校の頃から日本ではクラブ活動が盛んなので、そうしたライフスタイルが身についているからなのかもしれませんね。