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死にぞこないの青

2009-11-28 | 邦画(さ・た)
 死にぞこないの青


  あらすじ 
気弱な小学6年生・マサオ(須賀健太)は、生き物係を取り決め
たことが原因で、新任教師の羽田(城田優)に嫌われてしまう。
それ以来、羽田はマサオを攻撃し続けクラスメイトたちもマサオ
をいじめるように。そんな中、マサオの前に傷だらけで、片目
片耳がつぶれた全身真っ青の不気味な少女・アオ(谷村美月)
が現れる。

【出演】
須賀健太
谷村美月
城田優
入山法子
瓜生美咲




  感想  ※ネタバレ注意

ホラー界の俊英・乙一が書き下ろした小説を、『ZOO』でも乙一
の原作に挑んだ安達正軌が大胆なアプローチで映画化。



ホラーかと思って観てみたら、全然違ったのが正直な感想です。

ある日突然、いじめの標的にされた少年の前に現れた片目
片耳がつぶれた全身真っ青の不気味な少女・アオが少年に
いじめた原因の先生に、復讐するように迫るというもの。

先生役には、城田優が見事にハマッてるなって思った。
冷酷な美形の先生ってあそこまで怖さが増すものなんですね。
全身真っ青のデスラー総統みたいなアオよりも、こっちの
方が怖かった。

ただ、須賀健太くんがいじめられ役にしては健康すぎる気が
してならない…ラストのアオとの感動(?)的な場面では彼は
活きるのだけど、この映画の本質ってそこではなくて、いじめ
という社会の問題提示も含まれていると思うので、いじめの
部分やいじめられるきっかけとか、もう少し内容を重くした
方が原作にあってるような気もします。

そういう状況ではじめて、アオという存在がホラー的な要素
として活きてくる気がするのですが、谷村美月のアオが、
あんまり怖くないのも少し問題かも(苦笑)。
特殊メイクとか頑張ってるんだけど、その顔立ちや演技が
恐怖感よりも、友情に似た親近感のようなものに変わって
しまっている…まぁ、最後のシーンを思えばそれが逆に良い
意味で良い話で終わっているので、原作は原作。映画は映画
として観れば全然問題もないとは思う。


【評価】
 (3.8点/5点満点中)