あらすじ
1979年の夏。オハイオの小さな町で保安官の父と暮らす少年
ジョーは、ある夜、仲間たち5人と家を抜け出し、8ミリ映画
の撮影に出かける。
だが、その撮影中に偶然、米軍の貨物列車の大事故に遭遇。
アメリカが絶対に秘密にしなければいけない、“何か”を撮影
してしまう。それは実は、アメリカ政府の指示によって秘密
軍事施設“エリア51”から“何か”を輸送する途中だったのだ。
少年たちが事故現場に落とした8ミリフィルムの空き箱を発見
した米軍は、極秘情報が何者かに目撃されたと判断して町中の
捜索を開始する。やがて、町では不可解な出来事が連続して発生。
犬たちが一斉に消え、9人が行方不明…。
さらに、事故現場から持ち帰った白い謎のキューブが不思議な
動きを始め、全てを目撃した少年たちは、真実を探しに行く
ことを決断する…。
【出演】
エル・ファニング
カイル・チャンドラー
ロン・エルダード
ノア・エメリッチ
ガブリエル・バッソ
ケイティ・ロウズ
ザック・ミルズ
感想 ※ネタバレ注意
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ×監督J・J・エイブラムス
がタッグを組んで贈るSF大作。
自主映画制作中の少年たちが米軍の極秘事項を撮影したことから
大事件に巻き込まれてゆく。
舞台となるのは、ちょうど少年だったJ.J.が8mm映画作りに
熱中していた1979年。そんなノスタルジックな空気の中で
ちょっと間が抜けているけれど、憎めない少年たちが偶然に
政府の秘密を知ってしまうというもの。
あの「E.T.」や「未知との遭遇」をミックスさせて、1つの町で
起こる騒動を描いたような作品で、J.J.とスピルバーグの
良いところを抽出したような、それでいて2人がSF映画に
強い思い入れがあるのが、わかるような内容です。
さすがは「クローバーフィールド/HAKAISHA」を作った監督なだけに
政府が追いかけ、町の住民や子供たちに不安をあたえている
ものの存在は最後まで明かさない。
正体がわかるまでは、ホラー映画のように観る者を驚かせる
演出がたくさんあるので鑑賞中は叫ばないように注意です(苦笑)。
この作品は、ノスタルジックな空気感とSF作品の集大成的な
要素だけでなく、この騒動に巻き込まれる住民と子供たちが
また個性的で、まるで「スタンド・バイ・ミー」や「グーニーズ」
に出てくるような子供たちなので、登場人物も魅力的です!
子供たちは、学校で発表する自主映画を作っているところから
物語は平行して進んでいくのですが、この子たちが作っている
映画がゾンビ映画っていうところが、また面白いですよね!
SF映画の中で、ゾンビ映画も描かれているなんて。
そんな子供たちが自主映画の為に、親には黙って無免許で車に
乗り、撮影場所を選んだのが夜の駅なのです。
そして、この駅で目の前でとんでもない貨物列車の事故が起こり
子供たちは巻き込まれてしまうのです。
事故直後、現れたのはアメリカ空軍。
地元警察は事故現場にも入れない異質な空気が漂います。
1人の子供の父親が警察官なのですが、その異様な状況に
町の住民も不安になり、独自で調べようとします。
この事故のモデルは、あのオハイオ州で起こった事故や
劇中でテレビのニュースでもスリーマイル島の…などと
言って、住民たちと同じく観客も最後まで正体がわから
ないので、色んなものを連想してワクワクドキドキと
飽きさせないです。さすがです。
そんな子供たちの人間関係も中々良いです。
主人公の男の子と、自分の母親の死に関係のある少女との
恋も良いのですが、男の子やその父親たちが、母親の死
から、本当の意味で立ち直るまでも描いているところが
ドラマチックでうまいです。
エンドロールの途中から、子供たちが作った自主制作のゾンビ
映画が完成したものが流れます!
席を立たずに最後まで観てくださいね、これも含めてのこの
映画のエンターテイメント性の高さがご覧になれます。
ほんと憎めない子供たちの姿に愛くるしさを覚えるくらいです。
映画 SUPER 8 予告編
【評価】
(4点/5点満点中)
SUPER8/スーパーエイト HP