Cinema Cafe ~シネマ・カフェ~

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クライマーズ・ハイ

2008-12-30 | 邦画(あ・か)
 




  あらすじ 
1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、
死者520人の大惨事が起こった。前橋にある北関東新聞社
では、白河社長の鶴の一声により、一匹狼の遊軍記者・
悠木和雅が全権デスクに任命される。そして未曽有の
大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。
さっそく悠木は県警キャップの佐山らを事故現場へ向かわせる。
そんな時、販売部の同僚で無二の親友・安西がクモ膜下
出血で倒れたとの知らせが届く…。

【出演】
堤真一
堺雅人
尾野真千子
高嶋政宏
山崎努




  感想  ※ネタバレ注意

「‥ジャンボが消えた!?」

1985年8月12日、群馬県御巣鷹山に日航123便が墜落した。
乗客乗員524名。うち生存者4名、死亡者数520名。

日本国内のみならず全世界に衝撃を与えた未曾有の悲劇。
事故を報じる記者たちは何を思い、どう行動していたのか
歴史的な大事故を横糸に、新聞社という組織の生々しい
人間関係を浮き彫りにしていく。



事故当時、地元紙の社会部記者として取材に奔走した経験を
持つ作家・横山秀夫が、17年の時をかけて書き上げた同名
小説を映画化。

御巣鷹山日航機事故の全権デスクに報道人としての使命感で
任務を遂行していく主人公を堤真一をはじめ、その他、脇を
固める俳優たち報道人っぷりの演技は見ごたえ十分!
やはり堤真一さんの演技は最高でした!それに堺雅人さん!
この人の演技もすごい!完全に2人とも一流記者でした。

事故現場の特定、事故原因の究明に混乱する現場。
そこからくる記者たちの苛立ちや思いが加熱する報道合戦。
映像からその当時の凄まじさが伝わってきました。

ラストの抜きによる「チェック、ダブルチェック!」
そこへ至るまでの、現場内でのかけひきは名シーンと呼ぶに
相応しいと思いました。



佐山が現場から帰ってきて書き上げた1文がすごい
印象的でした。
そこは地獄と言っても過言ではない惨劇の中で自衛官が
子供を抱きかかえているシーンが流れる。


若い自衛官は仁王立ちしていた。
両手でしっかりと小さな少女を抱きかかえていた。
赤いトンボの髪飾り 青い水玉のワンピース
小麦色の細い右手はダラリと垂れ下がっていた。

自衛官は天を仰いだ。
空はあんなに青いというのに
雲がぽっかり浮かんでいるのに
風は悠々と尾根を渡っていくのに

自衛官は地獄に目を落とした。
そのどこかにあるはずの
女の子の左手を探してあげねばならなかった‥。


その様子が本当に心に響いた一文。
気付いたら涙が出てしまっていた。

こういう映画を観てしまうと、何か今の自分がちっぽけに
見えて、こういう状況の中で生きられなかった人たちの
為にも自分たちは精一杯生きなくちゃと思ってしまう。

そんな思いにさせる文章や言葉の持つ力。
言葉を伝えることの難しさ。
それを人に伝えようとする思いも含め、改めてそういう
物事を伝える職業に就いている人たちのプロ魂に敬意を
表したい。

自分自身もブログやレビューを書いている人間として
もっと勉強して、いろんな言葉たちが人に伝わることの
大切さを学んでいきたいです。




【評価】
 (5点/5点満点中)

 クライマーズ・ハイ HP

奇才 ティム・バートン監督作品

2008-12-25 | 新作・特別メニュー
奇才 ティム・バートン


ゴシック、ホラー、ファンタジーなどを基軸とした彼、
独特の映像センスと登場キャラクターたちの個性豊かな
特徴が、独特のティム・バートンの世界観を作り出して
いて、それらをまとめるのが非常にうまい監督だと思います。

アニメーター出身らしく『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
や『シザーハンズ』『バットマン』などを観ていてもそれが
うかがえます。

さらに監督は、熱烈のゴジラファンで、制作現場にもよく顔を
出していて、監督の作品の中にもゴジラが出演したりと
その熱烈ぶりが伝わってくるから、何か嬉しいですね。

ティム・バートン監督には熱烈なファンも多いわけです。
ボクも好きな作品がたくさんありますし、いつも新作が出ると
聞くと楽しみにしてしまいます☆

そんなティム・バートン監督の作品をいくつか
取り上げてみましたので、参考までに…


 1989年 『バットマン』
Batman


 警察が腐敗しきっている無法都市ゴッサム・
 シティを舞台に悪に立ち向かうバットマンの
 活躍を描くアクション映画。
 ボブ・ケインの原作漫画の映画化。







 1990年 『シザーハンズ』
EDWARD SCISSORHANDS


 両手がハサミの人造人間が街で騒動を
 巻き起こす、そんな彼と少女との恋を切なく
 描くフアンタジー。

 今ではよくタッグを組む、ティム・バートン
 監督とジョニー・デップの初共演!

 ジョニー・デップが演じるエドワードが
コミカルにまた切ない恋を繰り広げる。
『シザーハンズ』は2人の共演作品の中で1番大好きな
作品です☆



 1992年 『バットマン・リターンズ』
Batman Returns


 バットマンの映画化第2弾。

 ゴッサム・シティに現れた謎の怪人ペンギン。
 彼はシティの実力者と手を組み、町を裏から
 支配しようと画策していた。そして彼の野望は
 やがて、バットマンの知るところとなった。
 しかしバットマンの前にキャット・ウーマンと
 名乗る新たな敵も現れ…。



 1993年 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
The Nightmare Before Christmas


 恐怖と怪奇に彩られた異世界で愛や優しさと
 無縁に育った青年が本当の愛に目覚める
 までを美しい音楽と映像でグロテスクかつ
 メルヘンチックに描いたファンタジー。


 ハリーハウゼンの流れを汲む従来の伝統的
 ストップモーション・アニメーション技法
に加え、最新のデジタル映像技法を取り入れ制作された作品。



 1999年 『スリーピー・ホロウ』
Sleepy Hollow


 『シザー・ハンズ』『エド・ウッド』から共演して
 いるジョニー・デップのとのゴールデン・コンビ
 によるゴシック・ホラー・ミステリー。

 原作はアメリカの古典ホラー「スリーピー・
 ホロウの伝説」。ティム・バートン監督ならでは
 のファンタジックでミステリアスな作品が
 展開されています。



 2003年 『ビッグ・フィッシュ』
Big Fish


 自分の人生をお伽話のように語る男と、
 彼の家族との絆を描いた感動作。

 どんな厳しい現実も、息子や周りの人の
 前ではおとぎ話のように語る父。
 そんな父に息子のウィルは憤りを感じて
 いた。

しかし、そのおとぎ話のような話の中に真実があり
やがてその真実を知る。



 2005年 『チャーリーとチョコレート工場』
Charlie and the Chocolate Factory


 5人の子供たちが不思議なチョコレート
 工場の世界を体験するファンタジー。

 ロアルド・ダールの世界的ロングセラー
 児童書『チョコレート工場の秘密』を
 映画化。

 今ではおなじみの監督・主演は、これが
4度目のコンビ作となるティム・バートン&ジョニー・デップ。



 2007年 『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』
Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street


 18世紀のロンドンに実在したと言われる
 伝説の人物、スウィーニー・トッドを主人公
 とした、英国では150年以上のロングランを
 誇るミュージカルの映画化。

 本作のセリフの半分以上が歌という本格的
 ミュージカルで、ジョニー・デップの見事な
 歌も堪能できるほか、ティム・バートン監督
のパートナーであるヘレナ・ボナム=カーターにもご注目を☆


ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛

2008-12-19 | 洋画(な・は)
 


  あらすじ 
ペペンシー兄妹の治めた黄金時代から1300年の歳月が流れた
ナルニア国。
かつて全能なる王アスランに祝福され、 生きとし生けるもの
全てが幸福に包まれていた魔法の国は、戦闘民族テルマール
人に征服され、もはや存在しない。
人間たちに迫害され生き残ったナルニアの民は森に逃れ、この
暗黒の世界に再び光をもたらす者の出現を待ち続けていた。
一方、テルマールの王宮では、亡き王の弟ミラースが正統な
王位継承者カスピアンの暗殺を企てる。
“伝説の四人の王”を呼び戻すと言われる魔法の角笛だけを手に
城から逃亡した美しき王子は、テルマール人が決して足を踏み
入れない森の奥深くでナルニアの民と出会う…。

【出演】
ジョージー・ヘンリー
スキャンダー・ケインズ
ウィリアム・モーズリー
アナ・ポップルウェル
ベン・バーンズ



  感想  ※ネタバレ注意

映像化不可能と言われていたC.S.ルイスが遺した壮大な
ファンタジーの名作を映画化し、全世界で社会現象を巻き
起こした『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』
その偉業を成し遂げたスタッフとキャストが再結集

ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 ペベンシー4兄妹は、暴君
 ミラースからナルニア国を
 奪還するために、正当な王位
 継承者であるカスピアン王子
 とともに、再び冒険を繰り
 広げる。
 第1章のスタッフと主要キャスト
 が再集結し、よりファンタジー
 あふれる映像世界を構築した。

 前作同様キャストのペベンシー
 4兄妹の成長ぶりとともに、この
第2章から登場するカスピアン王子を演じるイギリスの
若手俳優ベン・バーンズにも注目。



舞台は前作から1300年後のナルニア--

ナルニアでは1300年という年月だがペベンシー兄姉弟妹は
現代では、まったく時間が経っていない。
4人にはナルニアで大人として過ごした記憶があるため、
今作にてナルニアに戻った時に、以前のナルニアとの違いに
驚きを隠せない様子だった。
言葉を話す動物たちもいない、妖精や、半馬半人のセントール
半山羊半人のフォーンも木々たちは静まり返っていたので
ある。

それはナルニアでは好戦的なテルマール人と呼ばれる人間たちが
ナルニアを支配していたのである。そうサイヤ人みたいな(笑)。
そんな中、テルマール人の王位継承者カスピアン王子と、ナルニア
の人びとによるナルニア国の奪回がメインで物語が進んでいく。



前作の白い魔女も、出てきます。それに前作大活躍を見せた
アスランは!?
ってか、出てきたとしても1300年経ってるけど…ファンタジーの
世界では年月はほとんど関係ないんだね☆
アスランも好きだけど、今作から登場する剣の名手で誇り高き
ネズミの騎士「リーピチープ」がキュート!
プライドが高くて「かわいい」とか言われるといやがる
かわいいやつ(笑)。

第3作でもカスピアンの旅に同行するようだ。
そしてそのカスピアン王子は、もぅ王子って感じの好青年っぷり!
しかも男前ときたもんだから、王子の代名詞のような存在。

そんなカスピアンは「第3章:朝びらき丸 東の海へ」でも主要
人物のようです。
ペベンシー家のルーシーとエドマンドと一緒に、行方不明に
なった貴族たちを探す旅に出る。次の作品も非常に楽しみですね☆




【評価】
 (4点/5点満点中)

 ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 HP

アフタースクール

2008-12-17 | 邦画(あ・か)
 アフタースクール


  あらすじ 
母校の中学校で教師をしている神野と、サラリーマンの
木村は中学時代からの親友同士。産気づいた木村の妻を、
仕事で忙しい木村の代わりに神野が病院まで送りとどけた。
その日、夏休み中だが部活のため出勤した神野のもとに、
同級生だという探偵が訪ねてくる。島崎と名乗る探偵は
木村を捜していた。若い女性と親しげにしている木村の
写真を探偵に見せられた神野はショックを受け、なかば
強引に木村捜しを手伝うことになってしまう。



【出演】
大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人
田畑智子、常盤貴子
北見敏之、山本圭、伊武雅刀




  感想  ※ネタバレ注意

カンヌ国際映画祭等で数々の映画賞に輝いた『運命じゃない人』
から3年。内田けんじ監督作品というだけじゃなく、大泉洋、
佐々木蔵之介、堺雅人という舞台出身の実力・個性の強い役者さん
たちが集結。


母校の中学校で働く、人の良い教師・神野(大泉洋)のもとに、
かつての同級生だと名乗る怪しい探偵(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。
探偵は神野の親友で同じく同級生、現在は一流企業に勤める
サラリーマン・木村(堺雅人)の行方を追っていた。
心ならずも神野は木村探しに巻き込まれてしまう――

この物語の流れも面白そうだけど、やはりこの大泉洋、佐々木
蔵之介、堺雅人の3人が出てるのでそれだけでも観たいなって
思ってしまいましたね☆
この3人がいったいどんな風に演じるのか見ものです。

さらにこの作品では、中盤以降からのどんでん返しというか
「えっ!」って思わせる展開内容に十分楽しめると思います。
確かにはじめから怪しい部分はあったのに気づきながら、
見逃してました…完全にやられました(苦笑)。
でもこの場合のどんでん返しは好きなパターンかも☆

特に大泉洋が良い人の設定なのだが、ちゃんと本質を持った
人だから最後でも「うんうん」と思わせてくれる。

「お前がつまらないのは、
お前のせいだ。」


学校がつまらないんじゃない, つまらなくしているのはお前だ
という名言が、この映画のすべてにつながるのでは。

最後のエレベーターでの会話シーンのネタバレには、「えっ!
そうだったの!?」と楽しませてくれますよ☆




【評価】
 (4.5点/5点満点中)

 アフタースクール HP

ザ・マジックアワー

2008-12-15 | 邦画(さ・た)
 


  あらすじ 
港町・守加護でクラブ「赤い靴」の支配人を任されている
備後は、ギャングのボス・手塩の情婦・マリに手を出したのが
バレて大ピンチ。5日以内に幻の殺し屋・デラ冨樫を探し出して
連れて来なければ命はないと脅される。
が、デラの居場所に皆目見当もつかない備後は替え玉を仕立てる
苦肉の策に出る。そこで白羽の矢が立ったのが売れない俳優・
村田大樹。
主演映画を撮りたいと村田を騙し守加護へ連れて来るのだった。

【出演】
佐藤浩市
妻夫木聡
深津絵里
綾瀬はるか
西田敏行




  感想  ※ネタバレ注意

暗黒界マフィアのボスの愛人に手を出した男が、命を助けて
もらう代償に伝説の殺し屋を探し出すコメディー・ドラマ。
映画監督のふりをして無名の俳優を幻の殺し屋に仕立て上げ、
撮影と思い込み殺し屋に成り切る俳優に佐藤浩市、その俳優を
だます若者に妻夫木聡。
うそと思い込みが巻き起こす騒動を面白おかしく、絶妙な
三谷幸喜監督の脚本が光る。



題名の「マジックアワー」とは
夕暮れ時のほんの一瞬、世界が一番美しく見える瞬間のこと。

日本を代表する美術監督・種田陽平が手がけた見事な舞台
「つくりものの街」(エンドロールで作り上げている映像が
流れます。)で、繰り広げられるまるで演劇のような世界観で
あの佐藤浩市の本人はマジメにやってるのだが、観てる方は
事実を知ってるわけで、その食い違いからくるお茶目っぷりが
最高☆
実際のギャング同士の撃ち合いで、撮影と思い込んでいる
佐藤浩市が笑い転げながら撃ち合っていたシーンは思い出した
だけで笑えます!!
その他にもボスの机の上に乗って「オレがデラ冨樫だ。」と
いうシーンも最高です(笑)!
中盤から最後にかけて、少し無理のあるシーンも出てきます
けど、全然楽しめますよ!

他にも中井貴一、唐沢寿明ら主演級の豪華な役者が所々に登場
するあたり三谷幸喜監督の人脈のすごさがうかがえますね。
ちなみに映画『THE 有頂天ホテル』にも出演した只野憲二役
演じる香取慎吾が1シーンだけ登場してます。



この映画には、名作旧作のオマージュがテンコ盛り。
劇中の中で映画として登場する「カサブランカ」をパクッた
「暗黒街の用心棒」、故市川崑監督の「黒い十人の女」を
もらった「黒い101人の女」では、生前の市川監督の演出ぶり
が見られ、深津絵里が三日月に乗って歌うシーンでは、
見覚えがあるなぁ~と思ったら「ギター弾きの恋」で、曲は
ショーン・ペンがサマンサ・モートンに歌った「アイム・フォーエバー
・ブローイング・バブルス」といったこの映画の世界観を
作っていた。


【評価】
 (5点/5点満点中)

 ザ・マジックアワー HP

リボルバー

2008-12-14 | 洋画(ら・わ)
 リボルバー


  あらすじ 
罠にはめられ投獄された凄腕ギャンブラーのジェイクは、
獄中でギャンブルの究極のテクニックを会得。
出所後、カジノ王・マカから大金を巻き上げて恨みを
晴らす。逆上したマカはヒットマンを雇い、ジェイクを
抹殺するように命令するが、ザックとアヴィの二人組に
よってジェイクは救われる。
二人は彼を匿うことを条件に、全財産を渡すことを要求。
さらに、血液の病気で余命が3日であることを宣告するの
だった…。

【出演】
ジェイスン・ステイサム
レイ・リオッタ
ヴィンセント・パストーレ
アンドレ・ベンジャミン
マーク・ストロング




  感想  ※ネタバレ注意

出所したすご腕ギャンブラーを中心に、暴力的なカジノ王、
2人組の詐欺師、情緒不安定なヒットマンらの運命が交錯する
スタイリッシュ・アクション。



ジェイスン・ステイサムが出演しているというだけで、注目
してしまうのだけど‥この映画は、はっきり言ってボクには
合わなかったというよりも意味があまりわからなかった。

謎めいた登場人物たちと、先の展開が読めないところは
良かったけど、アニメーションを加えた映像や後半の主人公が
ずっと自問自答を繰り返し、最後には敵味方関係なく自己崩壊
していくような展開は、現実なのか妄想なのか区別もつきにくく
何を見せたいのかわからなかった。

個人的に好きなのは、殺し屋のソーターが女の子を虐待する
ギャングに切れて、ひとりで十数人のギャングたちを手際よく
次々に射殺してゆく場面が良かったかな。


【評価】
 (3.5点/5点満点中)

 リボルバー HP

僕のピアノ コンチェルト

2008-12-13 | 洋画(な・は)
 


  あらすじ 
別世界から来たような天才児、ヴィトス。初めて買った
おもちゃのピアノで「ハッピー・バースデー」を弾きこなし、
幼稚園で地球温暖化について語り、お遊戯そっちのけで
辞書を読みふける。IQは高すぎて計測不能だった。
そんなヴィトスに両親は輝かしい未来を夢見ていた。
ヴィトスに高い教育を受けさせるために仕事を始めた母に
代わり、ベビーシッターのイザベルが雇われた。
嫌がるヴィトスだが、やがてイザベルに恋するように。

【出演】
テオ・ゲオルギュー
ブルーノ・ガンツ
ファブリツィオ・ボルサーニ
ジュリカ・ジェンキンス
ウルス・ユッカ




  感想  ※ネタバレ注意

まるでモーツアルトのような天才少年ヴィトス。
神童として親、周りの大人の大きな期待を一身に受ける
、天才少年の早熟な恋と苦悩を描いた物語。

フレディ・M・ムーラー監督の子供時代でもあるそう。
このヴィトスを演じたテオ・ゲオルギュー本人は9歳にして
天才と言われるまさに現代の神童そのもの!
ピアニストと呼ばれ、ヨーロッパ各国で演奏をしているらしく
映画のラストで観られるオーケストラをバックにした演奏も
本人の実演というから驚きです。まさに神童。



ヴィトスという神童が生まれた事により、周囲が期待する
あまり教育熱が加速する母の思いはわからないでもない。
なんせ、このヴィトスの神童っぷりといったら、音楽だけで
なくIQは計測不能で飛び級で高校に通い、株式相場を裏で
操るくらいの凄腕なのだから…

「いつまで閉じこもるの!?」「・・・大人になるまで・・」


しかしそれが災いして、親の期待が過剰なために彼は「普通」
の人間に憧れてしまい、大好きなおじいちゃんの一言を
きっかけにある行動を起こします。

「他の人になりたい、もっと普通の人になりたい」



この映画で良いなぁ~って思えるのは、『ヒトラー ~最期の
12日間~』でヒトラー役を演じた名優ブルーノ・ガンツが演じる
祖父役が良いです☆
孫にとって最高のおじいちゃん像になってます!

それに加え大人でさえ全員騙してしまうヴィトスの神童っぷりが
また爽快!子供の口から数々の名言も飛び出します。
「お金に働いてもらった」やイザベルとの食事のシーンなんて
普通少年の口から出るような言葉じゃないけど、逆にヴィトス
らしくて、実際にいたら憎たらしいのでしょうが、何か憎めない
かわいらしい。
そんな神童少年と風変わりなおじいちゃんコンビが最高。

最後の二人のやりとりも良かった☆
そしておじいちゃんから、ヴィトスにヴィトスの両親に向けて
手紙が渡ります。そこからのヴィトスの行動は見物でした。

心は子供のままのヴィトスが、イザベルへの恋心や祖父との
暮らしから成長し、ひとつひとつ大人に近づいていき
天才として生まれた自分を偽らない生活へと向き合っていく…
映画の中で使われる音楽も良いものばかりで、演じた役者さんも
良かった☆
ラストのオーケストラのシーンは本当にすごいですし、この映画
の最後はやっぱりハッピーエンドでなくてはと思いました。
ヴィトスならその後、イザベルともうまくやってしまいそうな
感じがしますしね。


【評価】
 (4.5点/5点満点中)

 僕のピアノ コンチェルト HP

奇跡のシンフォニー

2008-12-08 | 洋画(あ・か)



  あらすじ 
両親が必ず迎えに来ると信じながら養護施設で暮らしていた、
孤児のエヴァン。鋭い音感を持つ彼は、ある日、不思議な音に
導かれるようにNYのマンハッタンへと向かう。
そこで“ウィザード”と名乗る男にギターを習い、ストリート
ミュージシャンとして音楽の才能を開花させていく。
一方結ばれぬまま別離したエヴァンの母ライラと父ルイスも、
それぞれの想いを胸にマンハッタンを目指し…。

【出演】
フレディ・ハイモア
ジョナサン・リース=マイヤーズ
ケリー・ラッセル
テレンス・ハワード
ロビン・ウィリアムズ




  感想  ※ネタバレ注意



天才的な音楽の才能を持つ孤児の少年エヴァン、彼と意図
せず離れ離れとなってしまったチェリストの母ライラと、
元ミュージシャンの父ルイス。
それぞれがそれぞれの想いを抱きながら、運命の再会を
果たすために奔走するドラマ。
主演は「チャーリーとチョコレート工場」のフレディ・ハイモア。

はじめのフレディ・ハイモア演じるエヴァンが、児童福祉局の
人との面会のシーンで、ありがとうと涙するシーンがあり特別に
連絡先の書いた名刺を渡すのだが、あんな子ばっかりだったら
全員に渡してしまいそうだった(苦笑)。

-心に響く音楽に従った。

この映画は、エヴァンという神童が巻き起こすファンタジックな
面も合わせもっているけど、ライラとルイスの出逢いから
音楽があわせもつ奇跡を描いた映画だなって思いました。



個人的には、ロビン・ウィリアムズがあんな役をするなんて
意外で、実は最後は良い人になって終わる役になるんだろう
なって期待は、ことごとく敗れ去った(苦笑)。

フレディ・ハイモアくんが演奏する、押尾コータローなみの
ギターの弾き語りシーンは、弾いていないのはわかってるけど
うまく演技していたと思います♪

もし、この映画のフレディ・ハイモアくんの演奏ですごいと
思った人がいるなら、是非押尾コータローの演奏を見てください。
ボクが尊敬するギタリストで、あの演奏そのものというか
それ以上です。
実際に映画で使われていた曲調は、すごい押尾コータローの
楽曲に似てたような気もしました。

さすが音楽を題材に使った映画だけあって、劇中に使われていた
曲はどれも良かったです♪
もし気に入った人がいたら、サントラは劇中で使われたものを
収録したものになっているそうですのでオススメです。

3人が近くにいるのに、中々出会わないのだが、すべての点が
ひとつの線になって最後のラストシーンに結びつく時は中々の
感動ものでした☆

世の中には天才は確かにいます。
エヴァンは、6ヶ月であんなにうまくなるんだから地道に
やってるボクとしては、やってられないなぁ(苦笑)。
でも音楽って良いですね、音楽を通して通じ合えるのだから。
ボクもサボってないで頑張ろう(苦笑)。




【評価】
 (4点/5点満点中)

 奇跡のシンフォニー HP

12月26日公開 「ミラーズ」 鏡の中に何かいる。

2008-12-07 | 新作・特別メニュー




  ミラーズ 12/26(金)公開


 ストーリー
同僚を誤って射殺してしまい停職処分になった元警官の
ベンは、荒廃したデパートの夜警の仕事に就くが、そこの
“鏡”に触れたことから、絶望的な恐怖を経験する。
鏡に浮かぶ謎のメッセージ、不可解な連続死、そして家族
を脅かす死の恐怖…。
“鏡”にまつわる過去の怪事件を探るうち、一人の少女の
存在が浮かび上がる…。

【キャスト】
キーファー・サザーランド
ポーラ・パットン
エイミー・スマート

 ミラーズ HP




『ハイテンション』『ヒルズ・ハブ・アイズ』で世界中から物議を
呼んだ、ホラー・スプラッター界の新星アレクサンドル・アジャ
監督が、韓国ホラー『Mirror 鏡の中』をリメイク。
主演はあの人気ドラマ「24-TWENTY FOUR-」のキーファー・
サザーランドが演じることで、注目されています。

部屋の中、洗面所やお風呂場‥自分を映す鏡は、日常にたくさん
ありますよね。
そこに映る自分が映っている行動と違う行動をとっていたら‥!?


タレントの若槻千夏さんがPRしてましたよね。
結末の予想が的中率0%というキャッチコピーもありましたけど
意外なラストに仕上がっているのでしょうか。
予告を見ただけでも、ホラーだけでなく、ミステリーサスペンスの
要素もあるみたいなので、面白そうかなって思いました。


アメリカでは、大人気シリーズの映画「ソウ5」の上映前の特別
映像で、あまりのショッキングな映像の連続で本編前の特別映像が
R-15指定での上映となる程だとか‥それは初めての事らしいです。

確かに予告を観た時は恐いというか、痛い‥(苦笑)映像の連続だった‥
アメリカのホラー映画って、湿っぽい恐さよりも、痛々しい映像の
方が多いから、目を覆ってしまって肝心の内容が頭に入らなかったり
するかもしれませんね(苦笑)。
予告はホームページで観られます☆

鏡には近づくな-。

日本が生んだ怪盗 『K-20 怪人二十面相・伝』

2008-12-06 | 新作・特別メニュー





  K-20 怪人二十面相・伝 12/20( 土)公開


怪人二十面相は誰だ!?

 ストーリー
1949年、帝都。社会は、19世紀から連綿と続く華族制度によって
富める者と貧しき者の二極化がなされていた。
曲芸手妻師・遠藤平吉は、小さなサーカス小屋で人気を博していた。
サーカス団のメンバーは、皆貧民街で暮らす人々だ。羽柴財閥の
跡取り・羽柴葉子は、名探偵・明智小五郎との結婚を間近に控えて
いた。そんな折、二十面相から羽柴家へ一通の予告状が届く。
「結納の儀、当日。羽柴財閥が持つ、ブリューゲルの『バベルの塔』を
頂戴する」と。一方、平吉はある紳士から、葉子と明智の結納の儀に
潜入し、写真を撮ってほしいとの依頼を受ける。
報酬に魅力を感じた平吉は了解するが、それは二十面相の罠だった…。

【キャスト】
金城武 、松たか子 、仲村トオル

 K-20 怪人二十面相・伝 HP



江戸川乱歩の小説に登場する怪人二十面相の真相に迫った、北村
想の「怪人二十面相・伝」を映画化。
監督は『アンフェア the movie』で脚本を担当した佐藤嗣麻子。
脚本協力・VFX協力として『ALWAYS』シリーズの監督、山崎貴も
参加しているので、架空の日本を描いているが映像も楽しめるかも☆

 この映画の舞台は、第二次世界大戦が
 回避されたパラレルワールドの
 日本を設定しており、19世紀から
 続いている華族制度によって
 生まれた極端な格差社会が人々を
苦しめている。
その格差社会の中において富裕層のみをターゲットとした
怪人二十面相。
仲村トオル演じる名探偵・明智小五郎。
そして偽の怪人二十面相に仕立て上げられたサーカス団のエース
遠藤平吉を金城武が演じる。
 
遠藤平吉は警察に捕まり、そのぬれぎぬを果たす為、サーカス団の
天才からくり師・源治の作り出す小道具を駆使し、ホンモノの怪人
二十面相を追う。

K-20 怪人二十面相・伝 K-20:Legend of the Mask 予告


 怪人二十面相とは--


怪人二十面相は、江戸川乱歩の少年向け探偵小説『少年探偵団』
シリーズに登場する大怪盗のことで、名探偵明智小五郎ひきいる
少年探偵団のライバル。

変装の天才で、腕前は「賊自身も、ほんとうの顔をわすれてしまって
いるかも知れない」ほどで、血を見るのが嫌いで殺人はしない。


そして原作とこの映画の登場人物を見て気になる点があります。
原作での怪人二十面相の本名は遠藤平吉で、元々グランドサーカス
団というサーカス団の団員ということ。
笠原太郎という団員と二代目団長の座を争ったが、争いに敗れて
サーカス団を去り、その後怪人二十面相へと変貌を遂げる。



遠藤平吉がどのような経緯で怪人二十面相になったのかは、原作
では語られていないようで、もしかしたらこの映画では
架空の日本の中で、怪人二十面相がどうやって、怪人二十面相に
なったのかを描くのかもしれませんね。
あくまで予想ですけどね。。

試写会で、ネタバレをしないようにスタッフ・キャスト一同が念押し
していたらしく、観るまではお楽しみという事☆
でも予告を観ていても、アクションもすごそうだし、エンターテイメント
映画としては、今年最後の日本映画として良い作品かもしれません。
主題歌はあのオアシスが提供した「ショック・オブ・ザ・ライトニング」
という力の入れようです♪

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